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4章
61 ソニン様と薔薇岩塩
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夕食は久しぶりにフェンナの手作りの食事を頂き、居間から見えるロキの宮を少しぼんやりと見てから一人で早くから寝てしまいました。
今日は午後からの内務長官の面会の後、ティンの長ズボンを仕立てに行きますので、みんなで外食をしよう考えていましたら、ソニン様から先触れが来ました。
朝食後に調べていたレーダー伯領のことで話があるとのことでしたが、まず僕に話をしたいとのことでした。
僕はどこでもドアを使い、朝食中のガリウスの寝室から居間に入ります。
「タークどうした?朝食を一緒にどうだ?」
「いえ、僕は宮に用意が。それよりもお話があります」
昨晩はロキの宮にいたガリウスがまずは……と抱き上げて僕にキスをします。甘い唾液に少しスープの香りがします。
「ソニン様から朝食後のお茶に呼ばれました。レーダー伯領の調査のことだと思います。まずは僕にとのことですから、一人で行きます」
「頼む」
ガリウスが僕を膝に入れたまま離してくれないので、ついでにフェンナの話をしました。
「それから……フェンナはレーダー伯爵のことを知っているようなのです」
「確かに気品がある。俺の母よりもな」
「王、母上に言いつけます」
「……やめてくれ、兄上」
二人の真顔のやりとりにキレンさんが吹き出して、僕はやっとガリウスの手から抜け出しました。
「では朝の政務はタークなしか」
「ずうっとお茶はしていませんから、昼前には戻ります」
ガリウスは昨晩の埋め合わせを考えているようですが、僕はガリウスの大きな手を掴み小指をカリリ……と噛みました。
「昨日の夜の小指が痛い、あなたが噛んだ小指が痛い……今晩のお誘いです」
なんて日本の古い歌で洒落てみましたが、ガリウスには勿論分かりませんでした。
僕はサボンをいくつか用意して、ティンと朝のお散歩をします。
「主様とこうして歩けてとても嬉しいです」
ティンがゆっくり僕に合わせて歩いています。
「心配を掛けましたね。今日は午後の面会の後、ティンの長ズボンを仕立てに行きましょう。フェンナも誘ってください。夜、貴族街で食事をしましょう」
「母もよろしいのですか?」
「ご一緒しましょう。今日はティンも一緒にソニン様の宮に入れてもらいます。僕の後ろでしっかりと立ち振る舞うように」
「はい」
ティンが先触れとして宮の前に立つ側仕え騎士に礼を取り話します。僕はティンと一緒にソニン様の待つ温室型の大きな居間に迎え入れられました。
「お招きいただきありがとうございます。こちらは先だってのお力添えのお返しになります」
ティンに持たせたサボンの包みをばあやさんに渡すように言いました。ばあやさんはティンから練りサボンを貰い、
「姫様、よい香りがしますよ」
とふっくらした顔を綻ばせました。
「今日は側付きのティンを学ばせて下さい」
お茶と焼き菓子が運ばれて来ます。給仕からソニン様の側付きが貰いソニン様の前に置き、僕の前にティンが置きました。側付きが焼き菓子とお茶に口をつけ毒味をします。ティンも習い、先にソニン様が口をつけます。そして僕がお茶に口をつけました。
「銀の匙を持ってかき混ぜることもあります」
ソニン様の側付きが懐から銀の匙を出しました。ティンが首を傾げましたので、
「毒に反応に変色するからですよ」
と伝えました。ティンはハッとした表情をして頷きます。それから僕の後ろに立ちました。
「ターク様、荒れた土地のことです。薔薇色岩塩が沢山取れるのですが、人が少なくて重労働に苦しむ人々が浮民となって王都や別の町に流れ込んでいるようなのです」
「他の貴族領には入れませんからね。人頭税もありますから貴族に管理されています。でも、何故……人が少なく?」
ばあやさんがお茶を一口飲み、ソニン様の横でひそりと話します。
「知らない間に消えていると言うのです。怖くてたまりません」
「姫様、神隠しですわ。ガルド神に召されたのでは?」
神隠し……?
「お話中失礼します。人攫いにあったのではないかという領民もいました」
側仕え騎士のパクさんが扉の前で話してくれました。ちらりと後ろのティンを見ますと、ティンの表情が暗いのです。
「ソニン様、あの地はレーダー伯領です。レーダー伯は廃領したいと考えているようですよ」
ソニン様は切なそうにため息をつきました。
「塩の土地は確かに麦は育ちませんが、薔薇岩塩はとてもよい物です。こちらのサボンに入れると固形になると聞きました」
「はい。そうです」
「サボンは身体も清潔になりますし、衛生的にも良いので広めてあげたいのです」
来ましたか……この世界はまだ地球での中世史レベルの文化です。魔法陣は王族しか操れませんので、素朴な文化を謳歌しています。そこにこのサボンをひろめてしまったとしたら、衛生事情が進化してしまいます。
「しかし……」
「では、せめて貴族の子女に試してもらうことは出来ませんか?姫様は故郷でも取れた薔薇岩塩を使い国のお役に立ちたいのですわ」
ばあやさんにはどうしても弱い僕は、看取った三回目の前世の母を思い出すからでしょう。
「すぐにはお返事が出来ません。ですが、お気持ちはよく分かりました。レーダー伯が何故廃爵したいのかを聞いてからにしましょう。でも何故ソニン様、高級貴族の子女様にお会いになる機会がございますか?」
それに対してはソニン様はにっこり笑って何も答えてくれませんでした。
宮から帰りに僕は王宮に寄りました。ガリウスは友好国セリアンの旅札廃止についてのサインをしています。これで身分関係なくお金さえ払えばセリアンの獣人はタイタンに入れます。また、在住したければ身分を買うことも出来るのです。
「ガリウス、ソニン様の話ですが」
僕は魔法石を取り出しました。伝言魔法陣を施してある赤い石は僕とソニン様の声を届けて霧散しました。
「レーダー伯領で何かがあり領民が減って、税が払えなくなり廃嫡廃伯して廃領……」
ガリウスの言葉に僕は迷いながら頷きました。レーダー伯はどんな人なんだろう。どうして廃嫡廃伯まで考えています?
「僕の宮の側付きと給仕が何か知っている気がします。今日夕方から貴族街に出て、ティンの服を仕立てますので食事中聞いてみることにしますが、良い食事場所を知っていますか?」
アリスさんが、
「母の気に入る素朴な店がありますが、小人妃様と子供と婦人だけでは……」
と口篭ります。僕はそのうっかりでこの二ヶ月近く迷惑をかけていますので、どうしようかと迷いました。
「俺にいい考えがある。タークは心配せず店に行くといい。アリス、ロシュの店だろう?」
「そう。仕立て屋の通りに、じゃがいも絵の看板があるからそこにはいるといいですよ」
じゃがいものお店ですか!ワクワクします。キッシュとかニョッキなどあると嬉しいです。
今日は午後からの内務長官の面会の後、ティンの長ズボンを仕立てに行きますので、みんなで外食をしよう考えていましたら、ソニン様から先触れが来ました。
朝食後に調べていたレーダー伯領のことで話があるとのことでしたが、まず僕に話をしたいとのことでした。
僕はどこでもドアを使い、朝食中のガリウスの寝室から居間に入ります。
「タークどうした?朝食を一緒にどうだ?」
「いえ、僕は宮に用意が。それよりもお話があります」
昨晩はロキの宮にいたガリウスがまずは……と抱き上げて僕にキスをします。甘い唾液に少しスープの香りがします。
「ソニン様から朝食後のお茶に呼ばれました。レーダー伯領の調査のことだと思います。まずは僕にとのことですから、一人で行きます」
「頼む」
ガリウスが僕を膝に入れたまま離してくれないので、ついでにフェンナの話をしました。
「それから……フェンナはレーダー伯爵のことを知っているようなのです」
「確かに気品がある。俺の母よりもな」
「王、母上に言いつけます」
「……やめてくれ、兄上」
二人の真顔のやりとりにキレンさんが吹き出して、僕はやっとガリウスの手から抜け出しました。
「では朝の政務はタークなしか」
「ずうっとお茶はしていませんから、昼前には戻ります」
ガリウスは昨晩の埋め合わせを考えているようですが、僕はガリウスの大きな手を掴み小指をカリリ……と噛みました。
「昨日の夜の小指が痛い、あなたが噛んだ小指が痛い……今晩のお誘いです」
なんて日本の古い歌で洒落てみましたが、ガリウスには勿論分かりませんでした。
僕はサボンをいくつか用意して、ティンと朝のお散歩をします。
「主様とこうして歩けてとても嬉しいです」
ティンがゆっくり僕に合わせて歩いています。
「心配を掛けましたね。今日は午後の面会の後、ティンの長ズボンを仕立てに行きましょう。フェンナも誘ってください。夜、貴族街で食事をしましょう」
「母もよろしいのですか?」
「ご一緒しましょう。今日はティンも一緒にソニン様の宮に入れてもらいます。僕の後ろでしっかりと立ち振る舞うように」
「はい」
ティンが先触れとして宮の前に立つ側仕え騎士に礼を取り話します。僕はティンと一緒にソニン様の待つ温室型の大きな居間に迎え入れられました。
「お招きいただきありがとうございます。こちらは先だってのお力添えのお返しになります」
ティンに持たせたサボンの包みをばあやさんに渡すように言いました。ばあやさんはティンから練りサボンを貰い、
「姫様、よい香りがしますよ」
とふっくらした顔を綻ばせました。
「今日は側付きのティンを学ばせて下さい」
お茶と焼き菓子が運ばれて来ます。給仕からソニン様の側付きが貰いソニン様の前に置き、僕の前にティンが置きました。側付きが焼き菓子とお茶に口をつけ毒味をします。ティンも習い、先にソニン様が口をつけます。そして僕がお茶に口をつけました。
「銀の匙を持ってかき混ぜることもあります」
ソニン様の側付きが懐から銀の匙を出しました。ティンが首を傾げましたので、
「毒に反応に変色するからですよ」
と伝えました。ティンはハッとした表情をして頷きます。それから僕の後ろに立ちました。
「ターク様、荒れた土地のことです。薔薇色岩塩が沢山取れるのですが、人が少なくて重労働に苦しむ人々が浮民となって王都や別の町に流れ込んでいるようなのです」
「他の貴族領には入れませんからね。人頭税もありますから貴族に管理されています。でも、何故……人が少なく?」
ばあやさんがお茶を一口飲み、ソニン様の横でひそりと話します。
「知らない間に消えていると言うのです。怖くてたまりません」
「姫様、神隠しですわ。ガルド神に召されたのでは?」
神隠し……?
「お話中失礼します。人攫いにあったのではないかという領民もいました」
側仕え騎士のパクさんが扉の前で話してくれました。ちらりと後ろのティンを見ますと、ティンの表情が暗いのです。
「ソニン様、あの地はレーダー伯領です。レーダー伯は廃領したいと考えているようですよ」
ソニン様は切なそうにため息をつきました。
「塩の土地は確かに麦は育ちませんが、薔薇岩塩はとてもよい物です。こちらのサボンに入れると固形になると聞きました」
「はい。そうです」
「サボンは身体も清潔になりますし、衛生的にも良いので広めてあげたいのです」
来ましたか……この世界はまだ地球での中世史レベルの文化です。魔法陣は王族しか操れませんので、素朴な文化を謳歌しています。そこにこのサボンをひろめてしまったとしたら、衛生事情が進化してしまいます。
「しかし……」
「では、せめて貴族の子女に試してもらうことは出来ませんか?姫様は故郷でも取れた薔薇岩塩を使い国のお役に立ちたいのですわ」
ばあやさんにはどうしても弱い僕は、看取った三回目の前世の母を思い出すからでしょう。
「すぐにはお返事が出来ません。ですが、お気持ちはよく分かりました。レーダー伯が何故廃爵したいのかを聞いてからにしましょう。でも何故ソニン様、高級貴族の子女様にお会いになる機会がございますか?」
それに対してはソニン様はにっこり笑って何も答えてくれませんでした。
宮から帰りに僕は王宮に寄りました。ガリウスは友好国セリアンの旅札廃止についてのサインをしています。これで身分関係なくお金さえ払えばセリアンの獣人はタイタンに入れます。また、在住したければ身分を買うことも出来るのです。
「ガリウス、ソニン様の話ですが」
僕は魔法石を取り出しました。伝言魔法陣を施してある赤い石は僕とソニン様の声を届けて霧散しました。
「レーダー伯領で何かがあり領民が減って、税が払えなくなり廃嫡廃伯して廃領……」
ガリウスの言葉に僕は迷いながら頷きました。レーダー伯はどんな人なんだろう。どうして廃嫡廃伯まで考えています?
「僕の宮の側付きと給仕が何か知っている気がします。今日夕方から貴族街に出て、ティンの服を仕立てますので食事中聞いてみることにしますが、良い食事場所を知っていますか?」
アリスさんが、
「母の気に入る素朴な店がありますが、小人妃様と子供と婦人だけでは……」
と口篭ります。僕はそのうっかりでこの二ヶ月近く迷惑をかけていますので、どうしようかと迷いました。
「俺にいい考えがある。タークは心配せず店に行くといい。アリス、ロシュの店だろう?」
「そう。仕立て屋の通りに、じゃがいも絵の看板があるからそこにはいるといいですよ」
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