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《No31》

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私は、お腹が空いて、目が覚めました。夜ご飯も食べずに、寝たからでしょうが、まだ少し身体の違和感もあります。脚の付け根と、腰が痛いのと、何よりまだ、大事な場所に、何かが挟まっている感じがするのだ。

私は、カフェに着いてからの、出来事を思い出して、羞恥心で一人ベッドの中で、もんもんとしていました。
閨教育は、初潮が来た時に、簡単にお母様に教えられました。詳しい事は、(婚約者が出来たら、教えますね)と言われていたのだ。

(まさか、あんな凄い事をするとは、思ってもみなかったわ)
私、ニアに何て、言えばいいのかしら?攻略対象のジェイと、私が恋人だなんて…。

これで処刑される事もないのかしらね?ロビンス殿下に、一目惚れはしていないし…。
ニアも、このままルドルフ様と、恋人同士になれば、処刑されないんじゃないかしら?

だって、ジェイもルドルフ様も、私と、ニアに対して、悪意は持ってないわよね?

食いしん坊だとは、思われてるけど、悪役令嬢だとは思っていない筈よ?だって、ジェイは私の事を、悪役令嬢だと思っていたら、あんな事や、プロポーズなんてしないと思うわ。

(取り敢えず、今日ニアに会わなくちゃ…)

それより先に、まず朝ご飯よね。

暫くすると、サラが部屋に来て、身支度をしてくれてから、朝食を食べに、食堂へ行きました。
お母様はからは、質問攻めに遭い、お父様からは、泣きそうな顔をされて、今後の話を聞かされました。
お父様は終始(私の可愛いシャトンが…)と言われ、お母様は(侯爵家からの申込みなんて、流石私の娘よね♪)と言われました。

この後、ニアの所へ行くと言ったら、(行くなら、午後からにしなさい)とお父様に、言われました。

(??)

何故でしょうね?ニアの所へお客様がいらしてるのかしらね?取り敢えず、午後になったら、サラに確認に行ってもらってから、ニアに会いに行こうと思います。

それまでは、大人しく刺繍でもしましょう。
ジェイに、二度もカフェで、ご馳走になったお礼に、ハンカチをプレゼントしょうと思っていたからです。(絵柄は、何がいいかしら?)

そんなことを考えてたら、執事が(ジェイソン・ボーン様からの贈り物です)と言って、向日葵の花束と、焼き菓子を部屋に、届けてくれました。
サラがそれを見て、向日葵の花言葉は(あなただけを見つめる・熱愛)ですよね(お嬢様、愛されてますね)と言われたわ…。

(は、恥ずかしいわ…)

そうだわ。刺繍の絵柄は、向日葵の花にしましょう。以前、夜会の時に、ドレスの色とお揃いで、同じ色のハンカチを何枚か、買ってあったからそれに控えめの、向日葵の刺繍をしたら、男性が使われても、おかしくないわよね。

私はサラに、薄黄緑色のハンカチを、用意してもらい、昼食の時間に呼ばれるまで、花瓶に生けられた向日葵の花を見ながら、夢中で刺繍をしていた。

昼食の時は、お父様はお出掛けで、一緒ではなかったが、お母様と二人で、ジェイのお母様の話を聞きながら、食べ進めました。

驚いた事に、ジェイのお母様は隣国の、第三王女様で、とても優しい可愛らしい方だそうです。お母様は(ジェイソン様は、お父様に似て、可愛い女性が好みなのね♪)と言って、笑ってました。

私は昼食後も、ハンカチの刺繍を続けて完成させ、そろそろサラにニアの家へ、行ってもらおうとソファーから、立ち上がりました。

コン・コンと扉がノックされて、返事をする前に、バタンと扉が開かれました。

「シャトン!大変!!大変なのよ~!!」

ニアが先に、やって来たようです。サラは、毎度の事なので、ニアの後から私の部屋に入り、淡々とテーブルの前に紅茶を出して、先程届いた、ジェイからのプレゼントの、焼き菓子を出して、部屋を出ていきます。

「ニア…落ち着いて?何が大変なのかしら?私も、丁度ニアを訪ねようと、してたのよ?」

ニアは、顔を赤くして、急に大人しくなり、
言いづらそうに、モゴモゴ言いました。

「あ、…あのね…、ルドとね…ルドと…その、カフェで…エロいことして、…っ…えっちしちゃって…お持ち帰りされてね…、また…ヤラれて、朝帰?昼帰り?で、けっ…けっ…結婚なの。どうしよぉ~~!!」

(?!)

解らないわ!ルドは、ルドルフ様よね?結婚は、あの結婚のはずよね?後の言葉が解らないわ!私は順番に聞く事にした。

「ニア?ルドとは、ルドルフ様の事よね?愛称で呼ぶ程、深く、仲が良くなったのね?」

「な、仲が良くなったなんて…それに、深いだなんて…」

ニアは赤くなり、照れています。

「ニア…?エロい事・エッチ・お持ち帰りって、どう言う意味かしら?何かをプレゼントされて、持って帰って来たって、ことかしら?」

ニアは更に赤くなり、言いました。

「エロい事って言うのは、イヤラシイ事よ。エッチは…っ…ね、閨を共にしたって、事で…っ…。お持ち帰りは、デートの後に、家に帰らないで、相手とホテルに泊まった事の表現の一つよ…」

私は、頭の中で言葉の一つ一つを、思い返してニアに、確認しました。

「ニア?ニアは、ルドルフ様とカフェで、イヤラシイ事をした後に、家に帰らず二人でホテルに泊まって、閨を共にして、激しくされて、昼に帰って来たって、ことかしら?そのせいで、結婚する事になったのね?」

ニアは、真赤になって叫びました。

「合ってるけど、違う!! は…激しくなんて…!!」

(あら?まただわ?違うの?)

「ニア?話の内容は合ってるけど、閨は激しくなかったのね?」

「違う!! めちゃくちゃ激しくて、エロかったわ!! もう、ヤダって何回も言ったのに…」

((‥‥‥‥))

私は、ジェイとの事を思い出して、つい(激しく)と言ってしまったが、ニアもそうだったのね…。閨は、あんなに激しくて、イヤラシイ事をされて、嫌と言っても朝まで、何度もするものなのね…。
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