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希望の ほ し

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「ここは・・・どこだ!?」
思い出せない 頭が痛い
見知らぬ部屋で目を覚ました。

部屋には薄暗い明かりがついており
窓はなく目の前には頑丈そうな鉄の扉があるが鍵がかかっている。
とても素手では壊せそうにない
あとは簡易テーブルがある、その上には3個の箱と鍵が1本置いてあった。

「どうやら気がついたみたいね」
「だれだ?なぜこんなことをする?」
「私の声を聞いても思い出せない?」
「あいにく俺は女性には縁のない人生なんでね人違いではないか?」
すると女は俺の名前や生年月日まで言い当てた。
やばいストーカーか、これがストーカーってやつか?

「まて女性に恨みを買ったことなど断じてない」
「恨みなんてないわ、私はあなたが好き あなたを愛しているもの」
「愛している人にこんなことはしないだろう」
「愛しているからするのよ」
こんな女から告白されても嬉しくない それどころか狂気を感じている。

「あなたには遅効性の毒を注入させてもらったわ」
「なに!?なんてことをするんだ、死んだらどうするんだ!」
「私はあなたが死ぬほど好きなの、安心して遺体は加工して私の元に置いておくわ
そして私も・・・」
この女・・・やはりやばい

「でも安心して、そこに箱が3個並んでいるでしょ、その中にはチョコレートが入っているわ」
「箱には鍵がかかっていてそれを開けられる鍵は1本だけ」
「でも箱を開けると鍵が壊れる仕組みとなってるの」

鍵は1本だけ、つまり1個の箱しか開けられないということか

「私の作ったチョコレートだけが正解。解毒剤入チョコレートよ」
「じゃあ残りの2個は?」
「ただのチョコね」

まじかよ。どれが正解なんだかわかんねぇ!
どうしよう、なぜ俺がこんな目に合わなきゃならないんだ。
ああくそっ、いつものクセでポケットに手を入れた。

なんだ!?ポケットになんか入ってるぞ。
見てみると紙切れだった。
その紙切れには小さい文字で ほ し とだけ書いてある。
裏面にはごめんなさいとこれもまた小さい文字で書いてあった。
ほ し 星? なんだこれ
星を選べってことか。でも箱には何も・・・待てよ。

俺は薄暗い明かりの中、箱を手に取り隅々まで細かく調べてみた。
すると箱の裏の隅の方にマークが書いてあった。
左の箱には丸 真ん中の箱には三角 そして右の箱には星のマークがそれぞれ書いてある。
これだ・・・信じていいのだろうか、しかし他には手がかりもないし時間もない。

俺は覚悟を決めた。
星の箱に鍵を入れて回し・・・回らない、力を入れて回してみた。
パキッ 鍵は根本から折れてしまった。
もう後戻りはできない。このチョコにかけるしかない。
俺はかぶりつくようにそのチョコを貪り食べた。

「おい星のマークの箱のチョコを食べたがこれでいいのか?」
「さすがね正解よ。何でわかったのかしら?」
「なんで分かったのって?あの・・・か・・・み」

しかし急な眠気に襲われた、解毒剤の他にも眠剤でも混ぜていたのか。
うすれゆく意識の中で紙切れのことを考えていた。
あの紙切れは何だったんだろう。
この女が入れたものなのか、それとも他の誰かが・・・

気がつくと自室のベッドの上に寝ていた。
あの出来事は全部夢だったのか?
スマホからメールの着信音がなった。
嫌な予感がしつつもメールを開いた。 そこには・・・

ま        た          ね
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