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第二章 僕と竜くんのえっちな日常
僕と左右田先輩の真実
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ぐったりとフローリングに倒れたままの左右田先輩は嬉しそうで、猫みたいな目を閉じて涙をぽろ…ってこぼした。
「タオル……あったよね……」
鞄からタオルを出して、部屋の隣にある洗面で濡らすと、左右田先輩の涙の跡を拭く。
綺麗な体……僕の赤いケロイドみたいな痣なんてない、綺麗な肌色……。
痩せてるのに筋肉もしっかりついてて、おちんちんの毛は竜くんより少し多めかな。
ホクロが意外と多くて、少し人間らしくて笑えた。
「田中、後始末替わる。布団出したから、敷いてくれ」
「あ、はい、あの……」
「悪い。トイレで処理してきた。田中には嫌なとこを見せたな。気持ち悪くないか」
気持ち悪いよりなんか圧倒されてしまって、まだドキドキしている。
知っている人のえっちを間近で見るなんて初めてで、僕は部屋を出ることも出来なかったんだ。
「左右田先輩……大丈夫なんですか?」
「……多分……大丈夫じゃない」
無表情な三矢先輩が、少し笑った。
それが悲しそうで、僕は首をかしげる。
左右田先輩の体を手早く拭いて、服を着せる三矢先輩は馴れてるって感じで、僕の敷いた布団に左右田先輩を寝かせた。
「お茶でいいか?」
部屋を片付けてからペットボトルを僕にくれて、三矢先輩は左右田先輩の枕元で、ペットボトルのお茶を飲む。
「ありがとうございます」
しばらく三矢先輩は黙っていたけど、
「聞いてくれるか?」
と前置きして、僕は頷いた。
「先生は俺の兄貴だ。このクソ画像を撮ったのも兄貴で、こいつは兄貴が奴ら売って、しかも輪姦されたのを理解していない。左右田は小学1年生で家庭教師の兄貴に抱かれた。愛し合ってるって左右田は言っていたが、どうだか。それから3年の冬に兄貴が事故で死ぬまでセックス漬けだったからか、あいつはセックス依存症なんだ」
先生……が、三矢先輩のお兄さん。
「正直、兄貴が死んでくれてホッとした。男子小児性愛の塊みたいな兄貴は小学校教諭を目指していたからな。左右田みたいな被害者が次々出てしまう。しかも、左右田も家庭教師をしていた二股の小学生も、被害者なんて思ってないからお笑いだ」
それから三矢先輩は忘れていたかのように眼鏡を掛ける。
「しかも、俺は兄貴そっくりときている。中学生の頃かな、左右田に『先生』って呼ばれて慌てた。左右田が『思い出し』てしまったんだと、伊達眼鏡をかけ始めたが、ダメだった。左右田は兄貴を追い求め、俺を素通りした『先生』とのセックスを繰り返す。俺はそれを拒否出来ないでいる」
黒縁眼鏡が顔を隠す伊達眼鏡だったなんて……。
三矢先輩は左右田先輩の目に溜まった涙をすくう。
「俺は左右田が兄貴に初めて抱かれたとき、助けてやれなかった。小学校1年生の子供の肛門性交だ。相手は大人で大学生。ローションで慣らしても悲鳴が上がる。鍵を掛けてない兄貴の部屋へ飛び込んで見たのは、背後から兄貴に串刺しにされている幼馴染みの恐怖と涙の顔で、俺は動けず助けられなかった。兄貴が左右田の尻の穴に射精するまで一歩もな」
「だって三矢先輩も小学1年生だったんですよ」
僕のときも誰も助けてはくれなかった。
逃げなさいって言ってくれた人もいたけど、助けてはくれなかったんだ。
「なあ、田中は…家出か?鈴木が許すとは思えないが」
三矢先輩はなにも言わない僕に、少しため息をつき、
「弁護士とその家族には守秘義務が課せられているが、左右田も話相手にならないし、これは独り言だ」
と言い始める。
なにを言って……。
「やつは小学六年生で、都心の大学のプロジェクトに抜擢された天才だ。中学二年までに開発したプログラムや発明は数多い。突出した天才はプライドの高い大学生の標的になる。その時期には脱法ハーブと言われたトランス系の煙を無理矢理吸わされ、複数の女性との性交に誘導された」
竜……くん……のことだよね……。
「やつの脳は繰り返し使われたハーブで萎縮し、中二の冬行方不明なとこを保護した時には、記憶欠落、幼児退行、衝動肥大。こっちに帰って来てもセックス依存症みたいになっていて、誘われれば女性の家に転がり込むの繰り返しだった。その度に連れ戻しに行き、時には妊娠騒ぎで金で解決もあった。やつは壊れた天才だ。独り言は、終わりだ」
三矢先輩はお茶を飲んでから、寝ている左右田先輩の髪を撫でた。
「田中、家出ならしばらくうちにいていい。父と俺だけだから」
それから左右田先輩の唇を唇で塞いで、それからゆっくりと……なんだか離れたくなさそうに離した。
左右田先輩の散らかったノートに、『左右田朱雀』ってあって、すざくの漢字が分かった。
「田中、こじらすなよ、俺みたいに」
「は……い……?」
「かなわない思いなんて、くそくらえだ」
三矢先輩は左右田先輩のこと、好きなんだ。
でも左右田先輩は三矢先輩のお兄さんのことが好きで、三矢先輩の姿の中の『先生』が好きなんだ。
左右田先輩は三矢先輩に抱かれるけど、夢の中で『先生』に抱かれているような感じなのかもしれない。
「ケツでメスイキなんてしょっちゅうしてるだろうが、馬鹿朱雀。お前にとっては『先生』とだろうがな」
僕がどう声をかけていい分からずにしていると、三矢先輩は左右田先輩の横に布団を持って来てくれた。
「俺はベッドで寝るから」
ベッドに転がると寝息を立てて、僕も左右田先輩の再びぽろと溢れる涙を見ながら寝てしまう。
久しぶりに、竜くんと初めて会ったときの夢を見た。
「タオル……あったよね……」
鞄からタオルを出して、部屋の隣にある洗面で濡らすと、左右田先輩の涙の跡を拭く。
綺麗な体……僕の赤いケロイドみたいな痣なんてない、綺麗な肌色……。
痩せてるのに筋肉もしっかりついてて、おちんちんの毛は竜くんより少し多めかな。
ホクロが意外と多くて、少し人間らしくて笑えた。
「田中、後始末替わる。布団出したから、敷いてくれ」
「あ、はい、あの……」
「悪い。トイレで処理してきた。田中には嫌なとこを見せたな。気持ち悪くないか」
気持ち悪いよりなんか圧倒されてしまって、まだドキドキしている。
知っている人のえっちを間近で見るなんて初めてで、僕は部屋を出ることも出来なかったんだ。
「左右田先輩……大丈夫なんですか?」
「……多分……大丈夫じゃない」
無表情な三矢先輩が、少し笑った。
それが悲しそうで、僕は首をかしげる。
左右田先輩の体を手早く拭いて、服を着せる三矢先輩は馴れてるって感じで、僕の敷いた布団に左右田先輩を寝かせた。
「お茶でいいか?」
部屋を片付けてからペットボトルを僕にくれて、三矢先輩は左右田先輩の枕元で、ペットボトルのお茶を飲む。
「ありがとうございます」
しばらく三矢先輩は黙っていたけど、
「聞いてくれるか?」
と前置きして、僕は頷いた。
「先生は俺の兄貴だ。このクソ画像を撮ったのも兄貴で、こいつは兄貴が奴ら売って、しかも輪姦されたのを理解していない。左右田は小学1年生で家庭教師の兄貴に抱かれた。愛し合ってるって左右田は言っていたが、どうだか。それから3年の冬に兄貴が事故で死ぬまでセックス漬けだったからか、あいつはセックス依存症なんだ」
先生……が、三矢先輩のお兄さん。
「正直、兄貴が死んでくれてホッとした。男子小児性愛の塊みたいな兄貴は小学校教諭を目指していたからな。左右田みたいな被害者が次々出てしまう。しかも、左右田も家庭教師をしていた二股の小学生も、被害者なんて思ってないからお笑いだ」
それから三矢先輩は忘れていたかのように眼鏡を掛ける。
「しかも、俺は兄貴そっくりときている。中学生の頃かな、左右田に『先生』って呼ばれて慌てた。左右田が『思い出し』てしまったんだと、伊達眼鏡をかけ始めたが、ダメだった。左右田は兄貴を追い求め、俺を素通りした『先生』とのセックスを繰り返す。俺はそれを拒否出来ないでいる」
黒縁眼鏡が顔を隠す伊達眼鏡だったなんて……。
三矢先輩は左右田先輩の目に溜まった涙をすくう。
「俺は左右田が兄貴に初めて抱かれたとき、助けてやれなかった。小学校1年生の子供の肛門性交だ。相手は大人で大学生。ローションで慣らしても悲鳴が上がる。鍵を掛けてない兄貴の部屋へ飛び込んで見たのは、背後から兄貴に串刺しにされている幼馴染みの恐怖と涙の顔で、俺は動けず助けられなかった。兄貴が左右田の尻の穴に射精するまで一歩もな」
「だって三矢先輩も小学1年生だったんですよ」
僕のときも誰も助けてはくれなかった。
逃げなさいって言ってくれた人もいたけど、助けてはくれなかったんだ。
「なあ、田中は…家出か?鈴木が許すとは思えないが」
三矢先輩はなにも言わない僕に、少しため息をつき、
「弁護士とその家族には守秘義務が課せられているが、左右田も話相手にならないし、これは独り言だ」
と言い始める。
なにを言って……。
「やつは小学六年生で、都心の大学のプロジェクトに抜擢された天才だ。中学二年までに開発したプログラムや発明は数多い。突出した天才はプライドの高い大学生の標的になる。その時期には脱法ハーブと言われたトランス系の煙を無理矢理吸わされ、複数の女性との性交に誘導された」
竜……くん……のことだよね……。
「やつの脳は繰り返し使われたハーブで萎縮し、中二の冬行方不明なとこを保護した時には、記憶欠落、幼児退行、衝動肥大。こっちに帰って来てもセックス依存症みたいになっていて、誘われれば女性の家に転がり込むの繰り返しだった。その度に連れ戻しに行き、時には妊娠騒ぎで金で解決もあった。やつは壊れた天才だ。独り言は、終わりだ」
三矢先輩はお茶を飲んでから、寝ている左右田先輩の髪を撫でた。
「田中、家出ならしばらくうちにいていい。父と俺だけだから」
それから左右田先輩の唇を唇で塞いで、それからゆっくりと……なんだか離れたくなさそうに離した。
左右田先輩の散らかったノートに、『左右田朱雀』ってあって、すざくの漢字が分かった。
「田中、こじらすなよ、俺みたいに」
「は……い……?」
「かなわない思いなんて、くそくらえだ」
三矢先輩は左右田先輩のこと、好きなんだ。
でも左右田先輩は三矢先輩のお兄さんのことが好きで、三矢先輩の姿の中の『先生』が好きなんだ。
左右田先輩は三矢先輩に抱かれるけど、夢の中で『先生』に抱かれているような感じなのかもしれない。
「ケツでメスイキなんてしょっちゅうしてるだろうが、馬鹿朱雀。お前にとっては『先生』とだろうがな」
僕がどう声をかけていい分からずにしていると、三矢先輩は左右田先輩の横に布団を持って来てくれた。
「俺はベッドで寝るから」
ベッドに転がると寝息を立てて、僕も左右田先輩の再びぽろと溢れる涙を見ながら寝てしまう。
久しぶりに、竜くんと初めて会ったときの夢を見た。
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