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《No59》
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大広間に皆が集まった事を、確認すると、先生から、アンソニー様より、話があると伝えられた。生徒達は、もう噂を聞いていたので、その件だろうと思っていた。
アンソニー様は、前に出て来て言った。
「皆が今、噂をしている事件について、話しをするのは、食事の後にしようと思う。折角今日の為に、喜んで貰える食事を、用意してくれた、ホテル側にも申し訳ないですからね。王都には無い、珍しい物ばかりで、この人数分を作ってくれたのだ。噂のせいで、食べる事なく下げられるのは、勿体無いですからね。さあ、先に食事にしましょうか」
そう言うと、ピンクさんが立ち上がり、叫び出しました。
「アンソニー様、酷いです。私は、あんな残酷な人達と、一緒に食事をするのは嫌です。殺されそうに、なったんですよ?私怖い。だから、アンソニー様と二人だけで、食事がしたいです」
その叫び声を聞いて、アンソニー様は冷たく、突き放すように言いました。
「サニー嬢、何度言ったらわかるのかな?君に、名前呼びは、許可していないよ。それに誰が、人殺しだって言うのかな?相変わらず、可笑しな事を言うね。
ここで、食事をするのが嫌なら、別室で一人で食べるといいですよ。私はサニー嬢と、二人で食事をするつもりは、無いですからね。皆の食事が終わったら、呼びに行きますから、ゆっくりするといい。」
そう言って、護衛騎士様に、合図をして、暴れて叫ぶサニー壌を、大広間から連れ出した。その後で、ダイアナ様達を見て言った。
「ダイアナ、君達も別室で食べたいなら、許可するけど、どうする?」
その言葉に、ダイアナ様は笑顔で喜び、立ち上がって、アンソニー様に言った。
「やっぱりアンソニー様は、私の事を思っているのですね。勿論二人で食べましょう。さぁ…行きましょうか。」
アンソニー様は、呆れた顔をして、ダイアナ様達へ言います。
「相変わらず君も、言葉が通じないようだね。君達もと、私は言ったんだがね…。サニー嬢にも言ったが、ダイアナとも二人で、食事をする気は無いよ。あぁ…マリオ、ダイアナ達も別室に用意してあげてくれ。」
そしてマリオ様と、騎士様に促されて、ダイアナ様と取り巻き令嬢達は、大広間を出て行った。広間の生徒達は皆、ヒソヒソと話していたが、その後アンソニー様の(珍しい食事を、楽しもうではないか)と言う声に促されて、食事を楽しんだ。
私とニアも、アンナ達と先程の話をしながら、料理を食べ進めた。王都では手に入らない魔獣の肉や、川魚の料理などは絶品で、サーモンマリネ好きなニアは、喜んで食べていた。
2時間程の食事時間が終わると、会場の中を動き回る人が増えて、大広間の上座の方に、大きな白い布が張られて、アンソニー様と、護衛騎士様、従者のマリオ様が、話し込んでいた。
暫くすると、騎士様に連れられた、サニー壌とダイアナ様が、大広間に現れた。それぞれ元の席に着席すると、大広間の照明が薄暗くなり、アンソニー様が話し出した。
「生徒諸君、夕食は楽しんで、貰えただろうか?今回の夕食は、ルドルフの父上の、シュタイナー辺境伯が、特別に用意させた物なのだ。私も、美味しく堪能させて貰ったよ。ルドルフ、シュタイナー辺境伯に、感謝を伝えてくれたまえ」
アンソニー様の言葉に、ルドルフ様は立ち上がり、(勿体なきお言葉、感謝致します)と言って臣下の礼を取った。
会場の生徒達も立ち上がり、ルドルフ様にお礼を申し上げた。その後、アンソニー様は皆に着席を促し、ご自分も布の横に置かれた、椅子に座って言った。
「さて、美味しい料理も食べた事だし、皆に余興を見せたいと思う。まず、何も言わずに、これから映し出す、映像を見て貰えるかな?皆には一度この魔法具を使って、開講式の時にも、見せた事があったはずだね。中々興味深い、ものでね…。二つの上映になるかな?」
そう言って、アンソニー様は(始めてくれ)と指示を出した。
映像が映し出されると、それは学園の中の、D組近くの階段だった。私とニアが階段を降り始めると、後からサニー壌が叫び声を上げて、私達の横を走り降りて行く姿だった。サニー壌は、階段の中腹に着くと、上を見てニヤリと笑い、倒れた姿も映し出された。
その後、階段下から駆け寄った、男子生徒に起こされて、泣き喚きながら、私とニアを指差して、咎めている映像だった。生徒達は、サニー壌を振り返り見て、ヒソヒソと話し出す。
次に映し出されたのは、森へ向かうダイアナ様と、取り巻き令嬢達と、サニー壌であった。森の二股に別れた道の所まで笑いながら話していて、立ち止まり様子を伺う姿だ。
暫くすると、マリア様と私とニア歩いて来て、私とニアは両手に、マカロンとクッキーを持ち、パクパク食べている映像だ。食べては、ポシェットから、また取り出して、はしゃぎながら、食べている映像だった。
私とニアは、アンナ達に、生温かい視線を向けられて、恥ずかしくなった。二人でコソコソ、(こんな映像、皆んなに見せなくても、いいじゃない)と、ぶつぶつ文句を言っていた。
二股の道に着き、ダイアナ様達へ、会釈してから三人で暫く歩いた後に、コソコソしてから、引き返えそうとする、場面も映し出された。取り巻き令嬢達との会話も、腕を取られて、嫌がる私達を、川岸に連れて行く姿も、映し出されていた。
アンソニー様は、前に出て来て言った。
「皆が今、噂をしている事件について、話しをするのは、食事の後にしようと思う。折角今日の為に、喜んで貰える食事を、用意してくれた、ホテル側にも申し訳ないですからね。王都には無い、珍しい物ばかりで、この人数分を作ってくれたのだ。噂のせいで、食べる事なく下げられるのは、勿体無いですからね。さあ、先に食事にしましょうか」
そう言うと、ピンクさんが立ち上がり、叫び出しました。
「アンソニー様、酷いです。私は、あんな残酷な人達と、一緒に食事をするのは嫌です。殺されそうに、なったんですよ?私怖い。だから、アンソニー様と二人だけで、食事がしたいです」
その叫び声を聞いて、アンソニー様は冷たく、突き放すように言いました。
「サニー嬢、何度言ったらわかるのかな?君に、名前呼びは、許可していないよ。それに誰が、人殺しだって言うのかな?相変わらず、可笑しな事を言うね。
ここで、食事をするのが嫌なら、別室で一人で食べるといいですよ。私はサニー嬢と、二人で食事をするつもりは、無いですからね。皆の食事が終わったら、呼びに行きますから、ゆっくりするといい。」
そう言って、護衛騎士様に、合図をして、暴れて叫ぶサニー壌を、大広間から連れ出した。その後で、ダイアナ様達を見て言った。
「ダイアナ、君達も別室で食べたいなら、許可するけど、どうする?」
その言葉に、ダイアナ様は笑顔で喜び、立ち上がって、アンソニー様に言った。
「やっぱりアンソニー様は、私の事を思っているのですね。勿論二人で食べましょう。さぁ…行きましょうか。」
アンソニー様は、呆れた顔をして、ダイアナ様達へ言います。
「相変わらず君も、言葉が通じないようだね。君達もと、私は言ったんだがね…。サニー嬢にも言ったが、ダイアナとも二人で、食事をする気は無いよ。あぁ…マリオ、ダイアナ達も別室に用意してあげてくれ。」
そしてマリオ様と、騎士様に促されて、ダイアナ様と取り巻き令嬢達は、大広間を出て行った。広間の生徒達は皆、ヒソヒソと話していたが、その後アンソニー様の(珍しい食事を、楽しもうではないか)と言う声に促されて、食事を楽しんだ。
私とニアも、アンナ達と先程の話をしながら、料理を食べ進めた。王都では手に入らない魔獣の肉や、川魚の料理などは絶品で、サーモンマリネ好きなニアは、喜んで食べていた。
2時間程の食事時間が終わると、会場の中を動き回る人が増えて、大広間の上座の方に、大きな白い布が張られて、アンソニー様と、護衛騎士様、従者のマリオ様が、話し込んでいた。
暫くすると、騎士様に連れられた、サニー壌とダイアナ様が、大広間に現れた。それぞれ元の席に着席すると、大広間の照明が薄暗くなり、アンソニー様が話し出した。
「生徒諸君、夕食は楽しんで、貰えただろうか?今回の夕食は、ルドルフの父上の、シュタイナー辺境伯が、特別に用意させた物なのだ。私も、美味しく堪能させて貰ったよ。ルドルフ、シュタイナー辺境伯に、感謝を伝えてくれたまえ」
アンソニー様の言葉に、ルドルフ様は立ち上がり、(勿体なきお言葉、感謝致します)と言って臣下の礼を取った。
会場の生徒達も立ち上がり、ルドルフ様にお礼を申し上げた。その後、アンソニー様は皆に着席を促し、ご自分も布の横に置かれた、椅子に座って言った。
「さて、美味しい料理も食べた事だし、皆に余興を見せたいと思う。まず、何も言わずに、これから映し出す、映像を見て貰えるかな?皆には一度この魔法具を使って、開講式の時にも、見せた事があったはずだね。中々興味深い、ものでね…。二つの上映になるかな?」
そう言って、アンソニー様は(始めてくれ)と指示を出した。
映像が映し出されると、それは学園の中の、D組近くの階段だった。私とニアが階段を降り始めると、後からサニー壌が叫び声を上げて、私達の横を走り降りて行く姿だった。サニー壌は、階段の中腹に着くと、上を見てニヤリと笑い、倒れた姿も映し出された。
その後、階段下から駆け寄った、男子生徒に起こされて、泣き喚きながら、私とニアを指差して、咎めている映像だった。生徒達は、サニー壌を振り返り見て、ヒソヒソと話し出す。
次に映し出されたのは、森へ向かうダイアナ様と、取り巻き令嬢達と、サニー壌であった。森の二股に別れた道の所まで笑いながら話していて、立ち止まり様子を伺う姿だ。
暫くすると、マリア様と私とニア歩いて来て、私とニアは両手に、マカロンとクッキーを持ち、パクパク食べている映像だ。食べては、ポシェットから、また取り出して、はしゃぎながら、食べている映像だった。
私とニアは、アンナ達に、生温かい視線を向けられて、恥ずかしくなった。二人でコソコソ、(こんな映像、皆んなに見せなくても、いいじゃない)と、ぶつぶつ文句を言っていた。
二股の道に着き、ダイアナ様達へ、会釈してから三人で暫く歩いた後に、コソコソしてから、引き返えそうとする、場面も映し出された。取り巻き令嬢達との会話も、腕を取られて、嫌がる私達を、川岸に連れて行く姿も、映し出されていた。
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