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SPEED 05 覚醒の光条

SPEED 05-03

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「ゼロの口調は必要以上だったけど、ハッキリ言って私も容易い芸当だと考えてる。だからこそ私や月影達は、近付く不必要な危険からあなた達を遠ざけようと目算してた。けどゼロは、二人の性格上、自身で決着(ケリ)をつけようとする障害な筈だからと、横槍を酷として切り捨てた」

「零士さん……」

「チッ……」

自が性格を理解されていると感じ至福を味わうエルナ。一方のカルナは、昔も現在(いま)もいつまでも、己より一歩先で立ち塞がる零士が疎ましく、しかもそう捉えてしまう自分がやけにチッポケな存在に思え、場所が場所なら耳の穴を埋めてしまいたかった。

「作り話はよくないぜツキカ」

「テレないテレない。ともかく、四人がこうして顔を合わせてるんだからどちらの意見を選択したかは明白でしょ?少し強引な再会だったけどね」

「ス・コ・シィィィィッ!よう言うで月華、アレで少しや言うんやったら本気出した……?……そうやッ!異常な封じ方するから一番重要なこと訊くの忘れとったやんけ!お前等が見せたアノ常識外れな動き、アレ何や」

「や~ね、まるでバケモノ扱いじゃない?」

「スッゴかったなぁ!カッコよかったなぁ!アタシもガンバったらできるかな?」

零士がソファーを去り月影より引き継いだジェラルミンケースのもとへ。

「エルナ、お前の向上心は最高だが、いくら努力しようと現狀のままでは不可能だ」

「現狀のままって?」

「長い前フリだったけどその話をする為に私達は実践形式であなた達と手合わせしたのよ。一から口で説明するより、実際に五感で触れてもらった方が論より証拠ってね」

「御蔭さんでインパクトアリアリやったけど、お前等の目論見通りってのは何かシャクやな」

飛び出す口惜しさ。それをBGM(よそ)に零士はジェラルミンケースを解剖。

「そう言わない。あのデモンストレーションを体感して免疫ができたからこそ、今までの常軌を逸した話もそれなりに聞けたでしょ?」

「だから詫びの意も含めお前の聞きたがってることを全てわかり易くしてんだろ。早速だが俺とお前のアノ身体能力の違い、ドコに要因があるかわかるか?」

「質問を質問で返すな、ヤヤコシイ」

「ココだ」

自身のこめかみを中指で二度叩く零士。
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