13 / 16
オメガバース研究者 ベータの被験体 執着 調教
「普遍ネズミは色恋の夢を見るか」3
しおりを挟む
結局東雲鳴不は先生のところのお世話になった。大学と研究所は何かしらコネがあるらしく、大学にはまだ籍があるらしい。ねずは肉屋のせがれの言った『運が回ってきた』だと思い込み、先生の手紙に縋ったのだ。
先生のところでの生活は3週間経つが概ね順調。三食宿付きどころか大きな浴槽と洗濯機、ふかふかなベッドと至れり尽くせりだ。ただ一つ厄介なことと言えば、検便と検尿と採血とカプセルと……。
ジィー…という音がして、天井が煌めく。丸い目がこちらを覗く。
「監視カメラですか」
「あぁ、別室で様子を見させてもらっているんだよ。ねず君が倒れては困るからね」
「そりゃまたえらいお金がかかった実験だこって」
「この実験自体が道楽のようなものなのさ。幾らでもかけて良いと言われたんだ」
衣食住が満たされて、食欲睡眠欲が安定すればだんだんと貧しさ忙しさにかまけて相手にしてこなかった欲がムクリと起きるわけだが、浴室もベッドもあの黒目が天井からキラリと光らせてるものだから、どうにも発散できない。
トイレや浴室で息子の形はバッチリと見られているのだから、もう良いのではなかろうかと悪魔が肉欲を誘うが、あのレンズの向こうでは先生がずうっと己を見ているのだ。雇い主に、自慰を見せつけるわけにはいかない。ねずは貧しさから節度ある暮らしをしていたのだ。元より自慰などは片手で数えて足りるほどしかしていない。耐えようと思えば耐えれるのだ。あの汚く肥えた肉屋のせがれの胸の谷間やぼうぼうに生えたすね毛を思い出してどうにか治める。
だが、欲は思いもよらない方法で発散されることになった。
ーーーー
「ねず君。君は不能かい?」
「んぐっ、げほっべほ」
シチュウが喉に詰まる。白いルゥが手にかかってそれすら何かを暗に表現しているようで恥ずかしい。今は食事時だ。たまに先生はねずとともに食卓を囲んだ。と言っても先生は給仕のように鍋から食事をついだ後紅茶やコーヒーを入れて飲むだけだったが。
「センセ、いきなり何を」
「いや、実は言い難いことなのだが、私が研究している分野で新しい研究結果が出てな、精液に含まれる成分も検査したいんだ。」
もし君が不能ならもう、契約は切らないといけなくなる…。
ねずは先生が言うのなら仕方がないと、思った。先生は、学者様なのだ。嘘をつく必要もない。だから、先生に精液も提供することにした。仕方のないことだった。
だが
「んっ、……ふぁ」
手淫し、手に出たものを試験管に入れ部屋の外にいる先生に手渡すと、先生は申し訳なさそうに言った。
「すまないねず君、精子はとても弱いんだ。一度空気に触れてしまうと…ちょっと…」
先生の手の中には、田舎で見た搾乳機とそっくりのそれが握られていた。
ーー
9/7 めちゃくちゃ先生の語尾ミスってんじゃねえか!!と言うことで書き直しました。
先生のところでの生活は3週間経つが概ね順調。三食宿付きどころか大きな浴槽と洗濯機、ふかふかなベッドと至れり尽くせりだ。ただ一つ厄介なことと言えば、検便と検尿と採血とカプセルと……。
ジィー…という音がして、天井が煌めく。丸い目がこちらを覗く。
「監視カメラですか」
「あぁ、別室で様子を見させてもらっているんだよ。ねず君が倒れては困るからね」
「そりゃまたえらいお金がかかった実験だこって」
「この実験自体が道楽のようなものなのさ。幾らでもかけて良いと言われたんだ」
衣食住が満たされて、食欲睡眠欲が安定すればだんだんと貧しさ忙しさにかまけて相手にしてこなかった欲がムクリと起きるわけだが、浴室もベッドもあの黒目が天井からキラリと光らせてるものだから、どうにも発散できない。
トイレや浴室で息子の形はバッチリと見られているのだから、もう良いのではなかろうかと悪魔が肉欲を誘うが、あのレンズの向こうでは先生がずうっと己を見ているのだ。雇い主に、自慰を見せつけるわけにはいかない。ねずは貧しさから節度ある暮らしをしていたのだ。元より自慰などは片手で数えて足りるほどしかしていない。耐えようと思えば耐えれるのだ。あの汚く肥えた肉屋のせがれの胸の谷間やぼうぼうに生えたすね毛を思い出してどうにか治める。
だが、欲は思いもよらない方法で発散されることになった。
ーーーー
「ねず君。君は不能かい?」
「んぐっ、げほっべほ」
シチュウが喉に詰まる。白いルゥが手にかかってそれすら何かを暗に表現しているようで恥ずかしい。今は食事時だ。たまに先生はねずとともに食卓を囲んだ。と言っても先生は給仕のように鍋から食事をついだ後紅茶やコーヒーを入れて飲むだけだったが。
「センセ、いきなり何を」
「いや、実は言い難いことなのだが、私が研究している分野で新しい研究結果が出てな、精液に含まれる成分も検査したいんだ。」
もし君が不能ならもう、契約は切らないといけなくなる…。
ねずは先生が言うのなら仕方がないと、思った。先生は、学者様なのだ。嘘をつく必要もない。だから、先生に精液も提供することにした。仕方のないことだった。
だが
「んっ、……ふぁ」
手淫し、手に出たものを試験管に入れ部屋の外にいる先生に手渡すと、先生は申し訳なさそうに言った。
「すまないねず君、精子はとても弱いんだ。一度空気に触れてしまうと…ちょっと…」
先生の手の中には、田舎で見た搾乳機とそっくりのそれが握られていた。
ーー
9/7 めちゃくちゃ先生の語尾ミスってんじゃねえか!!と言うことで書き直しました。
0
お気に入りに追加
52
あなたにおすすめの小説

僕の番
結城れい
BL
白石湊(しらいし みなと)は、大学生のΩだ。αの番がいて同棲までしている。最近湊は、番である森颯真(もり そうま)の衣服を集めることがやめられない。気づかれないように少しずつ集めていくが――
※他サイトにも掲載

上手に啼いて
紺色橙
BL
■聡は10歳の初めての発情期の際、大輝に噛まれ番となった。それ以来関係を継続しているが、愛ではなく都合と情で続いている現状はそろそろ終わりが見えていた。
■注意*独自オメガバース設定。■『それは愛か本能か』と同じ世界設定です。関係は一切なし。

そんなの真実じゃない
イヌノカニ
BL
引きこもって四年、生きていてもしょうがないと感じた主人公は身の周りの整理し始める。自分の部屋に溢れる幼馴染との思い出を見て、どんなパソコンやスマホよりも自分の事を知っているのは幼馴染だと気付く。どうにかして彼から自分に関する記憶を消したいと思った主人公は偶然見た広告の人を意のままに操れるというお香を手に幼馴染に会いに行くが———?
彼は本当に俺の知っている彼なのだろうか。
==============
人の証言と記憶の曖昧さをテーマに書いたので、ハッキリとせずに終わります。

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

花婿候補は冴えないαでした
いち
BL
バース性がわからないまま育った凪咲は、20歳の年に待ちに待った判定を受けた。会社を経営する父の一人息子として育てられるなか結果はΩ。 父親を困らせることになってしまう。このまま親に従って、政略結婚を進めて行こうとするが、それでいいのかと自分の今後を考え始める。そして、偶然同じ部署にいた25歳の秘書の孝景と出会った。
本番なしなのもたまにはと思って書いてみました!
※pixivに同様の作品を掲載しています
【完結】幼馴染から離れたい。
June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。
βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。
番外編 伊賀崎朔視点もあります。
(12月:改正版)
読んでくださった読者の皆様、たくさんの❤️ありがとうございます😭
1/27 1000❤️ありがとうございます😭
3/6 2000❤️ありがとうございます😭
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる