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第3章 淫武御前トーナメントの章
21話 2対1
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21話 2対1
マモンは言葉通りにゲームを楽しんでいる。焦ってバイブ音を鳴らして倒しにくるでも無い。遊んでいる……?
マロッグからの攻撃を避けながら、ナツキは思案する。
鳴らしてくるとはいっても、テレビゲーム感覚で、マロッグを援護するように快楽バイブ音を鳴らしてくるに過ぎなかった。
――なるほど。
この特異な状況をオネエに気付かれないように配慮しているのか。
「これならどぉおお女王様ああああああああああっ!!?」
――んッ。
舌8本、肉棒1本の計9本の触手による猛攻撃。
ブンッブンッブンッブンッ!
ナツキの肌が風に波打つ勢いで、触手を振り回してくる。
9本の触手は目で追いきれない速度ではあった。
だが振り回している男は1人。一歩下がれば直線的で単調な攻撃でしかない。
ただ際どく避けると、――ッう。
狙ったようにビィインッ、と快楽を流しこまれて、身体の芯に電気が通ったような感覚に襲われてしまう。
快感音波だった。しかし最高出力ではない。
あくまで微弱な刺激でしかなかった。
だからこそマモンの狙いが分からなくなる。
忘れたタイミングや、不意を突くタイミングではある。
それでも流れてくるテレパス音波による愛撫は、どうということはない。
マロッグの攻撃が回避出来ない何て事もない。遊んでくれるならそれに越したことはないし、その方が好都合。いきなり防戦一方の試合運びを始めたんだ、オネエも異変に気付き始めているだろう。
「ほらあああああああっ! 戦う気あるのぉおおお!? にげてばっかりでぇ!」
(うるさいなっ、こっちの気も知らずに……)
小金井から始まっての連戦続き、体力が無限にあるわけでも無い。
ナツキの心情的には、出来るだけ早めに知らせたいところではあった。
長引けばいたずらに時間を使わされているような気にもなってくる。
終わりの見えない不安だって浮かび始める。
無駄に長引いたら、蛙男に捉えられたとしても違和感を与えられないんじゃ……。
不安が疲労を強めて、流れてくるバイブ音波の刺激を強く感じさせてくる。
それに加えての音の蓄積。頭の中に残響が残っている状態で音を重ねられると、余韻との相乗効果まで現れ始めていたのだ。
「動きが鈍ってきたぁ、あはぁ、はぁ……あははぁ♥ ねぇ女王様ぁ……」
女王と下僕。蛙男との間では優劣が付いている。
聞かされたことはあったが、どうやら淫魔は性的に完膚なきまでの優劣がつくと、力を発揮できないようだ。
それもあって体力は削られても、回避に難は無かった。
――少なくとも、ついさっきまでは。
ビュンッ、ビュンッ、ビュンッ、ビュンッ! 乱打の回避とバイブ音による疲労からか、避けることにすら余裕がなくなってきていて、舌が目の前を通っていくとヒヤヒヤさせられていた。
頬を掠めると背筋が冷えて、ゾクンと悪寒させられる。
蛙男の見た目も相まって、視界に入るだけで動悸がしてきた。
舌が動く度にゾクゾクと寒気が走りだす。
このままだと遅かれ早かれ直撃する。
オネエが異変に気付かないなら、別な手を講じるしかない。
だからと言って、一瞬で勝利をもぎ取るような術は持ち合わせていない。
少なくとも、マモンが見守っているこの状況では厳しい。
ただ、休憩を取るのに最適で、オネエに異変を気付かせるのにベストな術はある。
打ち込んだ後にマモンに何をされても優位にしか運ばない術が――。
――大太刀を使っての影縫い。
マロッグの背後にある影目掛けて大太刀を突き刺す。
影縫いを打ち込みさえすれば、その後マモンがどんな手を使ってきたとしても、決勝トーナメント1回戦、大将戦はドロー。
そうなれば仕切り直し。未だに気付く様子さえなくお茶を啜る鈍感なオネエが、2回戦進出を決めてくれる。
「ベローーーーーーーーーーーーーーーンッ!」
狙ったとおりのタイミングで舌が迫ってきた。それを避け、巨大な軟体の隣を横切り、ナツキはマロッグの影目掛けて刀を突き刺した。
「ンァアアアアアアアアアアアアアアアアア゛ア゛ッ!?」
絹を裂いたような悲鳴が響く。反撃に打って出ようとしたナツキの声だった。
予兆無しに脳内に快楽電気を流し込まれてしまったのだ。
想像さえしていなかった突然の激感に、ナツキはマロッグを横切ったままに倒れてしまい、電気ショックの余波そのままに尻をピクピク震わせ続けている。
踏まれた蛙のようにコートに抱きついて、タイルにキスをしたまま、痙攣以外の動きを失ってしまっていた。
「ハァ、が゛……ア、…………う、はぁ、あ…………アゥ…………ァ…………」
な、なに、……ぃ、が…………お、お、起き、おき、た……。
お、音、波……ぁ、あ…………、…………な、の……。
電気を纏ったバイブを捩じ込まれたような激感を、すぐには理解出来なかった。
音と言われても納得出来ない破滅的な刺激だった。
頭の中の水分がビリビリと感電させられて、指の先にまで電気が帯びている。
意識障害を起こしてしまったのか、言葉も上手く出せない。
「あーーあっ、マロッグがやられるーって思って最高出力出しちゃった」
「まんこピクピクさせながらぁ……、しょんべん漏らして飛んでるよぉお? 舌も垂らしたままぁ。これぇ……、死んでるよねぇえ、え……?」
「ジャッジがコールしてないから死亡扱いじゃないみたい。はぁーーーあっ、せっかく愉しんでたのにやっちゃったー。壊れちゃったかなー?」
「マモン、お、犯しちゃっていイィイ!? お、犯しちゃってもい、いぃい?♥ 壊れててもいいから遊んでも良いぃいいい?♥ ねぇいいでしょぉお……ねぇ」
「いいよ。死なれたら利用できなくなるから、出来たら殺さないでね。もう立てもしないと思うけど油断だけはしないようにーねー」
「完全に堕としてもいいんだねぇへへへへぇ♥ ぼくなしじゃだめにしていぃいい!? 試合終わる前に肉奴隷懇願させていぃいいいいいい!?」
「いいよー。仮眠取るから起きるまでには敗北宣言させておいてー」
身体中の血液が電気を帯びてショートしたままのナツキを、肉人形に変えるが為の調教が、今開始されるのであった。
マモンは言葉通りにゲームを楽しんでいる。焦ってバイブ音を鳴らして倒しにくるでも無い。遊んでいる……?
マロッグからの攻撃を避けながら、ナツキは思案する。
鳴らしてくるとはいっても、テレビゲーム感覚で、マロッグを援護するように快楽バイブ音を鳴らしてくるに過ぎなかった。
――なるほど。
この特異な状況をオネエに気付かれないように配慮しているのか。
「これならどぉおお女王様ああああああああああっ!!?」
――んッ。
舌8本、肉棒1本の計9本の触手による猛攻撃。
ブンッブンッブンッブンッ!
ナツキの肌が風に波打つ勢いで、触手を振り回してくる。
9本の触手は目で追いきれない速度ではあった。
だが振り回している男は1人。一歩下がれば直線的で単調な攻撃でしかない。
ただ際どく避けると、――ッう。
狙ったようにビィインッ、と快楽を流しこまれて、身体の芯に電気が通ったような感覚に襲われてしまう。
快感音波だった。しかし最高出力ではない。
あくまで微弱な刺激でしかなかった。
だからこそマモンの狙いが分からなくなる。
忘れたタイミングや、不意を突くタイミングではある。
それでも流れてくるテレパス音波による愛撫は、どうということはない。
マロッグの攻撃が回避出来ない何て事もない。遊んでくれるならそれに越したことはないし、その方が好都合。いきなり防戦一方の試合運びを始めたんだ、オネエも異変に気付き始めているだろう。
「ほらあああああああっ! 戦う気あるのぉおおお!? にげてばっかりでぇ!」
(うるさいなっ、こっちの気も知らずに……)
小金井から始まっての連戦続き、体力が無限にあるわけでも無い。
ナツキの心情的には、出来るだけ早めに知らせたいところではあった。
長引けばいたずらに時間を使わされているような気にもなってくる。
終わりの見えない不安だって浮かび始める。
無駄に長引いたら、蛙男に捉えられたとしても違和感を与えられないんじゃ……。
不安が疲労を強めて、流れてくるバイブ音波の刺激を強く感じさせてくる。
それに加えての音の蓄積。頭の中に残響が残っている状態で音を重ねられると、余韻との相乗効果まで現れ始めていたのだ。
「動きが鈍ってきたぁ、あはぁ、はぁ……あははぁ♥ ねぇ女王様ぁ……」
女王と下僕。蛙男との間では優劣が付いている。
聞かされたことはあったが、どうやら淫魔は性的に完膚なきまでの優劣がつくと、力を発揮できないようだ。
それもあって体力は削られても、回避に難は無かった。
――少なくとも、ついさっきまでは。
ビュンッ、ビュンッ、ビュンッ、ビュンッ! 乱打の回避とバイブ音による疲労からか、避けることにすら余裕がなくなってきていて、舌が目の前を通っていくとヒヤヒヤさせられていた。
頬を掠めると背筋が冷えて、ゾクンと悪寒させられる。
蛙男の見た目も相まって、視界に入るだけで動悸がしてきた。
舌が動く度にゾクゾクと寒気が走りだす。
このままだと遅かれ早かれ直撃する。
オネエが異変に気付かないなら、別な手を講じるしかない。
だからと言って、一瞬で勝利をもぎ取るような術は持ち合わせていない。
少なくとも、マモンが見守っているこの状況では厳しい。
ただ、休憩を取るのに最適で、オネエに異変を気付かせるのにベストな術はある。
打ち込んだ後にマモンに何をされても優位にしか運ばない術が――。
――大太刀を使っての影縫い。
マロッグの背後にある影目掛けて大太刀を突き刺す。
影縫いを打ち込みさえすれば、その後マモンがどんな手を使ってきたとしても、決勝トーナメント1回戦、大将戦はドロー。
そうなれば仕切り直し。未だに気付く様子さえなくお茶を啜る鈍感なオネエが、2回戦進出を決めてくれる。
「ベローーーーーーーーーーーーーーーンッ!」
狙ったとおりのタイミングで舌が迫ってきた。それを避け、巨大な軟体の隣を横切り、ナツキはマロッグの影目掛けて刀を突き刺した。
「ンァアアアアアアアアアアアアアアアアア゛ア゛ッ!?」
絹を裂いたような悲鳴が響く。反撃に打って出ようとしたナツキの声だった。
予兆無しに脳内に快楽電気を流し込まれてしまったのだ。
想像さえしていなかった突然の激感に、ナツキはマロッグを横切ったままに倒れてしまい、電気ショックの余波そのままに尻をピクピク震わせ続けている。
踏まれた蛙のようにコートに抱きついて、タイルにキスをしたまま、痙攣以外の動きを失ってしまっていた。
「ハァ、が゛……ア、…………う、はぁ、あ…………アゥ…………ァ…………」
な、なに、……ぃ、が…………お、お、起き、おき、た……。
お、音、波……ぁ、あ…………、…………な、の……。
電気を纏ったバイブを捩じ込まれたような激感を、すぐには理解出来なかった。
音と言われても納得出来ない破滅的な刺激だった。
頭の中の水分がビリビリと感電させられて、指の先にまで電気が帯びている。
意識障害を起こしてしまったのか、言葉も上手く出せない。
「あーーあっ、マロッグがやられるーって思って最高出力出しちゃった」
「まんこピクピクさせながらぁ……、しょんべん漏らして飛んでるよぉお? 舌も垂らしたままぁ。これぇ……、死んでるよねぇえ、え……?」
「ジャッジがコールしてないから死亡扱いじゃないみたい。はぁーーーあっ、せっかく愉しんでたのにやっちゃったー。壊れちゃったかなー?」
「マモン、お、犯しちゃっていイィイ!? お、犯しちゃってもい、いぃい?♥ 壊れててもいいから遊んでも良いぃいいい?♥ ねぇいいでしょぉお……ねぇ」
「いいよ。死なれたら利用できなくなるから、出来たら殺さないでね。もう立てもしないと思うけど油断だけはしないようにーねー」
「完全に堕としてもいいんだねぇへへへへぇ♥ ぼくなしじゃだめにしていぃいい!? 試合終わる前に肉奴隷懇願させていぃいいいいいい!?」
「いいよー。仮眠取るから起きるまでには敗北宣言させておいてー」
身体中の血液が電気を帯びてショートしたままのナツキを、肉人形に変えるが為の調教が、今開始されるのであった。
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