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9 学園祭
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理音って、笹村理音さん?!
どうしていきなりメールが来るの!
何この可愛いメール! こんな絵文字、どこでダウンロードしてるの!
ってか、彼女的には、私にさっき初めて会ったのに、メールって!
道子から聞いたって、何その行動力!
あのちょっとの会話だけでお友達って、この子何者よ!
それより何、ピアノのお稽古って!
「しずかちゃんじゃ無いんだから!」
思考に言語中枢が追いついたのだろうか、最後は思わず叫んでいた。
――えーっ……、どういう事?
今まで得ていた彼女に関しての情報を、頭の中の検索エンジンに掛ける。
天然。
その単語が検索に引っ掛かった瞬間、私は思わずもう一度ベッドに倒れ込んでいた。
「え~、天然ってそう言う意味~?」
彼女への返信は横に追いやり、勢いで道子に電話を掛ける。
『はい、どうしたの?』
「道子、今、あの、笹村さんからメール来たんだけど」
『ああ、あんたらさっき本屋で会ったんだってね。知りたいって言うから』
「ホイホイ簡単に個人情報流さないでよ~」
『別に隠すようなもんでも無いでしょ』
「でもさ~」
『別にいいじゃない。理音、ちょっとバカだけど、そんなに悪い子じゃないよ?』
「うぅ~……」
『別に大藤の事がばれた訳でも無いんだし、敵を知っておくのも重要じゃない?』
「道子、あんた絶対面白がってるでしょ?」
『半分はね』
「もう半分は?」
『ん~、これは怒られるかもしれないんだけど、ライバルいた方が、もしかしたら和葉にとってもいいのかもしれないな~って……』
「何それ? どういう意味?」
『いや、まぁ、大藤との進展的な意味でよ……』
道子の言葉に、思わず深く溜息が出た。
その溜息は電話口に吐き、しっかりと道子の鼓膜を揺らしてやる。
『怒った?』
「別に~、怒って無いよ~」
本当のところ、ちょっとムカついたのだが、この程度なら怒った内には入らないと強引に論理を組み立てる。
『それより、和葉にも、紗絵からのメール届いた?』
「ああ、うん、来た来た。ちょっと安心したよ」
『言ったでしょ? あいつは責任感強いから大丈夫だって』
ほれ見なさいと言うような道子の言葉が、何だか紗絵を信じきる事が出来なかった自分を暗に責められているような気がして、少しだけ、心がくすむのを感じた。
『そんじゃ、理音にはちゃんと返信してあげてね。また明日~』
「え? ちょっと、道子!」
言うが早いか、道子は逃げるように通話を切ってしまった。
取り残され私の鼓膜に、コール音が空しく響く。
――返信って……。
その後、私は一時間程もあれこれ思案してから、一通のメールを笹村理音宛てに送った。
『理音、メールありがとう、びっくりしました。これからも宜しくね』
たったこれだけのメールに、一時間もかかったなんて、どうかしてるとしか思えない。
幸いこの日、彼女から返信の返信が来る事は無かった。
どうしていきなりメールが来るの!
何この可愛いメール! こんな絵文字、どこでダウンロードしてるの!
ってか、彼女的には、私にさっき初めて会ったのに、メールって!
道子から聞いたって、何その行動力!
あのちょっとの会話だけでお友達って、この子何者よ!
それより何、ピアノのお稽古って!
「しずかちゃんじゃ無いんだから!」
思考に言語中枢が追いついたのだろうか、最後は思わず叫んでいた。
――えーっ……、どういう事?
今まで得ていた彼女に関しての情報を、頭の中の検索エンジンに掛ける。
天然。
その単語が検索に引っ掛かった瞬間、私は思わずもう一度ベッドに倒れ込んでいた。
「え~、天然ってそう言う意味~?」
彼女への返信は横に追いやり、勢いで道子に電話を掛ける。
『はい、どうしたの?』
「道子、今、あの、笹村さんからメール来たんだけど」
『ああ、あんたらさっき本屋で会ったんだってね。知りたいって言うから』
「ホイホイ簡単に個人情報流さないでよ~」
『別に隠すようなもんでも無いでしょ』
「でもさ~」
『別にいいじゃない。理音、ちょっとバカだけど、そんなに悪い子じゃないよ?』
「うぅ~……」
『別に大藤の事がばれた訳でも無いんだし、敵を知っておくのも重要じゃない?』
「道子、あんた絶対面白がってるでしょ?」
『半分はね』
「もう半分は?」
『ん~、これは怒られるかもしれないんだけど、ライバルいた方が、もしかしたら和葉にとってもいいのかもしれないな~って……』
「何それ? どういう意味?」
『いや、まぁ、大藤との進展的な意味でよ……』
道子の言葉に、思わず深く溜息が出た。
その溜息は電話口に吐き、しっかりと道子の鼓膜を揺らしてやる。
『怒った?』
「別に~、怒って無いよ~」
本当のところ、ちょっとムカついたのだが、この程度なら怒った内には入らないと強引に論理を組み立てる。
『それより、和葉にも、紗絵からのメール届いた?』
「ああ、うん、来た来た。ちょっと安心したよ」
『言ったでしょ? あいつは責任感強いから大丈夫だって』
ほれ見なさいと言うような道子の言葉が、何だか紗絵を信じきる事が出来なかった自分を暗に責められているような気がして、少しだけ、心がくすむのを感じた。
『そんじゃ、理音にはちゃんと返信してあげてね。また明日~』
「え? ちょっと、道子!」
言うが早いか、道子は逃げるように通話を切ってしまった。
取り残され私の鼓膜に、コール音が空しく響く。
――返信って……。
その後、私は一時間程もあれこれ思案してから、一通のメールを笹村理音宛てに送った。
『理音、メールありがとう、びっくりしました。これからも宜しくね』
たったこれだけのメールに、一時間もかかったなんて、どうかしてるとしか思えない。
幸いこの日、彼女から返信の返信が来る事は無かった。
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