薔薇の寵妃〜女装令嬢は国王陛下代理に溺愛される〜完結

第二章 レディ・ブリュー編

外伝 私のお義理姉様（アーリア視点）

　初めて会ったルーネは、髪の色がお母様によく似ていて、抱っこしてもらうと安心したの。

　ルーネは初めお兄様が嫌いだったみたいなのだけれど、だんだんと仲良くなって、お兄様は私にもたくさん話をしてくれる。そして内緒のお義理姉様になったの。お兄様と結ばれたのですって。恋愛物語みたい。

　お兄様ったら三時のお茶会でチョコレートケーキが出ると逃げ出してしまうのが、少し面白いわ。

　ルーネが王宮に来て、すごく明るくなった。マーシーはいつも優しいし、カーリンもお話しをしてくれる。サヴナはカルタの相手をしてくれるのだけど、すごく強いの。

　私はもうじきお母様の跡を継いで女王になるの。

　本当はルーネがふさわしいと思うのよ。だって伝説のレティーシア女王陛下の絵姿にそっくりなんですもの。でも直系でないとダメなんですって。ケチね。でもでも、すごく素敵だと思うの。だからグラン医師せんせいに毎月の健診の時お話をしたら、にこにこ笑って、「アーリア姫殿下が女王になれば、なんでも叶いますよ」と話してくれたの。じゃあ、私が女王になるべきね。なんでも叶えられるんですもの。