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1章 

7 初夜三日目は第一妃の宮※

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 王様の行動は時間ぴったりなので助かります。僕は獣化して黒狼になったロキの背に立ち上がり第一妃ソニン様の宮の寝室の窓から中を覗いています。

 三番目の時代の言葉で言い表しますと、出歯亀です。覗きです。ソニン様は長く絹糸のような髪を梳りしていて、優美な細身に透け感のある袖長い羽織着を羽織られていました。

「なんで俺が踏み台なわけ?」

「ロキは明日がある体験するから大丈夫です」

 ちゃんと魔法陣で幻影していますから、僕とロキの姿は見えません。部屋へ羽織着の王様が先触れもなく入ってきます。ソニン様悲鳴を噛み殺し櫛を握りしめて身を抱きしめています。逃げない姿は立派ではないですか。

「おやめくださいっ!今宵はこちらではなかったはず、ソニン様のお身体のご準備がっ!」

 さすがソニン様の側付きさんです。老婦人ながら身体でソニン様を見せないよう庇っています。

「無体はせぬ」

 王様は静かにソニン様を熱く見つめています。ソニン様が鈴がなるような小さな声で側付きさんを部屋から出しました。そして寝台に上がります。王様の陰茎は隆々と勃ち、それを慰めるのはソニン様しかいないからです。

「美しい髪だ。先日ちらと見たが欠けた櫛を使っていた。もしよかったら使ってくれないか」

 ソニン様へ飾り箱を出して渡します。中には金で細工をし縁取られた木櫛が入っています。多分王様の側付きさんが数点取り寄せ王様が選んだものです。

「わたくしに……これを」

 プレゼントはあくまで日用品で日頃使うものであり、少しだけ値の張るものを……僕の言った一言です。王様、完璧ではないですか。

 そして髪に口づけをしながら二の腕、肩とそっと抱き寄せ唇を塞ぎました。手は乳房を包み……ささやかな胸です。乳輪を撫で摘みやわやわと潰して楽しんだ後、おへそを撫でて……薄桃色の形の良い細身の陰茎が勃起して雫を零しているのです。

 おや、ソニン様は……なんと、男性でした。

 王様は香油を指に塗ってソニン様の陰茎を口で咥えながら、指を使って肛門を広げていきます。しかも同時に乳首まで触っているのです。

「王……ガリウス王っ、口を離してっ……もう……果ててしまいますっ……あああっ……!」

 ひときわ甲高い小さな声で、王様の口の中に精液を出してしかも吸われるよさにとろんと頬を染めるソニン様の肛門には王様の太い指が三本入り込んでいました。

「妃よ……いや、ソニン、力を抜いておれ」

 王様の太い陰茎にしっかりと香油を塗り、夢見心地のソニン様の開いた肛門に亀頭が入って行くのが見えます。片足を抱き寄せ開いた状態での結合は、まるで王様が僕に見せているかのようです。

 ソニン様は王様から頂いた櫛を握りしめてゆるゆると入ってくる陰茎が肛門を広げて行く様はまるでひとひらの花が満開になるように見えます。

「先に放ち楽にしよう」

 王様は数回手前で揺らすと精液をソニン様の肛門の中で出しました。しばらくするとソニン様の白い身体が桃に染まり、エルフの王族の証である紋章が胸に浮かび上がります。

「あっ……はあっ……動いて……お願いっ……」

 ソニン様が精液の媚薬効果に酔い、王様が横抱きのままソニン様の陰茎を握り擦りながらソニン様を貫きます。

「あっ……ああああ……またっ……果ててしまいますっ……あーーっ!」

 ソニン様が背をそらして精液を出すのとタイミングを合わせて王様もソニン様の肛門に射精します。そのあとはソニン様の足を降ろして、ソニン様の肛門が絶頂から弛むのを待ちながら、ささやかな会話をしましょう。

「ソニン」

 王様の陰茎がゆるりと抜けて弛緩しています。その声にさえ酔うようにソニン様は頬を染めています。今までにない快楽だったのでしょう。性愛とはこのようでなくてはなりません。

「そなたは抱かれ始めは眉を潜めておる。何故だ」

 え、王様、今それを聞きますか?前王様と自分を比べられてしまいますよ。

 ソニン様は櫛を両手で握りしめながら背後の王様に、

「あなたさまのお腰のものが大きすぎて……受け入れるのが辛いのです」

と囁くような声で告げられました。つまり前王より陰茎が大きいと暗に告げているのです。王様は背後からソニン様をそっと抱き寄せて首筋に唇をつけられました。

「辛い思いをさせた。ゆるゆるとソニンが喜びに震えるよう致すとしよう。……愛している、ソニン」

 ソニン様は雷にでも打たれたかのように震え、身体を返し王様の胸に顔を埋めました。キメの言葉です。二番目の僕はこの言葉で様々な女性を落としました。

「前王様方からの払下げのようなわたくしを……愛してくださりますか」

「当たり前だ。ソニン、そなたは美しい」

「わたくしにこのような喜びを与えてくださいましたガリウス様に生涯の愛を誓います。ずっとお側に置いてくださいまし」

 ソニン様はしなだれかかるように王様に接吻を求められて、お二人は愛の褥を……再び……出歯亀はここら辺で終わりにしましょう。

「さあ、帰りましょう」

 僕はロキの背に跨って月夜の後宮の道を進んでいきます。明日はロキです。

 月の日は第一の宮、火の日は第二の宮、水の日は第三の宮、木の日は第一の宮、金の日は第二の宮、土の日は第三の宮、日の日だけは自由に夜を過ごすことの出来る王様は少し可哀想ですが、明日の土の日はイレギュラーで第二の宮に行かれます。日の日はゆっくりしていただきますとして、明日の土の日の夜は王様はロキに付き合ってもらいます。




 土の日の晩、小人族への使者であり王様の側付きのアリスさんを踏み台にして、ロキの寝室を覗き込んで僕は頭を痛めました。

 ロキは純銀のスパイクチェーンの首輪をつけてもらい、それを引っ張ってもらいながら四つ這いのまま背後から挿入されていました。

「もっと叩いて!ガリウス!俺の飼い主になって!ああああっ!達く、達く、イくーーっ!」

 王様に尻を音高く打たれながら、手酷く犯される風味の支配するような抱き潰しがロキの好みのようです。

「あああーーーんっ!」

 精液を敷布に撒き散らしながら王様の精液を受けて口角泡を飛ばすように、瞬時気を失って敷布に倒れ込んだロキの首は、スパイクチェーンで赤く色づいていました。

 仰向けにしたロキに対し、

「ロキ、お前は騎士時代から俺を、気にかけてくれ構ってくれた。今後は俺の横で俺と生きてくれ」

と王様がフランクに話すと、

「あ……当たり前だろ。出会った頃からお前を気に入ってたんだ」

 なんてロキが気怠そうに告げます。

「好きだ、愛してる。ロキ」

 王様の言葉に、ロキはぶわっと涙を溜め両手で顔を覆いました。

「ばっ……俺も、俺も、俺も!どうしよう、俺……ガリウスが好きだ!首輪を貰えた!愛してる!俺はガリウスの生涯の犬だっ!」

 そう言ってロキがばりと起き上がり、王様の陰茎をぺろぺろ舐め始めたのです。首輪を得るというのは、獣人にとって一生の主人を得たことになるみたいです。ロキにとっては一生涯王様一人を愛して守り抜く刃となる宝なのでしょう。

 僕からしたらちょっとしたSMショーでしたけど。ロキがいいならそれもいいでしょう。ちなみに二番目人生では、僕もS気味でした。

「どちら様へもリサーチとプレゼントありがとうございます、アリスさん。これで宿り木の実りへの第一歩です」

 踏み台でありましたアリスさんから飛び降りると、ひょいと僕を抱き上げてくれました。アリスさんが隠密として動いてくださり助かりました。あ、今回の覗き見も、もちろん僕らに幻影は掛けてあります。

「アリスさんはおやめください。三妃様は王の妃で小人族の皇子様なのですよ。敬称はなく呼び捨てでお願いします」

 いや、それは無理ですよ。せめてさんはつけさてください。アリスさんは爵家の出でも、今の僕より幾分か年上です。

 それからアリスさんは僕を抱えながら、ひそりと話します。

「魔法……すごいですね」

「王様は使われないのですか?」

「はい」

 僕はアリスさんを見上げました。王様は使わない……使えない?王族は王家特有の陣を組んで持っているはずです。おかしいのです。これは……。

「三妃様には欲しいものがおありですか?不足しているものはありませんか?」

 僕にもリサーチですね。アリスさんはなかなかに賢い側付きです。

「あります。僕から直接王様に話したいと思います」

と答えました。
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