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《No73》
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私達はただ、じっと窓の外を見ていた。
待ち続けていると、アンソニー様達が、二人の男達を引き連れて戻って来くるのが見えた。
「シャトン、ルド達が帰って来たわ!!」
「ええ…ニア、ピンクさんじゃないけど、誰か捕まってるみたいね」
ジェイも、窓の様子を見て言いました。
「そうですね…。でも油断は出来ませんから、二人共馬車の外には、出ないで下さいね。ルドルフが来るまで、待ちましょう」
私とニアは頷き合い、ルドルフ様を待った。馬車の外は騎士様達が、慌ただしく行き来していた。暫くすると、馬車の扉を叩く音が、聞こえた。ジェイは、扉に向って声をかけた。
「ルドルフですか?」
すると、扉の声はザビエル様だった。
「嫌、私だ。御令嬢達が、怯えているのではないかと、気になってな…」
ジェイは、不機嫌そうに言い返した。
「そうですか…ザビエル様、私達の婚約者の事は、お気になさらず…。私とルドルフが、ついてますので」
すると、ルドルフ様の声がして、ザビエル様に話しかけているようだった。
「ザビエル、私達の婚約者に近付かないと、言ったのは君だよ?愛しい恋人の心配も、守る事も私達でするから、構わないでくれ」
と言ってる声が、聞こえて来た。そして、ルドルフ様が(ジェイソン、私だから結界を解除してくれ)と言ったので、ジェイは結界を解除して、扉を開けて、ルドルフ様に声をかけた。
「ルドルフ、どうでしたか?あの二人の男達は、何者ですか?」
「ジェイソン、アンソニーから、今話があるから、少し中で待っていてくれ。それが、厄介な話になったよ…」
そう言って、ジェイとルドルフ様は、二人でヒソヒソと話していた。私とニアは、その言葉に怯えていた。
暫くすると、隊長とアンソニー様が、馬車に近付いて来て、アンソニー様は馬車に、乗り込もうとした。ジェイは私を抱き上げて、ジェイの隣にアンソニー様が座り、ニアの隣にルドルフ様が座った。馬車の扉を閉めて、アンソニー様は、馬車に防音結界を張り、話し始めた。
「先程シャトンとニアが見た、ピンク色は、間違いなくサニー嬢だ。だが、彼女には逃げられた。捕まえたのは、鉱山から逃げた犯罪奴隷の二人だ。サニー嬢はもう一人の、魔術師と一緒に逃げているが、そのうちまた、姿を表すだろう…」
ニアは、驚きながらアンソニー様に言った。
「どうして、ピンクが魔術師と、逃げているの?それにまた、姿を表すって、どう言うことなの?」
アンソニー様は、今わかった事だけを、伝えると言って、また話し始めた。
ピンクさんは、鉱山で鉱夫相手の、性処理係の仕事をしていたそうだ。鉱山に着くと、直ぐに魔術師が、逃亡防止の足輪を付けて、妊娠しないように、特別な魔法をピンクさんに、掛けたそうだ。
ピンクさんは、その仕事を楽しんでやってたそうで、その相手で特に仲良くなったのが、今、捕まった男達だった。
今一緒に逃げている魔術師が、最初にピンクさんに、術をかけた者で、最初の性処理相手だそうだ。その後もピンクさんと、性行為があったそうで、恋愛感情とかでは無く、何か別な理由で、よく一緒にいたそうだ。
ピンクさんは、沢山の鉱夫を相手にしてても、自分は王太子妃になるのだと、何時も言ってたそうだ。
先程も王都に向かう途中で、騎士達の持つ王家の旗と、連なる馬車を見て、魔術師が(あれは、王家の近衛騎士団の制服と、北辺境伯領の騎士団の制服だ)と洩らしたら、ピンクさんが(アンソニー様が、迎えに来たんだわ)と言って、駆け出したので、追い駆けて止めた所で、捕まったようだ。
そして魔術師は、ピンクさんを連れて、先に逃げたそうだ。まだ詳しくは、解らないが、鉱山の魔獣の襲撃も、その魔術師が関わっているらしく、今はその魔術師は、魔獣に殺された事になっているらしい。
ニアはその話を聞いて、呆れて言った。
「あのピンクは、ホントにビッチね。そんな女が何故、王太子妃になれると思うのかしら?それより、魔術師が味方だなんて、何故からね?」
アンソニー様も頷きながら言います。
「本当だよな?サニー嬢にとっては、鉱山送りは、刑罰にならず、ご褒美みたいなものに、なってたなんてな…。それより、魔術師の件だ。魔獣発生が、人的なものなら、大変な被害が出るぞ」
私は、魔術師と聞いて、以前アンナが言っていた事を思い出して、ジェイに聞いた。
「ねえ?ジェイ…ピンクさんは、平民だけど、魔力があるから、途中で学園に入学したのよね?でも学園では、魔法の授業を殆んど受けないまま、退学になったはずよね?」
ジェイも、(そう聞いてますね)と言った。
「もし、その魔術師に、魔法を教えて貰ってたから、仲良くしてるって、考えられないかしら?以前、アンナが聞いた事があるって、言ってたの…。ピンクさんが自分は(凄く珍しい魔法が使えるんだから)って言ってて、D組の女性徒に(なら見せてご覧なさい)と言われても、今は魔法を習ってないから(出来ない)と言ってたらしいの?あの方は、何属性だったのかしら?」
するといきなりニアが、(それだわ!!)と叫んだ。私は驚きの余り、身体が跳ねて、ジェイに抱きついた。ジェイは、抱きしめてくれて、頭を撫でてくれた。
アンソニー様が、呆れながらニアに言った。
「ニア、シャトンが跳び上がってるぞ?何がそれなんだ?」
待ち続けていると、アンソニー様達が、二人の男達を引き連れて戻って来くるのが見えた。
「シャトン、ルド達が帰って来たわ!!」
「ええ…ニア、ピンクさんじゃないけど、誰か捕まってるみたいね」
ジェイも、窓の様子を見て言いました。
「そうですね…。でも油断は出来ませんから、二人共馬車の外には、出ないで下さいね。ルドルフが来るまで、待ちましょう」
私とニアは頷き合い、ルドルフ様を待った。馬車の外は騎士様達が、慌ただしく行き来していた。暫くすると、馬車の扉を叩く音が、聞こえた。ジェイは、扉に向って声をかけた。
「ルドルフですか?」
すると、扉の声はザビエル様だった。
「嫌、私だ。御令嬢達が、怯えているのではないかと、気になってな…」
ジェイは、不機嫌そうに言い返した。
「そうですか…ザビエル様、私達の婚約者の事は、お気になさらず…。私とルドルフが、ついてますので」
すると、ルドルフ様の声がして、ザビエル様に話しかけているようだった。
「ザビエル、私達の婚約者に近付かないと、言ったのは君だよ?愛しい恋人の心配も、守る事も私達でするから、構わないでくれ」
と言ってる声が、聞こえて来た。そして、ルドルフ様が(ジェイソン、私だから結界を解除してくれ)と言ったので、ジェイは結界を解除して、扉を開けて、ルドルフ様に声をかけた。
「ルドルフ、どうでしたか?あの二人の男達は、何者ですか?」
「ジェイソン、アンソニーから、今話があるから、少し中で待っていてくれ。それが、厄介な話になったよ…」
そう言って、ジェイとルドルフ様は、二人でヒソヒソと話していた。私とニアは、その言葉に怯えていた。
暫くすると、隊長とアンソニー様が、馬車に近付いて来て、アンソニー様は馬車に、乗り込もうとした。ジェイは私を抱き上げて、ジェイの隣にアンソニー様が座り、ニアの隣にルドルフ様が座った。馬車の扉を閉めて、アンソニー様は、馬車に防音結界を張り、話し始めた。
「先程シャトンとニアが見た、ピンク色は、間違いなくサニー嬢だ。だが、彼女には逃げられた。捕まえたのは、鉱山から逃げた犯罪奴隷の二人だ。サニー嬢はもう一人の、魔術師と一緒に逃げているが、そのうちまた、姿を表すだろう…」
ニアは、驚きながらアンソニー様に言った。
「どうして、ピンクが魔術師と、逃げているの?それにまた、姿を表すって、どう言うことなの?」
アンソニー様は、今わかった事だけを、伝えると言って、また話し始めた。
ピンクさんは、鉱山で鉱夫相手の、性処理係の仕事をしていたそうだ。鉱山に着くと、直ぐに魔術師が、逃亡防止の足輪を付けて、妊娠しないように、特別な魔法をピンクさんに、掛けたそうだ。
ピンクさんは、その仕事を楽しんでやってたそうで、その相手で特に仲良くなったのが、今、捕まった男達だった。
今一緒に逃げている魔術師が、最初にピンクさんに、術をかけた者で、最初の性処理相手だそうだ。その後もピンクさんと、性行為があったそうで、恋愛感情とかでは無く、何か別な理由で、よく一緒にいたそうだ。
ピンクさんは、沢山の鉱夫を相手にしてても、自分は王太子妃になるのだと、何時も言ってたそうだ。
先程も王都に向かう途中で、騎士達の持つ王家の旗と、連なる馬車を見て、魔術師が(あれは、王家の近衛騎士団の制服と、北辺境伯領の騎士団の制服だ)と洩らしたら、ピンクさんが(アンソニー様が、迎えに来たんだわ)と言って、駆け出したので、追い駆けて止めた所で、捕まったようだ。
そして魔術師は、ピンクさんを連れて、先に逃げたそうだ。まだ詳しくは、解らないが、鉱山の魔獣の襲撃も、その魔術師が関わっているらしく、今はその魔術師は、魔獣に殺された事になっているらしい。
ニアはその話を聞いて、呆れて言った。
「あのピンクは、ホントにビッチね。そんな女が何故、王太子妃になれると思うのかしら?それより、魔術師が味方だなんて、何故からね?」
アンソニー様も頷きながら言います。
「本当だよな?サニー嬢にとっては、鉱山送りは、刑罰にならず、ご褒美みたいなものに、なってたなんてな…。それより、魔術師の件だ。魔獣発生が、人的なものなら、大変な被害が出るぞ」
私は、魔術師と聞いて、以前アンナが言っていた事を思い出して、ジェイに聞いた。
「ねえ?ジェイ…ピンクさんは、平民だけど、魔力があるから、途中で学園に入学したのよね?でも学園では、魔法の授業を殆んど受けないまま、退学になったはずよね?」
ジェイも、(そう聞いてますね)と言った。
「もし、その魔術師に、魔法を教えて貰ってたから、仲良くしてるって、考えられないかしら?以前、アンナが聞いた事があるって、言ってたの…。ピンクさんが自分は(凄く珍しい魔法が使えるんだから)って言ってて、D組の女性徒に(なら見せてご覧なさい)と言われても、今は魔法を習ってないから(出来ない)と言ってたらしいの?あの方は、何属性だったのかしら?」
するといきなりニアが、(それだわ!!)と叫んだ。私は驚きの余り、身体が跳ねて、ジェイに抱きついた。ジェイは、抱きしめてくれて、頭を撫でてくれた。
アンソニー様が、呆れながらニアに言った。
「ニア、シャトンが跳び上がってるぞ?何がそれなんだ?」
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