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2号室 永遠とつづく課題
しおりを挟む教室の戸を開けたら、そこには地下に通じる階段があった。
もう、いい加減うんざりだ。
階下は真っ暗闇でどこまで階段が続いているのかまったく窺えない。
生ぬるい風も吹き上げてくる。
嫌な予感がする。
空耳かもしれないが悲鳴が耳に届いた気がした。
こんな学校選ぶんじゃなかった。後悔しても遅い。
今日も始まってしまった。
毎日、一時限目はミッションから始まる。
制限時間は四十五分。
これをクリアできなければ、次の授業は受けられない。
そんな馬鹿な話があるか。
遊びならば、喜んで参加するさ。
でも、これはあくまでも授業の一環だ。これがクリアできなければ単位が取れない。
全部クリアしなくても大丈夫だが、合格は七割クリアしなけばならない。
万が一、クリアが三割を下回ると落第決定という厳しい現実が待っている。
勘弁してほしい。
しかも、四十五分で終了して解放されるわけではない。
そこがこのミッションの恐ろしい現実だ。
クリア出来ない者は、永遠にこのミッションを続けなければいけないという過酷なものなのだ。
つまり、落第が手招きしているということだ。
もちろん、他の授業も受けられないのだから他の科目も単位が取れないだろう。
そうなったら、自滅するしかない。
自主退学を申告すれば、永遠のミッション地獄から解放される。
そう話を聞いている。この話が真実なのかは俺にはわからないことだ。
今のところギリギリでミッションクリアしているからいいようなものだけれど、正直、俺は申告したい気分だ。
やっていられない。
クラスでクリアした者は半数に減っている。
果たして、見なくなったクラスメイトは生きているのだろうかという疑問が湧く。自主退学を申告しているのならいいのだが。
やはり、もう引き返した方が賢明かもしれない。
今日のミッションはいつも以上に嫌な予感がする。
だが、背後の戸はすでに閉ざされていた。
クリアするしかない。
俺は嘆息を漏らして真っ暗闇の階下を見つめる。
今日も絶対にクリアしてやる。
俺は階段をゆっくり一歩一歩踏みしめ地下へと向かっていった。
どこかで悲鳴が聞こえた気がしたが、前に進むしか道がない。
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