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1章 

SS 賢者からの贈り物※

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 わたくしはソニンティアム・タイタン。第一妃となります。エルフ族の名前は長いのでタイタン国ではソニンと呼ばれています。

 わたくしは幼くしてタイタン国に嫁ぎました。嫁いだその日、わたくしは前々王様コンスタン様に抱かれました。

 自身を女だと思っていましたがコンスタン様の中心にはわたくしと同じものがあり、わたくしは自身が男だと初めて理解しました。

 その日コンスタン様の狂気のようなお腰のものはわたくしの排泄を目的とされたはずの孔を酷く引き裂き、わたくしは交合の恐ろしさと苦しみを知りました。

 股の間最奥の孔から流れ出る血を見ながら

「処女を失った破瓜の証だ」

とコンスタン様は呵呵と笑い、何度も何度も精を吐きました。

 わたくしは気を失い何日も熱を出したことを覚えています。熱が出てもコンスタン様は毎日わたくしをお抱きになり、わたくしは心を殺して受け入れることを学びました。

 それでもコンスタン様が野外で交合されるのには馴染めず、わたくしを裸体で連れ回しあちらこちらで見せびらくように抱かれる時は、涙を溢してやめてくださるように懇願しました。

 わたくしはただばあやと二人コンスタン様の来訪に怯えるだけの日々を送っていました。するとコンスタン様がお見えにならなくなり、変わってコンスタン様の二妃様のお子様テクモ様がわたくしの元に参りました。

「父は処刑された。今日から私がお前の夫だ」

 そう言って冷たい瞳で見下ろされました。コンスタン様に城内あちらこちらで野合の如く抱かれていたわたくしの痴態を目撃していたテクモ様は、わたくしを毛嫌いしているご様子で、わたくしの孔にお腰のものを押し込むと数回動いては精を出し帰られます。コンスタン様のように長く苦しむものではなく安堵して過ごしました。

 それに月に一度くらいのお渡りでしたから、ばあやと女性騎士や側付きと静かに暮らしていました。

 すると三番目の夫……ガリウス様がいらしたのです。ガリウス様にテクモ様が戦死されたのを聞かされました。

「そなたの宮には週に二度渡るよう内政省に言われておる」

 ガリウス様のお腰のものを見てわたくしは怯えました。お二人に比べて大きく恐ろしいのです。わたくしは悲鳴を上げましたが、ガリウス様はわたくしを羽交い締めにして突き入れました。

 コンスタン様の時のような激痛が走ります。悲鳴をあげても止めてはいただけず、わたくしはただ啜り泣きガリウス様が精を放つのを待ちました。

「……あっ……」

 精を吐きされたあと、わたくしの身体の中で初めて感じる焦れたような感覚が広がります。わたくしは軽く腰を揺らすと孔からじわりと広がる痺れのような感じに夢中になりました。

「もっと……もっと……あああ……っ」

 痛いのに気持ちいい……わたくしはいつしか暗い快楽に支配されていました。

 ガリウス様がお変わりになられたのは半年後、一向に宿り木に実がつかないため、二妃様のロキ様の宮と隔日で訪れるようになり、わたくしも疲弊していた頃、新たなご信託で小人様がいらした頃からです。

 小人様はターク様とおっしゃるそれはそれは可愛らしい方です。成人していらっしゃるのに子供のようなあどけないお顔に知的な瞳を持っていらして、髪も柔らかく緩く巻いています。直毛のわたくしは羨ましいと思いました。エルフ族のわたくしの兄の友人も美しい柔らかなふわりとした緩い巻き毛で、幼い頃兄とわたくしはいつも羨んでいましたのを思い出しました。

 ガリウス様が宮に来る日、わたくしはばあやに張り型を入れてもらい孔を拡げておきます。女性でも殿方のものが大きいときにはするそうで、わたくしも恥ずかしながら行っていましたが、あの日はガリウス様が宮にお渡りになるはずのない日で、わたくしはガリウス様の姿に怯えながらもお召しに従いました。

「ソニン、これを」

 ガリウス様は性急にわたくしをお求めにはならず、わたくしに金の縁取りのある櫛をくださいました。

「わたくしに……これを……」

 わたくしの櫛はお嫁入りにと母から貰ったものですが、毎日使ううちに櫛歯が欠けていたのです。

「そなたの美しい髪に使うてもらえぬか」

 わたくしは胸がいっぱいになりました。わたくしの髪が美しいと仰られ、わたくしは胸が熱くなりました。

 ガリウス様はわたくしの孔を手づから拡げてくださり、無理強いをせずゆるゆるとお進みになられ、わたくしは初めからずっと気持ち良く千々に乱れてしまいました。甘く泣き咽びながら何度も達したのはこれが初めてです。

 そのまま宮にお泊りになり、わたくしはガリウス様の大きな腕に包まれて眠り、朝は歩けないわたくしのためにガリウス様が湯につけてくださいました。

 髪が濡れないよう優しくまとめてくださり、わたくしは羽織着を羽織ってガリウス様の前で髪を梳ります。ふとわたくしは思いました。何故、わたくしの櫛が欠けているのを知っているのでしょう、と。

「ガリウス様……」

「察しろ、ソニン」

 ガリウス様は面映そうに笑われました。わたくしは気づきました。三妃様の……ターク様のお知恵ではないでしょうか。ガリウス様が櫛を選ばれたのでしょうけれど、わたくしのことをこんなに気にかけてくださり、わたくしの欲しいものを理解してくださったのはターク様。まさに賢者です。

 今……前々王の隷属陣から解き放たれたわたくしは自由です。ガリウス様の新しい隷属陣はわたくしを縛るものではありません。共に生きよと下さったものです。前々王から植え付けられ、二人の王を裏切り続けた隷属陣の上書きを進言してくださったのもターク様。

 ターク様に万が一何かがありましたら、わたくしがターク様をお助けしたいのです。あんなに可愛らしいお姿に、賢者の目を持つターク様をお救いするなんてことはきっとありませんけれど、わたくしはガリウス様を愛している気持ち同様、ターク様をお慕いしているのです。


ーーー

これで一章が終わりです。ありがとうございました。
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