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34奪われた黄宮
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直樹がちらりちらりとシンラを見上げる。目元が赤いのは、泣きながら寝ていたせいだろう。無言のままクロの手綱を持つシンラは、直樹が黒王であり王気を持つ『神』であることを痛感していた。
シンラは森の王ではあるが、『神』ではない。
「直樹、どこだ?」
湖にいる直樹の気配が感じ取れるのは、シンラが直樹の和合者であるからだ。直樹はいくら可愛いらしい子どもであっても、人は直樹に膝を着く。王気がそうさせているのだと、トトは話していた。
「シンラ」
直樹は国が認める神王であり、人ではなく『神』なのだと、苦々しく思う半面、このまま森に置いていていいのかとも思うのだ。
「シンラ、まだ怒ってる?」
クロの背の上で直樹が呟いたが慰めることすら出来ずにいた。このまま森の宮に閉じ込めて、シンラだけが入ることの出来る部屋に入れてしまいたい程、愛おしくて狂おしいのだ。
勿論、そんなことはする気はないが、どうにも謝るのも、許すのも、違う気がして、シンラは正直困っている。
公衆の面前で尻を叩いたのは、反省をしているが、どうにも直樹は純粋で、人を無条件に信じてしまう。危なっかしくて仕方がないのだ。
「怒ってはいない」
黄国は明るく賑やかな国で、珍しい果物や甘いお菓子があると言うから、直樹の気持ちをほぐすことが出来るかも知れないと思っていた。そして仲直りをしようと決めていた。
「ん?王宮にたき火、おかしいな」
黄宮の白い美しい外壁が煤で汚れ、卑下した笑い声が響き渡る。
「様子が……?武官もいないのか?クロ、裏に降りてくれ」
裏の通用門が壊されており、人の気配はしない。
「直樹はクロと」
直樹が首を横に振り、シンラの袖を掴んでいた。やはり万が一の時には、シンラが直樹を守った方がいい。
「わかった。クロは上空にいてくれ。何かあったら直樹を乗せて上がれ」
にゃあとは鳴かなくなったクロが、ぐるぐると鳴きながら空に舞い上がる。天を駆ける獣なのだ。直樹の気を読み直樹の言葉に従い、呼べば答えて来てくれる。
「直樹、離れるな」
「うん、なんか嫌な臭いががする」
白亜に輝く磨かれた石造りの黄宮の裏から入るが、案じられた死体もなにもなく、直樹の手を握りしめたまま煤のついた壁の辺りに行くと、広間から笑い声がする。
すえた臭いに肉を打つ音がして、シンラは直樹の体を壁につけ、目と耳を手で塞いだ。
「シンラ?」
「しっ」
広間の中央に金の髪を中心にして、男達が数人群がっている。長い金の巻き毛を掴まれ、顔を上げさせられた美しい桃色の頬に、瞳を覆うように粗布で封じ込められていた。
「おら、出せよ!おらおらおらっ黄王様ようっ!」
四つ這いされ両手を後ろ手に縛られた黄王は、尻を酷く穿たれ真っ赤になった屹立を手荒く擦られる。
「あっ……んああああっ……」
悲鳴のような喘ぎの中で、男の手にする小瓶に白濁を飛沫させるが、背後の男は尻肉を両手で開いてぐりぐりと打ち付けた。
「足りねえなあ。口に突っ込め、もう一回出させろ」
シンラの目の前で、まるで野合に震えていたクロのように犯される黄王に片手で剣を取るが、その弾みで直樹の視覚と聴覚を封じていた手が緩み、直樹が黄王を見て息を呑む。
「はっ……ぐ……ぐうっ……んんっ…っ!」
手荒な集団野合により肉壁に挿入出する屹立が空気を含み、ぐぼっぐぼっと鈍い音がして、男が呻きながら尻を押し付け何度か押し込んで吐精したようだ。
「代われ」
口を一杯に開きそこに喉まで押し込まれる黒々とした屹立と、再び襞を蹂躙する剛直に黄王の体は震え、手荒く手淫をしている男は双珠を握り潰す勢いで擦り合わせ、黄王が背を反らした。
「おー、出た出た。ザトのお頭、血が混じっとりますが」
「取引には、支障がない。なんせ、黄王様の白珠だ。国には欲しい奴等がたくさんいる」
広間の玉座に座っている赤頭が、くくっ……と喉で笑う。
「森から出て正解だったなあ。仲間は随分討伐されちまったしよう」
赤頭ザトの横で黄王の唇を犯す男が、腰を激しく振りながら話しかけた。
「やばい、出るっ。でも、黒髪の気狂いのガキ、殺っちまってよかったんですかい?……うをっ、出た。飲めよ…でんし王様。御褒美だぞ」
「ああ、クロか。殺しちまったが、回収すりゃあすぐに治って使える。仕方ねえだろうが、俺も命辛々だ。白珠がなけりゃ、おっ死んでた。まあ、クロは勿体なかったがなあ」
むせながら嚥下する黄王の髪を鷲掴むと、尻を穿っていた男も精を放ち、屹立を音をたてて抜き出し、大声で笑った。
「尻孔がびろびろにめくれあがっちまったなあ、王様。はっはっはっ、女の孕み孔みたいだぞ。さあ、今日はお仕舞いだ」
「げほっ。はっ、はあっ、はあっ、あ……」
捨て置くように床に臥された黄王は、びくびくと震えながら横たわり、長い巻毛を散らしていた。弛緩した尻からは大量の体液が流れ出し床に染みを作り、放り出されたままで身動きもできない。男達はそんな王を打ち捨てたまま飲み食いを始め、小瓶を並べて笑っている。
「酷い、アルバートを。え、クロ……僕のこと?」
泣いていた直樹が嗚咽を堪えられなくなりしゃくりあげら一瞬静まる広間に響いて、シンラは直樹の口を押さえるが、赤頭がぴくと長刀を手にする。
「ふふっ。あはははは、うっそだろう?これで終わりなんて……」
黄王が小刻みに震えながら床をゆっくりと這い、玉座に近付き、
「もっとしてくれよ。セックス、好きなんだ。お頭さん、あんたのおっきいので、僕を壊してよ」
と、赤頭の足指を桃色の舌で舐めた。
「わっははは。あのガキもこれくらいの色気がありゃあ斬って捨てなかったがなあ。ああ、いいとも、壊してやる。尻から二つ裂きにしてなあ。浴場で尻を洗え」
黒髪の年若そうな青年が、黄王を抱えて浴場に連れて行く。
「直樹、行くぞ。くそ、黄王に助けられた」
黄王の唇がなにやら動き始め、シンラはそれを読み取ると直樹の口を塞いで、連れて裏口から出た。
シンラは森の王ではあるが、『神』ではない。
「直樹、どこだ?」
湖にいる直樹の気配が感じ取れるのは、シンラが直樹の和合者であるからだ。直樹はいくら可愛いらしい子どもであっても、人は直樹に膝を着く。王気がそうさせているのだと、トトは話していた。
「シンラ」
直樹は国が認める神王であり、人ではなく『神』なのだと、苦々しく思う半面、このまま森に置いていていいのかとも思うのだ。
「シンラ、まだ怒ってる?」
クロの背の上で直樹が呟いたが慰めることすら出来ずにいた。このまま森の宮に閉じ込めて、シンラだけが入ることの出来る部屋に入れてしまいたい程、愛おしくて狂おしいのだ。
勿論、そんなことはする気はないが、どうにも謝るのも、許すのも、違う気がして、シンラは正直困っている。
公衆の面前で尻を叩いたのは、反省をしているが、どうにも直樹は純粋で、人を無条件に信じてしまう。危なっかしくて仕方がないのだ。
「怒ってはいない」
黄国は明るく賑やかな国で、珍しい果物や甘いお菓子があると言うから、直樹の気持ちをほぐすことが出来るかも知れないと思っていた。そして仲直りをしようと決めていた。
「ん?王宮にたき火、おかしいな」
黄宮の白い美しい外壁が煤で汚れ、卑下した笑い声が響き渡る。
「様子が……?武官もいないのか?クロ、裏に降りてくれ」
裏の通用門が壊されており、人の気配はしない。
「直樹はクロと」
直樹が首を横に振り、シンラの袖を掴んでいた。やはり万が一の時には、シンラが直樹を守った方がいい。
「わかった。クロは上空にいてくれ。何かあったら直樹を乗せて上がれ」
にゃあとは鳴かなくなったクロが、ぐるぐると鳴きながら空に舞い上がる。天を駆ける獣なのだ。直樹の気を読み直樹の言葉に従い、呼べば答えて来てくれる。
「直樹、離れるな」
「うん、なんか嫌な臭いががする」
白亜に輝く磨かれた石造りの黄宮の裏から入るが、案じられた死体もなにもなく、直樹の手を握りしめたまま煤のついた壁の辺りに行くと、広間から笑い声がする。
すえた臭いに肉を打つ音がして、シンラは直樹の体を壁につけ、目と耳を手で塞いだ。
「シンラ?」
「しっ」
広間の中央に金の髪を中心にして、男達が数人群がっている。長い金の巻き毛を掴まれ、顔を上げさせられた美しい桃色の頬に、瞳を覆うように粗布で封じ込められていた。
「おら、出せよ!おらおらおらっ黄王様ようっ!」
四つ這いされ両手を後ろ手に縛られた黄王は、尻を酷く穿たれ真っ赤になった屹立を手荒く擦られる。
「あっ……んああああっ……」
悲鳴のような喘ぎの中で、男の手にする小瓶に白濁を飛沫させるが、背後の男は尻肉を両手で開いてぐりぐりと打ち付けた。
「足りねえなあ。口に突っ込め、もう一回出させろ」
シンラの目の前で、まるで野合に震えていたクロのように犯される黄王に片手で剣を取るが、その弾みで直樹の視覚と聴覚を封じていた手が緩み、直樹が黄王を見て息を呑む。
「はっ……ぐ……ぐうっ……んんっ…っ!」
手荒な集団野合により肉壁に挿入出する屹立が空気を含み、ぐぼっぐぼっと鈍い音がして、男が呻きながら尻を押し付け何度か押し込んで吐精したようだ。
「代われ」
口を一杯に開きそこに喉まで押し込まれる黒々とした屹立と、再び襞を蹂躙する剛直に黄王の体は震え、手荒く手淫をしている男は双珠を握り潰す勢いで擦り合わせ、黄王が背を反らした。
「おー、出た出た。ザトのお頭、血が混じっとりますが」
「取引には、支障がない。なんせ、黄王様の白珠だ。国には欲しい奴等がたくさんいる」
広間の玉座に座っている赤頭が、くくっ……と喉で笑う。
「森から出て正解だったなあ。仲間は随分討伐されちまったしよう」
赤頭ザトの横で黄王の唇を犯す男が、腰を激しく振りながら話しかけた。
「やばい、出るっ。でも、黒髪の気狂いのガキ、殺っちまってよかったんですかい?……うをっ、出た。飲めよ…でんし王様。御褒美だぞ」
「ああ、クロか。殺しちまったが、回収すりゃあすぐに治って使える。仕方ねえだろうが、俺も命辛々だ。白珠がなけりゃ、おっ死んでた。まあ、クロは勿体なかったがなあ」
むせながら嚥下する黄王の髪を鷲掴むと、尻を穿っていた男も精を放ち、屹立を音をたてて抜き出し、大声で笑った。
「尻孔がびろびろにめくれあがっちまったなあ、王様。はっはっはっ、女の孕み孔みたいだぞ。さあ、今日はお仕舞いだ」
「げほっ。はっ、はあっ、はあっ、あ……」
捨て置くように床に臥された黄王は、びくびくと震えながら横たわり、長い巻毛を散らしていた。弛緩した尻からは大量の体液が流れ出し床に染みを作り、放り出されたままで身動きもできない。男達はそんな王を打ち捨てたまま飲み食いを始め、小瓶を並べて笑っている。
「酷い、アルバートを。え、クロ……僕のこと?」
泣いていた直樹が嗚咽を堪えられなくなりしゃくりあげら一瞬静まる広間に響いて、シンラは直樹の口を押さえるが、赤頭がぴくと長刀を手にする。
「ふふっ。あはははは、うっそだろう?これで終わりなんて……」
黄王が小刻みに震えながら床をゆっくりと這い、玉座に近付き、
「もっとしてくれよ。セックス、好きなんだ。お頭さん、あんたのおっきいので、僕を壊してよ」
と、赤頭の足指を桃色の舌で舐めた。
「わっははは。あのガキもこれくらいの色気がありゃあ斬って捨てなかったがなあ。ああ、いいとも、壊してやる。尻から二つ裂きにしてなあ。浴場で尻を洗え」
黒髪の年若そうな青年が、黄王を抱えて浴場に連れて行く。
「直樹、行くぞ。くそ、黄王に助けられた」
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