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29.告白
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***
王城のダンスホールの音がすっかり遠ざかり、聞こえてくるのは梟の鳴き声くらいで。
私は月明かりだけを頼りに、お兄様の後をついて歩いている。
お兄様は迷いない足取りで庭園の奥へと進んでいるから、恐らく王宮内の地図を把握しているようだ。
(ちょうどこの先には、今は使われていない物置小屋があるわ。もしかして、そこで私を殺すつもりなのかしら?)
お兄様から逃げられるとは微塵も思っていないから、逃げる手段なんて全く考えていない。
今逃げたところで、お兄様はどこまでも追いかけて来て、私を殺すだろう。
自分の最期を漠然と想像しながら、前を歩くお兄様の背中をじっと見つめた。
(こうしてお兄様の後ろをついて歩くのは久しぶりね。暗殺者の育成機関に入る前以来だわ)
お兄様は決して振り向いてくれなかったから、私は必死で足を動かしてついて行った。
今は普通の速度で歩いても彼の歩幅について行けるけれど、身長の差は埋まっていない。
(心の距離に関しては、むしろ後退しているわね)
長い年月をかけて、殺すためだけに私を探し出していたのだから、どうしようもなく嫌われているに違いない。
私にどんな恨みがあるのか、冥土の土産として聞いても許されるだろうか。
そのようなことを考えながら惰性で足を動かしていると、お兄様が立ち止まった。
予想していた通り、古びた物置小屋の前まで来ていた。
「お兄様、どうやってこの場所を知ったのですか? まさか、使節団を送り込む前に王宮に潜り込んでいたのですか?」
「いいや、私は外交官補佐という名目で使節団と一緒に来た。この場所はお砂糖ちゃんからの情報だ」
「……はい?」
予想外の人物の名前を聞いて固まる私を、お兄様の冷たい銀色の瞳が射抜く。
いつもならその視線を恐ろしく思っていたのに、お砂糖ちゃんのおかげで怖さが半減した。
おかげで久しぶりに、お兄様の顔をまじまじと見た。
「お砂糖ちゃんとはよく名付けたものだな。あだ名の通り、考えも詰めも甘い子どもだ」
「まさか……お砂糖ちゃんと共謀しているのですか?」
「そうだな。あの少女がお前への恨みつらみを零しているのを聞いたから、話を持ちかけた」
「生垣に隠れていたあの男性たちはお砂糖ちゃんの差し金ですか?」
「おおよそ、あの者たちにお前の誘拐を指示したのだろう。ここにお前を連れてくるという約束を交わしたからな」
「……異国からきた見知らぬ大人の提案に乗るだけではなく人攫いを雇うとは、浅慮にもほどがあります」
今頃ラファエルが妃殿下のもとに到着して、あの男性たちを見つけるだろう。
警備隊が取り調べをすれば、彼らがお砂糖ちゃんに雇われていることくらいすぐにわかる。
(妃殿下を撒き込んでしまったのだから重罪は免れないわ)
早ければ今夜にでも陛下がお砂糖ちゃんとその一族を捕らえて処罰を下すだろう。
妃殿下の襲撃と、その侍女――私を殺害した罪を償わせるために。
(もう私の捜索が始まっているかもしれないわね)
ラファエルはきっと、私を探しに来てくれるだろう。
そうとなれば、彼がここに来るのも時間の問題だ。
ラファエルとお兄様を鉢合わせさせるわけにはいかない。
私は心の中に残っている未練に目を背いて、お兄様に声をかけた。
「お兄様、私を処分するならさっさとしてください」
「……死に急いでいる理由は?」
「もうすぐ、妃殿下から事情を聴いた私の相棒が捜査を始めるでしょう。もしかしたらすぐにここを探しに来るかもしれません。彼を巻き込みたくないんです」
「相棒か……。お前はそんなものを心配をするようになったのだな」
お兄様は小屋に寄りかかると、腕を組んでしまった。
気まぐれな死神は私の願いを聞くつもりがないのだろうか。
こうしている間にもラファエルが来てしまうのではないかと、焦燥に駆られる。
お兄様は顎に手を添え、悠長に考えに耽り始めた。
「今の名前はロミルダ・ブラン……か。新しい名前と新しい家族を得た気分はどうだ?」
「ベルファス王国にいた頃と変わりませんでした。私は自分の居場所を失わないために、与えられた任務を完璧に遂行することだけを考えていました。でも、それは最近までの話です」
私は首元に手で触れ、首飾りがあった場所を撫でる。
「最近は訳あって、毎日顔を合わせる人ができたんです。彼と一緒にいたおかげで、今まで感じたことのない感情を知りました」
「今まで感じたことのない感情……?」
そう聞き返したお兄様が、微かに顔を顰めた。
殺気が強くなり、その気迫に呑まれそうになるのを堪える。
「お前と恋人だと噂が流れている、ラファエル・バルヒェットのことか?」
「彼についても調べていたのですね。……ええ、そうです」
「あの者は本当にお前の恋人なのか?」
「……そうであれば、どれだけ良かったでしょう」
女性恐怖症のラファエルの、本当の恋人にはなれない。
私がいなくなると、ラファエルはまた女性に追いかけられるようになるから、新しい恋人役を探すのだろうか。
ラファエルが新しい恋人役と一緒にいる姿を想像してしまい、目頭が熱くなるのを感じた。
「その男に弄ばれていたのか?」
「いいえ、私たちは恋人の演技をしなければならなかったのです。だけど、いつの間にか私は……ラファエルを、本当に好きになってしまいました」
死を前にして、私はなぜ、お兄様にこのようなことを告げているのだろうか。
ラファエルにはできない告白をお兄様にしてしまうなんて。
滑稽な状況なのに、笑いよりも涙が出てくるから困る。
(涙が出る時は、どうやって止めたらいいのかしら?)
前に泣いたのはいつだったのだろうか。
久しく泣いていなかったせいで、止め方がわからなくてどうしようもない。
しかたがないから、他の話を振って気を紛らわせることにした。
「お兄様に聞きたいことがあります。どうして探し出してまで私を殺そうとするのですか? 他の者に任せて、私の亡骸を見ればいいだけでしょう?」
「それは――」
珍しく言いよどむお兄様が、ふと、私の背後を見て身構えた。
遅れて私も人の気配を背後に感じ取り、振り返る。
(――ああ、ラファエルが来てしまった)
馴染みのある気配に、聞き覚えのある足音に、近づいてくる人物の正体を悟る。
次第にラファエルの気配が強くなり、焦りが増す。
「お兄様、早く私を殺して、ここから立ち去ってください!」
いてもたってもいられず、お兄様を急かすと。
「お義兄さん! ロミルダを俺にください!」
目の前に現れたラファエルが、私の言葉に被せるように叫んだのだった。
王城のダンスホールの音がすっかり遠ざかり、聞こえてくるのは梟の鳴き声くらいで。
私は月明かりだけを頼りに、お兄様の後をついて歩いている。
お兄様は迷いない足取りで庭園の奥へと進んでいるから、恐らく王宮内の地図を把握しているようだ。
(ちょうどこの先には、今は使われていない物置小屋があるわ。もしかして、そこで私を殺すつもりなのかしら?)
お兄様から逃げられるとは微塵も思っていないから、逃げる手段なんて全く考えていない。
今逃げたところで、お兄様はどこまでも追いかけて来て、私を殺すだろう。
自分の最期を漠然と想像しながら、前を歩くお兄様の背中をじっと見つめた。
(こうしてお兄様の後ろをついて歩くのは久しぶりね。暗殺者の育成機関に入る前以来だわ)
お兄様は決して振り向いてくれなかったから、私は必死で足を動かしてついて行った。
今は普通の速度で歩いても彼の歩幅について行けるけれど、身長の差は埋まっていない。
(心の距離に関しては、むしろ後退しているわね)
長い年月をかけて、殺すためだけに私を探し出していたのだから、どうしようもなく嫌われているに違いない。
私にどんな恨みがあるのか、冥土の土産として聞いても許されるだろうか。
そのようなことを考えながら惰性で足を動かしていると、お兄様が立ち止まった。
予想していた通り、古びた物置小屋の前まで来ていた。
「お兄様、どうやってこの場所を知ったのですか? まさか、使節団を送り込む前に王宮に潜り込んでいたのですか?」
「いいや、私は外交官補佐という名目で使節団と一緒に来た。この場所はお砂糖ちゃんからの情報だ」
「……はい?」
予想外の人物の名前を聞いて固まる私を、お兄様の冷たい銀色の瞳が射抜く。
いつもならその視線を恐ろしく思っていたのに、お砂糖ちゃんのおかげで怖さが半減した。
おかげで久しぶりに、お兄様の顔をまじまじと見た。
「お砂糖ちゃんとはよく名付けたものだな。あだ名の通り、考えも詰めも甘い子どもだ」
「まさか……お砂糖ちゃんと共謀しているのですか?」
「そうだな。あの少女がお前への恨みつらみを零しているのを聞いたから、話を持ちかけた」
「生垣に隠れていたあの男性たちはお砂糖ちゃんの差し金ですか?」
「おおよそ、あの者たちにお前の誘拐を指示したのだろう。ここにお前を連れてくるという約束を交わしたからな」
「……異国からきた見知らぬ大人の提案に乗るだけではなく人攫いを雇うとは、浅慮にもほどがあります」
今頃ラファエルが妃殿下のもとに到着して、あの男性たちを見つけるだろう。
警備隊が取り調べをすれば、彼らがお砂糖ちゃんに雇われていることくらいすぐにわかる。
(妃殿下を撒き込んでしまったのだから重罪は免れないわ)
早ければ今夜にでも陛下がお砂糖ちゃんとその一族を捕らえて処罰を下すだろう。
妃殿下の襲撃と、その侍女――私を殺害した罪を償わせるために。
(もう私の捜索が始まっているかもしれないわね)
ラファエルはきっと、私を探しに来てくれるだろう。
そうとなれば、彼がここに来るのも時間の問題だ。
ラファエルとお兄様を鉢合わせさせるわけにはいかない。
私は心の中に残っている未練に目を背いて、お兄様に声をかけた。
「お兄様、私を処分するならさっさとしてください」
「……死に急いでいる理由は?」
「もうすぐ、妃殿下から事情を聴いた私の相棒が捜査を始めるでしょう。もしかしたらすぐにここを探しに来るかもしれません。彼を巻き込みたくないんです」
「相棒か……。お前はそんなものを心配をするようになったのだな」
お兄様は小屋に寄りかかると、腕を組んでしまった。
気まぐれな死神は私の願いを聞くつもりがないのだろうか。
こうしている間にもラファエルが来てしまうのではないかと、焦燥に駆られる。
お兄様は顎に手を添え、悠長に考えに耽り始めた。
「今の名前はロミルダ・ブラン……か。新しい名前と新しい家族を得た気分はどうだ?」
「ベルファス王国にいた頃と変わりませんでした。私は自分の居場所を失わないために、与えられた任務を完璧に遂行することだけを考えていました。でも、それは最近までの話です」
私は首元に手で触れ、首飾りがあった場所を撫でる。
「最近は訳あって、毎日顔を合わせる人ができたんです。彼と一緒にいたおかげで、今まで感じたことのない感情を知りました」
「今まで感じたことのない感情……?」
そう聞き返したお兄様が、微かに顔を顰めた。
殺気が強くなり、その気迫に呑まれそうになるのを堪える。
「お前と恋人だと噂が流れている、ラファエル・バルヒェットのことか?」
「彼についても調べていたのですね。……ええ、そうです」
「あの者は本当にお前の恋人なのか?」
「……そうであれば、どれだけ良かったでしょう」
女性恐怖症のラファエルの、本当の恋人にはなれない。
私がいなくなると、ラファエルはまた女性に追いかけられるようになるから、新しい恋人役を探すのだろうか。
ラファエルが新しい恋人役と一緒にいる姿を想像してしまい、目頭が熱くなるのを感じた。
「その男に弄ばれていたのか?」
「いいえ、私たちは恋人の演技をしなければならなかったのです。だけど、いつの間にか私は……ラファエルを、本当に好きになってしまいました」
死を前にして、私はなぜ、お兄様にこのようなことを告げているのだろうか。
ラファエルにはできない告白をお兄様にしてしまうなんて。
滑稽な状況なのに、笑いよりも涙が出てくるから困る。
(涙が出る時は、どうやって止めたらいいのかしら?)
前に泣いたのはいつだったのだろうか。
久しく泣いていなかったせいで、止め方がわからなくてどうしようもない。
しかたがないから、他の話を振って気を紛らわせることにした。
「お兄様に聞きたいことがあります。どうして探し出してまで私を殺そうとするのですか? 他の者に任せて、私の亡骸を見ればいいだけでしょう?」
「それは――」
珍しく言いよどむお兄様が、ふと、私の背後を見て身構えた。
遅れて私も人の気配を背後に感じ取り、振り返る。
(――ああ、ラファエルが来てしまった)
馴染みのある気配に、聞き覚えのある足音に、近づいてくる人物の正体を悟る。
次第にラファエルの気配が強くなり、焦りが増す。
「お兄様、早く私を殺して、ここから立ち去ってください!」
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