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「蒼斗……」
息切れしながらその名前を呼ぶ。汗だくの翔真を見て、蒼斗は目を丸くしたが、直ぐに視線を落とした。
「俺、ごめん。どうしても翔真と話したくて」
「とりあえず、入って」
「部屋に入ってもいいのか?」
「他に話せる場所ないし……」
少し尖った言い方をしてしまった。前はもっと上手く立ち振る舞えていたのに。感じの悪いやつだと捉えられたかもしれない。
蒼斗は部屋に上がると、玄関やキッチンの狭さに驚き、部屋の狭さにも驚き、トイレとお風呂が同じ空間にあるのにも驚いていた。
やはり、育ってきた環境が違いすぎる。そりゃ、蒼斗のマンションのリビングの方がここよりも広いだろう。
「言っとくけど、これが一般の学生の部屋だからな」
「……そう、なんだ……」
狭すぎてどこに座ればいいのかも分からない様子で部屋を見渡し、棒立ちになっている。
「ベッドがソファ代わりだから」
「は? まさか、友達もベッドに座るのかよ?」
「まだ誰も呼んだことないよ。引っ越してきたばっかりだし」
「それでも……無防備すぎるだろ」
「お金持ちのα様には分かんないだろうけど、これがまさか、どこでもそうなんだよ?」
また、嫌味な言い方になってしまった。
最低限の食材が入る小さな冷蔵庫からお茶のパックを取り出すと、また蒼斗が驚きの声を上げる。
「これ、冷蔵庫なの?」
「はぁぁ……。本当に、今日はいい社会勉強になるな。蒼斗」
「だって、こんなの何にも入らないじゃん。翔真、料理好きなのに」
「一人暮らしなんて、こんなものなの! 蒼斗のマンションが規格外なんだよ!!」
「それでも……」
「なぁ、金持ちマウントでもしにきたわけ?」
言うつもりもない言葉ばかり、口にしてしまう。
雅哉たちと別れた時は、蒼斗に告白する気満々だったのに、これじゃあ怒らせようとしているみたいだ。いつの間に、自分の性格は歪んでしまったのか……。
蒼斗はベッドに座ると、何かを考え込むように黙り込んだ。
「……次は何?」
テーブルにお茶を置き、蒼斗の隣に腰を下ろす。
すると蒼斗は、翔真の肩を両手で鷲掴みにしてきた。
「は? な、何?」
「翔真、やっぱりこっちに帰ってこいよ」
「なん……で……。だって、あんなに広い場所でずっと一人なんて寂しいだけなんだよ。顔も合わせないし、蒼斗はずっと俺のこと避けてるし。俺は家賃も生活費も払ってないのに、蒼斗より長くマンションにいる。ただのヒモじゃん。そんなのって。恋人でもないのに……」
「は?」
翔真の最後の一言に、蒼斗が反応する。
「は? って、そうだろ? 俺らは友達なのに、そんな……っ!? んっ!?」
突然、蒼斗が唇を押し付けてきた。何が起こっているのか、理解が追いつかない。
なんで? 俺、蒼斗からキスされて……。
「……ってんだろ」
「な、に……」
「付き合ってんじゃねぇのかよ、俺ら」
「は?」
今度は翔真が絶句する。
(付き合ってる? 俺と、蒼斗が? いつから? いつの間に?)
脳内では尋常じゃないスピードで過去が再生される。しかし、そんな瞬間はどこにもインプットされていない。告白だってされたことはないし、性的な何かがあったわけでもない。けれど明らかに、蒼斗の中では翔真と付き合い始めたと認識した瞬間があり、それを翔真は見落としているということだ。
「待って。それってつまり、蒼斗は俺が好きって……こと……ですか……」
「なんで急に敬語なんだよ。でも、これでハッキリした」
「何が?」
「だって一緒に住み始めたのに、翔真は別々の部屋で寝るし、バイトまで始めるし。俺と過ごす時間がどんどん減っていくのに、何とも思わねぇのかよってイライラした。相談する前からバイト先まで決めてくるし」
「それで怒ってたの?」
「当たり前だろ!! でも、付き合ってるって思われてもいなかったなんてな」
「だって好きなんて言われたことないし!!」
蒼斗が翔真をそんな目で見ていたなんて、まだ信じられない。一緒のベッドで寝たかったと言うことなのか?
バイトも、夜に翔真がいないのが寂しいから不貞腐れたと理解していいのか?
言い返しながらも、心の底からじわじわと歓喜が満ち溢れてくる。
「一緒に住みたいから、翔真の親に挨拶まで行ったのに? ただの友達にそこまですると思う?」
「そう言われれば、そうだけど……」
「恋人でもない奴に家賃や生活費まで出すほど、俺って馬鹿に見える?」
「見えない! 蒼斗はむしろ、お金持ちって表に出さないし……」
「じゃあ、なんで毎日毎日、翔真の作ったご飯食べたいのか分かる? 毎朝、起こしてほしいのか分かる?」
「……」
「好きだからだろ」
思わず顔をあげると、蒼斗の顔が綻んだ。
「蒼斗?」
「好きだ。翔真が好き」
目頭が熱くなる。蒼斗が自分を好きだったなんて、考えたこともなかった。
αは、Ωとしか恋をしないと思い込んでいた。
必然的に、自分は恋愛対象にはならないと決めつけていた。
「でも、蒼斗はαで……俺はβだし。この先、蒼斗には運命の番が現れるかもしれないのに……」
「今はバース性の話なんてしてない。翔真は俺のこと、どう思ってるわけ?」
「……きだよ」
喉が詰まって上手く声が出せない。涙が溢れて、蒼斗の顔が霞む。
それでも、伝えないといけない。自分の気持ちを。
「っすき!! 蒼斗が好き!!」
言い終わらないうちに、抱きしめられた。翔真も蒼斗の背中に腕を回す。蒼斗はそのままベッドに翔真を押し倒した。
真上から、余裕のない蒼斗が呼吸を荒げている。翔真は恍惚とした表情で蒼斗を見つめた。
蒼斗の顔が近付き、唇が再び重なった。
(うわっ、蒼斗の唇……)
柔らかく、弾力のある唇が触れる。少し離しては角度を変え、また触れる。それを繰り返していくうちに、今度は軽く吸うように口付け始めた。
「んっ……、ふっ、ん……」
「翔真、もしかして初めて?」
「あ……当たり前だろ。初めて両思いになったんだもん。何もかも、蒼斗が初めてだから」
「しょうま……」
蒼斗は口元を抑え、肩を震わせる。
どうしたのかと覗き込むと、突然蒼斗の視線が力強いものになった。
「翔真、今度は恋人同士のキスしよう」
「そんな恥ずかしいこと言うなよっ。あっ……んん……」
蒼斗の口は自分よりも大きくて、呼吸すらも奪っていく。
「舌出して……」
蒼斗の低い声が脳に響き、その色気に翔真は戦慄いた。
チロリと出した舌を、蒼斗が絡めとる。
「んっ、んっ……」
淫靡な水音を立てながら、蒼斗は翔真の口腔へと侵入する。もう、翔真の中心には芯が通り始め、ズボンが膨らんでいた。
キスを続けながら、蒼斗が翔真の体を愛撫する。その手は上肢を滑り、腿を伝い、屹立した中心に辿り着く。
「翔真、キスだけで気持ちよくなっちゃった?」
「はぁ……はぁ……だって……」
「だって、何?」
「い、意地悪言わないで」
「かわいい。優しくする。嫌だったら言って?」
「え? 最後までするの?」
「これ以上、我慢できない」
「でも、俺何も準備できてないし……Ωみたいに濡れないし……」
「ばーか! Ωじゃないとセックスできないんじゃないだろ。翔真は、俺に全てを委ねててよ」
蒼斗が首に顔を埋める。舌で舐めながら口付けていく。
「はっ、ぁん」
「声、もっと聞かせて?」
「だめ。隣の部屋に聞こえちゃう」
「本当に、どうなってんの? このマンション」
「だから、これが普通なの!!」
蒼斗は翔真のかわいい声が聞けないと愚痴を言ってから、また身体中にキスを落として回る。
これだけで達してしまいそうなほど、気持ちよかった。
(俺、蒼斗に抱かれるんだ……)
今まで好きになった人は全員αだった。
自分はβだからと、これまでの恋は全て諦めてきた。告白など、とんでもない。
βはβと恋愛するのが普通なんだ。αに対する気持ち、それは憧れ、または羨望でしかない。
どう頑張っても足掻いても、Ωには敵わない。
でも今、自分は蒼斗に抱かれている。
「蒼斗……蒼斗……」
「なに?」
「好きだよ。大好き」
蒼斗の温もりを実感するほどに、気持ちが溢れ出す。
何度好きだと伝えても、きっと想いの全てを届けきれない。
「もっと言って」
蒼斗が翔真の手を取り、自分の頬に当てる。恍惚とした眼差しに、心臓が爆ぜた。
「好き。好き。好き。蒼斗が、好き」
「俺も、翔真が好きだ」
再び、唇を塞がれた。
息切れしながらその名前を呼ぶ。汗だくの翔真を見て、蒼斗は目を丸くしたが、直ぐに視線を落とした。
「俺、ごめん。どうしても翔真と話したくて」
「とりあえず、入って」
「部屋に入ってもいいのか?」
「他に話せる場所ないし……」
少し尖った言い方をしてしまった。前はもっと上手く立ち振る舞えていたのに。感じの悪いやつだと捉えられたかもしれない。
蒼斗は部屋に上がると、玄関やキッチンの狭さに驚き、部屋の狭さにも驚き、トイレとお風呂が同じ空間にあるのにも驚いていた。
やはり、育ってきた環境が違いすぎる。そりゃ、蒼斗のマンションのリビングの方がここよりも広いだろう。
「言っとくけど、これが一般の学生の部屋だからな」
「……そう、なんだ……」
狭すぎてどこに座ればいいのかも分からない様子で部屋を見渡し、棒立ちになっている。
「ベッドがソファ代わりだから」
「は? まさか、友達もベッドに座るのかよ?」
「まだ誰も呼んだことないよ。引っ越してきたばっかりだし」
「それでも……無防備すぎるだろ」
「お金持ちのα様には分かんないだろうけど、これがまさか、どこでもそうなんだよ?」
また、嫌味な言い方になってしまった。
最低限の食材が入る小さな冷蔵庫からお茶のパックを取り出すと、また蒼斗が驚きの声を上げる。
「これ、冷蔵庫なの?」
「はぁぁ……。本当に、今日はいい社会勉強になるな。蒼斗」
「だって、こんなの何にも入らないじゃん。翔真、料理好きなのに」
「一人暮らしなんて、こんなものなの! 蒼斗のマンションが規格外なんだよ!!」
「それでも……」
「なぁ、金持ちマウントでもしにきたわけ?」
言うつもりもない言葉ばかり、口にしてしまう。
雅哉たちと別れた時は、蒼斗に告白する気満々だったのに、これじゃあ怒らせようとしているみたいだ。いつの間に、自分の性格は歪んでしまったのか……。
蒼斗はベッドに座ると、何かを考え込むように黙り込んだ。
「……次は何?」
テーブルにお茶を置き、蒼斗の隣に腰を下ろす。
すると蒼斗は、翔真の肩を両手で鷲掴みにしてきた。
「は? な、何?」
「翔真、やっぱりこっちに帰ってこいよ」
「なん……で……。だって、あんなに広い場所でずっと一人なんて寂しいだけなんだよ。顔も合わせないし、蒼斗はずっと俺のこと避けてるし。俺は家賃も生活費も払ってないのに、蒼斗より長くマンションにいる。ただのヒモじゃん。そんなのって。恋人でもないのに……」
「は?」
翔真の最後の一言に、蒼斗が反応する。
「は? って、そうだろ? 俺らは友達なのに、そんな……っ!? んっ!?」
突然、蒼斗が唇を押し付けてきた。何が起こっているのか、理解が追いつかない。
なんで? 俺、蒼斗からキスされて……。
「……ってんだろ」
「な、に……」
「付き合ってんじゃねぇのかよ、俺ら」
「は?」
今度は翔真が絶句する。
(付き合ってる? 俺と、蒼斗が? いつから? いつの間に?)
脳内では尋常じゃないスピードで過去が再生される。しかし、そんな瞬間はどこにもインプットされていない。告白だってされたことはないし、性的な何かがあったわけでもない。けれど明らかに、蒼斗の中では翔真と付き合い始めたと認識した瞬間があり、それを翔真は見落としているということだ。
「待って。それってつまり、蒼斗は俺が好きって……こと……ですか……」
「なんで急に敬語なんだよ。でも、これでハッキリした」
「何が?」
「だって一緒に住み始めたのに、翔真は別々の部屋で寝るし、バイトまで始めるし。俺と過ごす時間がどんどん減っていくのに、何とも思わねぇのかよってイライラした。相談する前からバイト先まで決めてくるし」
「それで怒ってたの?」
「当たり前だろ!! でも、付き合ってるって思われてもいなかったなんてな」
「だって好きなんて言われたことないし!!」
蒼斗が翔真をそんな目で見ていたなんて、まだ信じられない。一緒のベッドで寝たかったと言うことなのか?
バイトも、夜に翔真がいないのが寂しいから不貞腐れたと理解していいのか?
言い返しながらも、心の底からじわじわと歓喜が満ち溢れてくる。
「一緒に住みたいから、翔真の親に挨拶まで行ったのに? ただの友達にそこまですると思う?」
「そう言われれば、そうだけど……」
「恋人でもない奴に家賃や生活費まで出すほど、俺って馬鹿に見える?」
「見えない! 蒼斗はむしろ、お金持ちって表に出さないし……」
「じゃあ、なんで毎日毎日、翔真の作ったご飯食べたいのか分かる? 毎朝、起こしてほしいのか分かる?」
「……」
「好きだからだろ」
思わず顔をあげると、蒼斗の顔が綻んだ。
「蒼斗?」
「好きだ。翔真が好き」
目頭が熱くなる。蒼斗が自分を好きだったなんて、考えたこともなかった。
αは、Ωとしか恋をしないと思い込んでいた。
必然的に、自分は恋愛対象にはならないと決めつけていた。
「でも、蒼斗はαで……俺はβだし。この先、蒼斗には運命の番が現れるかもしれないのに……」
「今はバース性の話なんてしてない。翔真は俺のこと、どう思ってるわけ?」
「……きだよ」
喉が詰まって上手く声が出せない。涙が溢れて、蒼斗の顔が霞む。
それでも、伝えないといけない。自分の気持ちを。
「っすき!! 蒼斗が好き!!」
言い終わらないうちに、抱きしめられた。翔真も蒼斗の背中に腕を回す。蒼斗はそのままベッドに翔真を押し倒した。
真上から、余裕のない蒼斗が呼吸を荒げている。翔真は恍惚とした表情で蒼斗を見つめた。
蒼斗の顔が近付き、唇が再び重なった。
(うわっ、蒼斗の唇……)
柔らかく、弾力のある唇が触れる。少し離しては角度を変え、また触れる。それを繰り返していくうちに、今度は軽く吸うように口付け始めた。
「んっ……、ふっ、ん……」
「翔真、もしかして初めて?」
「あ……当たり前だろ。初めて両思いになったんだもん。何もかも、蒼斗が初めてだから」
「しょうま……」
蒼斗は口元を抑え、肩を震わせる。
どうしたのかと覗き込むと、突然蒼斗の視線が力強いものになった。
「翔真、今度は恋人同士のキスしよう」
「そんな恥ずかしいこと言うなよっ。あっ……んん……」
蒼斗の口は自分よりも大きくて、呼吸すらも奪っていく。
「舌出して……」
蒼斗の低い声が脳に響き、その色気に翔真は戦慄いた。
チロリと出した舌を、蒼斗が絡めとる。
「んっ、んっ……」
淫靡な水音を立てながら、蒼斗は翔真の口腔へと侵入する。もう、翔真の中心には芯が通り始め、ズボンが膨らんでいた。
キスを続けながら、蒼斗が翔真の体を愛撫する。その手は上肢を滑り、腿を伝い、屹立した中心に辿り着く。
「翔真、キスだけで気持ちよくなっちゃった?」
「はぁ……はぁ……だって……」
「だって、何?」
「い、意地悪言わないで」
「かわいい。優しくする。嫌だったら言って?」
「え? 最後までするの?」
「これ以上、我慢できない」
「でも、俺何も準備できてないし……Ωみたいに濡れないし……」
「ばーか! Ωじゃないとセックスできないんじゃないだろ。翔真は、俺に全てを委ねててよ」
蒼斗が首に顔を埋める。舌で舐めながら口付けていく。
「はっ、ぁん」
「声、もっと聞かせて?」
「だめ。隣の部屋に聞こえちゃう」
「本当に、どうなってんの? このマンション」
「だから、これが普通なの!!」
蒼斗は翔真のかわいい声が聞けないと愚痴を言ってから、また身体中にキスを落として回る。
これだけで達してしまいそうなほど、気持ちよかった。
(俺、蒼斗に抱かれるんだ……)
今まで好きになった人は全員αだった。
自分はβだからと、これまでの恋は全て諦めてきた。告白など、とんでもない。
βはβと恋愛するのが普通なんだ。αに対する気持ち、それは憧れ、または羨望でしかない。
どう頑張っても足掻いても、Ωには敵わない。
でも今、自分は蒼斗に抱かれている。
「蒼斗……蒼斗……」
「なに?」
「好きだよ。大好き」
蒼斗の温もりを実感するほどに、気持ちが溢れ出す。
何度好きだと伝えても、きっと想いの全てを届けきれない。
「もっと言って」
蒼斗が翔真の手を取り、自分の頬に当てる。恍惚とした眼差しに、心臓が爆ぜた。
「好き。好き。好き。蒼斗が、好き」
「俺も、翔真が好きだ」
再び、唇を塞がれた。
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