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3章
55 ガルド神殿にて
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午前中はガリウスのたまっていた書類を片付けていて、僕は寝室からどこでもドアを使って小人の宮に戻ります。午後からは文官長との面会です。ガリウスは夜ソニン様の隷属陣の解除となりますから、僕は準備をすることにしました。
僕はソニン様の成人のお祝いの金平糖と綿菓子、薔薇岩塩入石鹸を用意しました。そして隷属陣の替わりになるものを考えています。ソニン様のお召し物を損なわないような……。
寝台でうとうとしていたら窓下のどこでもドアが光ります。ガリウスが呼んでいるのです。僕は寝台から降りると扉を開けました。ガリウスの手がにゅっと入って来て、僕を掴みました。
驚いたことにどこでもドアがガリウスの侵入を許しているのです。僕にガリウスのマナが混じっているからでしょうか?これは分からないのですが、僕は今動きにくいのでありがたいです。そもそもコボルトのお爺様の陣ですし。お爺様、お元気でいらっしゃいますか。
「ターク、昼飯だ」
「はい、ありがとうございます」
寝室から居間に行くと既にアリスさんが給仕して待っていました。キレンさんは近衛隊と一緒だそうです。
「王、小人妃様。文官長との面会は神殿でお願いします」
食事を取りながら、アリスさんが熱い野菜スープを出してくれました。具沢山で嬉しいです。
「神殿?間違いではないのか?」
僕とガリウスは顔を見合わせました。なんでしょうね。とりあえずアリスさんを先触れとし神殿に行くことにした僕らは、中庭に枯れた宿り木はなくて、新しい宿り木が生えているのを見ました。
「え!どうして……」
ガリウスの木は僕の宮の上にあります。
「多分王城内に住む者で、ガルド神に祈りを捧げた伴侶がいるのです」
トラムさんがそう言いながら出迎えてくれました。
「トラム神官長、久方ぶりだ」
「王におかれましては、この度の締結お疲れ様でございます。フィニ文官長が神官長室で待っています」
「功労者はタークだ。余はサインと御璽しかしていない」
「ご謙遜を。締結文にお知恵をいただきました」
フィニさんがいる神官長室に入るとそう声がして、厳かな白亜の煉瓦の部屋で待っていたフィニさんが両膝を付き両手をクロスして胸に当て、ガリウスに礼を尽くし話します。次にトラムさんが、
「小人妃様におかれましては虹のご神託を降ろしていただき、全神殿の神官よりお喜びを申し上げます」
と話しました。
「ギガス神殿でのあれが、全神殿に行き渡ったのですか?僕はマナをそんなには……」
僕が言うとトラムさんが銀杯を奥から持って来て、僕に見せてくれました。銀杯の中には、ギガスとの終戦を誓うものと別に、妃の殉死を憂うマナ文字が刻まれていて、ご神託を降ろした僕の名前が刻まれています。うわ……全神殿って、ドワフにもですよね。今生の母上に叱られそう……。
「王、お掛けください」
トラムさんが勧めるようにガリウスがソファに座ると、僕はガリウスの横に座らせてもらいました。アリスさんがガリウスの後ろに立っています。
「兄に妖精妃様と前神官長の一件を話を致しました。一人で抱えるには重すぎたのです。そして兄と考えた末に、二人で父に話しました。王、父をお許しください」
トラムさんが膝を着いたままです。そしてフィニさんも膝を着いたままでした。
ガリウスは少し驚いた顔をしていました。二人はそれ以降口に言葉を乗せません。
「王、お言葉を」
アリスさんがガリウスを促しました。僕が言おうとしたのに、先を越されました。
「許すも何も。余は内政省長官に感謝を申すだけで、悪意も持ってはおらぬ」
ガリウスは何も言えずガリウスを見上げる二人を見下ろし、片眉を上げてから続けます。
「半年前に余は王になっただけの下級騎士に過ぎぬ。内政省長官が全てを回してくれているから、タイタン国は歩みを止めず進んでおる」
「お、恐れながら……小人妃様のセリアン国保護に難色を示しました。セリアンの親書も……」
フィニさんが口籠もりますと、ガリウスが大きな手を開きました。
「余とて書物にて学んだ。近衛を王命で出すには御璽がいる。余はそれを知らず用いなかった。そんな無知な王を信用できまい。親書とて、想像するにセフェム個人で出したものであろう?王命御璽もない親書を捨て置くのは当たり前だ。内政省長官に悪意はなかろう」
フィニさんがそれに驚きました。そしてトラムさんと顔を見合わせます。
「王は文字が読めるのですか!」
「余はタークから学んだ。側付きのアリスも読み書きが出来るぞ。それがどうした?」
フィニさんが衝立の方を見ます。衝立……誰かいるのですか?
「父上」
僕が見ていますと、バンさんが出てきました。バンさんは禿げ上がった頭を片掌で撫で回し、ふーっと息を吐きます。それからガリウスの前にやってきますと、片膝を付いて胸に片手を置きました。
「王には申し訳……」
「なにも謝ることなどない」
ガリウスは立ち上がりバンさんを立たせて、対面のソファに座らせました。それからフィニさんとトラムさんも座らせたのです。
「未熟な余に変わりよく国を回してくれている長官の兄を余は断罪した。それを詫びる方が先であろう。済まなかった」
ガリウスが逆に頭を下げたのです。僕はびっくりしました。
「わしの兄は……お前の父だ……」
バンさんが声を絞り出すように話します。
「確かに前々王は余の父であろう。そしてそなたらは伯父と従兄弟になるのだろうが、余にとって兄は後ろに控えるアリス、父は下級貴族王城衛士のランジン・ヒュースなのだ」
バンさんはアリスさんを呼ぶと何か話しました。アリスさんは扉から出て行きます。
「バン長官、余は王ではあるがまだまだ不足である。それを補う妃とそなたらと、この国をユミルに劣らぬ国にしたいのだ。協力をしてくれないか」
バンさんはガリウスの言葉の中に含むものを探しているようです。しかしガリウスには何も裏が無いのです。
「内政省長官、父を連れて参りました」
扉から緊張した面持ちで入ってきた巨人族にして身体の小さめな衛士さんは、たまに後宮に一番近いところで見かける衛士さんでした。
「あの、私になにか……」
バンさんが立ち上がり、衛士さんの前で左手を胸に当てます。衛士さんは慌てて臣下の礼を取ろうとしますが、バンさんは衛士さんの両肩に手を添え、
「良き人柄に育ててくれた。礼を申す」
と告げたのです。そしてガリウスに、
「前々王のことで妖精妃様にお詫びをしたいのだが」
と切り出しました。
「やめてください。ソニン様はご自身では覚えていません」
僕は慌ててしまいました。するとガリウスが僕を膝に抱き上げて、
「余の妃はみな後宮に籠る妃ではない。妃のしたいことの助力をお願いしたい。妃費だけではなく、国費の一部を当てることは出来ないか?」
「父上、後宮遊興費が浮いております」
フィニさんがすかさず言いました。バンさんが、
「コンスタンが作った馬鹿馬鹿しい国費だな。そちらを後宮費として流用しよう。小人妃様の公共事業もそちらでなんとか出来るはずだ」
「え!知っていたのですか?」
「父も浮民に対して対応を苦慮していたのです。こっそり浮民に紛れて視察にも行きましたよ」
全く知りませんでした。
「ガリウス王。わしもそなたを我が甥ではなく、一人の若い王として見て行きたい。コンスタンの子ではなく、市井を代表した王として、共にこの国を作り直してくれまいか」
ガリウスは立ち上がり、バンさんに向かい左手を胸な当てて礼を取ります。
「下級貴族ランジン・ヒュースの息子として、この国に尽くそう。よろしく頼む」
僕はソニン様の成人のお祝いの金平糖と綿菓子、薔薇岩塩入石鹸を用意しました。そして隷属陣の替わりになるものを考えています。ソニン様のお召し物を損なわないような……。
寝台でうとうとしていたら窓下のどこでもドアが光ります。ガリウスが呼んでいるのです。僕は寝台から降りると扉を開けました。ガリウスの手がにゅっと入って来て、僕を掴みました。
驚いたことにどこでもドアがガリウスの侵入を許しているのです。僕にガリウスのマナが混じっているからでしょうか?これは分からないのですが、僕は今動きにくいのでありがたいです。そもそもコボルトのお爺様の陣ですし。お爺様、お元気でいらっしゃいますか。
「ターク、昼飯だ」
「はい、ありがとうございます」
寝室から居間に行くと既にアリスさんが給仕して待っていました。キレンさんは近衛隊と一緒だそうです。
「王、小人妃様。文官長との面会は神殿でお願いします」
食事を取りながら、アリスさんが熱い野菜スープを出してくれました。具沢山で嬉しいです。
「神殿?間違いではないのか?」
僕とガリウスは顔を見合わせました。なんでしょうね。とりあえずアリスさんを先触れとし神殿に行くことにした僕らは、中庭に枯れた宿り木はなくて、新しい宿り木が生えているのを見ました。
「え!どうして……」
ガリウスの木は僕の宮の上にあります。
「多分王城内に住む者で、ガルド神に祈りを捧げた伴侶がいるのです」
トラムさんがそう言いながら出迎えてくれました。
「トラム神官長、久方ぶりだ」
「王におかれましては、この度の締結お疲れ様でございます。フィニ文官長が神官長室で待っています」
「功労者はタークだ。余はサインと御璽しかしていない」
「ご謙遜を。締結文にお知恵をいただきました」
フィニさんがいる神官長室に入るとそう声がして、厳かな白亜の煉瓦の部屋で待っていたフィニさんが両膝を付き両手をクロスして胸に当て、ガリウスに礼を尽くし話します。次にトラムさんが、
「小人妃様におかれましては虹のご神託を降ろしていただき、全神殿の神官よりお喜びを申し上げます」
と話しました。
「ギガス神殿でのあれが、全神殿に行き渡ったのですか?僕はマナをそんなには……」
僕が言うとトラムさんが銀杯を奥から持って来て、僕に見せてくれました。銀杯の中には、ギガスとの終戦を誓うものと別に、妃の殉死を憂うマナ文字が刻まれていて、ご神託を降ろした僕の名前が刻まれています。うわ……全神殿って、ドワフにもですよね。今生の母上に叱られそう……。
「王、お掛けください」
トラムさんが勧めるようにガリウスがソファに座ると、僕はガリウスの横に座らせてもらいました。アリスさんがガリウスの後ろに立っています。
「兄に妖精妃様と前神官長の一件を話を致しました。一人で抱えるには重すぎたのです。そして兄と考えた末に、二人で父に話しました。王、父をお許しください」
トラムさんが膝を着いたままです。そしてフィニさんも膝を着いたままでした。
ガリウスは少し驚いた顔をしていました。二人はそれ以降口に言葉を乗せません。
「王、お言葉を」
アリスさんがガリウスを促しました。僕が言おうとしたのに、先を越されました。
「許すも何も。余は内政省長官に感謝を申すだけで、悪意も持ってはおらぬ」
ガリウスは何も言えずガリウスを見上げる二人を見下ろし、片眉を上げてから続けます。
「半年前に余は王になっただけの下級騎士に過ぎぬ。内政省長官が全てを回してくれているから、タイタン国は歩みを止めず進んでおる」
「お、恐れながら……小人妃様のセリアン国保護に難色を示しました。セリアンの親書も……」
フィニさんが口籠もりますと、ガリウスが大きな手を開きました。
「余とて書物にて学んだ。近衛を王命で出すには御璽がいる。余はそれを知らず用いなかった。そんな無知な王を信用できまい。親書とて、想像するにセフェム個人で出したものであろう?王命御璽もない親書を捨て置くのは当たり前だ。内政省長官に悪意はなかろう」
フィニさんがそれに驚きました。そしてトラムさんと顔を見合わせます。
「王は文字が読めるのですか!」
「余はタークから学んだ。側付きのアリスも読み書きが出来るぞ。それがどうした?」
フィニさんが衝立の方を見ます。衝立……誰かいるのですか?
「父上」
僕が見ていますと、バンさんが出てきました。バンさんは禿げ上がった頭を片掌で撫で回し、ふーっと息を吐きます。それからガリウスの前にやってきますと、片膝を付いて胸に片手を置きました。
「王には申し訳……」
「なにも謝ることなどない」
ガリウスは立ち上がりバンさんを立たせて、対面のソファに座らせました。それからフィニさんとトラムさんも座らせたのです。
「未熟な余に変わりよく国を回してくれている長官の兄を余は断罪した。それを詫びる方が先であろう。済まなかった」
ガリウスが逆に頭を下げたのです。僕はびっくりしました。
「わしの兄は……お前の父だ……」
バンさんが声を絞り出すように話します。
「確かに前々王は余の父であろう。そしてそなたらは伯父と従兄弟になるのだろうが、余にとって兄は後ろに控えるアリス、父は下級貴族王城衛士のランジン・ヒュースなのだ」
バンさんはアリスさんを呼ぶと何か話しました。アリスさんは扉から出て行きます。
「バン長官、余は王ではあるがまだまだ不足である。それを補う妃とそなたらと、この国をユミルに劣らぬ国にしたいのだ。協力をしてくれないか」
バンさんはガリウスの言葉の中に含むものを探しているようです。しかしガリウスには何も裏が無いのです。
「内政省長官、父を連れて参りました」
扉から緊張した面持ちで入ってきた巨人族にして身体の小さめな衛士さんは、たまに後宮に一番近いところで見かける衛士さんでした。
「あの、私になにか……」
バンさんが立ち上がり、衛士さんの前で左手を胸に当てます。衛士さんは慌てて臣下の礼を取ろうとしますが、バンさんは衛士さんの両肩に手を添え、
「良き人柄に育ててくれた。礼を申す」
と告げたのです。そしてガリウスに、
「前々王のことで妖精妃様にお詫びをしたいのだが」
と切り出しました。
「やめてください。ソニン様はご自身では覚えていません」
僕は慌ててしまいました。するとガリウスが僕を膝に抱き上げて、
「余の妃はみな後宮に籠る妃ではない。妃のしたいことの助力をお願いしたい。妃費だけではなく、国費の一部を当てることは出来ないか?」
「父上、後宮遊興費が浮いております」
フィニさんがすかさず言いました。バンさんが、
「コンスタンが作った馬鹿馬鹿しい国費だな。そちらを後宮費として流用しよう。小人妃様の公共事業もそちらでなんとか出来るはずだ」
「え!知っていたのですか?」
「父も浮民に対して対応を苦慮していたのです。こっそり浮民に紛れて視察にも行きましたよ」
全く知りませんでした。
「ガリウス王。わしもそなたを我が甥ではなく、一人の若い王として見て行きたい。コンスタンの子ではなく、市井を代表した王として、共にこの国を作り直してくれまいか」
ガリウスは立ち上がり、バンさんに向かい左手を胸な当てて礼を取ります。
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