オメガバース全集

ひやむつおぼろ

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オメガバース研究者 ベータの被験体 執着 調教

「普遍ネズミは色恋の夢を見るか」3

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 結局東雲鳴不しののめ ねずは先生のところのお世話になった。大学と研究所は何かしらコネがあるらしく、大学にはまだ籍があるらしい。ねずは肉屋のせがれの言った『運が回ってきた』だと思い込み、先生の手紙に縋ったのだ。

 先生のところでの生活は3週間経つが概ね順調。三食宿付きどころか大きな浴槽と洗濯機、ふかふかなベッドと至れり尽くせりだ。ただ一つ厄介なことと言えば、検便と検尿と採血とカプセルと……。

 ジィー…という音がして、天井が煌めく。丸い目がこちらを覗く。

「監視カメラですか」
「あぁ、別室で様子を見させてもらっているんだよ。ねず君が倒れては困るからね」
「そりゃまたえらいお金がかかった実験だこって」
「この実験自体が道楽のようなものなのさ。幾らでもかけて良いと言われたんだ」

 衣食住が満たされて、食欲睡眠欲が安定すればだんだんと貧しさ忙しさにかまけて相手にしてこなかった欲がムクリと起きるわけだが、浴室もベッドもあの黒目が天井からキラリと光らせてるものだから、どうにも発散できない。

 トイレや浴室で息子の形はバッチリと見られているのだから、もう良いのではなかろうかと悪魔が肉欲を誘うが、あのレンズの向こうでは先生がずうっと己を見ているのだ。雇い主に、自慰を見せつけるわけにはいかない。ねずは貧しさから節度ある暮らしをしていたのだ。元より自慰などは片手で数えて足りるほどしかしていない。耐えようと思えば耐えれるのだ。あの汚く肥えた肉屋のせがれの胸の谷間やぼうぼうに生えたすね毛を思い出してどうにか治める。

 だが、欲は思いもよらない方法で発散されることになった。

ーーーー

「ねず君。君は不能かい?」

「んぐっ、げほっべほ」

 シチュウが喉に詰まる。白いルゥが手にかかってそれすら何かを暗に表現しているようで恥ずかしい。今は食事時だ。たまに先生はねずとともに食卓を囲んだ。と言っても先生は給仕のように鍋から食事をついだ後紅茶やコーヒーを入れて飲むだけだったが。

「センセ、いきなり何を」

「いや、実は言い難いことなのだが、私が研究している分野で新しい研究結果が出てな、精液に含まれる成分も検査したいんだ。」

 もし君が不能ならもう、契約は切らないといけなくなる…。

 ねずは先生が言うのなら仕方がないと、思った。先生は、学者様なのだ。嘘をつく必要もない。だから、先生に精液も提供することにした。仕方のないことだった。

 だが

「んっ、……ふぁ」

 手淫し、手に出たものを試験管に入れ部屋の外にいる先生に手渡すと、先生は申し訳なさそうに言った。

「すまないねず君、精子はとても弱いんだ。一度空気に触れてしまうと…ちょっと…」

 先生の手の中には、田舎で見た搾乳機とそっくりのそれが握られていた。

ーー

9/7 めちゃくちゃ先生の語尾ミスってんじゃねえか!!と言うことで書き直しました。
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