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2章

33 黒狼ロキと王様※

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 二の宮に入ると心配そうにクラリさんが顔を出して来ました。

「多分時間が掛かります。僕らのことは構わず。なんならティンのところに行ってください」

 クラリさんが僕に頭を下げてティンとフェンナの家に行きました。あそこには居間にソファもあります。クラリさんはそこで寝てください。

 寝室には黒狼さんのロキが丸くなっていました。

「食事は食べましたか?」

「食欲がない。なんだか目眩がする」

 キューンと鳴いて鼻を抱えます。僕は頭を撫でました。

「それが発情期ですよ。そんなロキに王様から贈り物があります」

 王様はロキの首筋に唇を付けて、首にドックタグを回しました。鎖をカチリと合わせ、スパイクチェーンの下にプレートを出しました。

「王様の名前がプレートに彫ってあります。ロキは王様のものです。獣人族でいうところの番いです。番いは決まった相手としか交合出来ません。ロキ、覚悟してください」

 ロキはソワソワとし始めました。

「当たり前だろ。俺はガリウスの犬だ」

 僕は王様に塗り薬を渡します。王様は指に取ると、ロキの尻尾を避けながら肛門に塗り込みます。剥き出しの肛門はすぐに柔らかくなり三本の指が抜けたあと、真っ赤な空洞になっています。

「ガリウス……ガリウス……」

 王様は寝台を降りて、四つ足の狼さんの肛門に塗り薬を塗った王様の大きくて太い陰茎を付けました。

「ゆっくり入れてください」

 逃げ腰になるロキのチェーンを掴んでゆっくりと亀頭を押し込みます。犬の直腸から繋がる結腸は捻りがあり、無理をすれば傷をつけてしまいます。

「く……うっ……んっ」

 ゆっくりゆっくりと挿入していく王様に僕は一度射精してくださいと話しました。その方がロキも催淫効果で楽でしょうし、王様も動きやすいのです。王様は半分程挿入すると、手で擦って射精をします。びくっびくっと羽織着が揺れて王様の動きが止まります。

 息を深く吐いてから、また奥まで入れていき、僕は包皮に手を掛けて真っ赤な陰茎を出しました。人型のときとは全く違います。こんなに違うものなのですね。セフェムは獣人族でもかなり獣寄りですので、陰茎も同じでした。完全獣化はすごいです。

「んっ……あっ……イくっ……」

 軽く剥いただけで油みたいな精液が出ました。これもいつものロキの精液とは違います。とにかく発情期の精液を全部出し切ると人型に戻れるのです。

「あ、あ、あ~~っ!これ以上はおかしくなるっ」

 王様は全てを入れずに抜き差しを始めました。ロキは突かれる度に精液を溢れさせ、ハアハアと舌を垂らして息をつきます。

「まだですね」

 ロキはそのまま王様の精を何度ももらい、王様の大きな手で陰茎を擦られ射精すると前足が砕け、王様は腰に手を掛けて引き上げ腰を揺らしました。

「ひぐっ……ああああっ!」

 ロキが声を上げますが、まだ獣化は解けません。王様は息を吐いてロキの頭を撫でました。

「大丈夫だ。今後の発情期も余が付き合おう」

 再び緩慢な動きに揺らされてハアハアと舌を出して背後から肛門性交をされているロキは繰り返し射精をして、もうじき朝を迎えます。

 僕はロキの陰茎を手にして腰を動かす王様の様子を見ているだけですが、見た目狼の肛門に陰茎を挿入する獣姦にしか見えなくて少し気の毒な感じがして堪りません。本当はだめですよ。動物愛護団体から訴えられてしまいます。

「はっ、はっ、はあっ、ああああ……もう、出ない……」

 朝日が昼の太陽に変わり始めた頃、ロキの獣の手が人の滑らかな手に戻り、身体中の体毛が凪を起こすように引いていきます。黒い滑らかな肌に変わり王様の陰茎が挿入された肛門を取り巻く尻たぶが出来、獣面は凛々しく涼やかなロキの顔に戻りました。王様がぶる……と身体を震わせて射精し、ロキから離れました。お疲れ様でした、王様。

「あーー、身体中怠い。これがこれから一年に一回あるのかよ……」

 ロキがうつ伏せのまま顔を上げました。不貞腐れているように見えます。

「ひどくない時は、小部屋に篭ってひたすら自慰をすれば治るそうですよ」

 ロキは約半日で治っています。大体一日くらいが発情期期間ですね。気をつけておきましょう。

「んん、じゃあ、ガリウスに抱いてもら……」

 ロキがギョッと目を向いて、僕の首筋を見ましたので、僕は首を竦めました。

「噛まれてしまいました。銀狼さんに」

 半獣人のロキにも分かるのでしょう。

「つ……番いの証……。俺のせいだ。俺がうまく逃げられなくて……ターク……ごめん」

「銀狼さんはセフェムと言います。セリアン国第三皇子です。もうロキを虐めたりしませんよ。王様とも仲良しになりました」

 急展開すぎて僕も頭の整理が追いつきません。小人族から嫁いでひと月しか経っていませんのに、色々ありすぎです。

 ロキが起き上がり、僕に臣下の礼を取りました。王様とロキの精液でどろどろですが、大丈夫ですか?

「半分ながらセリアン国の民として、よろしくお願いし……あれれ力が入らない……」

 僕は王様にロキを僕の温泉に入れてはどうかと話しました。あちらならクラリさんがいますし。王様も怠そうにしています。クラリさんにはアリスさんを呼んでもらいましょう。

 王様がロキを抱き上げると、ドッグタグがスパイクチェーンと擦れてちり……となりました。ロキが幸せそうで良かったです。外に出るとクラリさんがいました。

「ロキの発情期は終わりました。アリスさんに連絡を。ロキを今から温泉に入れますから、寝室の空気を入れ替えてください。はじめての発情期で疲れていますし、消化の良いものをお願いします」

 僕の宮ではティンがタオルを出して準備をしています。甘い匂いがします。フェンナが甘いパンを焼いてくれているのですね。嬉しいです。

 僕もついでに温泉に浸かりました。寝不足でうたた寝をして溺れそうになり、王様に救出されました。

 ロキはそのままクラリさんに連れて行かれ、王様は身体を拭いて僕の宮の居間でアリスさんに手伝ってもらい服を着ています。僕は寝室で手早く着替え終わりました。

「今日はタークの日だが、眠たそうだな」

「まだ、王様不足ではありませんから大丈夫です。王様も眠たいでしょう?」

「うむ……。では、睦まじく眠りにこよう。余の精だけが必要だと思いたくないのでな」

 僕とアリスさんは思わず吹き出してしまいました。
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