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オメガバース 無知 ギャグ 幼なじみ 執着
「男らしいエピローグ」
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俺たちが番になった後の話をしよう。
あの後、俺は無理やりオメガになった反動か、トイレの中で気絶してしまった。雄也は俺が死んだかと焦って道永先生のところへと連れて行ったらしい。
目が覚めたら、双方の親が来て、大惨事だった。
「アキラ!やったじゃない。雄也くんなら安心して任せられるわ!」
「オメガって大変だろう?ちゃんと、体調が悪くなったら、父さんと母さんに言うんだぞ」
ベッドに座る俺の背中を叩いてがははと笑う母、心配そうに見つめる父それはまだいい。問題は雄也の親だった。
「雄也、どうして男のオメガを番にしたのか説明なさい。」
パンツスーツの雄也のお母さんが、雄也を正座させ詰めていた。
「僕がアキラのことを好きで、アキラが僕のことを好きだからです。それ以外に理由はありません。」
雄也は怯むことなくお母さんに果敢に言い返している。だが雄也のお母さんの顔は険しい。俺といえば、雄也の言葉に顔を赤らめ雄也のお母さんの態度に顔を青ざめた。雄也のお母さんは、俺と雄也が友達の頃から、俺のことをあまりよく思ってなかった。気に食わないガキが可愛い息子の番になったなんて、彼女には受け入れがたいのだろう。
「男のオメガの着床率は、女のオメガより低い。そして日本では男オメガを受け入れてくれる産婦人科はない。海外渡航して出産しなければならないのが現状よ。リスクが高く、流産もしやすい。後継が必要な我が家では、男のオメガとの婚姻は認めていないわ」
雄也のお母さんの言葉にぱちくりと目を瞬かせる。えっ、赤ちゃん産めるの?マジで?新たな情報に、驚きを隠せない。はぁ?!って声が出なかっただけ偉いと思う。
「アキラは、運命のつがいです。一般的なオメガの着床率より3倍着床しやすいという研究結果が出ています。そして、産婦人科ですがバース性の普及に伴い、男オメガ専用の産婦人科を作らないはずがない。男オメガの人権NPO団体に資金援助をしアキラが僕の子を孕むまでに男オメガの産婦人科を作らせます。」
「資金調達のアテはあるの?」
「……株を、少々…」
「はぁ?!!」
株?かぶってあれだよな。どうぶつの島のウリ坊から買うやつじゃなくて、リアルの株??!いや子供が株買ってていいのか?まず、買えるのか?
「叔父さんの名義で、売り買いをしてて…。蓄えはあります。」
「……他に問い詰めないといけないことは増えたけど…。あなたはちゃんとアキラくんを大事に思っているのね。」
「アキラくんは、どうだい?雄也に丸め込まれて番になってしまったことを後悔してないかい?」
そうやって俺を見つめるのは、雄也のお父さんだ。一企業の社長で、アルファで、とても忙しい人。その真剣な瞳は俺を心配する親心のような優しい視線でもあれば、見定め、評価するような視線でもあった。
「はぇ…。あの、その…。雄也の元気な赤ちゃん産めるように、頑張りますから、どうか、認めてください……。」
色々な問題発言が出て頭が混乱したが。なんとか、捻り出した。
裕也と、幸せになりたいのだと誠心誠意頭を下げる。
「はぁ、子供にはまだ早いと思ったんだが……。」
雄也のお父さんは雄也におめでとうと言葉をかけた。それって、それって!!
「お義父さん!ありがとうございます!!」
「気が早いよお嫁さん。」
こうして俺たちは、紆余曲折ありながらも番になり、婚約し、家族になった。
end
ちなみに道永先生はアルファ児童の管理不足で懲戒免職を食らい、塾講師として働くことになった。
あの後、俺は無理やりオメガになった反動か、トイレの中で気絶してしまった。雄也は俺が死んだかと焦って道永先生のところへと連れて行ったらしい。
目が覚めたら、双方の親が来て、大惨事だった。
「アキラ!やったじゃない。雄也くんなら安心して任せられるわ!」
「オメガって大変だろう?ちゃんと、体調が悪くなったら、父さんと母さんに言うんだぞ」
ベッドに座る俺の背中を叩いてがははと笑う母、心配そうに見つめる父それはまだいい。問題は雄也の親だった。
「雄也、どうして男のオメガを番にしたのか説明なさい。」
パンツスーツの雄也のお母さんが、雄也を正座させ詰めていた。
「僕がアキラのことを好きで、アキラが僕のことを好きだからです。それ以外に理由はありません。」
雄也は怯むことなくお母さんに果敢に言い返している。だが雄也のお母さんの顔は険しい。俺といえば、雄也の言葉に顔を赤らめ雄也のお母さんの態度に顔を青ざめた。雄也のお母さんは、俺と雄也が友達の頃から、俺のことをあまりよく思ってなかった。気に食わないガキが可愛い息子の番になったなんて、彼女には受け入れがたいのだろう。
「男のオメガの着床率は、女のオメガより低い。そして日本では男オメガを受け入れてくれる産婦人科はない。海外渡航して出産しなければならないのが現状よ。リスクが高く、流産もしやすい。後継が必要な我が家では、男のオメガとの婚姻は認めていないわ」
雄也のお母さんの言葉にぱちくりと目を瞬かせる。えっ、赤ちゃん産めるの?マジで?新たな情報に、驚きを隠せない。はぁ?!って声が出なかっただけ偉いと思う。
「アキラは、運命のつがいです。一般的なオメガの着床率より3倍着床しやすいという研究結果が出ています。そして、産婦人科ですがバース性の普及に伴い、男オメガ専用の産婦人科を作らないはずがない。男オメガの人権NPO団体に資金援助をしアキラが僕の子を孕むまでに男オメガの産婦人科を作らせます。」
「資金調達のアテはあるの?」
「……株を、少々…」
「はぁ?!!」
株?かぶってあれだよな。どうぶつの島のウリ坊から買うやつじゃなくて、リアルの株??!いや子供が株買ってていいのか?まず、買えるのか?
「叔父さんの名義で、売り買いをしてて…。蓄えはあります。」
「……他に問い詰めないといけないことは増えたけど…。あなたはちゃんとアキラくんを大事に思っているのね。」
「アキラくんは、どうだい?雄也に丸め込まれて番になってしまったことを後悔してないかい?」
そうやって俺を見つめるのは、雄也のお父さんだ。一企業の社長で、アルファで、とても忙しい人。その真剣な瞳は俺を心配する親心のような優しい視線でもあれば、見定め、評価するような視線でもあった。
「はぇ…。あの、その…。雄也の元気な赤ちゃん産めるように、頑張りますから、どうか、認めてください……。」
色々な問題発言が出て頭が混乱したが。なんとか、捻り出した。
裕也と、幸せになりたいのだと誠心誠意頭を下げる。
「はぁ、子供にはまだ早いと思ったんだが……。」
雄也のお父さんは雄也におめでとうと言葉をかけた。それって、それって!!
「お義父さん!ありがとうございます!!」
「気が早いよお嫁さん。」
こうして俺たちは、紆余曲折ありながらも番になり、婚約し、家族になった。
end
ちなみに道永先生はアルファ児童の管理不足で懲戒免職を食らい、塾講師として働くことになった。
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