【R-18】『対魔のくノ一・ナツキ』~人間、忍者、魔物から犯され、セックス依存になるまで堕ちる少女~

文々奈

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第2章 忍の章

22話 茂の目的

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 訳が分からないままナツキがぽかんとしていると、茂を劣化させたような身体をした男、――ガキ大将をそのまま中年にさせたような男、タケヤンに抱き締められた。


「く、くるし、いっ――ドンッ! ――……ちょっと、私のこと嵌めたでしょ」

 
 タケヤンを突き飛ばして問い詰める。

 
「チビの癖になんつう力だっ……」

 
「チビじゃない、このデブ」

 
 屈服宣言はしなかった。しかし、宣言しても、しなくてもタケヤンにやられる羽目になっていた、そうタケヤンから言われたのだ。
 とても納得できない。
 しかもその順番はじゃんけんで決まっていたのだと言う。
 さっきまで愛撫を尽くしてきたノビオを、チラッ、と見るも、まるで何事もなかったようにカメラをメカニックな手つきで弄くっている。チラチラこちらを見てくるが、照準を合わせている姿はやられることに抵抗があるようには見えない。


 ――こっちはそれどころじゃないのに。


 突然降ってきたように生まれた感情の高鳴りによって気が気じゃない。
 ――なんか凄く嫌なんだけど。いや……そもそもこの感情って、とってつけられたものじゃないの……? 3人の中でマシとはいっても、瓶底眼鏡おじさん。好きになるはずが……ない……。それに……。
 淫魔――。このワードを、ガラスを引っ掻いたように人を不快にさせる高い声の主が口にしていた。おそらく見た目的に考えてもキツネ目のトンガリ男だろう。
 もしこの3人が淫魔だとしたら、ノビオに恋堕ちしてしまったのも仕方がない。
 はっきり言って、淫魔の力は人間の力を超越している。
 忍びの力さえをも凌駕している。

 しかし、偽物の感情と言い聞かせても、なかなか感情をコントロール出来ない。
 どうにもこうにもざわつく心を静められない。
 淫魔の種を植えられた榎本君が、溶かされ、あげく吸収されるのを目の当たりにしたばかりで、その動揺が残っているのもあるかも知れない。
 こいつらが同じ運命を辿る想像が目に浮かぶからかも知れない。


「お前達は……3人とも淫魔なの?」


 ノビオには聞かず、突き飛ばして座りこんだままのタケヤンに聞いた。
 どうせ答える気は無いだろうけど。


「あぁ淫魔だぞ。オレもノビオもスネ吉も淫魔見習いだけどな。――榎本と同じで力が無かった俺らは新しい頭領に救われたんだよ。おかげで今はこういうことも出来るんだ」


 言ったタケヤンの手がドロッ、と溶けたかと思うと元に戻って液体と固体の間を行き来している。
 榎本君の不幸を思い出し、このまま溶けて茂に吸収されるのかとも困惑した。
 ただ、この程度なら忍術としても成立するレベルではある。
 樽男の肉分裂や、茂の肉融合とかと比べればの話だが。


 しかし凄く違和感がある。
 能力を発揮する手の平とこちらの目を交互に見てくる様子は、ずっと欲しかった玩具を買ってもらえて、見せびらかしてくる子どものような無邪気なものだった。
 茂に身体を奪われるリスクがあるのになんて呑気な顔なんだ。
 あまりにも無邪気過ぎて、分かったからもう見せびらかさなくて良いよ、とすら言いにくい顔だった。


(――私だったら気が気じゃない。いつ茂の身体の一部にされるか分からないなんて、耐えられない)


 力を必要とされる家系で力がなく生まれてきた訳じゃないから、後天的に力を得た奴の気持ちは分からないけど……。
 しかし、恐怖さえ感じさせない、屈託のない笑みを浮かべているな。
 そこまで嬉しいものなのか……?


 ――……まさか。


 こいつら身体を奪われるリスクを知らないのか?
 いや、榎本君も知らなかったんだ。
 知らなくても何ら不思議ではない。


「タケヤンって言ったよね。――怖くないの?」


「変幻自在で、驚異的な右手のことか? 言っておくけど、右手だけではない。そんなちっぽけな、力じゃない。はっきり言って、ノビオの能力よりも――」


 絶対聞かされていない。それがよく伝わる得意を通り越した声だった。
 しかも、オタク特有の自分の特化している話になる時の饒舌を、意思疎通を重視して無理にテンポを抑え込んでいる。一見するとロボットのような喋り方。


 ――なんて男だ古賀茂。


 人の命を命としてカウントしていない。
 その名の通り種を植える畑としか思っていない。
 種を植えて淫魔にさせて、育ったところで収穫。


 ――手間も暇も肥料もいらない畑だねぇ~♥


 茂の声が聞こえてきた。
 どこから話し掛けているんだ。


「ナツキちゃーんさっきは危なかったね~♥ 最強のくノ一の名を頂けそうなところでいじめられっ子に完堕ちするところだったねん。ギリセフだったね~♥」


 茂の声だった。キョロキョロと3人を見るも、聞こえている様子はなかった。
 どういう原理かは分からないが。


(あれは……焦らされまくった後だからだっ……)


「なるほどねぇ。焦らされたら堕ちるんだねぇええ♥」


 語尾がキモい。しかし、やはり心の中で念じたら伝わるようだ。


(茂。お前の企みは何だ? 忍びの頂点、いや古賀の規模を考えたらこの国の中でも1、2を争う軍隊でしょ? これ以上何が欲しいの)


「力だよぉお? 飽くなき向上心の為だよ。もっと、もっと欲しいと思ったら、もっと力が必要なんだよ♥ もっと力があればもっと食べられるんだよぉお♥ もっと食べたらもっと欲しくなるんだよぉおおおお♥」


 狂っている。完全に狂っている。
 樽男以上かも知れない。


(――人を養分にする為にエリナの両親を殺して古賀を乗っ取ったのか? お前の計画に邪魔になるから伊賀も風魔も滅ぼしたのか?)


「すっご~い♥ 人間畑を見抜いたのもそうだけど、ナツキちゃんて馬鹿なのか天才なのか分からないねぇえ♥ それならこの状況を作った一番の理由も分かるよねぇええ?」


(……超能力者じゃないんだから、分かる訳ないでしょ)


「――生ませるんだよ」


 ゾッとするような低い声だった。


「現存する最高クラスのくノ一に、忍者として素質の高い人間を生ませる。それも、最高クラスの淫魔の子種を使ってね。生まれたらすぐに種を植えて、食べ頃になったらガブリッ……。どうかなぁ♥」


 ――こいつ……本当に人間だったのか? 元々人間だったのか? 
 エリナのおじさんだった時期が存在するのか? 
 人間でも淫魔の力を得るとこうなるのか?


 しかしオネエとエリナを助け出す為とはいえ、最悪な契約をしてしまった。
 望んで出産させる為の契約か。
 それも忍びとしての力のない3人を使って。
 そのせいで樽男の時と同じで、忍びであるとさえ気付けなかった。


「そしてナツキちゃん、君はボクの狙い通り契約をした。あと2時間もすれば君は僕の自由だ♥ 一時は殺されるかと思ったけど、君の全てはボクの思うがままだ♥」


 望んで出産させて、その子ども達を食べる。
 養人場? 気持ちの悪い発想だ。
 しかしその発想よりも、こいつの口調と声のほうが気持ち悪い。


 そうか、なるほど。これが生理的に受けつけない、と言われるやつか。
 腐った発想を聞かされたせいか、声まで腐って聞こえてくる。


(こんな話を聞かされて残り二時間で屈服すると思っているの?)


「そうだよぉお? 1時間ももたないでタケヤン君にやられちゃうか♥」


 ノビオに逝かされまくったおかげで、疼きは収まっている。
 それに加えて負けられない理由が増えた。いや、今となってはこっちが本題だ。
 それに淫魔の力を得たとはいえ、タケヤン達は最近まで素人だった男。


 ――大丈夫、勝てる。


 心の中で呟いたナツキは、ヒタッ……と、蓮の葉が水面に落下するように柔らかく目重ねていた目蓋を開いて、タケヤンを見据えた。


「タケヤン。残り時間がどんどん減っていくよ?」


 腰を屈めながら手招きして、ナツキは柄にもなく挑発するのであった。
 


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