ばるばすばう

茶盾虫

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あの鐘を鳴らすのは・・・ハナ~タ~!!

痴話喧嘩は犬も喰わねど高楊枝

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ウインクセールにあるフレイムカールまでの転移魔法陣の前にガイン王、その護衛としてノイン右方将軍、そしてティファニール王女がいた。

「さて・・・今更だが反対派としてレイメスに向かうか・・・」

「なんだ貴様、まだ未練があるのか?」

「叔母様、行く前に喧嘩しないで下さい」

「ティファニール、貴様もなんでそのままレオンを捕まえていなかった?」

「う!・・・それは・・・」

「全く!詰めが甘いのは誰に似たのだ?」

「言ってやるなノイン・・・」

ちょっと作者も驚いてるんだけど?
え?ノインさん、ティファニール王女の叔母!?

「五月蝿い!バカ弟子、貴様に似たのだ!!」

ノインの後にガイン、ティファニールと続き、転移魔法陣の中に入り、フレイムカールに転移した。
フレイムカールに転移すると、魔法陣の前にシリウス女王とベルキス宰相が立っていた。

「こっ、これは女王陛下、宰相閣下!!」

ガインは護衛無しで立っていたシリウス女王に頭を下げた。
シリウス達はガインを無視し、同じく現れたティファニールの元に向かった。

「貴女が、レオン・フレイム=ドゥーバの純潔を汚した馬の骨王女ね!?」

「え?」

初めて会ったシリウス女王に罵倒され、訳が分からないティファニールは怒りが先に込み上げて来た。

「ぶっ、無礼な!例え龍人族が地位が高くとも、王族は対等、初見で馬の骨呼ばわれとは!!」

「貴女が、レン君と寝たビッチ王女かと聞いているの!!」

今度はベルキス宰相に言われた。

「無礼です!フレイムカールは初対面のしかも王族に対してなんたる言い方ですか!!」

ティファニールは激怒したが、ふと思った。

レン君?
レオン・フレイム=ドゥーバ?

ふと我に返って考えた。

「・・・誰方で?」

それを聞き、シリウスが怒り出した。

「レオン!龍人族のレオンよ!!黒髪糸目平た・・・は禁句だったわね・・・じゃ無くて、レオンよ!!」

黒髪糸目平たい顔で龍人族、名前がレオンと言えばウインクセールの左方将軍、レオンしか居なかった。
それを聞いてティファニールは赤面になった。

「・・・レオン様と私が関係を持ってもフレイムカールには何も関係ない筈です!!」

「「大有りなの!!彼はフレイムカールの勇者なんだから!!」」

それを聞いて後から転移して来ていたハンニガルがすかさず悪知恵を働かせた。

「我が国の左方将軍、レオン・セール=グレイド閣下はウインクセールの勇者にて姫と婚儀を果たした方!フレイムカールはレオン将軍を自らの利益として利用しようと言われますか!?」

「ハンニガル!?そうか!!その手があったか!?レオンを勇者に!?」

「!?そ!そうた!女王並びに宰相、我が両翼の将軍、レオン・セール=グレイドは我が弟の義理の息子にて、姪の夫である!さらに我が国の勇者でもある!!」

ガイン王とノインが声を合わせシリウス達に突っかかった。

「なんて身勝手な事を!彼は先日私達と女神に婚儀を誓ったのよ?それに彼は龍皇の息子なのよ!?解るでしょ!?例え王女でも身分が違うのよ!!」

「それはフレイムカールの法律!我等ウインクセールでは愛に身分差など・・・りゅ、龍皇の息子だと!?」

ガインは龍皇の息子それを聞いて黙ってしまった。

「・・・ならばあの出鱈目な強さは理解しうる・・・」

「お?お父様?」

ガインが悩む中、ハンニガルがベルキスに聞いた。

「しかし?何時、左方将軍はシリウス、ベルキス様方と面識を?我等ウインクセールはレオン将軍が7つになる際・・・あの頃から間施ておいででしたが・・・龍人の成人たる儀は13の月、まだかなり月はございますし、例え龍皇の子とて、登城は許可されてはおられますまい?」

「そ、それに、ローナと言う侍女が伽の相手をしてると言っておったぞ?」

「な?だから!ローナはティファニー・・・」

ベルキスが言おうとしたが、シリウスに止められた。

「(ママ、ダメ!ボロが出そう・・・)」

「うっ・・・そうね・・・」

ローナとティファニールは同一人物である事は大天使リュカから聞いていたが、それを遥か彼方のフレイムカールが知っている事事態がウインクセールにはフレイムカールは敵意有りと勘違いされる可能性がある。ローナ=ティファニールはウインクセールがレオンを将軍として置いておくためのウインクセールの策であり、内情をしる者は国の極限られた者達だけ。
その内情を知っている事事態がおかしい話である。
フレイムカールの使者から王族到着を知らされ、それにティファニールが同行していると知らされ、居ても立っても居られず、感情のまま、2人は行動してしまっていた。
ティファニールとレオンとの情事を知っているのはフレイムカールから内偵や、暗部がウインクセールに入っていると見なされ、下手すると内乱にまで発展する。
と、シリウスの【先見の瞳】で見えてしまった。
さらにベルキスの【運命の歯車】にも同じ結果が出てしまっていた。

(・・・なんとか誤魔化せないかしら?)

(なんとかなるかも・・・)

フレイムカールには13ヶ国に繋がる転移魔方陣が巨大なドーム状の建物の中にあり、サイラスの転移門が作動し、サイラス王族が到着した。

「これはフレイムカール女王、お迎え・・・」

サイラス王はシリウス、ベルキスがウインクセール王族に対して只ならぬ雰囲気を出していたのがわかった。

「(両国は仲が悪かったか?)」

サイラス王が悩む中、その後ろから幼女が煌びやかな鎧を纏い立っていた。

「おお!?ザルム!!久しいな?・・・その娘がもしかして勇者か?」

口を開いたのはガインであった。

「おお、ガイン。これに居るわ娘、勇者、マイラだ」

サイラス王、ザルム=ルートバイトがサイラスの召喚した勇者を自慢する。

各国々の魔方陣が作動し、各国王族とその勇者が共に現れ、ドーム内は所狭し状態となった。

「・・・埒が明かないわね。ティファニール王女、可の件は後程、レイメスで話し合いしましょう?」

シリウスは上手くその場を離れる事が出来る事案となり、各国々の王族はレイメスの転移魔法陣へと向かうのであった。

***************

「・・・なんか、大変な事になった?」

「・・・見たいね?」

レイメス王立学園から王女出迎え用の馬車内で、リュカ特製念話でシリウス達と繋がっていたマリオン達。

理事長が城に向かい、レイメスの召喚勇者である蘭華が、魔法陣事故により学園に召喚されたから迎えに来い。と、城から馬車を寄越し、マリオン達の馬車の後ろには蘭華の乗る馬車が続いて来ていた。

「各国の勇者も一緒に同行して来るのね?」

「リュカ様、レオン君に『1人だけ助けろ』ってシュプルナ様から言われたそうだし・・・」

「蘭華さんだろうなぁ・・・」

「だよねぇ・・・」

前世の記憶から、その助ける勇者が蘭華である事は確信している。グラナーク時代、周りに居なかったタイプの女性。
そのまま蘭華を助けて、尚且つ自分の奥さんに迎えちゃうんだろう・・・と、マリオン、アリシアの2人は念話には言わずに溜息交じりに話していた。

馬車は城門を抜け、城内へと入って行った。


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