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続編 カマルとルアの子育て編
召喚獣の悲劇
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プラテネス城でのナタンとカマルの一件で、ナタンはルシーと話し合おうと決意した。
このままでは自分もエデンもいつか壊れてしまう。
それに、父である国王もルシーの本性に気づいていた。
そりゃそうだ。子供が真実を一切口外しないなんてあるはずがない。
ダリエ国王様は陰ながらにエデンを支えてくれていた。
ルシーは国王様が自分ではなくエデンばかりを可愛がるのも気に入らなかった。
優秀なのは自分だ。
ここで一番強いのも自分だ。それならば、もっと重宝されてもいいのではないか。
承認欲求を最大限に貯めていたタイミングだった。ナタンが「もう喧嘩をしたくない、和解したい」と話しかけてきたのが。
ルシーも初めは脅しのつもりで、獅を召喚させた。
それでナタンが謝ればすぐに止めたのかもしれない。
しかしいつもなら震え上がって自分に屈するナタンが「こんなことは何の意味もない」と、止めるよう命令してきたのだ。
怒りを抑えるどころか、逆上したルシーは獅にナタンを襲わせた。
そこへダリエ国王様が割り入った。
思わず仲裁に入ったのは、陰でエデンが見ていたからだ。
ダリエ国王様はナタンにエデンを連れてこの場から離れるよう促した。
もし獅に襲われでもすれば大変だ。
ルシーの熱が冷めるまでは父に任せようと、エデンの安全を優先させたナタンは、獅が入って来れないような場所を探して隠れた。
その間に、ダリエ国王様とルシーの間で話し合いが持たれたが、国王様の前で本性を剥き出しにしたルシーに、もう弁明の余地も残ってはいない。
「ナタンなんかより、私を女王にしろ」
その意見を却下した時、獅に国王様でさえも襲わせた。
ダリエ国王様は自分の獣を召喚しなかった。
召喚獣を戦わせても意味はないと知っていたから。
そして、それは獅も同じであった。
ルシーに「国王を噛み殺せ」と命令された時、そんな指示を聞くわけにはいかないと、軽い怪我だけで済ませた。
それがよりルシーの怒りを買った。
ルシーは何度も獅に国王様を襲わせ、ついにダリエ国王様は深い傷を負ってしまう。
ルシーは声高々に笑い飛ばしたが、獅は戸惑っていた。
主との信頼関係は無に等しい。
それでも自分の主はルシーだ。
自分の意見を聞き入れない国王様に見せつけつかのように、獅を街に放ち、崩壊させるよう命令された。
獅は自分の力をこんなことに使いたくなかった。
召喚獣は本来、助け合うため、より強くなって大切なものを守るために存在している。
だから、どの召喚獣も果敢に戦うのだ。
獅もそうでありたかった。
命令を聞けない召喚獣は主の体から追放されることもある。
ルシーがそれをするとは思えないが、これ以上街や人を襲いたくない獅は、主からの追放を夢見るようになっていった。
このままでは自分もエデンもいつか壊れてしまう。
それに、父である国王もルシーの本性に気づいていた。
そりゃそうだ。子供が真実を一切口外しないなんてあるはずがない。
ダリエ国王様は陰ながらにエデンを支えてくれていた。
ルシーは国王様が自分ではなくエデンばかりを可愛がるのも気に入らなかった。
優秀なのは自分だ。
ここで一番強いのも自分だ。それならば、もっと重宝されてもいいのではないか。
承認欲求を最大限に貯めていたタイミングだった。ナタンが「もう喧嘩をしたくない、和解したい」と話しかけてきたのが。
ルシーも初めは脅しのつもりで、獅を召喚させた。
それでナタンが謝ればすぐに止めたのかもしれない。
しかしいつもなら震え上がって自分に屈するナタンが「こんなことは何の意味もない」と、止めるよう命令してきたのだ。
怒りを抑えるどころか、逆上したルシーは獅にナタンを襲わせた。
そこへダリエ国王様が割り入った。
思わず仲裁に入ったのは、陰でエデンが見ていたからだ。
ダリエ国王様はナタンにエデンを連れてこの場から離れるよう促した。
もし獅に襲われでもすれば大変だ。
ルシーの熱が冷めるまでは父に任せようと、エデンの安全を優先させたナタンは、獅が入って来れないような場所を探して隠れた。
その間に、ダリエ国王様とルシーの間で話し合いが持たれたが、国王様の前で本性を剥き出しにしたルシーに、もう弁明の余地も残ってはいない。
「ナタンなんかより、私を女王にしろ」
その意見を却下した時、獅に国王様でさえも襲わせた。
ダリエ国王様は自分の獣を召喚しなかった。
召喚獣を戦わせても意味はないと知っていたから。
そして、それは獅も同じであった。
ルシーに「国王を噛み殺せ」と命令された時、そんな指示を聞くわけにはいかないと、軽い怪我だけで済ませた。
それがよりルシーの怒りを買った。
ルシーは何度も獅に国王様を襲わせ、ついにダリエ国王様は深い傷を負ってしまう。
ルシーは声高々に笑い飛ばしたが、獅は戸惑っていた。
主との信頼関係は無に等しい。
それでも自分の主はルシーだ。
自分の意見を聞き入れない国王様に見せつけつかのように、獅を街に放ち、崩壊させるよう命令された。
獅は自分の力をこんなことに使いたくなかった。
召喚獣は本来、助け合うため、より強くなって大切なものを守るために存在している。
だから、どの召喚獣も果敢に戦うのだ。
獅もそうでありたかった。
命令を聞けない召喚獣は主の体から追放されることもある。
ルシーがそれをするとは思えないが、これ以上街や人を襲いたくない獅は、主からの追放を夢見るようになっていった。
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