オメガバース全集

ひやむつおぼろ

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オメガバース 無知 ギャグ 幼なじみ 執着

「えっ!男らしい高タンパク質の取り方を教えてくれるのか?!」2

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 約束の日、月曜日。短縮授業の四時間目が終わり、給食を食べ、帰りの会が終わる。俺はワクワクしながらトイレの個室に向かった。アルファになるとかもう二の次三の次だ。雄也と会える放課後だぞ?今日は一日中ソワソワしっぱなしだ。

 コンコンとノックが聴こえてガチャっと鍵を開ける。

「アキラ、待たせた?」

「ううん。今きたところ。」

 どっか教室借りるのかなと思ってトイレの個室から出ようとすると、雄也に止められる。

「今日話す事、秘密の話なんだ。教室に誰か入ってきたり、聞かれたりしたらあんまり良くなくて。ここのトイレは誰も使わないとこだから秘密にはうってつけでしょ?」

「そっか!雄也頭いいな!」

 秘密の話。俺だけに教えてくれる、秘密の話なんだ…。俺の為に、調べてくれたんだ…そう思うと悪い気はしないというか…。死ぬほど嬉しい!

 雄也に押し込まれ、個室に入る。今日は前と違って俺が便座の上に座った。

「それで、アルファになれる方法見つかったのか?」

「それがね、バース性転移って方法があるんだって。決められてたバース性を他のアルファのフェロモンでねじ曲げるんだ」

「ほう、なるほど…」

 うん、全くわからない。アルファってフェロモン?があるの?フェロモンって何?

「つまり、アルファの精子を飲むといいらしい。」

 真剣な顔つきで、雄也が言い放つ。せいし。生死?製紙?まって、頭の中で変換ができない。なんて?

「……精子?」

「うん、精子」

「チンコから出るやつ?」

「そ…うだね」

 精子。

「飲むの?てかあれって飲めるもんなの?」

「従兄弟が持ってたAVのお姉さんは飲んでたよ」

 情報量が多いわ!雄也ってAV見たことあんの?!いきなりの発言に驚いて、口からふぇぇってか細い声が出た。幼馴染みが、知らぬ間に遠いところへ行ってしまった……。走馬灯が駆け巡る。一緒に風呂に入ったこと、キャンプしたこと、海に行ったこと、サッカーの練習にいっつも付き合ってくれたこと…輝かしい日々…。

「アキラ。アキラ!おーい」

「はっごめん。なんだっけ。」

「アルファの精子、貰うあてあるの?」

「精子……」

 また精子って言った!俺は頭の中でさめざめと泣いた。(ちなみに後日『性的に意識していなかった相手から性的なアプローチを受けることをぬいぐるみペニスショックと言う』というネット記事を見て俺は激しく同意した。)

 それでなんだって?アルファの精子をくれる人がいるかだって?いるわけないじゃん!!先生たちがこの学年アルファは十人ぐらいいて、豊作って話してるけど、アルファの知り合いは雄也と馬場しかいない。それに馬場には好きな子がいるんだ。浮気みたいなことはさせられない。

「雄也ゴメン」

「は!?あてがあるの?!知り合いにアルファのヤリチンいるの?!目を話した隙にアキラが不良に!」

「なんでやねん?!雄也が調べてくれたのに俺は実践できないから、無駄にしちゃったねって話だけど?!」

 またヤリチンなんて俗な言葉覚えて!お母さん悲しい!脳内の俺はエプロンを着てコスプレしながら雄也をなじった。

「諦めなくていいじゃん。僕もアルファだよ?」

「えっ……」

 雄也がずいっと顔を近づけてくる。うっ、イケメンの顔の圧が凄まじい!こっちにその気は全くないのに胸がドキドキする。細いサラサラの髪が俺の鼻の近くで揺れて、ふわっと雄也の匂いが香る。ぱっちりとした目、整った鼻筋、薄い唇。

「ねっ、試すだけ……やってみない?」

 雄也に手を掴まれさらに顔の熱が上がる。

「は、はい」

 気づけば俺はか細く頷いていた。

ーーーーー~

次回からエロ(非挿入)ですの。


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