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第一話「怪獣決戦!お姉さまとの出会い」よろい怪獣ブルガアル とさか怪獣ネバン 登場
降臨!銀の女神!!
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「“ブルガアル、Yエリアポイント966にて破壊活動中です!”」
人々の危機に地球防衛軍の戦車連隊が街にやってきた、巨大爬虫類ブルガアザルスはブルガアルと名付けられたようだ。
「撃てぇ!!」
戦車連隊による砲弾の一斉射撃は凄まじい威力があり、これまでに十体程の怪獣を仕留めてきたが、それでもブルガアルの皮膚は貫けない。
グォオオオオオ!!
ブルガアルは咆哮し、たった今破壊したばかりの時計塔の破片を戦車連隊へと投げつけ始めた。
「後退しろ!」
地底怪獣らしく視力が悪い割にはブルガアルの投擲命中精度は高く、次々に戦車が破壊されていく。
「全滅も時間の問題かね、神頼みしかないか」
「おっと!神は神でも女神様たちのご到着みたいだぞ」
戦車連隊壊滅の危機に、イキシア二号と三号が、瓦礫だらけで、ところどころ火災が発生している地獄と化した夜の街に到着した。
「”やっぱりまだ生きていたんだ...”」
「”レーダーに反応があった時は、責めて別の怪獣の可能性を願ったけど、ま、今度こそ倒すだけだよ!”」
「”了解...”」
イキシア二号は再び猛毒ミサイル、三号は通常のミサイルをブルガアルの頭部目掛けて発射するが、頑強な鎧の様な体には全く通用しない。
「"くっそぉお、硬いったら無いなあ!!"」
「”アオイ隊員...もう一体、くる”」
「"やれやれ、喧嘩するほど仲良いってことかしら、そのうち交尾でもおっぱじめるんじゃねぇの?"」
リンドウ隊員が言った通り、炎に照らされた夜の空から降りてきたのは、昼間にブルガアルと交戦していた怪鳥だった。
怪鳥は降下ついでにブルガアルに体当たりして転倒させる、これにアパートが巻き込まれて瓦礫の山へと変わり果ててしまった。
「一体でもヤバいのに、二体が戦えば被害は...」
香燐は今まで動画撮影していた手を止める、あまりに絶望的な状況に心が持たない。
「別に他の地球人が何人死のうが、地球がどれだけ壊れようが構わないけど、このままじゃ、お姉さまの危機にも繋がるよね、よし、そろそろ、やるか」
「あんた、なにを!?」
猫鈴猫は背伸びをして香燐の鼻と自分の鼻を合わせた、いわゆる鼻キスだ。
「わたしなら、お姉さまを守れるんだってとこ、見せてあげるの!」
原理は不明だが猫鈴猫の小さかった体は、ぐんぐんと大きくなっていく。
最終的に四十メートルまで巨大化した猫鈴猫は、眩い光を纏いながら夜の街に舞い降りた。
「あれ、なによ!」
「えっ、かわいい、私好み!彼女にしたい!!」
「でもデカすぎるよね...彼女つくるなら私くらいのサイズでいいっしょ」
「きゃ~っ、こんなときにプロポーズされちゃった~」
戸惑いながらも鳴き叫び逃げ惑っていた人々も、避難誘導をしていた防衛隊員も、仲良し女子高生二人組も、確かに目の当たりにする。
絶望的な状況の中に現れた、白銀の希望の光に包まれし巨大なシルバーカラーの女の子を。
「ネバンと命名された巨大な怪鳥は、私達がやる、君はその巨大爬虫類ブルガアルをお願い」
拡声器を使用してアオイ隊員が伝えると、猫鈴猫は静かに頷いた。
「”アオイ隊員...随分と冷静ですね、こんな状況で”」
「”巨大な鳥や爬虫類がいるんだ、巨人だっているさ...”人というかロボットだけど!」
猫鈴猫は、ネバンの翼に噛みつこうとするものらりくらり躱されているブルガアルを横から蹴り飛ばし、今までの対戦相手から引き離す。
唐突な第三者の乱入に眼を丸くして驚くネバンの背後に、イキシア二号と三号が対巨大生物用ガトリングガンで攻撃!注意を自分たちに向けさせた。
これによりブルガアルは猫鈴猫、ネバンはイキシアに攻撃対象を変更する。
「”これで一体に絞って闘える”」
「”あの娘...味方なんだね”」
イキシア二号、三号はネバンの嘴攻撃を旋回や急上昇を駆使して華麗に回避しながら、ミサイルを打ち込みジワジワと確実にダメージを与えていく。
一方で猫鈴猫は蹴り飛ばしてダウンさせたブルガアルに跨がると連続で手刀を喉に浴びせて流血させた。
たまらずブルガアルは尻尾を内側に丸める要領で、猫鈴猫の背中を叩きつけて吹き飛ばす。
「うあああっ!」
吹き飛ばされた猫鈴猫の体は電波塔付近に叩きつけられ、近くに停車していた軽自動車やトラックを宙に舞わせる。
「こんにゃあああああ!!」
腹を立てた猫鈴猫は電波塔を引っこ抜き、ブルガアルに目掛けて投槍の如く投擲した。
ブルガアルはそれを腕をクロスさせて弾くなり、ドシドシと猫鈴猫目掛けて突進する。
「猫鈴猫、あぶないっ!」
香燐が咄嗟にカメラのフラッシュを焚くとブルガアルの動きが鈍った、ずっと地底で過ごしていた為に、火や爆発程度ならまだしもカメラのフラッシュレベルの光ともなると遠く離れていても、その目に嫌でも集めてしまう性質に変化していたのだ。
「にゃっ!」
猫鈴猫は著しく勢いが低下したブルガアルの突進を右腕のストレートパンチ受け止め、膝で鳩尾付近を強打した。
ブルガアルが怯んだ隙に猫鈴猫はバク転で間をとり、両腕を水平に突き出す・・・すると拳が腕の内側に収納され手首から先に黒い穴ができた。
「マジでメカニックだったのね」
猫鈴猫の腕先に空いた黒い穴に、どんどん銀色の粒子が集合していく、ブルガアルはその眩さに自然と両腕で顔を覆う。
「エネルギー充填完了、アルギュロ・スペシャル...発射!!」
結合した銀色の粒子は凄まじい威力を持つ破壊光線へと凝縮・結合して発射され、ブルガアルの頑強な体すらも容易く貫く…!!
その数秒後、ブルガアルの肉体は頭から順番に全身は木っ端微塵となり夜の街へと飛び散った。
「”二機合体電磁キャノン、発射あああああ!!!”」
猫鈴猫がブルガアルを倒したのとほぼ同じタイミングで、ネバンがなかなか倒れないためにやむおえず、イキシア二号と三号は、予算とパイロット、機体の負担を考えると安易には使えない電磁キャノンを同時発射した。
いくら音速でも光速の攻撃を避けられる筈もなく、ネバンは一瞬で炭となって、夜の空気に溶けてゆく。
「にゃあっ!」
猫鈴猫はMINTがネバンを撃破したのを確認すると、愛しのお姉様にVサインを見せてから夜空の彼方へと飛び去った。
「ただいま!どうだった?お姉さま!?」
夜空に飛び去ったはずの猫鈴猫は、怪獣が壊さなくてもそのうち勝手に壊れそうなボロアパート前に戻ってきた。
「取材させてくれない!?機能は、技は、素材は!」
香燐は目を輝かせてメモ帳とペンを手に、ぐいぐい猫鈴猫に顔を近づける。
「え?勝利の御褒美に、いろいろ欲しいんだけど...キスとか貞操とかお菓子とか」
「前二つは断るとしてお菓子はあげるけど、今は先ず貴方の事を聞かせてください!!」
「お...お...お姉さま、まさか、ここまでアホだなんて...そこも含めて好きだけど」
「へえ~あっそ」
「うっわ塩対応」
残念ながらいくらロボットで法律なんて関係ないとしても見た目が小さい女の子である以上は恋愛対象外だ、何故なら、香燐お姉様の好みは、清楚でおしとやかな女性だからである。
終
人々の危機に地球防衛軍の戦車連隊が街にやってきた、巨大爬虫類ブルガアザルスはブルガアルと名付けられたようだ。
「撃てぇ!!」
戦車連隊による砲弾の一斉射撃は凄まじい威力があり、これまでに十体程の怪獣を仕留めてきたが、それでもブルガアルの皮膚は貫けない。
グォオオオオオ!!
ブルガアルは咆哮し、たった今破壊したばかりの時計塔の破片を戦車連隊へと投げつけ始めた。
「後退しろ!」
地底怪獣らしく視力が悪い割にはブルガアルの投擲命中精度は高く、次々に戦車が破壊されていく。
「全滅も時間の問題かね、神頼みしかないか」
「おっと!神は神でも女神様たちのご到着みたいだぞ」
戦車連隊壊滅の危機に、イキシア二号と三号が、瓦礫だらけで、ところどころ火災が発生している地獄と化した夜の街に到着した。
「”やっぱりまだ生きていたんだ...”」
「”レーダーに反応があった時は、責めて別の怪獣の可能性を願ったけど、ま、今度こそ倒すだけだよ!”」
「”了解...”」
イキシア二号は再び猛毒ミサイル、三号は通常のミサイルをブルガアルの頭部目掛けて発射するが、頑強な鎧の様な体には全く通用しない。
「"くっそぉお、硬いったら無いなあ!!"」
「”アオイ隊員...もう一体、くる”」
「"やれやれ、喧嘩するほど仲良いってことかしら、そのうち交尾でもおっぱじめるんじゃねぇの?"」
リンドウ隊員が言った通り、炎に照らされた夜の空から降りてきたのは、昼間にブルガアルと交戦していた怪鳥だった。
怪鳥は降下ついでにブルガアルに体当たりして転倒させる、これにアパートが巻き込まれて瓦礫の山へと変わり果ててしまった。
「一体でもヤバいのに、二体が戦えば被害は...」
香燐は今まで動画撮影していた手を止める、あまりに絶望的な状況に心が持たない。
「別に他の地球人が何人死のうが、地球がどれだけ壊れようが構わないけど、このままじゃ、お姉さまの危機にも繋がるよね、よし、そろそろ、やるか」
「あんた、なにを!?」
猫鈴猫は背伸びをして香燐の鼻と自分の鼻を合わせた、いわゆる鼻キスだ。
「わたしなら、お姉さまを守れるんだってとこ、見せてあげるの!」
原理は不明だが猫鈴猫の小さかった体は、ぐんぐんと大きくなっていく。
最終的に四十メートルまで巨大化した猫鈴猫は、眩い光を纏いながら夜の街に舞い降りた。
「あれ、なによ!」
「えっ、かわいい、私好み!彼女にしたい!!」
「でもデカすぎるよね...彼女つくるなら私くらいのサイズでいいっしょ」
「きゃ~っ、こんなときにプロポーズされちゃった~」
戸惑いながらも鳴き叫び逃げ惑っていた人々も、避難誘導をしていた防衛隊員も、仲良し女子高生二人組も、確かに目の当たりにする。
絶望的な状況の中に現れた、白銀の希望の光に包まれし巨大なシルバーカラーの女の子を。
「ネバンと命名された巨大な怪鳥は、私達がやる、君はその巨大爬虫類ブルガアルをお願い」
拡声器を使用してアオイ隊員が伝えると、猫鈴猫は静かに頷いた。
「”アオイ隊員...随分と冷静ですね、こんな状況で”」
「”巨大な鳥や爬虫類がいるんだ、巨人だっているさ...”人というかロボットだけど!」
猫鈴猫は、ネバンの翼に噛みつこうとするものらりくらり躱されているブルガアルを横から蹴り飛ばし、今までの対戦相手から引き離す。
唐突な第三者の乱入に眼を丸くして驚くネバンの背後に、イキシア二号と三号が対巨大生物用ガトリングガンで攻撃!注意を自分たちに向けさせた。
これによりブルガアルは猫鈴猫、ネバンはイキシアに攻撃対象を変更する。
「”これで一体に絞って闘える”」
「”あの娘...味方なんだね”」
イキシア二号、三号はネバンの嘴攻撃を旋回や急上昇を駆使して華麗に回避しながら、ミサイルを打ち込みジワジワと確実にダメージを与えていく。
一方で猫鈴猫は蹴り飛ばしてダウンさせたブルガアルに跨がると連続で手刀を喉に浴びせて流血させた。
たまらずブルガアルは尻尾を内側に丸める要領で、猫鈴猫の背中を叩きつけて吹き飛ばす。
「うあああっ!」
吹き飛ばされた猫鈴猫の体は電波塔付近に叩きつけられ、近くに停車していた軽自動車やトラックを宙に舞わせる。
「こんにゃあああああ!!」
腹を立てた猫鈴猫は電波塔を引っこ抜き、ブルガアルに目掛けて投槍の如く投擲した。
ブルガアルはそれを腕をクロスさせて弾くなり、ドシドシと猫鈴猫目掛けて突進する。
「猫鈴猫、あぶないっ!」
香燐が咄嗟にカメラのフラッシュを焚くとブルガアルの動きが鈍った、ずっと地底で過ごしていた為に、火や爆発程度ならまだしもカメラのフラッシュレベルの光ともなると遠く離れていても、その目に嫌でも集めてしまう性質に変化していたのだ。
「にゃっ!」
猫鈴猫は著しく勢いが低下したブルガアルの突進を右腕のストレートパンチ受け止め、膝で鳩尾付近を強打した。
ブルガアルが怯んだ隙に猫鈴猫はバク転で間をとり、両腕を水平に突き出す・・・すると拳が腕の内側に収納され手首から先に黒い穴ができた。
「マジでメカニックだったのね」
猫鈴猫の腕先に空いた黒い穴に、どんどん銀色の粒子が集合していく、ブルガアルはその眩さに自然と両腕で顔を覆う。
「エネルギー充填完了、アルギュロ・スペシャル...発射!!」
結合した銀色の粒子は凄まじい威力を持つ破壊光線へと凝縮・結合して発射され、ブルガアルの頑強な体すらも容易く貫く…!!
その数秒後、ブルガアルの肉体は頭から順番に全身は木っ端微塵となり夜の街へと飛び散った。
「”二機合体電磁キャノン、発射あああああ!!!”」
猫鈴猫がブルガアルを倒したのとほぼ同じタイミングで、ネバンがなかなか倒れないためにやむおえず、イキシア二号と三号は、予算とパイロット、機体の負担を考えると安易には使えない電磁キャノンを同時発射した。
いくら音速でも光速の攻撃を避けられる筈もなく、ネバンは一瞬で炭となって、夜の空気に溶けてゆく。
「にゃあっ!」
猫鈴猫はMINTがネバンを撃破したのを確認すると、愛しのお姉様にVサインを見せてから夜空の彼方へと飛び去った。
「ただいま!どうだった?お姉さま!?」
夜空に飛び去ったはずの猫鈴猫は、怪獣が壊さなくてもそのうち勝手に壊れそうなボロアパート前に戻ってきた。
「取材させてくれない!?機能は、技は、素材は!」
香燐は目を輝かせてメモ帳とペンを手に、ぐいぐい猫鈴猫に顔を近づける。
「え?勝利の御褒美に、いろいろ欲しいんだけど...キスとか貞操とかお菓子とか」
「前二つは断るとしてお菓子はあげるけど、今は先ず貴方の事を聞かせてください!!」
「お...お...お姉さま、まさか、ここまでアホだなんて...そこも含めて好きだけど」
「へえ~あっそ」
「うっわ塩対応」
残念ながらいくらロボットで法律なんて関係ないとしても見た目が小さい女の子である以上は恋愛対象外だ、何故なら、香燐お姉様の好みは、清楚でおしとやかな女性だからである。
終
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