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31 銀の檻と婚約破棄
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ジェスが僕を見ている。目を見開き、小さな唇が開いていた。その唇が言葉を残酷な紡ぐ。
「誰か……見たのか?サリオンが魔獣だって……」
マリアナ嬢がジェスを睨め付けるように見る。マリアナ嬢よりもジェスは少しばかり小さいのだ。
「離宮の門衛士が見ていましたわ。お礼をすると色々お喋りしてくれましたの。殿下のお部屋の窓から出てくる、殿下の髪色と同じ鈍色獅子型の魔獣のことを」
マリアナ嬢はお茶を優雅に引き寄せ、ちらりと僕を見た。
「そいつが嘘をついているかもしれないじゃないか」
もうやめて、ジェス、これ以上聞きたくない。僕は耳を塞ぎたいのに、身体がいうことを聞いてくれない。
「最近お辞めになった王宮神官様が書物をお出しになりたいそうで、私のお父様にまとめた手記を見せに来ましたの。殿下は月夜の晩に落実なさって、そのお姿は獣だったとか」
父様の宿り木は王宮神殿の中庭にある。母様の死により塞ぎがちであった父様のかわりに宿り木に祈りを捧げてくれていたのは、メーテルと神官様たちだ。その神官様が記した手記……。
「みなさんもジェス君のように、殿下が魔獣だとお疑いだと思うのです。だから、次回の僕の茶会は夜茶会にしましょう。ああ、殿下の銀の檻はすぐに造らせます。そうしたら殿下の夜のお姿が分かりましょう。さあ殿下、証明し名実と共に疑いを晴らしましょう」
アーロンが立ち上がり拍手を浴びている。何故、アーロンはこんなに笑顔なのだろう。僕の疑いとはなんなのだ。どうして僕がーー。
「大丈夫です、殿下。野獣の姿からヒトに戻りましたら、檻からお出しします。なんと言っても王国最高の伴侶です。素晴らしい昼伴侶になりましょう。夜伴侶はこのマリアナが引き受けてくれますのでご心配なく」
満面の笑顔を見せていた。
何を言っているのだ、アーロンは。その言葉が理解出来ない、その笑顔が理解出来ない、理解出来ない、理解出来ない……気持ちが悪い……吐きそうだ。
マリアナ嬢の側付きがマリアナ嬢に耳打ちをして、マリアナ嬢が可愛らしく微笑みながらアーロンに耳打ちをする。アーロンが喜色の笑みを浮かべ、さらに目を輝かせている。
「みなさん、マリアナ嬢が銀の檻を持っておられるとのこと。今こちらに運ばせております。よろしければこのまま夕食をご一緒しながら、殿下の魔獣に代わる姿を拝見し、疑いを晴らしましょう。ねえ、殿下」
僕はアーロンに逆らうことができない。してはならない。僕はアーロンの婚約者だ。アーロンは婚約破棄を望んでいない。
「サリオン、帰るぞ!こんな茶番、馬鹿馬鹿しい」
ジェスが僕のところに来て僕を引っ張って立たせようとした。
「ジェス……。僕は婚約者のアーロンに従うよ。帰って、ね。小さな君に魔獣の僕の姿は怖くて見られないと思うから」
僕はジェスの手を離し、ジェスの手を握り締めた。
「騙していてごめんね。君といると楽しくて言えなかった。アーロン、離宮の家令を呼び、ジェスを帰してくれないか。禍々しい魔獣の姿を小さな子に見せてはならない」
僕は僕の歳より下の子息令嬢を帰してもらうように告げたが、興味があるのかアーロンのことが好きなのか、ジェス以外は誰も帰らなかった。
僕はカノンに連れられて客間に通された。
「主の非礼お許しください」
カノンが片膝を付いて頭を深々と下げる。目の周りが赤いのは僕だけ受ける屈辱を理解しているからだろう。
「ガウンがあればそれを。服を脱ぐのを手伝って欲しい」
夕方の夕陽の中、ジェスを乗せた馬車が一階の客間から見え、かわりに幌馬車が入ってくる。随分と用意がいい。マリアナ嬢とは何者だろう。
「お食事は……」
「食欲がないので、気にしないで欲しい」
リボンを外しベルトを取り、下着を脱ぐとガウンを掛けられた。カノンにガウンの紐を結えられる。僕の服はきちんと畳まれ衣装箱に入れられて、カノンが呼びにくるまで部屋で待機するように丁寧な態度で言われた。
アーロンは僕の魔獣姿を見せて、魔獣の僕が安全なのを周知させる、それがアーロンの善意なのだろう。アーロンは素晴らしい。魔獣の僕を制するアーロンはきっと称賛されるだろう。だが、僕は?
「……気持ち悪い」
僕は吐き気に何度かえづいて、ソファの肘掛にもたれ掛かる。晒し者にされる苦痛からだろう。ガウンの胸元をしっかり合わせて震えた。
「セシル兄様、父様……」
僕はここで、この身を晒して良いのだろうか。
「オーロ、オーロ、僕は怖いよ」
ああ、僕の半身、僕の番。金の獅子型の魔獣。ここから僕を連れて逃げてーー神様、ガルド神様、お願いです。
そんな願いも虚しく、カノンが呼びに来てしまった。
「僭越ながら殿下、お手を」
僕は右手でガウンの胸元を引き寄せ、左手をカノンの右手に乗せた。誘導の添え手だが、逃げ出した時の引き寄せになる手だ。その後ろには魔法陣を操る騎士ロイドがいる。万が一の捕縛を考えているのだろう。
「僕は逃げはしないが、このことを現大公はご存知か?」
カノンがハッとして動揺の表情を見せる。
「僕はどのように扱われても良い出来損ないだが、これにより王族に不利益になることを良しとしない。アーロンに不利になるようにせぬように」
「心得ております……」
大広間では急ごしらえの軽食が終わり、テーブルが片付けられ、銀の檻が真ん中にある。僕が立って入るにはちょうどいい大きさで、獣化するとやや窮屈そうだ。
「殿下、もうじき月が昇ります」
アーロンはマリアナと手を繋ぎ、仲良さそうに青冴えた細い月明かりをソファの中で浴びている。まだ檻には月光は伸びていない。貴族の子供はガラスの窓とは反対側のソファに座り離れて見ている。お付きの側付きや側仕え騎士も配置されていて、魔獣に対応するために剣に手を掛けていた。
僕はカノンの震える手に寄って腰紐を解かれ、肩からガウンを滑らせる。痩せた手足が腹が胸が常に丸い月の光に晒された。不意にオーロの声が胸のうちに湧き上がる。
『月が綺麗だな』
ああ、本当にオーロと見た月はどの月より綺麗だったよ。身体の中がざわりとさざめく。毛皮を一枚纏うような温かみを感じて獣なる。
『死んでもいい』
オーロの横で死んでもいいくらい、僕はオーロが好きだ。ジェスもオーロを好きになってくれるかな?オーロは小さくて可愛いから、オーロなら恐れられないだろう。そうしたらセシル兄様に頼んで、三人で魔の森の小さな屋敷で暮らそう。僕には魔力がある。ザックみたいに冒険者になるのもいい。だからーー
僕は目を開いた。四つ足の獣になった僕の姿に誰もが無言だ。鈍色の魔獣に化した僕は、ヒトの背丈より大きくなるから銀の檻は狭い。その中で僕はアーロンをじっと見つめた。
『アーロン、君との婚約を破棄する』
「誰か……見たのか?サリオンが魔獣だって……」
マリアナ嬢がジェスを睨め付けるように見る。マリアナ嬢よりもジェスは少しばかり小さいのだ。
「離宮の門衛士が見ていましたわ。お礼をすると色々お喋りしてくれましたの。殿下のお部屋の窓から出てくる、殿下の髪色と同じ鈍色獅子型の魔獣のことを」
マリアナ嬢はお茶を優雅に引き寄せ、ちらりと僕を見た。
「そいつが嘘をついているかもしれないじゃないか」
もうやめて、ジェス、これ以上聞きたくない。僕は耳を塞ぎたいのに、身体がいうことを聞いてくれない。
「最近お辞めになった王宮神官様が書物をお出しになりたいそうで、私のお父様にまとめた手記を見せに来ましたの。殿下は月夜の晩に落実なさって、そのお姿は獣だったとか」
父様の宿り木は王宮神殿の中庭にある。母様の死により塞ぎがちであった父様のかわりに宿り木に祈りを捧げてくれていたのは、メーテルと神官様たちだ。その神官様が記した手記……。
「みなさんもジェス君のように、殿下が魔獣だとお疑いだと思うのです。だから、次回の僕の茶会は夜茶会にしましょう。ああ、殿下の銀の檻はすぐに造らせます。そうしたら殿下の夜のお姿が分かりましょう。さあ殿下、証明し名実と共に疑いを晴らしましょう」
アーロンが立ち上がり拍手を浴びている。何故、アーロンはこんなに笑顔なのだろう。僕の疑いとはなんなのだ。どうして僕がーー。
「大丈夫です、殿下。野獣の姿からヒトに戻りましたら、檻からお出しします。なんと言っても王国最高の伴侶です。素晴らしい昼伴侶になりましょう。夜伴侶はこのマリアナが引き受けてくれますのでご心配なく」
満面の笑顔を見せていた。
何を言っているのだ、アーロンは。その言葉が理解出来ない、その笑顔が理解出来ない、理解出来ない、理解出来ない……気持ちが悪い……吐きそうだ。
マリアナ嬢の側付きがマリアナ嬢に耳打ちをして、マリアナ嬢が可愛らしく微笑みながらアーロンに耳打ちをする。アーロンが喜色の笑みを浮かべ、さらに目を輝かせている。
「みなさん、マリアナ嬢が銀の檻を持っておられるとのこと。今こちらに運ばせております。よろしければこのまま夕食をご一緒しながら、殿下の魔獣に代わる姿を拝見し、疑いを晴らしましょう。ねえ、殿下」
僕はアーロンに逆らうことができない。してはならない。僕はアーロンの婚約者だ。アーロンは婚約破棄を望んでいない。
「サリオン、帰るぞ!こんな茶番、馬鹿馬鹿しい」
ジェスが僕のところに来て僕を引っ張って立たせようとした。
「ジェス……。僕は婚約者のアーロンに従うよ。帰って、ね。小さな君に魔獣の僕の姿は怖くて見られないと思うから」
僕はジェスの手を離し、ジェスの手を握り締めた。
「騙していてごめんね。君といると楽しくて言えなかった。アーロン、離宮の家令を呼び、ジェスを帰してくれないか。禍々しい魔獣の姿を小さな子に見せてはならない」
僕は僕の歳より下の子息令嬢を帰してもらうように告げたが、興味があるのかアーロンのことが好きなのか、ジェス以外は誰も帰らなかった。
僕はカノンに連れられて客間に通された。
「主の非礼お許しください」
カノンが片膝を付いて頭を深々と下げる。目の周りが赤いのは僕だけ受ける屈辱を理解しているからだろう。
「ガウンがあればそれを。服を脱ぐのを手伝って欲しい」
夕方の夕陽の中、ジェスを乗せた馬車が一階の客間から見え、かわりに幌馬車が入ってくる。随分と用意がいい。マリアナ嬢とは何者だろう。
「お食事は……」
「食欲がないので、気にしないで欲しい」
リボンを外しベルトを取り、下着を脱ぐとガウンを掛けられた。カノンにガウンの紐を結えられる。僕の服はきちんと畳まれ衣装箱に入れられて、カノンが呼びにくるまで部屋で待機するように丁寧な態度で言われた。
アーロンは僕の魔獣姿を見せて、魔獣の僕が安全なのを周知させる、それがアーロンの善意なのだろう。アーロンは素晴らしい。魔獣の僕を制するアーロンはきっと称賛されるだろう。だが、僕は?
「……気持ち悪い」
僕は吐き気に何度かえづいて、ソファの肘掛にもたれ掛かる。晒し者にされる苦痛からだろう。ガウンの胸元をしっかり合わせて震えた。
「セシル兄様、父様……」
僕はここで、この身を晒して良いのだろうか。
「オーロ、オーロ、僕は怖いよ」
ああ、僕の半身、僕の番。金の獅子型の魔獣。ここから僕を連れて逃げてーー神様、ガルド神様、お願いです。
そんな願いも虚しく、カノンが呼びに来てしまった。
「僭越ながら殿下、お手を」
僕は右手でガウンの胸元を引き寄せ、左手をカノンの右手に乗せた。誘導の添え手だが、逃げ出した時の引き寄せになる手だ。その後ろには魔法陣を操る騎士ロイドがいる。万が一の捕縛を考えているのだろう。
「僕は逃げはしないが、このことを現大公はご存知か?」
カノンがハッとして動揺の表情を見せる。
「僕はどのように扱われても良い出来損ないだが、これにより王族に不利益になることを良しとしない。アーロンに不利になるようにせぬように」
「心得ております……」
大広間では急ごしらえの軽食が終わり、テーブルが片付けられ、銀の檻が真ん中にある。僕が立って入るにはちょうどいい大きさで、獣化するとやや窮屈そうだ。
「殿下、もうじき月が昇ります」
アーロンはマリアナと手を繋ぎ、仲良さそうに青冴えた細い月明かりをソファの中で浴びている。まだ檻には月光は伸びていない。貴族の子供はガラスの窓とは反対側のソファに座り離れて見ている。お付きの側付きや側仕え騎士も配置されていて、魔獣に対応するために剣に手を掛けていた。
僕はカノンの震える手に寄って腰紐を解かれ、肩からガウンを滑らせる。痩せた手足が腹が胸が常に丸い月の光に晒された。不意にオーロの声が胸のうちに湧き上がる。
『月が綺麗だな』
ああ、本当にオーロと見た月はどの月より綺麗だったよ。身体の中がざわりとさざめく。毛皮を一枚纏うような温かみを感じて獣なる。
『死んでもいい』
オーロの横で死んでもいいくらい、僕はオーロが好きだ。ジェスもオーロを好きになってくれるかな?オーロは小さくて可愛いから、オーロなら恐れられないだろう。そうしたらセシル兄様に頼んで、三人で魔の森の小さな屋敷で暮らそう。僕には魔力がある。ザックみたいに冒険者になるのもいい。だからーー
僕は目を開いた。四つ足の獣になった僕の姿に誰もが無言だ。鈍色の魔獣に化した僕は、ヒトの背丈より大きくなるから銀の檻は狭い。その中で僕はアーロンをじっと見つめた。
『アーロン、君との婚約を破棄する』
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