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プロローグ
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「これで終わりだ!!ダイナミックフレア!!」
燃え盛る魔王……ついに俺達勇者パーティーは3年の悲願である魔王討伐を達成した。
思えば3年は長いようで短い期間だった。俺が独りでただ魔物を狩る生活に終止符を決めてくれたのはこの勇者パーティーのリーダー勇者『アイズ・ユーステ』だ。当時俺は世界最強でありながらもどこのパーティーにも属さない………というよりかは俺の力が問題で強すぎるあまり俺以外のメンバーのレベルアップに繋がらないという理由があった。
それを知っていながらも笑顔で接してくれて俺に仲間というのを教えてくれたのがこのパーティーだ。
「なんか感傷に浸っているところ悪いなぁ」
「な!?」
足元を見ると勇者パーティーリーダーのアイズが使っている世界最高峰の剣『ビルス』とそっくりの刃が心臓を貫通していた。
ドロドロと垂れる血とクスクスと聞こえる笑い声、振り返るとそこには今まで見たことないくらいの腹黒い笑みを浮かべてビルスを突き刺しているアイズが居た。
「なっ!?お前一体どうして!!」
「ははは!!馬鹿だねぇお前は!鈍感にも程があるだろ!」
パーティーメンバーがクスクスと笑う中、状況が飲み込めずに混乱する俺。
「まぁ、お前はこの程度では死なないと分かっていたからこの俺様が鈍感なてめぇに囁かなプレゼントだ」
そう言ってアビスは映像魔法を行使し、一本の動画を映す。
あっ!そういう事か!俺はこの程度では死なないことを知ってるから刺して驚かして、サプライズプレゼントを渡そうっていう計画だな!?ったくビビらすなよ…刺したことは後でドヤしていやらないとな。
「…って!?」
アビスが流している動画はさっきの魔王との戦いの一部始終だ。しかしここで俺は不審な点を発見する。
さっきの戦いでは俺が前線で魔王と戦い一方的な展開で押し切っていた筈だが………この映像では前線に居るのはアビスで俺はその後ろでの援護。そして俺が与えたダメージはアビスが与えたように見える。これは一体……、?
「かーー!まだ分かんねぇかねぇ。世界最強の名が腐るぜ」
「?」
「要するにてめぇは俺らに利用されたってことだよ」
「は?」
なんだそれ……っていうか何となくそれは感じていた………けど認めたくなかった。俺に毎日の楽しみを教えてくれた大切な仲間がそんな風に思っているなんて認めたくなかった!!
「お前ら……信じていたのに!」
「知らねぇよバァカ!ちなみに国王もこの事を知っているのでよろしく」
「フフ……なんという滑稽な姿なのでしょう…」
「散々威張ってたからやっと憂さ晴らし!」
「俺らの活躍を奪った罪は重いぞ」
他のメンバーである聖女の『クレア・マンジューム』タンカーの『ユイト・クライム』双剣士の『アール・キラル』が心の中で抑えていた気持ちを吐き出し、心底気持ち良さそうにする。
「って言う訳。お前は元々俺達のメンバーじゃありませーん!!この映像ではお前は死んだことになってるから」
「グハッ!!」
「おおーキタキタ。さすがのお前でも限界だよな?感謝しろよ、世間にはお前は結局魔王には歯が立たず勇者の俺様しか倒せる人間は居なかったってことにしてやるから」
くそ………もう視界が霞む……………こんな最後は嫌だ!こいつらに復讐をしたい…ッ!
「覚えてろ………」
「ハッ!」
視界がもう真っ黒だ………ん?なんだか光が…!?
燃え盛る魔王……ついに俺達勇者パーティーは3年の悲願である魔王討伐を達成した。
思えば3年は長いようで短い期間だった。俺が独りでただ魔物を狩る生活に終止符を決めてくれたのはこの勇者パーティーのリーダー勇者『アイズ・ユーステ』だ。当時俺は世界最強でありながらもどこのパーティーにも属さない………というよりかは俺の力が問題で強すぎるあまり俺以外のメンバーのレベルアップに繋がらないという理由があった。
それを知っていながらも笑顔で接してくれて俺に仲間というのを教えてくれたのがこのパーティーだ。
「なんか感傷に浸っているところ悪いなぁ」
「な!?」
足元を見ると勇者パーティーリーダーのアイズが使っている世界最高峰の剣『ビルス』とそっくりの刃が心臓を貫通していた。
ドロドロと垂れる血とクスクスと聞こえる笑い声、振り返るとそこには今まで見たことないくらいの腹黒い笑みを浮かべてビルスを突き刺しているアイズが居た。
「なっ!?お前一体どうして!!」
「ははは!!馬鹿だねぇお前は!鈍感にも程があるだろ!」
パーティーメンバーがクスクスと笑う中、状況が飲み込めずに混乱する俺。
「まぁ、お前はこの程度では死なないと分かっていたからこの俺様が鈍感なてめぇに囁かなプレゼントだ」
そう言ってアビスは映像魔法を行使し、一本の動画を映す。
あっ!そういう事か!俺はこの程度では死なないことを知ってるから刺して驚かして、サプライズプレゼントを渡そうっていう計画だな!?ったくビビらすなよ…刺したことは後でドヤしていやらないとな。
「…って!?」
アビスが流している動画はさっきの魔王との戦いの一部始終だ。しかしここで俺は不審な点を発見する。
さっきの戦いでは俺が前線で魔王と戦い一方的な展開で押し切っていた筈だが………この映像では前線に居るのはアビスで俺はその後ろでの援護。そして俺が与えたダメージはアビスが与えたように見える。これは一体……、?
「かーー!まだ分かんねぇかねぇ。世界最強の名が腐るぜ」
「?」
「要するにてめぇは俺らに利用されたってことだよ」
「は?」
なんだそれ……っていうか何となくそれは感じていた………けど認めたくなかった。俺に毎日の楽しみを教えてくれた大切な仲間がそんな風に思っているなんて認めたくなかった!!
「お前ら……信じていたのに!」
「知らねぇよバァカ!ちなみに国王もこの事を知っているのでよろしく」
「フフ……なんという滑稽な姿なのでしょう…」
「散々威張ってたからやっと憂さ晴らし!」
「俺らの活躍を奪った罪は重いぞ」
他のメンバーである聖女の『クレア・マンジューム』タンカーの『ユイト・クライム』双剣士の『アール・キラル』が心の中で抑えていた気持ちを吐き出し、心底気持ち良さそうにする。
「って言う訳。お前は元々俺達のメンバーじゃありませーん!!この映像ではお前は死んだことになってるから」
「グハッ!!」
「おおーキタキタ。さすがのお前でも限界だよな?感謝しろよ、世間にはお前は結局魔王には歯が立たず勇者の俺様しか倒せる人間は居なかったってことにしてやるから」
くそ………もう視界が霞む……………こんな最後は嫌だ!こいつらに復讐をしたい…ッ!
「覚えてろ………」
「ハッ!」
視界がもう真っ黒だ………ん?なんだか光が…!?
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