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1、孤高のNIRVANA
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セルビナス街から車で北上すると、次第に景色が変わっていく。
国内で最も栄えている賑やかな街並みは視界から消え去り、草原とは言い難い壮大な荒地を突き進むとやがて山に入る。
山道の途中に、大抵の人は素通りしてしまう脇道があり、その整備もされていない道をひたすらカーブに従って登っていくと、方角すらも分からなくなってしまう。
そんな入り組んだ場所に【NIRVANAニルバーナ】は存在していた。
一見、誰かが住んでいるようには思えない。鬱蒼と生い茂った木々が辺り一面に影を落とし、柔い木漏れ日が錆びれたフェンスを照らし出す。
その向こう側には、プレハブの倉庫のような箱が無造作に置かれ、未舗装路は更に奥へと続く。
例え人間がこの場所を見つけたとしても、そのフェンスを超えては来ないだろう。そのくらいには、不気味な雰囲気を漂わせている場所だ。
しかし、ずっと奥まで進むと一つの集落のように民家が建ち並ぶ。至ってシンプルな漆喰の建物は、一層その空間を異色なものに作り上げていた。
その真ん中には見上げる程高い塔が屹立していて、上階にはガラス張りになっている部屋が確認できる。
【NIRVANA】とは、正しくはその塔を意味する。
その塔にガット達は幽居していて、各自、自室から出ることは一切ない。この部屋から出る時……それは処分されるという合図なのだ。
国内で最も栄えている賑やかな街並みは視界から消え去り、草原とは言い難い壮大な荒地を突き進むとやがて山に入る。
山道の途中に、大抵の人は素通りしてしまう脇道があり、その整備もされていない道をひたすらカーブに従って登っていくと、方角すらも分からなくなってしまう。
そんな入り組んだ場所に【NIRVANAニルバーナ】は存在していた。
一見、誰かが住んでいるようには思えない。鬱蒼と生い茂った木々が辺り一面に影を落とし、柔い木漏れ日が錆びれたフェンスを照らし出す。
その向こう側には、プレハブの倉庫のような箱が無造作に置かれ、未舗装路は更に奥へと続く。
例え人間がこの場所を見つけたとしても、そのフェンスを超えては来ないだろう。そのくらいには、不気味な雰囲気を漂わせている場所だ。
しかし、ずっと奥まで進むと一つの集落のように民家が建ち並ぶ。至ってシンプルな漆喰の建物は、一層その空間を異色なものに作り上げていた。
その真ん中には見上げる程高い塔が屹立していて、上階にはガラス張りになっている部屋が確認できる。
【NIRVANA】とは、正しくはその塔を意味する。
その塔にガット達は幽居していて、各自、自室から出ることは一切ない。この部屋から出る時……それは処分されるという合図なのだ。
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