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第1章 始まりの章

8話 気が付いたら身体を舐められているナツキ♥(クンニ・淫語調教)<挿>

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「あ、ふぁ……んっ、んっ、……あ、あぁ……、ふぁ……」


 ぴちゅっ、ぴちゅっ……。ぴちゅっ……。ぴちゅっ……。ちゅっ……。


 樽男による破壊的な絶頂とは打って変わるぬくい快楽にナツキは浸っていた。
 半身浴のままにうたた寝したような程良い倦怠感の中、優しい濡れ音に、喘ぎ声が重なっていく。
 そんな永遠浸り続けたくなる心地良さの中――。
 湯気に包まれているような靄掛かった視界にオネエの顔が浮かんでくる。


「…………あ……れっ、……な、なん……でっ……んっ、あ、あぁ……」


 さっきまで激しく出し入れされていたはずの肉棒。
 代わるように股のあいだに埋まっているのはオネエの顔だった。


「な……ん……、れっう、……あ、……あぁ……」


「れろ……っ。ふふ。やっと起きたわねぇ。うなされていたけど、夢でも見ていたのかしら?」


「ゆ、ゆめ……。そ、そんなはずっ……樽男は、どこっ、にっ……」


「金田先生のことかしら? 彼がここにいるわけないでしょ? 狐に抓まれたような顔しているけど、自分の置かれている状況、忘れたのかしら?」


 そ、そうだったっ……。


「くっ……、離れろっ、舐めるなっ、きたないっ……」


 拒絶を口にする。しかし、夢か現か分からないとはいえ、ついさっきまで中年小太りの肉棒が挿入されていたのだ。
 それも、ノリに合わせて中出しまで懇願してしまった。
 いまさらアソコを舐められるくらいでは、拒絶する気にさえならない。


 それに、キスの段階で分かりきっていたけど、やっぱり、う、うまいっ……。


 舌の粒々の一つ一つを余すことなく絡ませてきてレロォオオオッ……、と舐め上げられて、ねっとりした舌裏でネチョォオオッ……、と下ろされる。
 2パターンのストロークだけで、テクニックを疑う余地を無くされてしまった。
 1人の舌とは思えない巧みな感触によって、快楽を与えられてしまっている。


「う、あ……、あ、あ、…………あぁ、はぁ……っあ……はぁ」


 左右の陰唇に囲まれたクレバスを何度も何度もなぞられる。
 あまりのしつこさに、狂おしいほど男が欲しくなってしまう。


 キスなんかで逝かされたからか……。敗北を刻まれたからか……。


 入れられようものなら、夢の中で犯してきた樽男よりも絶対気持ち良くなれる。
 それがはっきり分かる老練なテクニックだった。


 な、なめられる、だけでっ……、き、きもち良すぎるっ……。


「んっ、……あ、あっ……んはぁ……」


「あらぁ。どろっどろのマン汁が溢れてきたわね」


 浅く身体を屈められて、舐めている光景をまざまざと見せつけられてしまう。
 唾液では絶対に出来ない濁った糸が、舌とアソコを結び付けていた。
 そして、見せつけたままに陰部舐めが再開された。


 ねろっ、ねろっ、と掬った愛液を塗りつけるような筆と見紛う舌捌き。
 屈辱的な格好で愛液と唾液の混合液が塗り込まれていく。
 屈辱的ではあるけれど、下半身は舌の動きに合わせて震えることしか出来ない。
 抵抗どころではなかった。


 抵抗出来ない中でいたぶられる屈辱。
 それ以上に、ねっとり舐められている陰唇、その上にある小さなクリトリスがビンビンに立ち上がっていて、今か今かと舐められるのを待ち望んでいる欲情をまざまざ見詰めさせられる方が屈辱だった。


 欲しくて堪らなくなっている。
 それを否定のしようが無い程分からせられて、それがなによりも屈辱だった。


 れろっ……、れろっ……、れろぉおおっ……。


 舐められ始めてから10分が経過した頃には、どうせ樽男にやられた、今更オネエにやられても変わらない。
 そんな言い訳染みた思考が頭の中で浮かび始めていた。


 それからさらに10分ばかりが経過した頃には、入れて欲しい。
 そればかりが頭をよぎり続けていた。
 言葉にしないでいられたのは、小さなプライドのおかげだ。その甲斐あって、ムクムクと肉厚になった陰唇、その狭間に溜まった愛液を掬い取るように舐められても求めはしなかった。


「んちゅ……、はぁ~。よし、一旦休憩よ~」


「あ、はぁ、はぁ……、っはぁ……、ふぅ、はぁ…………はぁ、はぁ……っ、はぁ……た、たいしたこと、……ないね……」


 我慢の限界を迎えていたものの、休憩に入って自然と出たのは強気な言葉だった。


「休憩は五分間だけよ? 今のうちにあなたも休んでおきなさーい」


 五分……。また、舐め回されるのか。
 …………身体、持つのかな……。


「ふぅ。若いマンコっていっても、5時間も舐めていたらさすがに疲れるわねぇ」


「……5時間? ……はぁ? …………ま、また、……嘘ついて」


「あなたは寝ていただけだから良いけど、こっちは大変よ?」


 ちらっ、と時計の針を見ると、検査が終わってから一日が過ぎていた。


 時間が飛んでる。
 キスで逝かされまくったからとしても、時間の流れが……変……、え……。
 ほんとに、5時間ものあいだ舐められ続けていたの?


(え? ほんとに……)


「5分間休憩してから、また5時間舐めるわよ。それを5セット。計25時間」


「は? ……あたま、おかしいんじゃないの?」


 ほんとに起きる前から舐められていたかも知れない。
 リアルに想像したときには、底知れない恐怖が襲ってきた。
 実際のところは分からない。
 しかし、そんな嘘か本当か簡単に分かってしまうような嘘を、そんなしょうもない嘘を吐くだろうか。


 やばい……。五時間五セットって……、絶対狂う。
 愛撫の想像にブルッ、と身体が震えた。


「じゃ、そろそろ始めようかしら」


 オネエの声に遅れて、ピピピピッ、ピピピピッとアラーム音が鳴った。
 慣れてる。5分間を身体が覚えている。
 ほんとに、あと20時間も舐められる……の?


「ちょ、ちょっと。…………まって」


「なにを?」


「い、いや舐めることに、決まっているでしょ……。ほ、ほんとに。……まって」


 手の平で股を隠すように抑えながら言った。
 喉が震えてしまい、声も震えていた。


「だめよ。ほら。舐めやすいように股を開いて。――先生の言うとおりにして」


「な、っ……、ちょ、ちょっとっ、え――。なんでっ……こ、れっ」


 意志に反してM字に股を広げてしまい、ここでようやく自分に掛けられている術の正体に気付けた。


 ――傀儡の術。
 身体の主導権を奪われてしまう恐ろしい忍術。
 死ねと言われたとして逆らえない程その力は絶大である。


 しかし傀儡の術はその下準備にさえ困難な条件が付き纏う。
 暗示を何重にも掛ける必要があったりと、はっきり言って実践向きではない。
『先生の言うとおりにして』
 おそらくこの言霊がキーになって、傀儡の術が形を現している。


 しかしいつの間にこんな高難易度の術に嵌められていたんだ?
 オネエと出会ったのは3日前、暗示を掛ける暇さえ無かった筈……。
 そもそも臨戦態勢の中で、暗示を掛けられるほど油断する筈がない。


「うふふ。すっごい顔。この世の終わりを見てきたような顔よぉ? 掛けられた術の正体が分かって、事態の深刻さに気付いたのかしら? ガチガチに引き攣った顔になったわねぇ。でも、もとが可愛いから、そそる顔よぉ♪」


「う、うるさいっ……」


 ほんの3、4日の間に傀儡の術が形を成したって……。
 思っている以上に、オネエはやり手の忍者だった。
 諦めの気持ちが強く現れてしまい、さらに術の掛かりを強めてしまった。


                  ※


 ぴちゅ……、ぴちゅ……、ぴちゅっちゅ……。


「っう、あ、はぁ……あっ、や、やめ……っ、く、う……、あ」


 ついさっきまで残されていた希望。
 最低限でも術が使えるくらいに回復したら逃げられる。回復したタイミングでオネエが休憩を取ったら、さらに逃げる確率は上がる。
 今となってはそんな希望さえなくなってしまった。


 さっきと同じように縦筋をなぞっているだけなのかも知れない。
 でも、さっきと同じ愛撫には思えなかった。
 さっきよりも置かれた状況がずっと悪くなったせいか、舌の感触が違い過ぎた。


 逃げようと思えば逃げられる。
 そんな余裕がある中での愛撫とは全然違っていた。
 余裕がない男の必死な愛撫よりも、自分に余裕が無いほうが遥かに大きな快感を生むと知った。


「あ、あぁ、う、あっ、あ♥ あはっ、んっ、あ♥」


 諦めが強くなったところで喘ぎ声の抑えが効かなくなってしまい、愛液の分泌が加速していき、膣の中まで毒々しい脈打ちを始めた。


 も、もう……っ、い、いき、そうっ……。


 絶頂まではほど遠い。そう思っていた快楽が一気に寄ってくる。
 媚びた声に反応するように、絶頂へとスキップする。


「あ、あぁんっ♥ あ、あっ、はぁんっ、あ、あんっ♥」


 喘ぎ声を大きく、それでいて蕩けたものへと変えたところで、手を伸ばせば届く距離まで絶頂が迎えに来る。


「あ♥ あ♥ い、いくっ……、いくっ♥ あ、あっ、い、い、いくぅ……」


「どこで?」


「あ、はぁ……、あ、あそこ、でっ♥」


「ダメね。絶頂を禁止させてもらうわよ」


「っえ?」


 ガチャン、と金属が嵌められる音が鳴って、なにかを失った感覚に陥った。
 な、なに、これ……。


「ふふふっ。ついでだから、どこまで傀儡の術が行き届いているか確認するわねぇ。 ――レロッ! レロレロオッ! レロレロオッ!」


「んふぁああ゛!? あ゛!? あぁあっ!? なぁ!? はぁんっ!?」

 身体を中心から真っ二つに裂かれる刺激が正中線に走り抜けた。
 しかし、なにをされたのか分からなかった。
 クリトリスを舐められていると気付いたのは、舐められてからしばらく経ってからのことだった。


 気付いたからと言って何か対処できる訳でも無く、強烈な刺激にただただ悲鳴をあげさせられて、意志とは違う形でビグンッ、とお尻に力が入って、下半身が打ち上げられた鮮魚のように跳ね回る。


 それでも、それでも逝けていなかった。


 ガクンッ、ガクンッ、と跳ね上がる下半身は、自分の身体とは思えない暴れかたをしていた。それなのに、予告通り、予告通り逝けないっ!


「アァア゛っ!? あ、あ、あぁあっあ゛、あぁあアッ!? だめぇええっんあぁあ!? やめ、んアァア!? アァア゛っ!?」


 絶頂とたがわぬ、強烈過ぎる快感。
 クリトリスを舐められた瞬間に、ピークの寸前まで登り詰める。
 突然の火山噴火のように、一気に登り詰める。
 しかしその登り詰めた快感が、山ごと消えたかのように一瞬で消えてしまう。


 登山家が山頂を目の前にして山が消えてしまう。
 そんな虚無感が何度も襲ってくる。


「アァアッ!? や、あっ、あ゛ぁあっ!? だめぇえっ! だ、あぁんっ!?」


 途方に暮れたところでのクリ舐めに、また一気に絶頂手前まで登り詰めてしまう。
 0から99までを一瞬のうちに駆け上がるが、そこで全てが消えてしまう。
 山が生まれては消えて、生まれては消えて。天を貫かんばかりの勢いだった。


 刺激の強さでいえば、経験がない程に強烈だった。
 ただ、その先にもっと大きな激感があるのを知ってる。
 そのせいで全然満たされない。
 刺激のせいなのか、苦痛のせいなのか、ピシャッ、ピシャッ、と潮なのか、おしっこなのかも分からないものをオネエの顔に掛けてしまっていた。


 それをものともせずに徹底的に舐められた。
 そして、予定通りの計25時間が過ぎ去った。


                  ※


「お、おまんこで、……おまんこでい、いくっ、……お、おまんこ、でっ……いく……おまんこ、いく……」


 あそこと言ったことを徹底的に躾けられて、ナツキは25時間ものあいだ壊れたレコードのように、このうわごとだけを繰り返していた。

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