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3話「幼い邪悪[前編]~2人のトラブルメーカー~」
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一方、セネト達が"祈りの場"に向かっている頃――
フレネ村に残っているイアン、クレリアとミカサの3人は村長の息子であり、ヴァリスと組んでいる退魔士でもあるナルヴァから村の地図を貰って一軒一軒声をかけていた。
村は相変わらず重く冷たい空気が流れており、まるで人が誰も住んでいない廃村であるかのようだ。
とある家の玄関先でミカサは寂しそうに、ため息をついた。
「…なかなか出てきてもらえないね。やっぱり、精神的にみなさん参ってしまっているのでしょうか?」
「そうだな…家の中から人の気配もするからいるのだろうが、まったく…話ができなければこちらの仕事が片付かんな、このままでは」
開かない扉に手をあてながら、イアンは困った様子で言う。
フレネ村に到着した時から死霊の気配に気付いていた3人は、村の状況や怪我人の治療などをする為にこうしてまわっているのだが。
どういうわけか…誰一人、生者も死者も出てこない状況である。
「えー…さっさと片付けて、こんなヤな村から去りたい!ったくもー、ナルヴァのやつが非協力的なのが一番腹立つ!!もう2、3発殴ってやればよかったわね…」
頬を膨らませたクレリアが、拳を作って扉に向けて寸止めのパンチをした。
実を言うと、地図を借りようとナルヴァに頼んだ時…ひと悶着あったのだ。
自室に戻っていたナルヴァが出てきた際、イアン達が協力を仰いだのだが彼はそれを拒否した。
村の地理がわかる者の協力が必要なのだ、と言っても「余所者に手は貸せない」と言ってきかない。
それにキレたのがクレリアだ――彼女はナルヴァを締め上げて、無理矢理ではあるが地図を貰ったわけである。
「イアン様…何故、止めなかったんですか?あの様子だと、帰り際もやりそうですよ…」
あの時、止めなかったイアンを見上げたミカサは苦口元をひきつらせて言う。
「悪かった…次は止める、というより止めなければ――」
クレリアに村ひとつ軽く消されかねないだろうな、と考えたイアンは家々の扉を叩きまくっているクレリアを見ていた。
――ただ、村が消えるより前に玄関扉が先に破壊される可能性はあるが。
さすがに、そろそろ止めるか…と、クレリアの右腕を掴んだイアンはポケットから煙草を出して口にくわえた。
舌打ちしたクレリアが扉から離れようとしたので、イアンは掴んでいた右腕を放してくわえていた煙草に火を点ける。
「まぁ、このままでは埒があかないな…それよりも、もっと効率のいい方法に変えよう」
「何を、どんな方法にするのか…一応聞いてやるわよ?」
腕を組んだクレリアの頬をつねったイアンは、地図に描かれている村中心部にある広場を指した。
「偉そうに言うな!ミカサ、広場で"魂鎮めの歌"を歌ってもらえるか?俺の考えが正しければ、すぐにこの村の問題がひとつ解決するぞ」
「どーいう事?"魂鎮めの歌"って、死者を供養するアレでしょ…わっかんないなー」
イアンの手を払い落としたクレリアは首をかしげながら、ミカサの車椅子を押して広場へと向かう。
苦笑したイアンが近くの家へ視線を向けて、吸っていた煙草を携帯灰皿に入れた。
「……これで何が潜んでいるのか、ようやくわかるな…」
そう呟いたイアンの後ろ姿を、彼が目を向けていた家の窓から小さな人影が窺っているようだった……
***
広場へ着いた3人は村の様子を窺いながら、それぞれ何が起こっても対応できるよう準備を始めた。
足元に落ちている長めの枝を拾ったイアンは魔法で火を点して、ミカサの前の地面に突き刺す。
それを横目に、クレリアがスカートの中からモーニングスターを出してぶんぶんと振り回しながらミカサに声をかけた。
「さぁ…ミカサ、これで何が起こっても大丈夫よ。さっさとやっちゃいましょ!」
「あぁ、俺とクレリアでお前を守る…だから、何が起こっても気にせず歌いきれ」
クレリアの言葉に同意するように頷いたイアンは、ポケットから銃を出して周囲を警戒しつつ言った。
2人に頭を下げたミカサは、ゆっくりと胸元で手を組むと両目を閉じる。
「はい…じゃあ、イアン様とクレリア――よろしくお願いします」
ミカサが小声で祈りを捧げると、広場全体を包み込むように大きな法術式が描きだされた。
そして、それは白く淡い光を発すると同時に彼女は歌い始める。
優しく響き渡るミカサの歌声に惹かれた何者かが、ゆっくりとした足取りで向かってくる気配にクレリアは気付いた。
「あ、誰か来たみたい…でも、何か嫌な予感がするんだけど」
「まぁ…その予感は正しい、がまだ動くんじゃないぞ。それはそうと、この気配でわからないのは問題だぞ?」
頬をひきつらせているクレリアに、イアンは制止すると呆れた口調で言う。
「…あぁ、でもそうか。本能で嗅ぎ分けているんだったな…」
「失礼ね…結果的にわかるんなら、どっちでも何の問題なんじゃない!」
モーニングスターを担いだクレリアは鼻息荒く言った、が自分から「本能で嗅ぎ分けている」と宣言しているようなものだ。
それに気づいていないクレリアに、イアンは密かに笑ってしまった……
――そんな会話をしている間にも、ミカサの歌に惹かれやって来る者達が彼女の法術の光を求めるかのように近づいてくる。
イアンの用意した火とミカサの法術の光によって、近づいてきた者達の正体を確認できるようになった。
その者達は皆、顔に生気がなく目は虚ろで真っ直ぐ前を向いているが、その瞳には何も映していない状態のようだ。
「うわぁーお、本当に死霊が出てきたわね。という事は、生きてる人と死んでいる人が仲良く暮らしていたって事ぉ~?」
死霊達の列を見たクレリアが驚きの声をあげると、手に持つ銃の弾を確認しているイアンは答える。
「そういう事になるが…そんな状況にあるとわかっていながら、あの村長は何もしなかったわけだ。最初、数人だけが死霊化したんだろうが…」
それが、ゆっくりと…そして、徐々に連鎖する――つまり、"死の呪い"が村全体にかけられていたようだ。
初めは数が少ないからといってヴァリスだけに処理させていたのだろう…しかし、次第に数が増えていったわけだ。
「ヴァリス一人じゃ、どうする事もできなくなった…って事ね。だーから、あたし達が訪ねても誰ひとり出てこなかったわけね」
イアンの説明に納得したクレリアは、列をなしている死霊達の様子を見つめた。
死霊達はクレリアとイアンの存在を無視して、法術の光に手を伸ばして救いを求めるかのように触れると消えていく。
「彼らは、自分が死人だと気づいていたのね…こういう人達だらけなら、あたし達は動かなくてすむのにー」
「確かにな…だが、それを認められぬ人間もやはり一定数いる。例えば、あれら…だな」
消えゆく死霊達を見送っているクレリアに、イアンは列からはみ出して近づく死霊達を指した。
明らかな敵意剥き出しの様子に、クレリアはひきつった笑みを浮かべる。
「うわぁ、こっちに敵意ありまくりじゃない!おっそろしいわね…」
「ああいった者達は自我がほとんどない上に自己防衛本能だけで動くからな、厄介な事に法術が効きにくい。弱らせないとな…」
弱らせてから"魂鎮めの歌"で浄化するしか方法しかない…と、イアンが言った。
そして、銃口を敵意剥き出しの死霊に向けていつでも引き金を引けるよう指をかける。
「動きは早いだろうからな…気をつけろよ、クレリア」
「わかってるわよ…近づいてこようものなら、これでぶっ飛ばしてやるわ!」
モーニングスターを軽く素振っているクレリアが、イアンの注意に頷いた。
クレリアの、そんな様子を見たイアンはため息をついて思う。
(ぶっ飛ばす――というより、撲殺レベルだな。間違いなく……)
***
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村は相変わらず重く冷たい空気が流れており、まるで人が誰も住んでいない廃村であるかのようだ。
とある家の玄関先でミカサは寂しそうに、ため息をついた。
「…なかなか出てきてもらえないね。やっぱり、精神的にみなさん参ってしまっているのでしょうか?」
「そうだな…家の中から人の気配もするからいるのだろうが、まったく…話ができなければこちらの仕事が片付かんな、このままでは」
開かない扉に手をあてながら、イアンは困った様子で言う。
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頬を膨らませたクレリアが、拳を作って扉に向けて寸止めのパンチをした。
実を言うと、地図を借りようとナルヴァに頼んだ時…ひと悶着あったのだ。
自室に戻っていたナルヴァが出てきた際、イアン達が協力を仰いだのだが彼はそれを拒否した。
村の地理がわかる者の協力が必要なのだ、と言っても「余所者に手は貸せない」と言ってきかない。
それにキレたのがクレリアだ――彼女はナルヴァを締め上げて、無理矢理ではあるが地図を貰ったわけである。
「イアン様…何故、止めなかったんですか?あの様子だと、帰り際もやりそうですよ…」
あの時、止めなかったイアンを見上げたミカサは苦口元をひきつらせて言う。
「悪かった…次は止める、というより止めなければ――」
クレリアに村ひとつ軽く消されかねないだろうな、と考えたイアンは家々の扉を叩きまくっているクレリアを見ていた。
――ただ、村が消えるより前に玄関扉が先に破壊される可能性はあるが。
さすがに、そろそろ止めるか…と、クレリアの右腕を掴んだイアンはポケットから煙草を出して口にくわえた。
舌打ちしたクレリアが扉から離れようとしたので、イアンは掴んでいた右腕を放してくわえていた煙草に火を点ける。
「まぁ、このままでは埒があかないな…それよりも、もっと効率のいい方法に変えよう」
「何を、どんな方法にするのか…一応聞いてやるわよ?」
腕を組んだクレリアの頬をつねったイアンは、地図に描かれている村中心部にある広場を指した。
「偉そうに言うな!ミカサ、広場で"魂鎮めの歌"を歌ってもらえるか?俺の考えが正しければ、すぐにこの村の問題がひとつ解決するぞ」
「どーいう事?"魂鎮めの歌"って、死者を供養するアレでしょ…わっかんないなー」
イアンの手を払い落としたクレリアは首をかしげながら、ミカサの車椅子を押して広場へと向かう。
苦笑したイアンが近くの家へ視線を向けて、吸っていた煙草を携帯灰皿に入れた。
「……これで何が潜んでいるのか、ようやくわかるな…」
そう呟いたイアンの後ろ姿を、彼が目を向けていた家の窓から小さな人影が窺っているようだった……
***
広場へ着いた3人は村の様子を窺いながら、それぞれ何が起こっても対応できるよう準備を始めた。
足元に落ちている長めの枝を拾ったイアンは魔法で火を点して、ミカサの前の地面に突き刺す。
それを横目に、クレリアがスカートの中からモーニングスターを出してぶんぶんと振り回しながらミカサに声をかけた。
「さぁ…ミカサ、これで何が起こっても大丈夫よ。さっさとやっちゃいましょ!」
「あぁ、俺とクレリアでお前を守る…だから、何が起こっても気にせず歌いきれ」
クレリアの言葉に同意するように頷いたイアンは、ポケットから銃を出して周囲を警戒しつつ言った。
2人に頭を下げたミカサは、ゆっくりと胸元で手を組むと両目を閉じる。
「はい…じゃあ、イアン様とクレリア――よろしくお願いします」
ミカサが小声で祈りを捧げると、広場全体を包み込むように大きな法術式が描きだされた。
そして、それは白く淡い光を発すると同時に彼女は歌い始める。
優しく響き渡るミカサの歌声に惹かれた何者かが、ゆっくりとした足取りで向かってくる気配にクレリアは気付いた。
「あ、誰か来たみたい…でも、何か嫌な予感がするんだけど」
「まぁ…その予感は正しい、がまだ動くんじゃないぞ。それはそうと、この気配でわからないのは問題だぞ?」
頬をひきつらせているクレリアに、イアンは制止すると呆れた口調で言う。
「…あぁ、でもそうか。本能で嗅ぎ分けているんだったな…」
「失礼ね…結果的にわかるんなら、どっちでも何の問題なんじゃない!」
モーニングスターを担いだクレリアは鼻息荒く言った、が自分から「本能で嗅ぎ分けている」と宣言しているようなものだ。
それに気づいていないクレリアに、イアンは密かに笑ってしまった……
――そんな会話をしている間にも、ミカサの歌に惹かれやって来る者達が彼女の法術の光を求めるかのように近づいてくる。
イアンの用意した火とミカサの法術の光によって、近づいてきた者達の正体を確認できるようになった。
その者達は皆、顔に生気がなく目は虚ろで真っ直ぐ前を向いているが、その瞳には何も映していない状態のようだ。
「うわぁーお、本当に死霊が出てきたわね。という事は、生きてる人と死んでいる人が仲良く暮らしていたって事ぉ~?」
死霊達の列を見たクレリアが驚きの声をあげると、手に持つ銃の弾を確認しているイアンは答える。
「そういう事になるが…そんな状況にあるとわかっていながら、あの村長は何もしなかったわけだ。最初、数人だけが死霊化したんだろうが…」
それが、ゆっくりと…そして、徐々に連鎖する――つまり、"死の呪い"が村全体にかけられていたようだ。
初めは数が少ないからといってヴァリスだけに処理させていたのだろう…しかし、次第に数が増えていったわけだ。
「ヴァリス一人じゃ、どうする事もできなくなった…って事ね。だーから、あたし達が訪ねても誰ひとり出てこなかったわけね」
イアンの説明に納得したクレリアは、列をなしている死霊達の様子を見つめた。
死霊達はクレリアとイアンの存在を無視して、法術の光に手を伸ばして救いを求めるかのように触れると消えていく。
「彼らは、自分が死人だと気づいていたのね…こういう人達だらけなら、あたし達は動かなくてすむのにー」
「確かにな…だが、それを認められぬ人間もやはり一定数いる。例えば、あれら…だな」
消えゆく死霊達を見送っているクレリアに、イアンは列からはみ出して近づく死霊達を指した。
明らかな敵意剥き出しの様子に、クレリアはひきつった笑みを浮かべる。
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「ああいった者達は自我がほとんどない上に自己防衛本能だけで動くからな、厄介な事に法術が効きにくい。弱らせないとな…」
弱らせてから"魂鎮めの歌"で浄化するしか方法しかない…と、イアンが言った。
そして、銃口を敵意剥き出しの死霊に向けていつでも引き金を引けるよう指をかける。
「動きは早いだろうからな…気をつけろよ、クレリア」
「わかってるわよ…近づいてこようものなら、これでぶっ飛ばしてやるわ!」
モーニングスターを軽く素振っているクレリアが、イアンの注意に頷いた。
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