52 / 61
フォーリア18歳、アシェル28歳 ー秘密のハーブガーデンー
【完結】愛を誓う ーsideアシェル ★
しおりを挟む
その瞬間は目が眩むような激痛と、中を突き上げられた快感で、少しの間意識を失ってしまった。
後頭部からヒリヒリとした痛みが伝わってくる。噛んだ跡を付けるのだから、ある程度の痛みは覚悟していたがまさかこれ程とは……想像を遥かに超える痛みをよく耐えたものだと自分に感心した。
それでも下半身からはまた別の痛みが感じられる。何度も繰り返し中を抉られ、注がれた精液が奥から流れ出していた。
力尽きてグッタリと横たわった俺の上にフォーリアが雪崩れ込んできた。二人とも息切れで呼吸が荒い。もう起き上がる体力すら残ってはいないが、なんとかフォーリアに向き合い唇を寄せた。
荒い息のまま再び激しく口付けを交わす。舌が絡まる頃にはもうどちらの唾液なのかも判断がつかない状態になっていた。
「フォーリア……やっと、番になれた……」
「この時を十年間ひたすら夢に見ていました。やっとアシェルさんの甘い香りを独り占め出来ます」
目を見る余裕はない。喋りながらも口付けを止めないフォーリアに応えるので精一杯だ。自分で気付かないうちに流していた涙も一緒に舌で拭ってくれた。
夢のような時間だった。フォーリアの全てで愛してもらえた喜びが溢れ出して止まらない。これからは、発情期ではない時でも抱いてもらえるのだろうか、などという期待を早くも抱いてしまう。愛される喜びを知ってしまった途端にこんな破廉恥なことを思うなんて、恥ずかしくてフォーリアには言えない……なんて思っていたのだが……。
「アシェルさん。また直ぐにでも抱きたいです」
あんなに激しく愛し合った直後にまだそんな体力が!? これが若さというパワーか! 流石に少し休憩したい。そう言おうとした時、フォーリアがフワリと俺に腕を回した。
「なんて……我儘を言ってみました。体、拭きますね」
散歩に出るときに肩に掛けていたタオルで綺麗に拭いてくれた。服を着た後は俺を抱き上げそのまま小屋へと引き返す。
「……アシェルさん、私は本当はあなたを抱くのが怖かったんです」
小屋へ向かいながらフォーリアが話し始めた。
「俺がそうさせていたのか?」
歳の違いを随分気にしていたのは事実だ。それを悟って気を使わせていたのかと思ったが、そうではなかった。
「アシェルさんが問題ではありません。私のトラウマというか……。実は私の父様は殺されたんです」
「マティアス先生が⁉︎」
「そうです。アルファに襲われているオメガを見つけ、助けに入った時、運悪くラット状態になっていたアルファは刃物でオメガを脅していたそうです。父様はその刃物に斬りつけられ、急所を刺されました。我を失い、性欲の為にオメガを脅し襲い掛かる。そんな人が偉いなんて許せません。でももし自分がアルファになると、アシェルさんに対して同じことをしてしまう可能性があるのです。それなら私はオメガになって、苦しみを分かち合いたいと思っていました」
フォーリアがアルファになりたくないと言っていた裏に、こんな事情があったなんて考えてもいなかった。それに、マティアス先生が殺されていたなど……。とても信じたくはなかった。
「父様以外のアルファなんて嫌いでした。自分がアルファと知った時も、悔しくて怒りと悲しみが同時に込み上げてきたのを今でも覚えています。でも……今日やっと心からアルファで良かったと思えました」
「俺も、オメガになれて良かった。最高のアルファに出会えたからね」
首に回している腕に力を込めた。
「フォーリア、愛している」
「私もです。誰よりもアシェルさんを愛しています」
小屋で休憩した後はソレルさんが焼いてくれたジンジャーブレッドでティータイムを楽しんだ。テラスでのティータイムは本当に楽しくて時間を忘れてしまう。ソレルさんは俺に慣れてくれてからは、持ち前のお喋りが止まらなくなっていった。
「母様、そんなに喋りたいならラムズさんの所へ行ってきても良いですよ?」
フォーリアが呆れて言ってもソレルさんは気にしていない。「別に良いじゃない」と、構わずお喋りを続けるソレルさんを、ジットリとした目で眺めている。そんな二人のやりとりを見るのも楽しくて仕方がない。
今日は喋り足りなかったのか、途中で退席したソレルさんは、本当にラムズさんの家に出かけて行った。
「母様がうるさくてすみません」
「いや、とても楽しいよ。屋敷ではこんなにも賑やかなティータイムなどなかったからね。ソレルさんの話を聞いていると元気になれる」
「アシェルさんは母様に甘すぎます」
フォーリアはあのお喋りを何年も聴きすぎて、たまにウンザリすると嘆いている。
その夜は、再びフォーリアに抱かれた。疲労が取れてはいないが、何度でも愛してほしいと願っていたのでフォーリアを受け入れた。
「アシェルさん、毎日でも抱きたいくらい綺麗です」
お昼に沢山貫かれ、まだ柔らかい窄まりにフォーリアの太い昂りは難なく入った。
「あん、あぁ……フォーリア……直ぐにイッてしまう……」
俺の中でフォーリアのソレがさらに硬くなった。
「っく!!アシェルさん、私もイキます」
腰を高く上げ、ほぼ真上から昂りを押し込まれた。
「っああぁ!!」
最奥まで抉られ達してしまった。タカが外れたように、明け方近くまで愛し合った。結ばれるまでの十年間を埋めるように……。
「アシェルさん、結婚式を挙げましょう」
眠りにつく直前にフォーリアが手にキスを落とす。一生愛することを神に誓います、と囁いた。結婚式なんて照れくさいが、素直に頷いておいた。「よろしくお願いします」と囁き返すと、離れないよう抱き合って眠りについた。
夢の中で幸せな家庭を築いていた。子供が二人、草原を走っている。雪豹の男の子と銀狼の女の子。二人の後からフォーリアが駆けていく。俺はそれを微笑ましく眺めていた。
この幸せが続きますようにと、祈りながら……。
後頭部からヒリヒリとした痛みが伝わってくる。噛んだ跡を付けるのだから、ある程度の痛みは覚悟していたがまさかこれ程とは……想像を遥かに超える痛みをよく耐えたものだと自分に感心した。
それでも下半身からはまた別の痛みが感じられる。何度も繰り返し中を抉られ、注がれた精液が奥から流れ出していた。
力尽きてグッタリと横たわった俺の上にフォーリアが雪崩れ込んできた。二人とも息切れで呼吸が荒い。もう起き上がる体力すら残ってはいないが、なんとかフォーリアに向き合い唇を寄せた。
荒い息のまま再び激しく口付けを交わす。舌が絡まる頃にはもうどちらの唾液なのかも判断がつかない状態になっていた。
「フォーリア……やっと、番になれた……」
「この時を十年間ひたすら夢に見ていました。やっとアシェルさんの甘い香りを独り占め出来ます」
目を見る余裕はない。喋りながらも口付けを止めないフォーリアに応えるので精一杯だ。自分で気付かないうちに流していた涙も一緒に舌で拭ってくれた。
夢のような時間だった。フォーリアの全てで愛してもらえた喜びが溢れ出して止まらない。これからは、発情期ではない時でも抱いてもらえるのだろうか、などという期待を早くも抱いてしまう。愛される喜びを知ってしまった途端にこんな破廉恥なことを思うなんて、恥ずかしくてフォーリアには言えない……なんて思っていたのだが……。
「アシェルさん。また直ぐにでも抱きたいです」
あんなに激しく愛し合った直後にまだそんな体力が!? これが若さというパワーか! 流石に少し休憩したい。そう言おうとした時、フォーリアがフワリと俺に腕を回した。
「なんて……我儘を言ってみました。体、拭きますね」
散歩に出るときに肩に掛けていたタオルで綺麗に拭いてくれた。服を着た後は俺を抱き上げそのまま小屋へと引き返す。
「……アシェルさん、私は本当はあなたを抱くのが怖かったんです」
小屋へ向かいながらフォーリアが話し始めた。
「俺がそうさせていたのか?」
歳の違いを随分気にしていたのは事実だ。それを悟って気を使わせていたのかと思ったが、そうではなかった。
「アシェルさんが問題ではありません。私のトラウマというか……。実は私の父様は殺されたんです」
「マティアス先生が⁉︎」
「そうです。アルファに襲われているオメガを見つけ、助けに入った時、運悪くラット状態になっていたアルファは刃物でオメガを脅していたそうです。父様はその刃物に斬りつけられ、急所を刺されました。我を失い、性欲の為にオメガを脅し襲い掛かる。そんな人が偉いなんて許せません。でももし自分がアルファになると、アシェルさんに対して同じことをしてしまう可能性があるのです。それなら私はオメガになって、苦しみを分かち合いたいと思っていました」
フォーリアがアルファになりたくないと言っていた裏に、こんな事情があったなんて考えてもいなかった。それに、マティアス先生が殺されていたなど……。とても信じたくはなかった。
「父様以外のアルファなんて嫌いでした。自分がアルファと知った時も、悔しくて怒りと悲しみが同時に込み上げてきたのを今でも覚えています。でも……今日やっと心からアルファで良かったと思えました」
「俺も、オメガになれて良かった。最高のアルファに出会えたからね」
首に回している腕に力を込めた。
「フォーリア、愛している」
「私もです。誰よりもアシェルさんを愛しています」
小屋で休憩した後はソレルさんが焼いてくれたジンジャーブレッドでティータイムを楽しんだ。テラスでのティータイムは本当に楽しくて時間を忘れてしまう。ソレルさんは俺に慣れてくれてからは、持ち前のお喋りが止まらなくなっていった。
「母様、そんなに喋りたいならラムズさんの所へ行ってきても良いですよ?」
フォーリアが呆れて言ってもソレルさんは気にしていない。「別に良いじゃない」と、構わずお喋りを続けるソレルさんを、ジットリとした目で眺めている。そんな二人のやりとりを見るのも楽しくて仕方がない。
今日は喋り足りなかったのか、途中で退席したソレルさんは、本当にラムズさんの家に出かけて行った。
「母様がうるさくてすみません」
「いや、とても楽しいよ。屋敷ではこんなにも賑やかなティータイムなどなかったからね。ソレルさんの話を聞いていると元気になれる」
「アシェルさんは母様に甘すぎます」
フォーリアはあのお喋りを何年も聴きすぎて、たまにウンザリすると嘆いている。
その夜は、再びフォーリアに抱かれた。疲労が取れてはいないが、何度でも愛してほしいと願っていたのでフォーリアを受け入れた。
「アシェルさん、毎日でも抱きたいくらい綺麗です」
お昼に沢山貫かれ、まだ柔らかい窄まりにフォーリアの太い昂りは難なく入った。
「あん、あぁ……フォーリア……直ぐにイッてしまう……」
俺の中でフォーリアのソレがさらに硬くなった。
「っく!!アシェルさん、私もイキます」
腰を高く上げ、ほぼ真上から昂りを押し込まれた。
「っああぁ!!」
最奥まで抉られ達してしまった。タカが外れたように、明け方近くまで愛し合った。結ばれるまでの十年間を埋めるように……。
「アシェルさん、結婚式を挙げましょう」
眠りにつく直前にフォーリアが手にキスを落とす。一生愛することを神に誓います、と囁いた。結婚式なんて照れくさいが、素直に頷いておいた。「よろしくお願いします」と囁き返すと、離れないよう抱き合って眠りについた。
夢の中で幸せな家庭を築いていた。子供が二人、草原を走っている。雪豹の男の子と銀狼の女の子。二人の後からフォーリアが駆けていく。俺はそれを微笑ましく眺めていた。
この幸せが続きますようにと、祈りながら……。
12
お気に入りに追加
422
あなたにおすすめの小説
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
完結·助けた犬は騎士団長でした
禅
BL
母を亡くしたクレムは王都を見下ろす丘の森に一人で暮らしていた。
ある日、森の中で傷を負った犬を見つけて介抱する。犬との生活は穏やかで温かく、クレムの孤独を癒していった。
しかし、犬は突然いなくなり、ふたたび孤独な日々に寂しさを覚えていると、城から迎えが現れた。
強引に連れて行かれた王城でクレムの出生の秘密が明かされ……
※完結まで毎日投稿します
社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈
めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。
しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈
記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。
しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。
異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆!
推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!
二人のアルファは変異Ωを逃さない!
コプラ@貧乏令嬢〜コミカライズ12/26
BL
★お気に入り1200⇧(new❤️)ありがとうございます♡とても励みになります!
表紙絵、イラストレーターかな様にお願いしました♡イメージぴったりでびっくりです♡
途中変異の男らしいツンデレΩと溺愛アルファたちの因縁めいた恋の物語。
修験道で有名な白路山の麓に住む岳は市内の高校へ通っているβの新高校3年生。優等生でクールな岳の悩みは高校に入ってから周囲と比べて成長が止まった様に感じる事だった。最近は身体までだるく感じて山伏の修行もままならない。
βの自分に執着する友人のアルファの叶斗にも、妙な対応をされる様になって気が重い。本人も知らない秘密を抱えたβの岳と、東京の中高一貫校から転校してきたもう一人の謎めいたアルファの高井も岳と距離を詰めてくる。叶斗も高井も、なぜΩでもない岳から目が離せないのか、自分でも不思議でならない。
そんな岳がΩへの変異を開始して…。岳を取り巻く周囲の騒動は収まるどころか増すばかりで、それでも岳はいつもの様に、冷めた態度でマイペースで生きていく!そんな岳にすっかり振り回されていく2人のアルファの困惑と溺愛♡
トップアイドルα様は平凡βを運命にする
新羽梅衣
BL
ありきたりなベータらしい人生を送ってきた平凡な大学生・春崎陽は深夜のコンビニでアルバイトをしている。
ある夜、コンビニに訪れた男と目が合った瞬間、まるで炭酸が弾けるような胸の高鳴りを感じてしまう。どこかで見たことのある彼はトップアイドル・sui(深山翠)だった。
翠と陽の距離は急接近するが、ふたりはアルファとベータ。翠が運命の番に憧れて相手を探すために芸能界に入ったと知った陽は、どう足掻いても番にはなれない関係に思い悩む。そんなとき、翠のマネージャーに声をかけられた陽はある決心をする。
運命の番を探すトップアイドルα×自分に自信がない平凡βの切ない恋のお話。
俺にとってはあなたが運命でした
ハル
BL
第2次性が浸透し、αを引き付ける発情期があるΩへの差別が医療の発達により緩和され始めた社会
βの少し人付き合いが苦手で友人がいないだけの平凡な大学生、浅野瑞穂
彼は一人暮らしをしていたが、コンビニ生活を母に知られ実家に戻される。
その隣に引っ越してきたαΩ夫夫、嵯峨彰彦と菜桜、αの子供、理人と香菜と出会い、彼らと交流を深める。
それと同時に、彼ら家族が頼りにする彰彦の幼馴染で同僚である遠月晴哉とも親睦を深め、やがて2人は惹かれ合う。
【完結】もふもふ獣人転生
*
BL
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で死にそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。
ちっちゃなもふもふ獣人と、攻略対象の凛々しい少年の、両片思い? な、いちゃらぶもふもふなお話です。
本編完結しました!
おまけをちょこちょこ更新しています。
第12回BL大賞、奨励賞をいただきました、読んでくださった方、応援してくださった方、投票してくださった方のおかげです、ほんとうにありがとうございました!
貢がせて、ハニー!
わこ
BL
隣の部屋のサラリーマンがしょっちゅう貢ぎにやって来る。
隣人のストレートな求愛活動に困惑する男子学生の話。
社会人×大学生の日常系年の差ラブコメ。
※現時点で小説の公開対象範囲は全年齢となっております。しばらくはこのまま指定なしで更新を続ける予定ですが、アルファポリスさんのガイドラインに合わせて今後変更する場合があります。(2020.11.8)
■2024.03.09 2月2日にわざわざサイトの方へ誤変換のお知らせをくださった方、どうもありがとうございました。瀬名さんの名前が僧侶みたいになっていたのに全く気付いていなかったので助かりました!
■2024.03.09 195話/196話のタイトルを変更しました。
■2020.10.25 25話目「帰り道」追加(差し込み)しました。話の流れに変更はありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる