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捌、瑯炎は謀をする。
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勝手知ったるなんとやら、で瑯炎は蘭秀の部屋にたどり着き、訪いを告げた。
それを慌てた様子で禿達が扉を開いていくのを焦れったそうに入室する。
奥では化粧台に向かって髪を禿に梳かせていた蘭秀がしどけない姿で椅子に腰かけていた。
「蘭秀、いきなりですまんが莱玲を呼んでくれないか」
声を掛けると鏡越しに様子を見ていた蘭秀がゆっくりと瑯炎を向いて立ち上がる。
礼記も入室し、禿が扉を閉めた。
「なんですの、いきなり」
事前に訪問の連絡も妓楼からの連絡もないままに入室してきたことに不快感はあるだろうが、そこは流石に太夫位にある花魁と言ったところか。
まだ化粧すらしていないが、秀麗な美貌に微笑みを湛えている。
但し、その瞳は非常に冷たい。
「昨日、媚薬を盛られたらしくてな。ちと効きが良すぎるようで、見てられん」
蘭秀はふうん、とその白く細い指を顎に当てて瑯炎を見る。
「なるほど。では抜かせた方がよろしいでしょうね」
すぐさま禿に命じて走らせる。
「基本的に妓楼で使う香油などにはお客様のご要望でそう言った媚薬を用いることはございます。たまにいらっしゃるのです、こういうお薬に過敏に反応なさる方が」
「俺もこういう潤滑剤と併用する道具は作りはするが、基本的に調合とやらは門外漢だ。だが、莱玲は詳しいだろう?」
それに、と瑯炎は続ける。
「人手なら頼もしい奴を連れてきてるからな」
ぐい、と瑯炎は顎で指し示すと礼記が頷いた。
「何なりと手伝わさせて頂こう」
そう言ったところで、扉が開き莱玲が入室してきた。
「朝っぱらからなんなの?蘭秀」
そう言いながら、まだ解き放ったままの髪を気だるげに掻きあげ、寝衣代わりの単衣の上に派手な紋様をちりばめた浴衣を羽織って莱玲は言い放った。
「おはようございます、莱玲。昨夜のお客様がお出でですので、禿を走らせました」
蘭秀はこの花街きっての花魁で、最高位に当たる太夫だ。
下位に当たる莱玲には頭すら下げることはない。
同輩であればいがみ合いの原因になるであろう、大事な睡眠時間を禿によって叩き起こされても莱玲には文句すら言えないのである。
莱玲は欠伸をひとつして、まだ眠り足りないのかぼんやりと周りを見回すと、ようやく蘭秀の周りにいる新造や禿たちとは違うがっちりした体格の人間に気づいたようだ。
「昨日の、って。瑯炎様、おはようございます」
莱玲は瑯炎を目にした途端、優雅に腰を折って挨拶をした。
「莱玲。昨日、こいつにどれを使ったんだ? 」
あいさつもそこそこに瑯炎は莱玲にずかずかと歩み寄って腕に抱えた漣華の顔が見えるように優しく顔が隠れるように掛けた敷き布優しく外して見せた。
「昨日?昨日って、ああ。この方ですか。瑯炎様あの後お楽しみになったのかと思ってましたのに」
ふふ、と妖艶に嗤う莱玲を恨めしそうに見て瑯炎は答える。
「仕方ないだろう、大口の注文が入ったんだ、そっちにかかりっきりだったから楽しむひますらなかった。ところでお前、いつもの調合とは変えたか? 」
ここで聞くいつもの、とは昨夜莱玲が按摩で使った香油である。
その香油の中に含まれるものの配合を変えたのか、という事であった。
「いいえ?あれは極弱い調合のもので、刺激の少ない配合のものです。それが? 」
ん?と小首を傾げる莱玲に瑯炎は困ったように答えた。
「それならそう効果が長引くってこともないはずだよな。こいつ、今朝がたからずっとこうなんだよ」
瑯炎が抱きかかえた漣華の背をするりと撫でると、鼻に掛かったような甘えたような淫を含んだ声を腕の中の佳人は堪えきれずに漏らした。
「あらあら……。お薬の類は余り飲んだことがないんでしょうか」
「こいつは割と丈夫な性質のようでな、真冬に水浴びをしてるとこを見つけたことがあったんだが、その後風邪ひとつ引かなかったんだ。だから、多分薬ってウチで扱う薬剤以外は見たことないだろうし飲んだことも塗ったこともないだろうな」
その言葉に全員が呆れた。
薬は服用することで、言い方は悪いが身体が『慣れる』のだ。
だから、通常は医師がその『慣れ』を加味して、患者に合わせて調合する。
それで目標の効果を発揮させるのだ。
「それは……効きすぎますわね」
「ですねぇ。これはわかりようがありませんわ」
そう言って眉を顰めて、妓女と陰間はそろって片手を頬に当てて優雅に小首を傾げる。
その仕草にも艶めかしさが宿り、瑯炎と礼記に内心流石だなと思わせた。
「まあ、だからこうなったと言えるわけだ。莱玲の言う通りであれば、ここで一番効きの弱いものを服用してここまで効いちまってる。抜かなきゃどうしようもないわけだが」
瑯炎の言葉に莱玲は困ったような声を出した。
「一番効き目が弱いモノなんざ、体温がちょっと上がって何となくふわふわするのでおしまいでしょうに!解毒する暇もなくちゃっちゃとお小水で普通は出て行っちまいますよ!」
明け透けな物言いに蘭秀は眉を顰めるが、瑯炎は気にした様子もない。
「お前の言う通りなら、確かにな。効きすぎるってのも弱ったもんだ」
そう言うと、誰彼となく溜息をつく。
「衝動と欲だけが溜まってるのなら、ヌイて差し上げねばおツラいだけですわね。莱玲」
蘭秀はそう言って莱玲に視線をやった。
「わかってますよ、大姐さま 。こっから先はあちきがつとめましょう、きっちりヌイてすっきりさせて差し上げます」
莱玲はそう言って胸に手をやった。
その豊満な寝衣からはちきれんばかりの見事な乳房を見ながら、瑯炎はかぶりを振る。
「それなんだが、俺がやってやりたい」
「え?」
「瑯炎様が?」
瑯炎の言葉に、この花街で妍を競う二人は目を見開いた。
そして、礼記は眉をしかめる。
「瑯炎どの、それは」
「これは譲らんぞ、礼記どの。これは俺が見つけて、育てたものだ。ここまで随分と待ったからな」
「ならば、何のために」
「俺だけでは足りるかどうかわからん。そのための、保険だな」
そう言うと瑯炎は蘭秀に寝室を用意するように言い、蘭秀は禿に慌てて案内を言いつけた。
その背を恨みがましく見る莱玲は内心苦笑しながらも礼記に共に付いていくように促す。
「だが」
礼記は悔しそうに手を握りこんで拳を作る。
それを微苦笑を浮かべながら、やんわりとほっそりとした手で包み込んでほどいてゆく。
「瑯炎さまは随分とお人が悪うございます。ですけれど、漣華さまに対しては過保護でもいらっしゃるご様子、実際あの手の薬はどこまで効き目が続くかわからないものでもあるので、最初はご自分でなさるのでしょうけれど、その後は礼記さまにお任せになるおつもりでいらっしゃるんだと思いますわ」
そうしてにっこりと花開くように艶笑って見せた。
「それで足りなければ、あちきが楽しませて差し上げますわ」
そう言いつつ、礼記の股間に手をやってするり、と撫で上げてさらにやわやわと揉みこむようにすると、礼記の雄は緩やかに勃ちあがり始めた。
「……っく」
「一度、ヌキましょうか?」
莱玲が更に擦る手を軽く強め、自らの豊満な胸を礼記に押し付ける。
だが、礼記は莱玲の肩を掴んでそっと押しのけると、瑯炎の後を追った。
それを見て莱玲はひとりごちる。
「純情だねえ」
それも嫌いじゃない、とそっと呟くがそれは陽の光を柔らかに遮る幕の間に落ちる薄闇に溶けていった。
それを慌てた様子で禿達が扉を開いていくのを焦れったそうに入室する。
奥では化粧台に向かって髪を禿に梳かせていた蘭秀がしどけない姿で椅子に腰かけていた。
「蘭秀、いきなりですまんが莱玲を呼んでくれないか」
声を掛けると鏡越しに様子を見ていた蘭秀がゆっくりと瑯炎を向いて立ち上がる。
礼記も入室し、禿が扉を閉めた。
「なんですの、いきなり」
事前に訪問の連絡も妓楼からの連絡もないままに入室してきたことに不快感はあるだろうが、そこは流石に太夫位にある花魁と言ったところか。
まだ化粧すらしていないが、秀麗な美貌に微笑みを湛えている。
但し、その瞳は非常に冷たい。
「昨日、媚薬を盛られたらしくてな。ちと効きが良すぎるようで、見てられん」
蘭秀はふうん、とその白く細い指を顎に当てて瑯炎を見る。
「なるほど。では抜かせた方がよろしいでしょうね」
すぐさま禿に命じて走らせる。
「基本的に妓楼で使う香油などにはお客様のご要望でそう言った媚薬を用いることはございます。たまにいらっしゃるのです、こういうお薬に過敏に反応なさる方が」
「俺もこういう潤滑剤と併用する道具は作りはするが、基本的に調合とやらは門外漢だ。だが、莱玲は詳しいだろう?」
それに、と瑯炎は続ける。
「人手なら頼もしい奴を連れてきてるからな」
ぐい、と瑯炎は顎で指し示すと礼記が頷いた。
「何なりと手伝わさせて頂こう」
そう言ったところで、扉が開き莱玲が入室してきた。
「朝っぱらからなんなの?蘭秀」
そう言いながら、まだ解き放ったままの髪を気だるげに掻きあげ、寝衣代わりの単衣の上に派手な紋様をちりばめた浴衣を羽織って莱玲は言い放った。
「おはようございます、莱玲。昨夜のお客様がお出でですので、禿を走らせました」
蘭秀はこの花街きっての花魁で、最高位に当たる太夫だ。
下位に当たる莱玲には頭すら下げることはない。
同輩であればいがみ合いの原因になるであろう、大事な睡眠時間を禿によって叩き起こされても莱玲には文句すら言えないのである。
莱玲は欠伸をひとつして、まだ眠り足りないのかぼんやりと周りを見回すと、ようやく蘭秀の周りにいる新造や禿たちとは違うがっちりした体格の人間に気づいたようだ。
「昨日の、って。瑯炎様、おはようございます」
莱玲は瑯炎を目にした途端、優雅に腰を折って挨拶をした。
「莱玲。昨日、こいつにどれを使ったんだ? 」
あいさつもそこそこに瑯炎は莱玲にずかずかと歩み寄って腕に抱えた漣華の顔が見えるように優しく顔が隠れるように掛けた敷き布優しく外して見せた。
「昨日?昨日って、ああ。この方ですか。瑯炎様あの後お楽しみになったのかと思ってましたのに」
ふふ、と妖艶に嗤う莱玲を恨めしそうに見て瑯炎は答える。
「仕方ないだろう、大口の注文が入ったんだ、そっちにかかりっきりだったから楽しむひますらなかった。ところでお前、いつもの調合とは変えたか? 」
ここで聞くいつもの、とは昨夜莱玲が按摩で使った香油である。
その香油の中に含まれるものの配合を変えたのか、という事であった。
「いいえ?あれは極弱い調合のもので、刺激の少ない配合のものです。それが? 」
ん?と小首を傾げる莱玲に瑯炎は困ったように答えた。
「それならそう効果が長引くってこともないはずだよな。こいつ、今朝がたからずっとこうなんだよ」
瑯炎が抱きかかえた漣華の背をするりと撫でると、鼻に掛かったような甘えたような淫を含んだ声を腕の中の佳人は堪えきれずに漏らした。
「あらあら……。お薬の類は余り飲んだことがないんでしょうか」
「こいつは割と丈夫な性質のようでな、真冬に水浴びをしてるとこを見つけたことがあったんだが、その後風邪ひとつ引かなかったんだ。だから、多分薬ってウチで扱う薬剤以外は見たことないだろうし飲んだことも塗ったこともないだろうな」
その言葉に全員が呆れた。
薬は服用することで、言い方は悪いが身体が『慣れる』のだ。
だから、通常は医師がその『慣れ』を加味して、患者に合わせて調合する。
それで目標の効果を発揮させるのだ。
「それは……効きすぎますわね」
「ですねぇ。これはわかりようがありませんわ」
そう言って眉を顰めて、妓女と陰間はそろって片手を頬に当てて優雅に小首を傾げる。
その仕草にも艶めかしさが宿り、瑯炎と礼記に内心流石だなと思わせた。
「まあ、だからこうなったと言えるわけだ。莱玲の言う通りであれば、ここで一番効きの弱いものを服用してここまで効いちまってる。抜かなきゃどうしようもないわけだが」
瑯炎の言葉に莱玲は困ったような声を出した。
「一番効き目が弱いモノなんざ、体温がちょっと上がって何となくふわふわするのでおしまいでしょうに!解毒する暇もなくちゃっちゃとお小水で普通は出て行っちまいますよ!」
明け透けな物言いに蘭秀は眉を顰めるが、瑯炎は気にした様子もない。
「お前の言う通りなら、確かにな。効きすぎるってのも弱ったもんだ」
そう言うと、誰彼となく溜息をつく。
「衝動と欲だけが溜まってるのなら、ヌイて差し上げねばおツラいだけですわね。莱玲」
蘭秀はそう言って莱玲に視線をやった。
「わかってますよ、大姐さま 。こっから先はあちきがつとめましょう、きっちりヌイてすっきりさせて差し上げます」
莱玲はそう言って胸に手をやった。
その豊満な寝衣からはちきれんばかりの見事な乳房を見ながら、瑯炎はかぶりを振る。
「それなんだが、俺がやってやりたい」
「え?」
「瑯炎様が?」
瑯炎の言葉に、この花街で妍を競う二人は目を見開いた。
そして、礼記は眉をしかめる。
「瑯炎どの、それは」
「これは譲らんぞ、礼記どの。これは俺が見つけて、育てたものだ。ここまで随分と待ったからな」
「ならば、何のために」
「俺だけでは足りるかどうかわからん。そのための、保険だな」
そう言うと瑯炎は蘭秀に寝室を用意するように言い、蘭秀は禿に慌てて案内を言いつけた。
その背を恨みがましく見る莱玲は内心苦笑しながらも礼記に共に付いていくように促す。
「だが」
礼記は悔しそうに手を握りこんで拳を作る。
それを微苦笑を浮かべながら、やんわりとほっそりとした手で包み込んでほどいてゆく。
「瑯炎さまは随分とお人が悪うございます。ですけれど、漣華さまに対しては過保護でもいらっしゃるご様子、実際あの手の薬はどこまで効き目が続くかわからないものでもあるので、最初はご自分でなさるのでしょうけれど、その後は礼記さまにお任せになるおつもりでいらっしゃるんだと思いますわ」
そうしてにっこりと花開くように艶笑って見せた。
「それで足りなければ、あちきが楽しませて差し上げますわ」
そう言いつつ、礼記の股間に手をやってするり、と撫で上げてさらにやわやわと揉みこむようにすると、礼記の雄は緩やかに勃ちあがり始めた。
「……っく」
「一度、ヌキましょうか?」
莱玲が更に擦る手を軽く強め、自らの豊満な胸を礼記に押し付ける。
だが、礼記は莱玲の肩を掴んでそっと押しのけると、瑯炎の後を追った。
それを見て莱玲はひとりごちる。
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