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霊界アドバイザー黒神
ネット社会が生み出した怖い存在
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「初任務は順調か」
「あっ、はい。神様候補者は本日亡くなる予定です。特に問題もありません社長」
「そうか、そうか。営業主任、がんばりなさい。だが油断はせぬように。ふぉふぉふぉ」
社長は肩をポンポンと叩き笑いながらツルツルの頭をひと撫でして社長室に戻っていく。だが何かを思い出したかのように踵を返した。なんだ真剣な顔をして。
「猿渡、いるか」
「はい、ここに」
「何か異様な者の気配を感じる。もしかしたら例の奴かもしれぬ。急ぎ、対処しなさい」
「はい」
猿渡は返事をするとスッと姿を消した。
いったい何が。
「あの社長何かあったんですか」
「うむ、ちと気になる気配を感じてな。猿渡を神様候補者のもとへ急がせた」
えっ、それって。
「どういうことですか。それなら俺も行ったほうがいいんじゃ」
「うむ、では寧々を叩き起こして連れ行きなさい。それがいい」
社長はツルツルの頭をまたしてもひと撫ですると俺の両肩をポンポンと叩いた。あれ、なんだこれは。肩がほんわかと温かくなり全身へと広がっていく。いったい社長は何をしたのだろう。あれ、特に何も変わっていないか。おかしいな、温かく感じたのに。
「社長、いったい何をされたんですか」
「気にするな。ちょっとしたまじないだ。わしのように光輝くようにってな」
社長はニヤリとして社長室へと入って行った。
ちょっと待て。光輝くってなんだ。まさか俺はそのうちハゲ頭になっちまうのか。勘弁してくれ。ああ、もう社長、ハゲにはなりたくないのに。
あっ、今は柳田のもとへ急がなきゃ。
頭を気にしつつもお昼寝タイム中の寧々を起して柳田の住むアパートへと急ぐ。
***
「てめえ、眠りを邪魔するとはいい度胸だ。あたいの爪が黙っていないよ」
豹変する寧々を尻目に柳田の部屋の前に降り立つと背中を突き刺す感触がした。寧々が鋭い爪を背中に突き刺していた。それなのに痛くない。
なぜと思ったら身体の周りに不思議な膜が守ってくれていた。もしかしてさっき社長がしたことはこれか。
「むむむ、なんだこれ。爪が、爪がめり込んでとれないじゃねぇか。黒神、どうにかしろ」
まったく仕方がない奴だ。俺は寧々の頭を軽く撫でる。寧々の目尻が下がり優しくなっていく。同時に鋭い爪も引っ込み自然と不思議な膜から外れた。
「寧々、今は緊急事態だ。だから手伝ってくれ」
「緊急事態。わかった」
玄関扉は開いていた。
中に入ると猿渡と対峙する半透明の男とも女とも思える中性的な奴がいた。そいつがチラッとこっちを見た。その瞬間、猿渡はそいつの背後に回り腕を取り押さえつけていた。
早い。あんなに素早い動きができるなんて。
「くそっ、邪魔しやがって」
いったい何者なのだろう。
猿渡がなぜか俺を見て口角を少しだけ上げた。笑っているのか。こんなときに。ところで柳田は大丈夫なのか。
部屋を見回すとタブレットを手にして座り込む柳田の姿があった。気絶しているのだろうか。ピクリとも動かない。まさか死んでいるわけじゃないだろうな。まだ亡くなる時刻じゃない。
頭の中に『自殺』の文字が浮かび上がりすぐに掻き消した。
「その者は気絶しているだけです。大丈夫です。黒神主任、こっちに来てください」
気絶。そうかよかった。
「ホッとしている場合ではありません。早く、こっちに来てこの者に抱きつくのです」
えっ、抱きつく。馬鹿なことを。
そう思っていたら寧々が俺の背中をドンと押した。そのせいで半透明の奴に抱きつく格好になってしまった。
寧々の奴、何をするんだ。
えっ、うわっ、な、なんだ。
突然、目の前がまぶしく光り出した。これはいったい……。俺の身体の周りにある膜が光り出している。もしかして社長の力か。次第に膜が半透明の者に纏わりついていく。。なんだ、なんだ、小さな雷みたいなものが発生しはじめたぞ。放電しているのか。猿渡は大丈夫なのだろうか。俺は大丈夫みたいだから大丈夫なのかもしれない。
気づくと半透明の者は黒焦げになって灰となった。
思ったよりも簡単だった。社長の雰囲気からしてもっと強者が現れると思ったのに。
「皆さん、ご苦労様でした。来ていただき助かりました」
猿渡は少しだけ口角を上げて灰をすべて片づけると消え去ってしまった。
「寧々、今のはいったいなんだったんだ」
「あれはね。デジタル妖怪よ」
「デジタル妖怪、なんだそれ」
「なんて言ったらいいんだろう。えっとね。ネット社会に蔓延る妖怪といえばいいのかな」
「わからないよ」
「ああ、もう。だから今はネット社会でしょ。柳田もタブレット持っているから、きっとネットの中のデジタル妖怪に捕まっちゃったんだと思うんだ」
「だからどうしてそうなるんだ」
「えっと、えっと」
寧々もよくわかっていないようだ。ネット社会だからってなぜデジタル妖怪なる者が現れるのだろう。
「ではわたくしが説明してあげましょう」
うぉっ、びっくりした。猿渡か。帰ったんじゃなかったのか。
猿渡は咳払いをひとつして話し出す。
「ネット内ではたくさんの罵詈雑言が氾濫しているのです。そのせいで負の念が渦巻き、新たな妖怪を生み出しているのです。それがデジタル妖怪です。妖怪はそういった悪い言葉が大好きですからね。ここ最近、そのデジタル妖怪がネットを飛び出しては人間を脅かしているのです。特に弱った人間が好物でして。ですから柳田も狙われたのでしょう。この世の中には、いや、ネット内といったほうがいいでしょうか。あそこにはまだまだデジタル妖怪が存在します。皆さんもしっかりアンテナを張って見張っていてください。よろしくお願いします。ではこれで」
あっ、消えた。
あそこか。俺は柳田の持つタブレットをみつめた。おそらくスマホにもパソコンにもデジタル妖怪は潜んでいるのだろう。怖い世の中だ。
それにしても猿渡は言いたいことだけ言って行ってしまった。素っ気ない副社長だ。けど頼りになる副社長だと言えそうだ。
改めて柳田に目を向けて小さく息を吐く。
もしかしたらデジタル妖怪が原因で自殺ってことになっていたかもしれない。
「寧々、これで自殺は回避されたと思っていいのかな」
「たぶんそうね。それにしてもデジタル妖怪が出てくるとはね。柳田も災難だったわね。あいつらのせいで自殺者が増えているって話も聞くし嫌な世の中になったものだわ。まあ、それだけが原因じゃないでしょうけど。人間っていろいろと考え過ぎちゃうし弱いから」
まったく寧々の奴ときたら。
『おまえはもっと考えたほうがいいぞ』
心の中でそう呟き寧々の頭を撫でてやった。
ふいに猿渡が見せてくれた自殺したときの映像が脳裏に蘇る。
俺の自殺ってもしかしてデジタル妖怪のせいってことはないのか。けど俺は弱っていたのだろうか。猿渡にもう一度訊いてみようか。けど、答えてくれそうにないな。いつか教えてくれるかもしれない。それまで待つとしよう。きっと長い付き合いになるだろうから。
「あっ、大変。タブレットからまたデジタル妖怪が」
えっ、また。
柳田の持つタブレットへ目をやると半透明の手だけがニュッと飛び出していた。まずい、なんとかしないと。さっき退治したデジタル妖怪のことを思い出してどうすべきか考える。
さっきは雷で黒焦げになった。ということは……。電気に弱いのかもしれない。
悠長に考えている場合ではない。
あそこから出て来させなければいい。もしかしてまだ電源が。
「寧々、あのタブレットの電源を切れ。それでデジタル妖怪は出てこられないはず」
「了解」
寧々は柳田の手から素早くタブレットを奪い思いっきり壁に投げつけて破壊してしまった。
おいおい、何をしている。壊す奴があるか。
うわっ、発火しちまったじゃないか。このままじゃ火事になる。そう思った瞬間、寧々がタブレットを流し台に放り投げて水をかけた。
なんてことを。電源を切れと言っただけなのに。
デジタル妖怪は消滅したようだがあのタブレットはもう使えない。柳田はもうじきあの世に行くから使うことはないだろうけど、勿体ない。いや田舎に残された家族が使えたか。なんてことをしてしまったのだろう。
寧々を見遣ると頭を掻いて笑っていた。
「あっ、はい。神様候補者は本日亡くなる予定です。特に問題もありません社長」
「そうか、そうか。営業主任、がんばりなさい。だが油断はせぬように。ふぉふぉふぉ」
社長は肩をポンポンと叩き笑いながらツルツルの頭をひと撫でして社長室に戻っていく。だが何かを思い出したかのように踵を返した。なんだ真剣な顔をして。
「猿渡、いるか」
「はい、ここに」
「何か異様な者の気配を感じる。もしかしたら例の奴かもしれぬ。急ぎ、対処しなさい」
「はい」
猿渡は返事をするとスッと姿を消した。
いったい何が。
「あの社長何かあったんですか」
「うむ、ちと気になる気配を感じてな。猿渡を神様候補者のもとへ急がせた」
えっ、それって。
「どういうことですか。それなら俺も行ったほうがいいんじゃ」
「うむ、では寧々を叩き起こして連れ行きなさい。それがいい」
社長はツルツルの頭をまたしてもひと撫ですると俺の両肩をポンポンと叩いた。あれ、なんだこれは。肩がほんわかと温かくなり全身へと広がっていく。いったい社長は何をしたのだろう。あれ、特に何も変わっていないか。おかしいな、温かく感じたのに。
「社長、いったい何をされたんですか」
「気にするな。ちょっとしたまじないだ。わしのように光輝くようにってな」
社長はニヤリとして社長室へと入って行った。
ちょっと待て。光輝くってなんだ。まさか俺はそのうちハゲ頭になっちまうのか。勘弁してくれ。ああ、もう社長、ハゲにはなりたくないのに。
あっ、今は柳田のもとへ急がなきゃ。
頭を気にしつつもお昼寝タイム中の寧々を起して柳田の住むアパートへと急ぐ。
***
「てめえ、眠りを邪魔するとはいい度胸だ。あたいの爪が黙っていないよ」
豹変する寧々を尻目に柳田の部屋の前に降り立つと背中を突き刺す感触がした。寧々が鋭い爪を背中に突き刺していた。それなのに痛くない。
なぜと思ったら身体の周りに不思議な膜が守ってくれていた。もしかしてさっき社長がしたことはこれか。
「むむむ、なんだこれ。爪が、爪がめり込んでとれないじゃねぇか。黒神、どうにかしろ」
まったく仕方がない奴だ。俺は寧々の頭を軽く撫でる。寧々の目尻が下がり優しくなっていく。同時に鋭い爪も引っ込み自然と不思議な膜から外れた。
「寧々、今は緊急事態だ。だから手伝ってくれ」
「緊急事態。わかった」
玄関扉は開いていた。
中に入ると猿渡と対峙する半透明の男とも女とも思える中性的な奴がいた。そいつがチラッとこっちを見た。その瞬間、猿渡はそいつの背後に回り腕を取り押さえつけていた。
早い。あんなに素早い動きができるなんて。
「くそっ、邪魔しやがって」
いったい何者なのだろう。
猿渡がなぜか俺を見て口角を少しだけ上げた。笑っているのか。こんなときに。ところで柳田は大丈夫なのか。
部屋を見回すとタブレットを手にして座り込む柳田の姿があった。気絶しているのだろうか。ピクリとも動かない。まさか死んでいるわけじゃないだろうな。まだ亡くなる時刻じゃない。
頭の中に『自殺』の文字が浮かび上がりすぐに掻き消した。
「その者は気絶しているだけです。大丈夫です。黒神主任、こっちに来てください」
気絶。そうかよかった。
「ホッとしている場合ではありません。早く、こっちに来てこの者に抱きつくのです」
えっ、抱きつく。馬鹿なことを。
そう思っていたら寧々が俺の背中をドンと押した。そのせいで半透明の奴に抱きつく格好になってしまった。
寧々の奴、何をするんだ。
えっ、うわっ、な、なんだ。
突然、目の前がまぶしく光り出した。これはいったい……。俺の身体の周りにある膜が光り出している。もしかして社長の力か。次第に膜が半透明の者に纏わりついていく。。なんだ、なんだ、小さな雷みたいなものが発生しはじめたぞ。放電しているのか。猿渡は大丈夫なのだろうか。俺は大丈夫みたいだから大丈夫なのかもしれない。
気づくと半透明の者は黒焦げになって灰となった。
思ったよりも簡単だった。社長の雰囲気からしてもっと強者が現れると思ったのに。
「皆さん、ご苦労様でした。来ていただき助かりました」
猿渡は少しだけ口角を上げて灰をすべて片づけると消え去ってしまった。
「寧々、今のはいったいなんだったんだ」
「あれはね。デジタル妖怪よ」
「デジタル妖怪、なんだそれ」
「なんて言ったらいいんだろう。えっとね。ネット社会に蔓延る妖怪といえばいいのかな」
「わからないよ」
「ああ、もう。だから今はネット社会でしょ。柳田もタブレット持っているから、きっとネットの中のデジタル妖怪に捕まっちゃったんだと思うんだ」
「だからどうしてそうなるんだ」
「えっと、えっと」
寧々もよくわかっていないようだ。ネット社会だからってなぜデジタル妖怪なる者が現れるのだろう。
「ではわたくしが説明してあげましょう」
うぉっ、びっくりした。猿渡か。帰ったんじゃなかったのか。
猿渡は咳払いをひとつして話し出す。
「ネット内ではたくさんの罵詈雑言が氾濫しているのです。そのせいで負の念が渦巻き、新たな妖怪を生み出しているのです。それがデジタル妖怪です。妖怪はそういった悪い言葉が大好きですからね。ここ最近、そのデジタル妖怪がネットを飛び出しては人間を脅かしているのです。特に弱った人間が好物でして。ですから柳田も狙われたのでしょう。この世の中には、いや、ネット内といったほうがいいでしょうか。あそこにはまだまだデジタル妖怪が存在します。皆さんもしっかりアンテナを張って見張っていてください。よろしくお願いします。ではこれで」
あっ、消えた。
あそこか。俺は柳田の持つタブレットをみつめた。おそらくスマホにもパソコンにもデジタル妖怪は潜んでいるのだろう。怖い世の中だ。
それにしても猿渡は言いたいことだけ言って行ってしまった。素っ気ない副社長だ。けど頼りになる副社長だと言えそうだ。
改めて柳田に目を向けて小さく息を吐く。
もしかしたらデジタル妖怪が原因で自殺ってことになっていたかもしれない。
「寧々、これで自殺は回避されたと思っていいのかな」
「たぶんそうね。それにしてもデジタル妖怪が出てくるとはね。柳田も災難だったわね。あいつらのせいで自殺者が増えているって話も聞くし嫌な世の中になったものだわ。まあ、それだけが原因じゃないでしょうけど。人間っていろいろと考え過ぎちゃうし弱いから」
まったく寧々の奴ときたら。
『おまえはもっと考えたほうがいいぞ』
心の中でそう呟き寧々の頭を撫でてやった。
ふいに猿渡が見せてくれた自殺したときの映像が脳裏に蘇る。
俺の自殺ってもしかしてデジタル妖怪のせいってことはないのか。けど俺は弱っていたのだろうか。猿渡にもう一度訊いてみようか。けど、答えてくれそうにないな。いつか教えてくれるかもしれない。それまで待つとしよう。きっと長い付き合いになるだろうから。
「あっ、大変。タブレットからまたデジタル妖怪が」
えっ、また。
柳田の持つタブレットへ目をやると半透明の手だけがニュッと飛び出していた。まずい、なんとかしないと。さっき退治したデジタル妖怪のことを思い出してどうすべきか考える。
さっきは雷で黒焦げになった。ということは……。電気に弱いのかもしれない。
悠長に考えている場合ではない。
あそこから出て来させなければいい。もしかしてまだ電源が。
「寧々、あのタブレットの電源を切れ。それでデジタル妖怪は出てこられないはず」
「了解」
寧々は柳田の手から素早くタブレットを奪い思いっきり壁に投げつけて破壊してしまった。
おいおい、何をしている。壊す奴があるか。
うわっ、発火しちまったじゃないか。このままじゃ火事になる。そう思った瞬間、寧々がタブレットを流し台に放り投げて水をかけた。
なんてことを。電源を切れと言っただけなのに。
デジタル妖怪は消滅したようだがあのタブレットはもう使えない。柳田はもうじきあの世に行くから使うことはないだろうけど、勿体ない。いや田舎に残された家族が使えたか。なんてことをしてしまったのだろう。
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