薬術の魔女の結婚事情【リメイク】

しの

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三年目

145:異文化との交流。

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「それでは、これよりライル様とルーシー様の披露宴を行います!」

 そんな司会の言葉と共に、新郎新婦が入場する。
 2人が登場しただけで、盛大な拍手が沸き起こった。

「それでは……乾杯のご発声をお願いします」

「ああ」

 司会に促され、新郎ライルが一歩踏み出る。

「今日は集まってくれてありがとう。みんなのおかげで、俺たち2人は結ばれた。だが……同時に多大な迷惑もかけてしまったと思う。俺がこの村に来なければ、ガルドによる襲撃だって――」

「おうおう! 難しいことはよく分からねぇが、今日がめでたい席だってことは分かってるぜ!! 湿っぽい話は要らねぇ!!」

 村人の1人が叫ぶ。
 そんな彼に、ライルが声をかけた。

「ダストン……。参加してくれてありがとな。そして、すまなかった。蘇生が遅れて……」

「いいってことよ。ライルの小僧にもいろいろあったみてぇだからな。な? ツルギの小僧」

「はい! ライルの兄貴にもらったこの剣で……今度こそ、村のみんなを守り抜いてみせるぜ!!」

「だそうだ。安心しろよ。ライルの小僧」

「ああ……」

 ダストンやツルギの言葉に、ライルは頷く。
 結婚式に続いて披露宴が開かえれているこの村は、ルーシーの故郷だ。
 そして、王家を追放された直後のライルが逃げ延びた場所であり、追跡してきたガルドによって壊滅させられた村でもあった。

 ライルは追加製作したエリクサーで村人たちを復活させ、村を復興させた。
 そして、ルーシーとの結婚式を挙げているのである。
 そんなライルを、村人たちは祝福してくれた。

「うふふ。私の娘も、ライル様のように強く、たくましく、そして優しく育ってほしいですわ」

「大丈夫さ。ヤエという素晴らしい名を、ライル様に頂いたのだから」

「ヤエ……か。赤ちゃんまで参列してくれて、嬉しいよ」

「あうー! あうあう!!」

 ヤエが満面の笑みを浮かべる。
 そんな赤ん坊を見て、ライルの口元に笑みが漏れた。
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