巨人族の1/3の花嫁〜王様を一妃様と二妃様と転生小人族の僕の三妃で幸せにします〜〈完結〉

クリム

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4章

83 ガリウスの姿※

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 不意にドンと鈍い音がして振り向くと、石の扉が鈍い音を立てて開こうとしています。

「タークの指輪が反応している。ここだ!」

 外から低い声が聞こえてきました。

 内側にゴ、ゴ、ゴ……と地鳴りをさせながら開いていく扉に、ニボルマ様が驚いた顔をします。

「何故開く!ここはユミル王のみが入ることを許される白亜の宮で叡智の間だ!」

 先程は左右に自動ドアのように開いた扉を、力任せに押し開くその声と剣たこがある節くれ立つ指に見覚えがあります。

「俺には扉も触ることすら許されないらしいな。ガリィ、防御魔法陣でマナを相殺する!それから魔法陣身体強化、発動!」

 セフェムの声がして、更に手が石の扉をこじ開きます。

「うおおおおーーっ!ターク!!」

 金の髪が開いた扉に掛かり、一瞬押し戻されます。ガルド神様が部屋に充したマナに反発して、ガリウスがめり込むように押し入ります。ガリウスの歯を食いしばる表情の後ろで、セフェムが再び魔法陣を描き出していました。

「魔法陣展開、加速!」

 身体を強化し更に加速する二重の魔法陣は僕もセフェムを殴るときに使いました。ガリウスの足が室内に入り、手が石の扉を掴み肩が入ります。

「ぐっ……おおおおっ!」

 顔が僕に向けられました。

 ガルド神様が目を見開きます。僕も驚きました。ガリウスの瞳が金色なのです。そして褐色の肌が白く変化していました。

 ガリウスが室内に入り込むと、鈍い音を立てて石の扉がぴったりと閉まりました。扉の向こうで

「タクを、タクを頼む!」

 閉まる前に目端に飛び込んで来た、床に倒れ込むセフェムが言いました。二つの陣を、いえ、防護魔法陣を含めた三つの陣をガリウスに付与し続けたセフェムは、マナ切れに近いはずです。

 ガリウスもこのマナで溢れた部屋の中で弾き出されないよう自身のマナでせめぎ合い繰り返し肩で息をつき、片膝をついて息を整えています。

「馬鹿な、馬鹿な、馬鹿な!お前は誰だ!余はユミル王ニボルマであるぞ」

 ガリウスはふーっと深い息を吐き立ち上がります。

「タイタン国王ガリウスである。そちらの小人は余の伴侶。お返し頂こう」

 ガリウスの金色の瞳がガルド神様を見つめました。ガルド神様は、

「我のマナを浴びて本来の姿が現れたか。肌の色は白く瞳は金色、まさに始祖のユミル王の姿。落じ……」

 僕の口を使って、その言葉を言わないで下さい!!

 ガリウスは自身の手の色が変わっているのに気づきました。

「見知らぬ母の色か……」

「馬鹿な!タイタンに嫁したマリアナ叔母上の子らは平凡な巨人だと聞いている!何故ユミル王族の姿をしているのだ!ガルド神よ、答えよ!」

 ニボルマ様が全裸のまま喚き散らします。全く賑やかな王様ですね。

「のう、招れ人よ。我は神故に嘘はつけぬ。故に真実を告げる。タイタンの落実よ、それがそなたの本来の姿だ。巨人の祖ユミルの姿をよく受け継いでおる」

 落実……それはガルド神への裏切りでもあります。伴侶たる二人が望んで、ガルド神へお願いしたのに気持ちがずれて寄り添わなくなってしまった結果ですから。

 ガリウスは落実だったために、本来の輝ける全き姿を失っていたのです。ガルド神様が似ていると言われるなら、巨人の祖ユミルはガリウスとよく似た立派な姿だったのですね。

「……そなたはタークではないな。タークはそんなにマナを充した身体をしておらぬ」

 ガリウスは扉の前で立っています。そこから動いてはいません。多分動けないのでしょう。ガルド神様はガリウスにマナを容赦なく浴びせ続けています。ともすれば排除するつもりなのです。

「招れ人の身を間借りしておる。我はガルド神。招れ人の叡智を授けるために、ユミル国に召喚されたのだが、ユミルの子が二人……ふむ、どちらに授ければ良いのか」

 僕はガリウスがいいです。ガリウスは僕の伴侶なんです。

「そなたも衣を捨てよ」

 ガリウスが片眉を上げてから、足首までのブーツを抜き、マントを外し、軍服を脱ぎました。見事な体躯にガルド神様のマナが揺れます。

「なかなかのイチモツだが、この身が壊れたりはせぬか?」

 余計なお世話です!ガルド神様。

「タークは余の伴侶だ。丁寧に開けば深いところで感じ入る」

 ガルド神様は頷き、ガリウスの体躯に圧倒されているニボルマ様と、扉の前のガリウスに声を掛けました。

「この身に先に触れた者に、我と繋がり叡智を授ける権利を与えよう」

 ニボルマ様は少し手を伸ばせば触れられる距離にいて、ガリウスは数歩ほどの距離があります。しかし僕の身体から爆発的なマナが溢れ出し、目の前のニボルマ様は

「ぎゃっ……」

と鈍い悲鳴を上げて跳ね飛ばされ壁に叩きつけられ床にくたりと横たわります。ガリウスが自身のマナを高めながら一歩一歩低い唸り声を上げながら進み、

「ターク!」

肩を掴まれ強く抱きしめられました。

 その途端、ガルド神様のマナの暴走のような膨らみが消えて、部屋の中で温かい光のマナがきらきらと散っては床に跳ね上がり、まるで線香花火のように散りばめられます。

「そなたが新しいユミルの王だ。さあ、叡智を受け取るが良い。この身を開き深く繋がるのだ」

 ちょ、ちょっと待ってください!そんな簡単にガリウスの陰茎は入りません!無理ですって!

 ガリウスは寝台に座り足を開いた僕の身体を見下ろし、自身の服のポケットから塗り薬を出してきました。それを僕の肛門にひと掬い指で押し込み、勃起させた陰茎に塗り込むと、ガルド神様にお貸ししている僕の身の前に片膝立ちになりました。

「では失礼する」

 両手で僕の腰と背中を抱き寄せると、陰茎を肛門に突き刺しました。いきなりずぶりと入り込み、ガリウスに両手で抱き締められました。ガリウスの体温を感じます。

「叡智の扉を!」

 部屋に散るマナが僕とガリウスを包み込みました。
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