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続編 カマルとルアの子育て編
大満月の夜
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「今日は充実した一日になったようだね」
寝室に戻ると、カマルに包み込まれた。
「なんだか実り多い日になりました」
月亜が言うと「そうか……」と、微笑む。
月亜にとって、やはり一番落ち着けるのはここだと、改めて思う。
エデンの落ち着ける場所は、あるだろうか。もし、それがオーディン家ならいいのに……。
「ルア、私の腕の中で誰のことを考えているのかな?」
カマルに突然唇を奪われた。
「ん……ぁ……。エデンくん……が、気掛かりで……」
「でも今、目の前にいるのは私だ。私だけを見て欲しいと言うのは我儘だろうか?」
「我儘じゃ、ありません……」
月亜はカマルの方に向き直し、再び口付けた。
ここ最近、色々ありすぎて、ゆっくりと二人の時間を楽しめてなかったと思った。
「今夜は満月でしたね」
「そうだな。少しバルコニーに出てみるかい?」
「カマルさんは、見たいですか?」
カマルとの口付けで直ぐに蕩けてしまう月亜は、正直、満月を楽しむ気力は残っていない。
しかしカマルは月亜をお姫様抱っこで抱え上げ、バルコニーに出た。
相変わらず、この世界は昼夜関係なく温かい。
空には大満月が浮かんでいる。
深夜とは思えないほど明るいのは、番になったあの日と同じだ。
「月は変わらず美しい」
「そうですね」
「日頃は忙しくて満月も気にしていられないが、こんな大満月はなるべく一緒に見たいと思うのだ。私達が出会ってからの日々を、忘れないために」
バルコニーのソファーに座り、再び口付けた。
「今夜は眠れないんでしたよね?」
「期待していてくれたのかな?」
「少し……。んん……たくさん期待していました」
「ルアがこんなにも素直になってくれたのは、エデンのお蔭かな。礼を言わねばならない」
「そんなこと! 言わなくて大丈夫です!! カマルさんこそ、今は俺だけに集中してください」
月亜はカマルに跨り、自分からカマルの口腔に舌を忍ばせた。
カマルはやけに積極的な月亜に驚きつつも、その全てを受け取った。
「んっ……んんっ……カマルさん、今は俺がしたい……」
「だめだ。我慢できない。私の暴走は、満月の所為にしてくれ!」
月亜の腰をグッと引きつけ、ソファーに寝かせる。
まだ発情期ではないのに、カマルのアルファの力で発情を促された。
「あっ……はぁ……はぁ……カマルさ……あつい……」
月亜の呼吸は直ぐに荒くなり始めた。
今日のカマルは初めから余裕のない顔をしている。こんなのは珍しい。
初めて出会ったときは、もっと強引だったが、でもそれに近いものを月亜は感じていた。
「ルア……私の熱が冷めるまで、離してあげられない」
「はい。喜んで」
うっとりとカマルを見つめる月亜を、カマルは獣の瞳で捉えている。
少し目を細めたカマルの顔が、月亜の首元に埋まった。
寝室に戻ると、カマルに包み込まれた。
「なんだか実り多い日になりました」
月亜が言うと「そうか……」と、微笑む。
月亜にとって、やはり一番落ち着けるのはここだと、改めて思う。
エデンの落ち着ける場所は、あるだろうか。もし、それがオーディン家ならいいのに……。
「ルア、私の腕の中で誰のことを考えているのかな?」
カマルに突然唇を奪われた。
「ん……ぁ……。エデンくん……が、気掛かりで……」
「でも今、目の前にいるのは私だ。私だけを見て欲しいと言うのは我儘だろうか?」
「我儘じゃ、ありません……」
月亜はカマルの方に向き直し、再び口付けた。
ここ最近、色々ありすぎて、ゆっくりと二人の時間を楽しめてなかったと思った。
「今夜は満月でしたね」
「そうだな。少しバルコニーに出てみるかい?」
「カマルさんは、見たいですか?」
カマルとの口付けで直ぐに蕩けてしまう月亜は、正直、満月を楽しむ気力は残っていない。
しかしカマルは月亜をお姫様抱っこで抱え上げ、バルコニーに出た。
相変わらず、この世界は昼夜関係なく温かい。
空には大満月が浮かんでいる。
深夜とは思えないほど明るいのは、番になったあの日と同じだ。
「月は変わらず美しい」
「そうですね」
「日頃は忙しくて満月も気にしていられないが、こんな大満月はなるべく一緒に見たいと思うのだ。私達が出会ってからの日々を、忘れないために」
バルコニーのソファーに座り、再び口付けた。
「今夜は眠れないんでしたよね?」
「期待していてくれたのかな?」
「少し……。んん……たくさん期待していました」
「ルアがこんなにも素直になってくれたのは、エデンのお蔭かな。礼を言わねばならない」
「そんなこと! 言わなくて大丈夫です!! カマルさんこそ、今は俺だけに集中してください」
月亜はカマルに跨り、自分からカマルの口腔に舌を忍ばせた。
カマルはやけに積極的な月亜に驚きつつも、その全てを受け取った。
「んっ……んんっ……カマルさん、今は俺がしたい……」
「だめだ。我慢できない。私の暴走は、満月の所為にしてくれ!」
月亜の腰をグッと引きつけ、ソファーに寝かせる。
まだ発情期ではないのに、カマルのアルファの力で発情を促された。
「あっ……はぁ……はぁ……カマルさ……あつい……」
月亜の呼吸は直ぐに荒くなり始めた。
今日のカマルは初めから余裕のない顔をしている。こんなのは珍しい。
初めて出会ったときは、もっと強引だったが、でもそれに近いものを月亜は感じていた。
「ルア……私の熱が冷めるまで、離してあげられない」
「はい。喜んで」
うっとりとカマルを見つめる月亜を、カマルは獣の瞳で捉えている。
少し目を細めたカマルの顔が、月亜の首元に埋まった。
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