上 下
92 / 105
4章

88 饗宴※

しおりを挟む
 タイタンに獣人の祖、吉兆の金獅子が生まれたことは瞬く間に広がり、セリアン国はもちろん、小人族のドワフ国、ノーム国、コボルト国、妖精族のエルフ国からも祝いの品が届き、使者さんの前に立つことがある僕は、レームを抱っこしながら車椅子でガリウスに寄り添いました。

 レームが生まれたことと僕の下半身不随は関係がないのですが、何故かガルド神様への身を捧げて吉兆の金獅子を降ろしたのだと噂が立ち正直困りました。これは気脈の流れが滞っているからですのに。

 特にセリアン国からはまるで平伏するように感謝され、現セリアン王狼族、獅子族、鳥族、熊族の四大族長がわざわざレームに会いに来て、レームに見合う伴侶を一人ずつ娶って欲しいとガリウスとセフェムに懇願したのです。

 ガリウスとセフェムは顔を見合わせてから、僕を見下ろしました。

「まだ生まれて一月ひとつきの子にハーレムを求めないでください」

 僕が話すと、

「では、金獅子様を我が国にいただけるのはいつに。今、見合う王城を皆で作っております」

と食い下がられました。

「ご、五年待ってください」

 巨人族の子供たちは一年で人間でいうところの十歳程度の成長をします。

 そこから五年で人間でいう十五歳くらいになります。

 だから五歳、この辺りで大体職業ギルドの見習いになり、王族なら仕事を割り振られます。

 さらに五年をかけて修行を積み、早い子で生まれて十年で大人と同じ仕事をし、肉体年齢が伴い成人します。十年から十五年で、人間のいう二十歳くらいの伸び止まりになるのですから、五年は手元に置きたいと話しました。

 なんとか了承してくれ、僕は車椅子の上で脱力してしまいました。






 一月ひとつきが過ぎると早くもレームは離乳し、セフェムのように獣面人になりました。するとお喋りが出てきて、子供特有の「どうして?」が始まりました。『なぜ・なにレーム』にタジタジなのは大人ばかりで、ベクルは

「そういうもんだ」

といなし、ナファは

「これはね」

とウンチクを長々と話します。

 しかしイベールはなかなかのもので、

「レームはどう思うの?」

と切り返します。

 小さい頃はそれでいいのです。大きくなれば「分からないから聞いているのだ」とガリウスみたいに不機嫌になりますが。あ、出会った頃のガリウスですからね、今は違いますよ。

 イベールのあやし方があまりにも見事ですから、イベールに聞いてみますと、

「おかーさんが僕たちに話してくれたんだよ。僕ね、おかーさんみたいなおかーさんになりたいんだ。ねえ、なれるかなあ」

なんて話してくれました。親冥利に尽きますね。イベールのお相手さんは幸せものですね。まだまだ先の話ですが。

 お喋りが得意になったレームが二階の子供部屋で寝るようになった二月(ふたつき)め、やっと、やっと僕はおむつを外すことが出来ました。僕は寝た切りからずっとおむつだったのです。だって下半身が動かないのですから仕方ないのです。

 でも、ソニンティアム様の神癒とテハナ・マグリタの気脈治療により、排泄コントロールが出来る様になったのです。

 下半身に力が入らなかった僕はおむつをつけて垂れ流しの状態で、そのたびに人の手を借りていたのですが、ガリウスとセフェムに頼んだりもします。すると汚れた肛門を洗ってくれる手がなんだか淫らだったり、陰茎をわざと擦ってみたりするんです。

 ガリウスとセフェムの精を三日おきに喰んでいるくせにと言われそうですが、伴侶にそんな風にされるのはどうにも恥ずかしくてたまらなかったのです。

 でもこれで連れて行ってもらえれば、トイレで排泄することができます。皆さんの手を煩わせる事はありません。

「眠くなったら呼んでくれ、タク」

「はい、セフェム。もふらせていただきます」

「ターク、お前も飲むか?」

「遠慮します。トイレが近くなりますから」

 夜、セフェムは珍しく夜警もなく、ガリウスも久々に仕事が早く終ったみたいで、僕の気力を補うために二人で添い寝をしてくれます。

 僕の寝室は広くて大きく寛ぎスペースがあります。僕の寝室と言っても基本二人が一緒です。二人の寝室は別室にちゃんとあるのですが、気力を補う添い寝が必要な僕への配慮をしてくれます。

 そのガリウスとセフェムは寝室のテーブルで、二人で飲みながら何やら話をしていました。どうやら王都以外にも水路を引いて水道を通す計画です。地中に土管を埋めるようです。僕は読んでいた書物を閉じて、ポーションケースを取り出しました。

 排泄コントロールが出来る様になったということは、気脈が下半身に巡り始めたということです。一気に気脈を流すしか手はありません。

 僕はガラス瓶の緑色の液体を飲み干しました。なんでしょうか、苦いし不味いのですがふわっと身体が軽くなりました。ソニンティアム様の神癒を受けた感じと似ていますね。

 まだ二人は話し込んでいますから、僕は先に眠ることにして掛布を手繰り寄せました。すると肌がざわりと震え上がるような感覚に襲われました。

「え?うあっ……」

 絹の羽織着すら肌に刺激があり、僕は肩から羽織着を落としました。おむつはつけていないので全裸になりましたが、風の刺激にも肌がざわざわとして鳥肌が立ち、僕は両手で肩を抱きしめます。

「ひっ……」

 腕が触れた乳首が立ち上がり、下半身に気力が一気に押し流され、気脈のしこりが解放されていくのが分かります。その分身体は餓え始めて、気力を伴う精液を狂おしいほどに求めていました。

「ガリウス!セフェム!」

 思わず上擦った声で二人を呼びます。ガリウスの足音がして、肩を掴まれて僕は思わず呻きました。

「ああっ……」

 掛布から出ている陰茎から精液が溢れ出し、ぶるぶると震えます。ガリウスに触れられている肩が熱くてビリビリしていて、僕はガリウスの手を掴んで枕元にある塗り薬を渡しました。

「二人の精液を下さい!今すぐ、僕の中に!」

 ガリウスもセフェムも羽織着だけで下着はありません。僕はガリウスの陰茎を掴みます。

「今すぐ入れてください!」

 身体が疼いて苦しくて仕方ないのにガリウスは、

「口からでいいだろう」

なんて言い、セフェムも

「下半身、感じてないんだろ?」

と気の毒そうに告げてきますから、ガリウスの陰茎に噛み付きました。

「ぐぁっ!ターク!」

 柔らかな亀頭は急に膨らみ、張り出しのある形に変わり刺激に勃起します。

「陰茎を肛門に今すぐ挿入し射精してください!今度女装して交合してもいいですから!」

 僕の剣幕にガリウスは困った顔をしていましたが、寝台に座ると僕の肛門に指を這わせます。その指が感じられて僕は息を噛みました。

「タク、大丈夫か?」

 セフェムが心配して僕の額を触れるのですが、それも感じてしまい射精したのに勃起している陰茎が震えるのが分かります。

「も、もういいから、挿れてくださ……あああっ!」

 ガリウスの陰茎が挿入された瞬間、巨大な亀頭で押されて前立腺が潰され、僕は体内で絶頂を感じました。お腹の中に熱さが広がって、

「早く、出してっ……精液が欲しいのですっ」

と泣きながら懇願し、僕は僕の直腸から大腸を割り開くガリウスの陰茎を皮膚の上から撫で続けます。膝裏を掴まれ挿入出を繰り返すガリウスの動きが止まりびくっびくっと震えた時、腸内に染み渡る精液を感じました。

「あ、あ、あ、あ……精液が気持ちいい……」

 下半身の気脈のために枯渇した気力が少しだけ満たされたましたが、まだ身体は疼いています。

「セフェムも挿れてください」

 ガリウスの陰茎は鳩尾を突き破りそうなくらい大きく太く、僕の肛門はぴたりとガリウスの陰茎に添い付いていました。 

「ガリィ、モノを少し出してくれ」

 ガリウスが僕の腸内から少しずつ出ていくと、亀頭を残した状態の肛門の緩みの中にセフェムの陰茎が入り込み滑りを良くする体液を出しました。

「ん、あああ……」

 満たされてさらに求める身体。気持ち良さを求めて、僕は

「ガリウス、ガリウス、動いて下さい」

と繰り返し懇願しました。
しおりを挟む
感想 252

あなたにおすすめの小説

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜 ・不定期

【完結】父を探して異世界転生したら男なのに歌姫になってしまったっぽい

おだししょうゆ
BL
超人気芸能人として活躍していた男主人公が、痴情のもつれで、女性に刺され、死んでしまう。 生前の行いから、地獄行き確定と思われたが、閻魔様の気まぐれで、異世界転生することになる。 地獄行き回避の条件は、同じ世界に転生した父親を探し出し、罪を償うことだった。 転生した主人公は、仲間の助けを得ながら、父を探して旅をし、成長していく。 ※含まれる要素 異世界転生、男主人公、ファンタジー、ブロマンス、BL的な表現、恋愛 ※小説家になろうに重複投稿しています

【完結】ここで会ったが、十年目。

N2O
BL
帝国の第二皇子×不思議な力を持つ一族の長の息子(治癒術特化) 我が道を突き進む攻めに、ぶん回される受けのはなし。 (追記5/14 : お互いぶん回してますね。) Special thanks illustration by おのつく 様 X(旧Twitter) @__oc_t ※ご都合主義です。あしからず。 ※素人作品です。ゆっくりと、温かな目でご覧ください。 ※◎は視点が変わります。

もふもふ獣人転生

  *  
BL
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で死にそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。 ちっちゃなもふもふ獣人リトと、攻略対象の凛々しい少年ジゼの、両片思い? な、いちゃらぶもふもふなお話です(笑) 本編完結しました! 舞踏会編はじまりましたー! 登場人物一覧はおまけのお話の最初にあります。忘れたときはどうぞです! 第12回BL大賞、奨励賞をいただきました。選んでくださった編集部の方、読んでくださった方、応援してくださった方、投票してくださった方のおかげです。 心から、ありがとうございます!

完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました

美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!

【完結】悪役令息の従者に転職しました

  *  
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。 依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。 皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ! 本編完結しました! 時々おまけのお話を更新しています。

【完結】第三王子は、自由に踊りたい。〜豹の獣人と、第一王子に言い寄られてますが、僕は一体どうすればいいでしょうか?〜

N2O
BL
気弱で不憫属性の第三王子が、二人の男から寵愛を受けるはなし。 表紙絵 ⇨元素 様 X(@10loveeeyy) ※独自設定、ご都合主義です。 ※ハーレム要素を予定しています。

社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈

めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。 しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈ 記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。 しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。 異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆! 推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!

処理中です...