36 / 36
【完結】其の参拾陸
しおりを挟む
青蝶の中に、飛龍の熱が捩じ込まれる。
熱塊が媚肉を擦りながら最奥へと穿っていく。青蝶のそこはしっかりと潤んでいて、飛龍のものを誘導するように飲み込んでいった。
「毎晩抱いているから、すんなりと入ったな」
「んっ、ぁあ……」
それでも隙のない肉胴は、飛龍の男根の形すら感じられる。
青蝶の全神経は孔だけに集中していた。苦しいのに、気持ちがいい。身体が満たされていく。背中に咲き乱れた牡丹の華が薄くなり、元の白肌に戻っていく。これだけで、飛龍に自分の気持ちが伝わってしまうのを、少し癪に思ってしまう。
「喋れないのか? それでは其方の想いが分からないな」
飛龍は何時だって青蝶を察して、次にどうするべきかを判断しているように思えた。しかしそれが分かったところで、青蝶に為す術はない。
「あっ、中が飛龍様で埋められていると思うと……はぁっっ」
「どうなのだ? 私と繋がっているぞ?」
最奥まで達している男根を擦り付ける。それは下がってきた子宮の入り口を刺激していた。
「嬉し……飛龍様……」
飛龍に向かって腕を伸ばす。
“こっちに来て”の合図だ。
飛龍は挿入したま青蝶に覆い被さる。
「キス、したいです」
「私もだよ」
触れるだけの口付けを何度か交わし、青蝶の顔のあちこちを啄んでいった。
再び口に戻って来たかと思うと、今度は青蝶の口腔に舌で嬲る。
敏感な粘膜は、青蝶を恍惚とさせる。もっとこの快楽に溺れたいと、酔いしれる。
いつだって飛龍の思うままに愛して欲しいと、青蝶は思っている。
青蝶はそんな自由で欲深くて、強引な飛龍だからこそ惹かれたのだ。
重なる唇から漏れる吐息さえも執心してしまう。
飛龍の呼吸が荒がっている。そろそろラット状態に入りそうな気配を感じた。
口付けをやめ、体を離した飛龍は青蝶をうつ伏せにした。
「青蝶、其方の香りで酔ってしまいそうだ。クラクラする」
「早く……早く噛んで欲しいのです」
「じゃあ、お願いしてくれ」
「飛龍様と、番になりたい!! 噛んで!!」
うつ伏せにされた青蝶の背後から、飛龍の熱塊が再び青蝶の中に放たれた。激しさを増す律動は、まさに獣の本能の様であった。
「んぁぁああっっ!!!」
力一杯突き上げられると、声を我慢するのも不可能だ。
飛龍の男根が最奥を突くたび、青蝶は啼いた。
飛龍の律動がいよいよ苛烈を極めると、男根の根本に鬼頭球が現れた。
これで、もう番になるまで抜けたりしない。
「青蝶、愛している。こんなにも私の心を揺さぶるのは其方だけだ。其方が目の前に現れたあの瞬間から、この未来への道筋がはっきりと想像できたのだ」
「僕も、飛龍様なしにはもう生きていけません。これからの僕の人生に、あなたのいない未来はありません」
背後から休みなく責められ、自分の気持ちを喋るのも困難だったが、どうしても伝えたいと思ったのだ。
飛龍は荒がった呼吸のまま、満足気に笑った。
「青蝶、射精すぞ!!」
「来て!! 中に全部出してください!!」
飛龍が腰を思い切り青蝶に打ち付け、白濁を飛沫する。一瞬の間を置いて、青蝶の頸を噛んだ。
「はぁっ……!!」
飛龍の牙が皮膚を突き破り、肉を抉る。血が滲み、そこに歯型がくっきりと刻まれた。
あまりの痛みに目の前に星が散る。気を失いそうになったが、何とか意識を保てた。
吐精が終わるまでの間、後ろから何度も痙攣するように突き上げる。
飛龍でさえ息が上がり、まともに喋れなかった。
「僕たち、番になれたの?」
「……そうだ。其方の綺麗な首に、私の歯型が刻み込まれた」
「う……うぅ……」
「青蝶……」
飛龍は、感極まって泣き始めた青蝶と向き合い、逞しい腕で包み込んでくれた。
「飛龍様を愛しています。ずっとずっと、飛龍様と共に生きたい」
「同感だ。私も青蝶を愛している。これから変わっていく世の中を、共に見たい。見失わないで、ついて来てほしい」
「はい……」
この時、誓い合った約束は、生涯守られた。
互いを愛しむ姿は、見るものを法悦とさせた。
そしてますます美しさに磨きがかかった青蝶は、長きに渡り“絶世の美女”として語り継がれることとなる。
飛龍は“側室を持たなかった皇”として。その後、発展を遂げた綾国の英雄とされたのだった。
後宮には、至るところに牡丹の華が植えられた。青蝶の美しさを語り継ぐのに欠かせない華となった。赤い華は、後宮を美しく彩る。
牡丹の華の周りを蝶が舞う。
甘い香りを、届けるように……。
———完———
熱塊が媚肉を擦りながら最奥へと穿っていく。青蝶のそこはしっかりと潤んでいて、飛龍のものを誘導するように飲み込んでいった。
「毎晩抱いているから、すんなりと入ったな」
「んっ、ぁあ……」
それでも隙のない肉胴は、飛龍の男根の形すら感じられる。
青蝶の全神経は孔だけに集中していた。苦しいのに、気持ちがいい。身体が満たされていく。背中に咲き乱れた牡丹の華が薄くなり、元の白肌に戻っていく。これだけで、飛龍に自分の気持ちが伝わってしまうのを、少し癪に思ってしまう。
「喋れないのか? それでは其方の想いが分からないな」
飛龍は何時だって青蝶を察して、次にどうするべきかを判断しているように思えた。しかしそれが分かったところで、青蝶に為す術はない。
「あっ、中が飛龍様で埋められていると思うと……はぁっっ」
「どうなのだ? 私と繋がっているぞ?」
最奥まで達している男根を擦り付ける。それは下がってきた子宮の入り口を刺激していた。
「嬉し……飛龍様……」
飛龍に向かって腕を伸ばす。
“こっちに来て”の合図だ。
飛龍は挿入したま青蝶に覆い被さる。
「キス、したいです」
「私もだよ」
触れるだけの口付けを何度か交わし、青蝶の顔のあちこちを啄んでいった。
再び口に戻って来たかと思うと、今度は青蝶の口腔に舌で嬲る。
敏感な粘膜は、青蝶を恍惚とさせる。もっとこの快楽に溺れたいと、酔いしれる。
いつだって飛龍の思うままに愛して欲しいと、青蝶は思っている。
青蝶はそんな自由で欲深くて、強引な飛龍だからこそ惹かれたのだ。
重なる唇から漏れる吐息さえも執心してしまう。
飛龍の呼吸が荒がっている。そろそろラット状態に入りそうな気配を感じた。
口付けをやめ、体を離した飛龍は青蝶をうつ伏せにした。
「青蝶、其方の香りで酔ってしまいそうだ。クラクラする」
「早く……早く噛んで欲しいのです」
「じゃあ、お願いしてくれ」
「飛龍様と、番になりたい!! 噛んで!!」
うつ伏せにされた青蝶の背後から、飛龍の熱塊が再び青蝶の中に放たれた。激しさを増す律動は、まさに獣の本能の様であった。
「んぁぁああっっ!!!」
力一杯突き上げられると、声を我慢するのも不可能だ。
飛龍の男根が最奥を突くたび、青蝶は啼いた。
飛龍の律動がいよいよ苛烈を極めると、男根の根本に鬼頭球が現れた。
これで、もう番になるまで抜けたりしない。
「青蝶、愛している。こんなにも私の心を揺さぶるのは其方だけだ。其方が目の前に現れたあの瞬間から、この未来への道筋がはっきりと想像できたのだ」
「僕も、飛龍様なしにはもう生きていけません。これからの僕の人生に、あなたのいない未来はありません」
背後から休みなく責められ、自分の気持ちを喋るのも困難だったが、どうしても伝えたいと思ったのだ。
飛龍は荒がった呼吸のまま、満足気に笑った。
「青蝶、射精すぞ!!」
「来て!! 中に全部出してください!!」
飛龍が腰を思い切り青蝶に打ち付け、白濁を飛沫する。一瞬の間を置いて、青蝶の頸を噛んだ。
「はぁっ……!!」
飛龍の牙が皮膚を突き破り、肉を抉る。血が滲み、そこに歯型がくっきりと刻まれた。
あまりの痛みに目の前に星が散る。気を失いそうになったが、何とか意識を保てた。
吐精が終わるまでの間、後ろから何度も痙攣するように突き上げる。
飛龍でさえ息が上がり、まともに喋れなかった。
「僕たち、番になれたの?」
「……そうだ。其方の綺麗な首に、私の歯型が刻み込まれた」
「う……うぅ……」
「青蝶……」
飛龍は、感極まって泣き始めた青蝶と向き合い、逞しい腕で包み込んでくれた。
「飛龍様を愛しています。ずっとずっと、飛龍様と共に生きたい」
「同感だ。私も青蝶を愛している。これから変わっていく世の中を、共に見たい。見失わないで、ついて来てほしい」
「はい……」
この時、誓い合った約束は、生涯守られた。
互いを愛しむ姿は、見るものを法悦とさせた。
そしてますます美しさに磨きがかかった青蝶は、長きに渡り“絶世の美女”として語り継がれることとなる。
飛龍は“側室を持たなかった皇”として。その後、発展を遂げた綾国の英雄とされたのだった。
後宮には、至るところに牡丹の華が植えられた。青蝶の美しさを語り継ぐのに欠かせない華となった。赤い華は、後宮を美しく彩る。
牡丹の華の周りを蝶が舞う。
甘い香りを、届けるように……。
———完———
98
お気に入りに追加
844
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(2件)
あなたにおすすめの小説

【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺
福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。
目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。
でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい…
……あれ…?
…やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ…
前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。
1万2000字前後です。
攻めのキャラがブレるし若干変態です。
無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形)
おまけ完結済み

顔も知らない番のアルファよ、オメガの前に跪け!
小池 月
BL
男性オメガの「本田ルカ」は中学三年のときにアルファにうなじを噛まれた。性的暴行はされていなかったが、通り魔的犯行により知らない相手と番になってしまった。
それからルカは、孤独な発情期を耐えて過ごすことになる。
ルカは十九歳でオメガモデルにスカウトされる。順調にモデルとして活動する中、仕事で出会った俳優の男性アルファ「神宮寺蓮」がルカの番相手と判明する。
ルカは蓮が許せないがオメガの本能は蓮を欲する。そんな相反する思いに悩むルカ。そのルカの苦しみを理解してくれていた周囲の裏切りが発覚し、ルカは誰を信じていいのか混乱してーー。
★バース性に苦しみながら前を向くルカと、ルカに惹かれることで変わっていく蓮のオメガバースBL★
性描写のある話には※印をつけます。第12回BL大賞に参加作品です。読んでいただけたら嬉しいです。応援よろしくお願いします(^^♪
11月27日完結しました✨✨
ありがとうございました☆

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ

【完結】可愛いあの子は番にされて、もうオレの手は届かない
天田れおぽん
BL
劣性アルファであるオズワルドは、劣性オメガの幼馴染リアンを伴侶に娶りたいと考えていた。
ある日、仕えている王太子から名前も知らないオメガのうなじを噛んだと告白される。
運命の番と王太子の言う相手が落としていったという髪飾りに、オズワルドは見覚えがあった――――
※他サイトにも掲載中
★⌒*+*⌒★ ☆宣伝☆ ★⌒*+*⌒★
「婚約破棄された不遇令嬢ですが、イケオジ辺境伯と幸せになります!」
が、レジーナブックスさまより発売中です。
どうぞよろしくお願いいたします。m(_ _)m

【完結】陛下、花園のために私と離縁なさるのですね?
紺
ファンタジー
ルスダン王国の王、ギルバートは今日も執務を妻である王妃に押し付け後宮へと足繁く通う。ご自慢の後宮には3人の側室がいてギルバートは美しくて愛らしい彼女たちにのめり込んでいった。
世継ぎとなる子供たちも生まれ、あとは彼女たちと後宮でのんびり過ごそう。だがある日うるさい妻は後宮を取り壊すと言い出した。ならばいっそ、お前がいなくなれば……。
ざまぁ必須、微ファンタジーです。
完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました
美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!
【完結】第三王子は、自由に踊りたい。〜豹の獣人と、第一王子に言い寄られてますが、僕は一体どうすればいいでしょうか?〜
N2O
BL
気弱で不憫属性の第三王子が、二人の男から寵愛を受けるはなし。
表紙絵
⇨元素 様 X(@10loveeeyy)
※独自設定、ご都合主義です。
※ハーレム要素を予定しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
Xのおすすめで知り、背中に華が浮かび上がる様子や踊りの様子を見たくなって拝読しました。
悲愴な場面もあったはずですが、祭祀や舞、針仕事、青蝶の化粧や衣装の美しさが印象に残りました。
暁明、小鈴、針房の長の側のドラマも面白そうだなと思いました。
暉さん♡
Xから読みに来てくださり、ありがとうございます✨
青蝶の蝶のように舞う様子が伝わっていれば幸いです✨
暁明も昔は悪い人ではなく、若い頃の針房の長との不器用な恋愛を想像すると、とても初々しい感じがします(*^^*)
感想、とても嬉しいです♡
終わっちゃうのが悲しいくらい面白い作品でした!!青蝶良かったねぇええ!!!口が悪くなるんですが、ばちくそ面白かったです!!好みな作品すぎて読み進めるたびに悶えてました(笑)
猫になりたい様♡
感想ありがとうございます!
私の方が泣きそうなほど嬉しいです(⸝⸝⸝ᵒ̴̶̷̥́ ⌑ ᵒ̴̶̷̣̥̀⸝⸝⸝)
蒼蝶が幸せになって良かったです♡♡