Ti amo non importa che cosa

華愁

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第七話❄️今度は“恋人”として

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『おはようございます』

目が覚めた茉生と
目が合ったので挨拶しました。

『おはよう、瑠色』

茉生の記憶が戻ったので
再び、楼愛の店に行くことにしまし。

あの時はまだ記憶喪失でしたし
“友人”として紹介したので
今回はきちんと“恋人”だと紹介したいのです。

二人なら反対しないのを
わかっているので心配はしていません。

『あの、茉生
一緒に行って欲しい所があるのです』

あの後、起きた茉生と一緒に
リビングに向かい、朝食を食べながら
私はそう切り出しました。

『珍しいね、君が何処かに行きたいなんて』

記憶を無くしていた時のことは
戻った今は当然ながら覚えていないそうです。

『私の幼馴染み二人が
やっている定食屋で
記憶喪失だった頃のあなたと
一緒に行ったんですよ』

そう伝えると案の定、
驚いた表情(かお)をしました。

『その時はあなたを“友人”
として紹介したので、
今度は“恋人”として紹介したいのです』

唯一、私のことを理解して
くださるのはあの二人だけですから……

『そうなんだね。

わかった、昼食がてら行こう』

昼食は楼愛の店で決まりですね。

今日は何を食べましょうか?(クスッ)

昼食時は混んでるでしょうから
少し、時間をずらして
行くことにしました。

『此処ですよ』

楼愛の店に着きました。

引き戸を開け、中に入ると
お客さんはあまりいませんでした。

やはり、昼食時を避けてよかったです。

「瑠色、いらっしゃい」

私に気付いたらしい
桃果が声を掛けてくれました。

『お久しぶりです、桃果』

案内されたのは、奥の席でした。

「ご注文が決まりましたらお呼びください」

すぐに店員モードになれる桃果に
内心で感心しつつ、苦笑しました。

メニューを開いたものの、
あの日と同じ物を
頼むことにしました。

そして、お会計の時に
二人に本当のことを話しました。

「そんなことがあったのか…… 大変だったな」

楼愛は私の頭を撫でました。

『思い出していただけたので
それだけで十分ですよ』

昔からの癖なのと身長差のせいで
いまだにこうして、時折、
私の頭を撫でるのです(苦笑)

『本当にごめんね』

隣にいた茉生が俯いてしまいました。

『だから、もうよいのです』

此処が楼愛の店だということも気にせずに
茉生に抱きつきました。

『瑠色!?』

そんな私の行動に茉生は驚き、楼愛と桃果は笑いました。

『帰りましょうか』

人目を気にせずに茉生に甘えたいです。

『楼愛・桃果、ごちそうさまでした』

お会計も終わったので
早く帰りたいです。

「はいよ、お粗末でした。

また何時でも来いよ」

楼愛と桃果に“また来ます”とだけ告げ
店を出て、茉生の家に帰って来ました。
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