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《No47》
しおりを挟むルドルフがニアに、不安そうな顔で、聞いています。
「ニア?午後の授業は受けないで、ずっとアンソニーと、二人っきりだったと、シャトンから聞いたよ?一体どう言うことか、説明してくれるかな?何故、授業をサボってまで、二人っきりに成る必要があったのか…」
そんなルドルフを見て、ニアは申し訳なさそうに、言いました。
「ルド、本当にごめんなさい。心配掛けたのは、申し訳なく思ってるわ。でも、今はその事は言えないの…。少し時間を頂戴。
でも、側室選びの件は、もう心配要らないから大丈夫よ?
アンソ…ロビンス殿下は、私達の事を解ってくれたから、婚約の打診もないし今後は、邪魔をして来る事もないから」
納得出来ないルドルフ様は、ニアに問い詰めます。
「ニア、それじゃあ納得出来ないよ。少し時間を頂戴って、何時までかな?それに何故急に、アンソニーの事も、呼び方が変わったのかな?さっきの様子も、親しげだったし…」
ニアは考えながら、言葉を選んで言った。
「ルド…不安にさせて、ごめんなさい。ロビンス殿下に、確認をしてから、話すからもう少し、待って頂戴。お願いよ。
ロビンス殿下にも、今は考える時間が、必要なの。決して、ルドの気持ちを裏切る様な、事ではないのよ…。
それと…これからシャトンと、大事な用事があるから、帰るわね。今日はありがとう」
そう言って、ニアは嬉しそうに微笑んだ。
「ニア?いいの?ルドルフ様は、納得してないわよ?」
ルドルフ様は、首をを振りながら、寂しそうな顔をして言った。
「シャトン、有難う。納得はしてないけど、仕方ない。ニアが話してくれるのを待つよ。アンソニーに聞いても、教えてくれないだろうしね。でも、ニア?君は私のモノだよね?」
ニアはその言葉に、赤くなりながらも、しっかりルドルフ様を、見つめて言った。
「うん。私はルドだけのモノよ♪」
私はニアのその姿に、見惚れてしまった。朝は、違和感があったのに、今はとてもスッキリしているようで、自信に満ち溢れている。
(何があったのかしら?)
私が心配の余り、ジェイとルドルフ様を、呼びに行かなければ、ルドルフ様を不安にさせる事もなかったのに…。私は、自己嫌悪になりながら、馬車へと向った。
馬車に乗り込むと、ニアが私の隣に座り、手を握って言った。
「シャトン、心配かけてごめんね。きっと、勇気を出して、ジェイソン様の所へ行ったんでしょう?大丈夫だった?」
「ううん…。私こそごめんなさい。余計な事をしたと思ってるわ。ルドルフ様にも、申し訳なかったわ…」
ニアは、首を振りながら言う。
「ルドには、申し訳ないけど、私が逆の立場なら、同じ事をしたわ。だから、気にしないで。私も、アンソニーに確認するまでは、半信半疑だったの…。だから、シャトンにも言えなかったの」
「じゃあ、ニアはロビンス殿下に、その何かを確認したのね?それで、そんなに、スッキリした様な顔をしているのね?」
ニアは、笑いながら言った。
「私、スッキリした顔になってる?ふふっ…。そうね…うん、スッキリしたのと、ホッとしてるかな。シャトンにも、関係がある事だから、この後我が家に寄ってね」
「勿論よ。ニアから話を聞かないと、今日は気になって、寝られないわ!!」
ニアは笑いながら言った。
「そうよね!!私は昨日、そうだったわ。アンソニーに早く確認したくて、寝れなかったもの。クスクス…。はぁぁ…今日こそは、ぐっすり眠れるわぁ~。クスクス」
暫くすると、馬車はニアの家に着いて、私達はニアの部屋に向った。そして、ニアから日曜日に、ロビンス殿下が言った、言葉を聞いた所から先程までの、全ての話を聞いた。
話を聞き終わると、私は身体の力が、抜け落ちた。
(あぁ…、これで処刑はされないのね?良かったわ…。)思わず(はぁぁ…)っと深い溜息をついてしまった。
「シャトン、気持ちは解るわ。私達、処刑されなくて済むと思うと、力が抜けるわよね。だから私も、早くアンソニーが私と同じ、記憶持ちか、確認せずには、いられなかったの。
ああでもしないと、邪魔されず二人で話せなかったから。ごめんね…」
私は力なく首を、振りながら言った。
「いいえ…。私とニアにとっては、何より大事なことだもの…。ルドルフ様には、申し訳ないけど…。それより、ルドルフ様には、何時言うの?私に教えてくれた様に、日本の話をするのよね?信じて、くれるかしら?」
ニアは、頷きながら言います。
「そうなのよね…。シャトンには、伯父様の事を伝える事で、わかって貰えたけど…。ルドとは、そう言う話は、魔獣討伐までは、ないのよね」
私は、ジェイとの事を思い出して、言った。
「だったら、ジェイも一緒で、話したらどうかしら?!それなら、あの崖崩れの、お父様がとった不可解な話しで、解ってもらえるんじゃない?ねっ?」
ニアも目を輝かせて、言います。
「そうよね!じゃあ、アンソニーに、ルドとジェイソン様にも、記憶持ちの話を、する事を伝えてから、話すわ」
その後も、話は尽きなかった。そして、もう一つ驚く事を聞かされた。あのマイク様が、女性だったなんて…。確かに、男性にしては背が低い方だったが、私やニアよりは、背が高かった。
思い返してみたら、中性的な美少年だったわよね。髪は、カツラだったのかしら?
女性の姿だったら、かなりの美少女よね?
それに今日のお昼を、一緒に食べた姿を思い出すと、ロビンス殿下に対する思いは、忠誠と言うよりは、異性に対するものに近いわよね…。
ニアの言う通り、マイク様が側室の方が良いわよね?今まで側に、ずっつと居たんだし…。
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