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《No93》
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男とピンクさんと、ニアと私は小屋の外に出た。そして、開けた場所の中間まで、ニアは歩いて行く。私もその後を追って、立ち止まった。
ニアは、男の方へ振り向き言った。
「ここよ?この場所で召喚しないと、ドラゴンは出ないのよ。ほら、シロツメ草が一輪だけ咲いているでしょう?他には咲いていないのに…」
男は周りを見渡して、頷いていた。そしてニアは、魔術師様と約束した通りに言った。
「私達は簡単に、この場所では、ドラゴンを召喚出来るわ。貴方は、どうなのかしら?召喚出来るのか、見せて欲しいわ」
私も、煽るようにニアに言った。
「ニア、それは無理じゃない?出来ないからサニー嬢と、一緒にいるんでしょう?それでも無理だから、私達を此処へ連れて来たんだもの」
ニアは、大袈裟に驚いて言った。
「まぁ、そうよね?私ったら…ごめんなさいね。無理な事を言って…」
男は怒りを露わにして言った。
「何だと?最近の魔獣の出現も、鉱山の魔獣事件も、私が召喚して呼び出したんだぞ!!私は天才だからな、簡単に今ドラゴンを、召喚して見せてやる。驚いて腰を抜かすなよ。ほら、後ろに下れ」
私とニアは、男の言葉通りに、後ろへ下った。ピンクさんは、男に手を引かれて、隣に、座るように言われて、しゃがみ込んだ。
男は、ピンクさんの手の上に、自分の手を重ねて、呪文を呟きだした。
すると地面に、黒い魔法陣が描かれた。
(えっ?白や金色じゃないの?黒い魔法陣?)
私は、魔法陣の色に驚いた。魔法陣からは、黒い霧の用なモノが出て、大きな獣の姿が映し出されている。まるで、曇りガラス越しの、景色の用だ。
(えっ?ドラゴンが召喚されるの?逃げるべきよね?)
私は隣の、ニアを見た。ニアは驚いた顔をして、(違う…)と呟いていた。私は、咄嗟にニアの手を掴んだ。ニアは、ハッとして、私を見た。そして、男に気付かれない様に、二人で少しずつ後退った。
すると、ジェイやルドルフ様が、私達の前に現れて、私達を抱きしめたと思ったら、離れた場所の、木々の中にいた。私達があの場所から離れると、魔術師様達と騎士様達が、一斉に現れて、男とピンクさんの周りを、取り囲んだ。
ジェイが、私を抱きしめて言いました。
「よく頑張りましたね。無事で良かった…」
ルドルフ様もニアを抱きしめて言ってます。
「全く、ヒヤヒヤしましたよ…ホセを挑発し過ぎですよ?はぁ…無事で良かった…」
アンソニー様も、頷いて言いました。
「二人共、無事で良かった。後は任せておけ。これで奴も捕まえられる」
そう言って、アンソニー様は歩き出して、騎士様達に言った。(確保しろ。取り逃がすなよ)男は慌てて、召喚を辞めて立ち上がり、逃げようとした。ピンクさんは、アンソニー様を見て、立ち上がり叫んでいた。
「アンソニー様?!私を助けに、来てくれたのですね!! あぁ…アンソニー様、やっぱり私を、迎えに来てくれた!!」
そう叫んでいたが、騎士達に押さえつけられて、魔術師様がピンクさんの首に、銀色の輪を取り付けて、二人で手をかざしています。
ピンクさんは苦しみだして、身体から黒い霧と、ピンク色の霧が纏わりついています。
首の輪を両手で掴み、脚をバタつかせて、人の声とは思えない、叫び声を上げて暴れています。
「ギャァーー離せ!! ヤメロー!! コレを外せー!! ギャァァァ!!」
男の方も、騎士達に押さえつけられて、二人の魔術師様に、同じ様に首に銀色の輪を、つけられて、手をかざされて、暴れています。
「チクショウ!!離せ!!ヤメロー!!離せよー!!」
その暴れる二人の側で、二人の別な魔術師様が、男とピンクさんに、四角い魔道具を向けています。
目の前の光景に驚きながらも、私は気になっている、もう一つの、目の前の光景について、聞きました。
「あの黒い魔法陣は、まだそのままよ?何か大きなモノが、まだ見えているわ!ドラゴンが召喚されたんじゃないの?!」
ニアも頷いて言います。
「そうよ!!漫画とは違うけど、魔法陣がまだ見えてるわよ!!どうしたらいいの?!」
ルドルフ様が、ニアを抱きしめたまま、言いました。
「心配しなくても、大丈夫だよ。あれはドラゴンではないし、偽物の映像だよ。魔獣はあそこにはいないよ」
ニアは驚いています。
「えっ…?偽物?映像なの?」
ルドルフ様は頷いて言いました。
「うちの魔術師達が、事前に仕掛けて、置いたんだよ。あの場所で闇魔法と、禁術を使うと、相手の魔法を吸い取り、発動するようにね。だからニアに、あの場所に、誘い出して欲しいと言ったのさ」
私はその話を聞いて、聞き返しました。
「ではドラゴンの召喚は、されなかったのですね?あの影は偽物なんですね?」
ジェイは、優しく微笑んで言いました。
「そうですよ。だからもう、大丈夫です…。もう時期あの二人も、魔力封じが済みますから…」
ジェイの言った通りに、魔術師様達は二人の元を離れて、四人で魔法陣に近づき、取り囲んで手をかざしていた。
暫くすると、魔法陣も霧も晴れて、その場所には、何もいなかった。一人の魔術師様は、地面から、魔道具を取り出していた。
それから魔術師様達と、騎士達は、召還を始めた場所や、小屋に移動する方達と別れて、慌ただしく作業していた。
ニアは、男の方へ振り向き言った。
「ここよ?この場所で召喚しないと、ドラゴンは出ないのよ。ほら、シロツメ草が一輪だけ咲いているでしょう?他には咲いていないのに…」
男は周りを見渡して、頷いていた。そしてニアは、魔術師様と約束した通りに言った。
「私達は簡単に、この場所では、ドラゴンを召喚出来るわ。貴方は、どうなのかしら?召喚出来るのか、見せて欲しいわ」
私も、煽るようにニアに言った。
「ニア、それは無理じゃない?出来ないからサニー嬢と、一緒にいるんでしょう?それでも無理だから、私達を此処へ連れて来たんだもの」
ニアは、大袈裟に驚いて言った。
「まぁ、そうよね?私ったら…ごめんなさいね。無理な事を言って…」
男は怒りを露わにして言った。
「何だと?最近の魔獣の出現も、鉱山の魔獣事件も、私が召喚して呼び出したんだぞ!!私は天才だからな、簡単に今ドラゴンを、召喚して見せてやる。驚いて腰を抜かすなよ。ほら、後ろに下れ」
私とニアは、男の言葉通りに、後ろへ下った。ピンクさんは、男に手を引かれて、隣に、座るように言われて、しゃがみ込んだ。
男は、ピンクさんの手の上に、自分の手を重ねて、呪文を呟きだした。
すると地面に、黒い魔法陣が描かれた。
(えっ?白や金色じゃないの?黒い魔法陣?)
私は、魔法陣の色に驚いた。魔法陣からは、黒い霧の用なモノが出て、大きな獣の姿が映し出されている。まるで、曇りガラス越しの、景色の用だ。
(えっ?ドラゴンが召喚されるの?逃げるべきよね?)
私は隣の、ニアを見た。ニアは驚いた顔をして、(違う…)と呟いていた。私は、咄嗟にニアの手を掴んだ。ニアは、ハッとして、私を見た。そして、男に気付かれない様に、二人で少しずつ後退った。
すると、ジェイやルドルフ様が、私達の前に現れて、私達を抱きしめたと思ったら、離れた場所の、木々の中にいた。私達があの場所から離れると、魔術師様達と騎士様達が、一斉に現れて、男とピンクさんの周りを、取り囲んだ。
ジェイが、私を抱きしめて言いました。
「よく頑張りましたね。無事で良かった…」
ルドルフ様もニアを抱きしめて言ってます。
「全く、ヒヤヒヤしましたよ…ホセを挑発し過ぎですよ?はぁ…無事で良かった…」
アンソニー様も、頷いて言いました。
「二人共、無事で良かった。後は任せておけ。これで奴も捕まえられる」
そう言って、アンソニー様は歩き出して、騎士様達に言った。(確保しろ。取り逃がすなよ)男は慌てて、召喚を辞めて立ち上がり、逃げようとした。ピンクさんは、アンソニー様を見て、立ち上がり叫んでいた。
「アンソニー様?!私を助けに、来てくれたのですね!! あぁ…アンソニー様、やっぱり私を、迎えに来てくれた!!」
そう叫んでいたが、騎士達に押さえつけられて、魔術師様がピンクさんの首に、銀色の輪を取り付けて、二人で手をかざしています。
ピンクさんは苦しみだして、身体から黒い霧と、ピンク色の霧が纏わりついています。
首の輪を両手で掴み、脚をバタつかせて、人の声とは思えない、叫び声を上げて暴れています。
「ギャァーー離せ!! ヤメロー!! コレを外せー!! ギャァァァ!!」
男の方も、騎士達に押さえつけられて、二人の魔術師様に、同じ様に首に銀色の輪を、つけられて、手をかざされて、暴れています。
「チクショウ!!離せ!!ヤメロー!!離せよー!!」
その暴れる二人の側で、二人の別な魔術師様が、男とピンクさんに、四角い魔道具を向けています。
目の前の光景に驚きながらも、私は気になっている、もう一つの、目の前の光景について、聞きました。
「あの黒い魔法陣は、まだそのままよ?何か大きなモノが、まだ見えているわ!ドラゴンが召喚されたんじゃないの?!」
ニアも頷いて言います。
「そうよ!!漫画とは違うけど、魔法陣がまだ見えてるわよ!!どうしたらいいの?!」
ルドルフ様が、ニアを抱きしめたまま、言いました。
「心配しなくても、大丈夫だよ。あれはドラゴンではないし、偽物の映像だよ。魔獣はあそこにはいないよ」
ニアは驚いています。
「えっ…?偽物?映像なの?」
ルドルフ様は頷いて言いました。
「うちの魔術師達が、事前に仕掛けて、置いたんだよ。あの場所で闇魔法と、禁術を使うと、相手の魔法を吸い取り、発動するようにね。だからニアに、あの場所に、誘い出して欲しいと言ったのさ」
私はその話を聞いて、聞き返しました。
「ではドラゴンの召喚は、されなかったのですね?あの影は偽物なんですね?」
ジェイは、優しく微笑んで言いました。
「そうですよ。だからもう、大丈夫です…。もう時期あの二人も、魔力封じが済みますから…」
ジェイの言った通りに、魔術師様達は二人の元を離れて、四人で魔法陣に近づき、取り囲んで手をかざしていた。
暫くすると、魔法陣も霧も晴れて、その場所には、何もいなかった。一人の魔術師様は、地面から、魔道具を取り出していた。
それから魔術師様達と、騎士達は、召還を始めた場所や、小屋に移動する方達と別れて、慌ただしく作業していた。
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