【完結】精霊を宿す王太子を闇の暴走から救ったのは、太陽の瞳を持つ隻眼の騎士でした。

亜沙美多郎

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sideルネ

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「殿下」
 ディミトリから呼ばれ、顔を上げると同時に唇を奪われた。

「ふぅ、ん……」

「殿下、愛しています」

「名前で……呼んでくれないか。あの時……私の闇の精霊が暴走した時、名前を呼んでくれただろう?」

「そうだったかもしれません。あの時はとにかく必死でしたから」

「名前で呼ばれた時、我を失い抑えきれない自分の頭の中に、ディミトリが入ってきた気がした。その時は太陽の瞳の効果と思っていたが違う。あの時、私はディミトリに名前を呼ばれて自分を取り戻したのだ」

 ディミトリを見つめ懇願する。それに応えるようにルネに口付けると、耳元で「ルネ」と呼ぶ。

「あっ」
 背中が戦慄いた。名前を呼ばれただけで細胞から喜悦している。

 ディミトリは耳朶を甘噛みすると、何度も名前を呼び、顔中にキスを落とし、首筋を這い、鎖骨を舐め取りながら押し倒す。
 乳首を舐めながら、孔に指を挿れ、先ほどモアメドとロジェが放った白濁を掻き出した。内壁を擦られ、ルネの感情は昂る。

 ディミトリはわざとルネの気持ちいいところを当ててきている。そこを執拗に擦られ、中心は期待に満ちて再び芯を通し始めた。

「ふ、ぅぅん……ぁっ」

 これまでとは全く違う愛撫に身悶える。これがディミトリの言っていた本当のセックスなのか。
 甘い痺れが体の奥からせり上がり、どこに触れられても気持ちが良い。胸の突起は硬く尖り、三人から育てられた乳暈はぷっくりと腫れていた。片方を舐め取られ、もう片方も弄ってくれと言わんばかりに胸を張る。

 ディミトリがそれを摘み、指の腹で擦り付けた。
「ふぁっ!」
 孔と乳首を同時に責められ、その快感の強さに目を瞑る。
 背中を撓ませ、今にも果てそうな屹立を突き出した。

 ディミトリは胸から顔を離し、脚の間に顔を埋めるとその先端から透明の蜜を吸う。末端に与えられる快楽は腹の奥にまで迸る。ディミトリは口淫しながら孔を解す手も止めない。

 このままでは口で果ててしまう。ルネはディミトリに挿入されて絶頂に達したかった。

「ディミトリ、ディミトリ……」

 必死に名前を呼ぶと、ディミトリが上体を起こす。ルネは「挿れてくれ」と哀願する。

「もう、お前の種が欲しいと体が訴えている。早く、種液をここに……」

「もっとゆっくり愛したかったのですが、ルネの所望するままにいたします」

 ディミトリは昂った猛々しいソレを孔に宛てがうと、やおら腰を揺らしながら奥へ奥へを押し這入ってくる。
 さっきまでモアメドとロジェの男根が同時に這入っていたため、ルネの孔はすんなりとディミトリの男根を受け入れた。
 一番奥に達すると、ディミトリは律動を早めていく。

 ルネは肉胴を締め付けディミトリの男根に絡まり、離れなくした。いずれ自分の中がディミトリの形になればいいと思う。嬌声を上げながら、腰を打つディミトリのリズムで自らも腰を振る。

 徐々にディミトリに余裕がなくなってくると、眉根を寄せて、熱い吐息を吐いた。ルネはこの顔が好きだ。もっと崩したくなる。普段真面目な彼の、快楽に従順になる様はルネの劣情を唆る。

 ディミトリの背で両足を絡めると、ディミトリが腰を打ちつけたまま、最奥に男根を押し付けた。動かなくされると、亀頭がずっと気持ちいい場所を刺激し続けより強い快楽が与えられる。

 ルネは一緒に達したいと思いながら、先に白蜜を放ってしまった。

「ルネ、この精を全て受け取ってください」

「ディミトリ、ここに射精してくれ。お前との子ができるように」

 ディミトリの律動は苛烈を極め、淫靡な音を響かせながらルネの奥深くに白濁を飛ばす。どくどくと暖かい液が注がれ、ルネは恍惚となった。

 ディミトリが小さく唸っている。全ての白濁を出すまで、何度か腰を打ちつけた。
 そして、力尽きたようにルネの上に覆い被さった。鍛え上げられた体がそれなりに重いが、それが心地いい。

「ルネからも言ってくれませんか?」

「何をだ?」

 雪崩こんできたディミトリを抱きしめたまま尋ねる。
 すると、ディミトリはルネからも愛していると言って欲しいと言うではないか。

「俺は伝えましたよ。ルネを愛している。愛しすぎて、焦がれています。ルネはどうなんですか? 種液が欲しいだけですか?」

 まだ体は繋がったままだ。自分の存在を示すようにまだ太さを保っているソレを押し付ける。

 さっきの会話だけで勘弁して欲しいと思いながらも、ルネだってディミトリに愛の言葉を伝えたいと思っているのだ。

 少しでも恥ずかしさを紛らわすために、ディミトリの首にしがみ付き耳元に顔を寄せると「私も……愛してる」と囁いた。

 すると、ルネの中に這入っているディミトリの男根がビクッと反応して硬くなった。

「えっ……」という間に、ディミトリは再び腰を激しく振り、ルネの腰を高く持ち上げると、真下に腰を打ちつけるように貫いた。

 達し続けたルネの中心は流石にもう萎えていたけれど、そんな状態でも吐精せずに何度も果てた。

「ディミトリ……好きだ。好きだ」
 一度言ってしまうと、もっと言いたくなるから不思議なのだ。

 腰を打ちつけられるほど、その思いは強くなる。ディミトリはルネが「好きだ」といえば言うほど、強く腰を打ちつける。結局、再びディミトリが果てるまで、ルネは吐精を伴わない絶頂を味わい続ける羽目になった。

 体に力が入らなくなるほど抱かれ疲労感が押し寄せるが、たっぷりと注いでもらった腹の中はじんわりと暖かい。ディミトリに包み込まれ、二人とも疲れ果てて眠ってしまった。

 幸せな夢を見た。ルネが心から笑う夢だ。その前でディミトリも笑っている。

 これが現実となりますようにと、願わずにはいられないルネであった。


———完———
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