【完結】子孫を残せない無能の吸血鬼は助けてくれた殺し屋に恋をする

亜沙美多郎

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45、新しい家族③

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「もし俺が酷いことをしたら、止めてくれ」

 そんなことはしないと、ひっそり考える。
 ジョバンニから与えられる全てを受け入れたい。
 既に体が火照ってきた。これは薬の所為ではない。
 ジョバンニに陶酔しているのだ。

 唇が近づいてくる。早く、早く欲しい。
 ルカは自分からジョバンニの顔に手を添え、口付けた。
 無精髭が肌に刺さってチクチクする。それさえも、ルカはジョバンニに触れていると実感できて嬉しかった。

 ジョバンニの手が頬を撫で、首筋から肩を滑り、腕から腰へと辿っていく。もう片方の手はルカの唇に添えられ、親指が口腔へと入れられた。
 同時に舌も這入ってくる。ルカの口内で蠢くそれに蹂躙される。

 息つく間もないほど、必死に応えた。
 もっとジョバンニを気持ちよくさせたいのに、受け入れるだけで精一杯の自分が情けない。

「んっ、ふぅ、ん……」
 口の端から唾液が流れる。
 ジョバンニはそんなことはお構いなしにキスを続けた。大きな口で塞がれ、まるで食べられているようだ。息苦しささえも愛おしい。
 ジョバンニから求められてると実感できて愉悦に浸る。

 ねっとりと絡み合う唇はルカを恍惚とさせた。
 キスだけで自分の中心には芯が通り始めていた。

 脚を捩らせると、ジョバンニは閉じさせないと言わんばかりに、自分の脚を挟み込む。腿でルカの中心を刺激した。

「や……はぁ、ん……」
「気持ちよくなってくれているんだな」
「キス、好き」
「じゃあ、いっぱいしような」
 ジョバンニはそう言いながらも、唇は重ねず、首筋に舌を這わせた。
 ゾクゾクする感触に肩が戦慄く。
 鎖骨を啄みながら、ルカの服に手を掛ける。

「やはり、ルカは誰よりも綺麗だ」
 パジャマも下着も全て脱がせ、白肌を舐め回すように眺めた。
 華奢な身体のラインは、特異体質故の染色体異常によるものだと聞いていた。それでもジョバンニにとって、ルカの全ては芸術そのものだ。

 小さな乳首が勃っているのがジョバンニの視界に入る。再び組み敷くと、口に乳首を含み、乳暈ごと舐めとる。
 ルカは全身に電流が流れたような衝撃に襲われた。ただ胸を舐められただけだ。それなのに背を弓形に撓ませ、吐精した。

「乳首だけでイくなんて、感じやすいんだな」
 ジョバンニが嬉しそうに言う。
「こんなの知らない。ジョバンニがするから……」
「あんまり煽ると、優しく出来なくなる」
 優しくなんてしなくていい。
 もっとジョバンニを感じていたい。もっと力強く抱いてほしい。

「きて。もっと欲しい」
「まったく。乳首だけでイったやつのセリフかよ」
 ジョバンニは頭を掻きながら、完全にルカに参っていた。乳首を舌先で転がし、甘く噛み、吸い上げる。反対側は指の腹で捏ねられた。

 ルカは自分の感度に驚いていた。
 NIRVANAでいる時は、毎日誰かに抱かれていたにも関わらず、こんなに感じたことはない。
 それがセックスなのかと思っていた。だからルカは性行が好きではなかった。

 しかし、ジョバンニとは肌を触れ合いたいなんて感情が自然と生まれただけで、ルカは自身に驚愕したのだ。
 そしてその願いが叶えられてる今、胸を嬲られているだけで身悶えるほどの快楽の渦に飲み込まれている。

 一度達したルカの中心は、早くもまた芯を通し始めた。ジョバンニがそこに、自分の昂ったものを押し当てる。布越しにもその存在感に法悦とした。
 これがルカの中に入ると考えただけで、孔の奥がキュッと引き締まる。
 無意識に腰を浮かし、ジョバンニに自分の屹立を擦り付けていた。

「ルカがこんな積極的だとは、意外だな」
「んっ、んん、僕また……イッちゃいそうで……」
「何回でもイケばいい。ルカの感じている顔を見ているだけで、俺は心が満たされる」
「見てるだけなんて言わないで。欲しくて、仕方ないのに」
「そんな誘い方を、どこで学んできたんだ?」
「分からない。セックスが、こんなに幸せなんて知らなかった」
「ルカが今まで経験したのはセックスとは言わない。本当のセックスは、愛し合ってするものだ」

 オイルを垂らしたジョバンニの手が孔に宛てられる。周りをマッサージするように解していると、ルカは腿を閉じてジョバンニの腕を挟み込んだ。

「これが……本当のセックス?」
「ルカは俺が好きか?」
「すき。ジョバンニさんが、すき」
「俺もだ。だから、ルカと本当のセックスをする」
 ルアの膝頭にキスを落とすと、脚を開きながら内腿を這う。
 ゾクゾクするほどの快楽に襲われる。

 いつの間にか、孔に指が挿れらていた。鼠径部まで到達した口は、昂った先から流れ出た先走りの液を舐め取りながら裏筋を這う。そのまま先端に口付けた。

「はぁ、ん……」
 甘い息が吐き出される。
 ルカの屹立を咥えた匠な舌使いに、ルカはジョバンニの頭を抱え二度目の絶頂を迎えた。

 ぐったりとシーツに身を沈めるが、孔に這入った指はまだ抜かれていない。それどころか、二本に増やされた指は媚肉を擦りながら奥へ奥へと押し入る。長い指は簡単にルカの気持ちいい場所まで届いた。

「あっ今、変な感じがした」
「ここが、気持ちいいところなんだな」
「んぁあっ! はぁ、ん……だめ。そこ、ダメ」
「こんなに気持ちよさそうなのに? 体は正直に反応しているぞ?」
 ジョバンニは意地悪く言うと、執拗に一点だけを弄る。あまりの刺激にルカは腰を上げ、締め付けた。

「離したくないって言ってるみたいだ」
 わざとルカが感じるほどに、ジョバンニは悪ふざけをしているような気がする。
 グチュグチュと卑猥な水音を意識的に聴かせるように掻き乱すのも、ルカの屹立を扱いてまたイカそうとしてるのも、とても楽しそうにするものだからルカは少し拗ねたように言った。

「手だけじゃ嫌です。ジョバンニさんの意地悪……」
 これにはジョバンニも目を丸くし、思わず笑ってしまった。
「やっと素のルカを見た気がするよ」
「そんなことを言ってるんじゃな……ふぅ、ん……早く、欲しくて……」
 自分だけが服を全部脱いでいるのも気に入らないと、ルカはジョバンニを責めた。
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