4 / 52
SPEED 01 加速の別離
SPEED 01-04
しおりを挟む
「オモシロそうやな……見せてや月華さん、アンタの腕(テク)を!」
その屈託のない答えに笑顔で応えた月華は、ハーレーに跨ると同時イグニッションキーを捻り、セルボタンを軽く押しV型エンジンに火を入れた。
ハーレー独特の野太い排気音(エキゾーストノート)が大気を拡散。
「さすがハーレーね!この排気音(エキゾーストノート)を耳にすると心臓を鷲?みにされるとか、魂が吹き飛ばされ存在自体が危うくなるって成句(フレーズ)を用意したくなるわ!」
煽るスロットル。興奮気味に。ソレの具現化を目指すかの如く。
「コルベットに乗ってるだけあんなぁ!アタシも心臓が不整脈を起こしたようなこの鼓動(リズム)がタマランねん!腹に響くこの感覚が!」
月華の言動は所有者をも触発。エルナは顔を上気させタンデムシートへ。
「おいおい、単コロのハンドル他人(ひと)に握られんのイヤやったんちゃうんか?」
「この人は別や」
心の底から嬉しそうなエルナ。食傷を味わい頭を掻くカルナ。
「俺にはアドバイスとかないんか月華?」
「イキナリ呼び捨てかい!」
「細かいこと気にすんな、気にしたら負けや」
「何にや!たまには気にせぇ!」
「いいのよ、エルナちゃん」
勃発を避けるような月華の仲立ち(カットイン)。
「そうね……力でネジ伏せるのを少し抑えた方がいいんじゃない?あなたの場合」
「そ……それだけかいっ!?」
「バイクでも何でもそうだけど、力だけでは思い通りにならないってことよ」
「イタイ!イタイなカル兄ぃ?あながちハズレてへんで。特に単車以外んトコがな」
カルナの二の句から日の目を奪う二人の言い込め。
「じゃあ、この大事なハーレーでカルく行ってみよっか」
「OK!いつでもええで!」
「シッカリ掴まっててよ!」
隣に位置するカルナの存在すら忘却したような月華は、煽るスロットルでエンジンの回転数を一気に跳ね上げると、爆音を響かせダイレクトにクラッチを繋いだ。
途端、後輪(リアタイヤ)から白煙、前輪(フロントタイヤ)は浮上(リフトアップ)。それでも尚お構いなしか、月華は更なるスロットルを展開、カルナの視界を瞬時に置き去った。
ーおおっ!スゲェなオイ!ハーレーであんな乗り方する奴ぁ滅多に居(お)らんで!ー
地(アスファルト)に付着するタイヤの溶けた痕(コンパウンド)。その際に巻き上げられた焦げ臭い匂いの白煙。轟音から静寂へと移ったが為に起こる耳鳴り。それ等、月華が残して行ったモノ達が渾然となり、カルナの肌に粟を生じさせた。
そして、同じく残されたるモノ、もうひとりのコルベット使いが動き出す……
その屈託のない答えに笑顔で応えた月華は、ハーレーに跨ると同時イグニッションキーを捻り、セルボタンを軽く押しV型エンジンに火を入れた。
ハーレー独特の野太い排気音(エキゾーストノート)が大気を拡散。
「さすがハーレーね!この排気音(エキゾーストノート)を耳にすると心臓を鷲?みにされるとか、魂が吹き飛ばされ存在自体が危うくなるって成句(フレーズ)を用意したくなるわ!」
煽るスロットル。興奮気味に。ソレの具現化を目指すかの如く。
「コルベットに乗ってるだけあんなぁ!アタシも心臓が不整脈を起こしたようなこの鼓動(リズム)がタマランねん!腹に響くこの感覚が!」
月華の言動は所有者をも触発。エルナは顔を上気させタンデムシートへ。
「おいおい、単コロのハンドル他人(ひと)に握られんのイヤやったんちゃうんか?」
「この人は別や」
心の底から嬉しそうなエルナ。食傷を味わい頭を掻くカルナ。
「俺にはアドバイスとかないんか月華?」
「イキナリ呼び捨てかい!」
「細かいこと気にすんな、気にしたら負けや」
「何にや!たまには気にせぇ!」
「いいのよ、エルナちゃん」
勃発を避けるような月華の仲立ち(カットイン)。
「そうね……力でネジ伏せるのを少し抑えた方がいいんじゃない?あなたの場合」
「そ……それだけかいっ!?」
「バイクでも何でもそうだけど、力だけでは思い通りにならないってことよ」
「イタイ!イタイなカル兄ぃ?あながちハズレてへんで。特に単車以外んトコがな」
カルナの二の句から日の目を奪う二人の言い込め。
「じゃあ、この大事なハーレーでカルく行ってみよっか」
「OK!いつでもええで!」
「シッカリ掴まっててよ!」
隣に位置するカルナの存在すら忘却したような月華は、煽るスロットルでエンジンの回転数を一気に跳ね上げると、爆音を響かせダイレクトにクラッチを繋いだ。
途端、後輪(リアタイヤ)から白煙、前輪(フロントタイヤ)は浮上(リフトアップ)。それでも尚お構いなしか、月華は更なるスロットルを展開、カルナの視界を瞬時に置き去った。
ーおおっ!スゲェなオイ!ハーレーであんな乗り方する奴ぁ滅多に居(お)らんで!ー
地(アスファルト)に付着するタイヤの溶けた痕(コンパウンド)。その際に巻き上げられた焦げ臭い匂いの白煙。轟音から静寂へと移ったが為に起こる耳鳴り。それ等、月華が残して行ったモノ達が渾然となり、カルナの肌に粟を生じさせた。
そして、同じく残されたるモノ、もうひとりのコルベット使いが動き出す……
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる