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SPEED 04 平穏の驚駭
SPEED 04-04
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平常よりも低音の淡々とした語り。その背後では、惚けるエルナに月華が耳打ちする。
自分達が駐車場を離れた後、カルナと零士の二人が覚醒剤(ドラッグ)中毒者に襲われたこと。更には、その男(ジャンキー)が常人離れした能力を持ちとても普通の人間では太刀打ちできないこと。等、カルナが知りエルナは否な現実を事細かに。
「え……!?」
それは至極当然な当惑の反応だった。居合わせた者でさえ現実味に欠ける現実を、言葉のみで納得しろというのはあまりにも酷である。
ただ、エルナにとって月華という存在は、幼き頃、絶対だった。自分に噓を教えることなど皆無だったのを一つの所以に。だからこそ、聞けば聞く程にエルナの表情は曇っていった。歓喜の再会までをも忘れる程に。
「……あの男(ジャンキー)を越える存在?……仮にそんな連中が居(お)ったとしても……自分の周りの人間に降り懸かった火の粉はこの俺が払う」
「よせよ、延焼するのがオチだぜ」
「チッ……こんな小細工まで弄して俺の邪魔しといて……オヤジにでも頼まれたんか?」
「ジャマ、か……俺からすれば無軌道なお前の行動の方がよっぽど邪魔だぜ」
「あん?なんじゃコラ」
「館(アソコ)にはこの俺が鉄槌を下す。一カ月後にな」
「何でお前がシャシャリ出て来んねん?アレは俺の獲物や」
「ハッ!どっちが獲物だかな。とにかく、安いプライドを満足させる過程でお前が野垂れ死のうが俺の知ったこっちゃないが、計画遂行前に弱っちい奴にウロチョロされては全てが台ナシになる。一カ月間、峠で遊んでろ」
「よ……よ、弱ッ!!あんやとォォォッ!」
カルナは自身が拘束されているのも忘れ、まるで自ら手足を捥ぎ捨てるかのようベッドから上肢を浮かせた。
「OK!忘却の埋め合わせはそこまでよ」
互いに一寸たりとも目線を外さないカルナと零士の中間点、身体を割り入れた月華が二人の視線を断ち切った。
「もう、男同士で見詰め合っちゃって。ドキッとするわ」
「チャカすな月華……ああまで言われて引き下がれるかァッ!」
「まったく、二人とも相変わらずなんだから……昔も寄ると触るとすぐケ・ン・カ」
月華は、怒りの感情が頂点にあるカルナの額を赤子をあやすかのように撫で、上肢ごとベッドに沈めた。
「ヤメロや、カッコワルイ……」
口ではそう言うカルナだったが、盛る内心の鎮静までは否定できなかった。
自分達が駐車場を離れた後、カルナと零士の二人が覚醒剤(ドラッグ)中毒者に襲われたこと。更には、その男(ジャンキー)が常人離れした能力を持ちとても普通の人間では太刀打ちできないこと。等、カルナが知りエルナは否な現実を事細かに。
「え……!?」
それは至極当然な当惑の反応だった。居合わせた者でさえ現実味に欠ける現実を、言葉のみで納得しろというのはあまりにも酷である。
ただ、エルナにとって月華という存在は、幼き頃、絶対だった。自分に噓を教えることなど皆無だったのを一つの所以に。だからこそ、聞けば聞く程にエルナの表情は曇っていった。歓喜の再会までをも忘れる程に。
「……あの男(ジャンキー)を越える存在?……仮にそんな連中が居(お)ったとしても……自分の周りの人間に降り懸かった火の粉はこの俺が払う」
「よせよ、延焼するのがオチだぜ」
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「ジャマ、か……俺からすれば無軌道なお前の行動の方がよっぽど邪魔だぜ」
「あん?なんじゃコラ」
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「ハッ!どっちが獲物だかな。とにかく、安いプライドを満足させる過程でお前が野垂れ死のうが俺の知ったこっちゃないが、計画遂行前に弱っちい奴にウロチョロされては全てが台ナシになる。一カ月間、峠で遊んでろ」
「よ……よ、弱ッ!!あんやとォォォッ!」
カルナは自身が拘束されているのも忘れ、まるで自ら手足を捥ぎ捨てるかのようベッドから上肢を浮かせた。
「OK!忘却の埋め合わせはそこまでよ」
互いに一寸たりとも目線を外さないカルナと零士の中間点、身体を割り入れた月華が二人の視線を断ち切った。
「もう、男同士で見詰め合っちゃって。ドキッとするわ」
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「まったく、二人とも相変わらずなんだから……昔も寄ると触るとすぐケ・ン・カ」
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