人生・にゃん生いろいろ

景綱

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母は強し

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 母親は子供のためなら無理しても頑張ってしまう。少なからずそんなところがある。まあ、中には虐待や命を奪ってしまうって事件も耳にはするが、それは少数だろう。
 子供優先と考える母親が多いと思う。だからと言って甘やかすってこととは違う。
 体調がすぐれなくても子供のお弁当を作って見送るなんて話も小耳に挟んだことがある。子供が病気になったら楽しみにしていた約束も断り看病をするなんて話も耳にする。

「いやいや、みんながみんなそうじゃないですよ。うちはほったらかしですよ」

 なんて話す人もいるかもしれないけど。そうは言っても子供のことを心配しない親はいないだろう。
 私の母親はどうだろう。やっぱり例外なく思ってくれているだろう。そういえば、母親と吹奏楽を聴きに行ったことがあったのを思い出す。迫力ある生の音楽が母との記憶をより一層強く繋ぎとめているのかもしれない。懐かしい思い出だ。

 ならば父親は……。
 うーん、どうだろう。まあ人それぞれ違うだろうからここであえて言うのはやめておこう。
 まあうちの場合はよく遊んでくれる父だった。父と二人で旅行に行ったこともある。
 遠い昔の懐かしい記憶。父親はお空の人になっているから今は私の心の中にいる。

 おっと、今は父親の話ではなく母親の話だ。それにここではなるべく明るい話だけをしたい。
 毎度、毎度話が逸れてしまってすみません。ふと話が逸れることを待っている読者がいるのだろうかと思ってしまった。それはそれで、嬉しいことだが話を戻そう。
 うちの母親はちょっと天然なところがあるだろうか。どうだろう。子供の頃の記憶を紐解くと愛情もあり厳しくもある母親と言えるだろうか。

 わが家のことはさておき、一般的に子供のことになると母の強さは発揮される気がする。わが子への愛情は深い。守ろうとする意識は高い。そんな気がする。

 母の強さは猫にも言えることだ。
 人と同じように猫もそれぞれ違う。

 田舎の猫だから雌の避妊手術も雄の去勢手術もしていない。だから子猫も生まれる。猫の子育てがどういうものなのかよくわからないが母親の子猫に対する愛情は深いと思える。見ているだけで癒される。
 子猫を一生懸命毛繕いしてあげる母猫。
 子猫がどこかで鳴いていると探し回って子猫のもとへ駆けつけている。他の猫にイジメられようとしていれば威嚇して守ろうとする。やっぱり人も猫も変わらない。



 ただ子離れは人よりも早いように思う。猫によって差はあるだろうけど、子猫に向かって威嚇している母猫をみかけたときは驚いた。猫パンチされているのも見た。
 もう子離れしたから子供でも縄張り意識が働くのだろうか。

『もう自分だけで暮らしなさい』ってことだろうか。厳しいね。まさか、わが子を忘れてしまうなんてことはないとは思うけど。そんなこと、ない、ない。しつけの一環だろう。

 子猫はもしかしたら『かあちゃん、厳し過ぎ』って思っているのかもね。
 んっ、待てよ。本当に躾なのか。猫の言葉が理解できたとしたら、母猫は「私のご飯を横取りするんじゃないよ」なんて怒っているのかもしれない。ふとそんなことを思ってしまった。まあ、ここは躾ということにしておこう。

 ライオンはわが子を崖の下へ突き落すなんて話もあるからね。
 猫の世界に限らず動物の世界のほうが厳しいところがあるのだろうか。

 そう考えると人はどうだろう。子離れできない親は存在する。甘やかしてばかりいて子供のためになっていない子育てはちょっと考えものだ。そういう私も甘やかされて育った一人かもしれない。ダメオヤジになってしまったかも。だからと言って親のせいとは言えないけど。いやいや、私の親は尊敬できる親だ。

 あれ、なにを話しているのだろう。

 母親とは愛ある存在ということだろうか。もちろん、父親もね。愛情表現が違うだけで。
 どっちにしろ甘やかされてもそうでなくてもきちんと育つ子供はいる。そういうことにしようじゃないか。
 ちょっと猫の子育てに目を向けるのも一興かもしれないよ。そんな話で締めくくりたいと思う。けど、あまり猫に目を向けてばかりいると睨まれるかもしれないけどね。

「なんだ、私の育て方に文句あるのか」ってね。

 いやいや、そうじゃないか。

 ただ単に「美味いものくれるのか」かもしれない。



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