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続編 カマルとルアの子育て編
逞しい侍女達に学ぶ
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帰ってきた月亜達は三人とも泥だらけだった。これにはハワード達も大笑い。
「一緒に行けなかったのが残念だ!」なんて嘆いている。
「らい君がなかなか捕まらなくて!」
結局、最後は猫神に助けを求めた。月亜は早くにそうすれば良かったとも思ったが、シオンとエデンがあんなにも笑い転げる姿をもっと見ていたい気持ちが勝った。
その結果がこれである。
「とても楽しかったのが、一目で分かりますわ」
ミッチェルまでもが笑いを隠せていない。
「たのしかったねー、エデン!」
「うん!! いっぱい走ったね!」
二人の言動はどんどん似てきたように思う。それほど気が合うのだろう。
「じゃあ今から、らい君も一緒に湯浴みに行こうか!」
「まみぃと、いっしょー?」
「そうだよ」
「やったぁぁーーー!」
泥だらけの服のまま、シオンと“らい君”を抱えたエデンは走って行ってしまった。
「あちゃー……これは掃除が大変だ……」
「王妃様、大丈夫です。掃除の腕がなりますわ!!」
どこからともなく現れた侍女が腕捲りをした。カマルが子供のころはもっとヤンチャだったそうで、この所やり甲斐を求めていたと言う。
今は亡きモリスと二人で悪さをして、城中汚していたそうだ。
「今のカマルさんからは、全く想像できませんね」
「ルア、今のは忘れてくれて構わない」
バツ悪そうなカマルを見るのは珍しい。長年、オーディン城に仕えている侍女だからこそ知っている情報だ。
「また、子供の頃のカマルさんの話を聞かせてくださいね」
なんて言うと、「語り尽くせないほどありまふよ」と含み笑いを浮かべた。
ここの侍女達にとってはカマルも我が子同然なのだ。それをハワード達も咎めたりしない。
それが、この城内が明るく過ごしやすい要因だろう。
「さあ、ルアさんも湯浴みをして着替えてらっしゃい」
ミッチェルに促され、月も泥だらけのまま移動した。
「まみぃ! おそいーー」
先に走って行った二人は既に別の侍女達の手により、全身泡だらけになっている。
「シオン様もエデン様も、らい君よりもこもこですわ!」
「ほんとうだーー!!」
「ほら、ご覧下さい! こうやって泡を頭に乗せて……っと。はい! らい君のお耳とお揃いですわ!」
手鏡を渡すと、二人の頭には、泡で出来た丸い耳が乗っかっていた。
「きゃーーーーー!!!!!!」
頭を突き抜けるほどの歓声に、月亜は後退りをしてしまった。
(何故か目がチカチカする……)
それにも動じない侍女達は凄い。もうシオンとエデンを心を鷲掴みだ。
「流石ですねぇ」
「何がです?」
「俺よりずっと子供の扱いが上手い」
「えっ! やだ! そんな……」
月亜の一言にこんなにも照れるとは……。
心から二人と戯れるのを楽しんでいるのだろう。
月亜は感心してしまう。
自分は考えすぎだ。
カマルに言われた一言が、良く理解できた。
自分も、この人達のように無心で遊ぶ時間を増やそうと思った。
「王妃様のりゅう、きれい」
フッとエデンが月亜の紋に目を向けた。
そう言えば、これを見るのは初めてだったか。
「ありがとう! 嬉しい。俺も気に入ってるんだ!」
「だっどのりゅう、もっとおおきいよ」
「そうなの?」
「後で見せてもらうといいよ」
「はい!」
失敗の後の立て直し……。侍女から学んだ気がする。
「一緒に行けなかったのが残念だ!」なんて嘆いている。
「らい君がなかなか捕まらなくて!」
結局、最後は猫神に助けを求めた。月亜は早くにそうすれば良かったとも思ったが、シオンとエデンがあんなにも笑い転げる姿をもっと見ていたい気持ちが勝った。
その結果がこれである。
「とても楽しかったのが、一目で分かりますわ」
ミッチェルまでもが笑いを隠せていない。
「たのしかったねー、エデン!」
「うん!! いっぱい走ったね!」
二人の言動はどんどん似てきたように思う。それほど気が合うのだろう。
「じゃあ今から、らい君も一緒に湯浴みに行こうか!」
「まみぃと、いっしょー?」
「そうだよ」
「やったぁぁーーー!」
泥だらけの服のまま、シオンと“らい君”を抱えたエデンは走って行ってしまった。
「あちゃー……これは掃除が大変だ……」
「王妃様、大丈夫です。掃除の腕がなりますわ!!」
どこからともなく現れた侍女が腕捲りをした。カマルが子供のころはもっとヤンチャだったそうで、この所やり甲斐を求めていたと言う。
今は亡きモリスと二人で悪さをして、城中汚していたそうだ。
「今のカマルさんからは、全く想像できませんね」
「ルア、今のは忘れてくれて構わない」
バツ悪そうなカマルを見るのは珍しい。長年、オーディン城に仕えている侍女だからこそ知っている情報だ。
「また、子供の頃のカマルさんの話を聞かせてくださいね」
なんて言うと、「語り尽くせないほどありまふよ」と含み笑いを浮かべた。
ここの侍女達にとってはカマルも我が子同然なのだ。それをハワード達も咎めたりしない。
それが、この城内が明るく過ごしやすい要因だろう。
「さあ、ルアさんも湯浴みをして着替えてらっしゃい」
ミッチェルに促され、月も泥だらけのまま移動した。
「まみぃ! おそいーー」
先に走って行った二人は既に別の侍女達の手により、全身泡だらけになっている。
「シオン様もエデン様も、らい君よりもこもこですわ!」
「ほんとうだーー!!」
「ほら、ご覧下さい! こうやって泡を頭に乗せて……っと。はい! らい君のお耳とお揃いですわ!」
手鏡を渡すと、二人の頭には、泡で出来た丸い耳が乗っかっていた。
「きゃーーーーー!!!!!!」
頭を突き抜けるほどの歓声に、月亜は後退りをしてしまった。
(何故か目がチカチカする……)
それにも動じない侍女達は凄い。もうシオンとエデンを心を鷲掴みだ。
「流石ですねぇ」
「何がです?」
「俺よりずっと子供の扱いが上手い」
「えっ! やだ! そんな……」
月亜の一言にこんなにも照れるとは……。
心から二人と戯れるのを楽しんでいるのだろう。
月亜は感心してしまう。
自分は考えすぎだ。
カマルに言われた一言が、良く理解できた。
自分も、この人達のように無心で遊ぶ時間を増やそうと思った。
「王妃様のりゅう、きれい」
フッとエデンが月亜の紋に目を向けた。
そう言えば、これを見るのは初めてだったか。
「ありがとう! 嬉しい。俺も気に入ってるんだ!」
「だっどのりゅう、もっとおおきいよ」
「そうなの?」
「後で見せてもらうといいよ」
「はい!」
失敗の後の立て直し……。侍女から学んだ気がする。
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