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《No13》

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夜会では、シャトンと話す事も出来なかった。
だが、やはりシャトンは超絶可愛かった。
ふんわり触り心地の良さそうな、ウェブがかったプラチナブロンドの髪、くりくりとした、大きな目の色は薄黄緑色だった。

付けまつ毛ではない、本物の長いまつ毛だろう。色が白くて、ほんのりピンクの頬だった。
口紅も、付けていたかもしれないが、グロスの用な、テカテカではない。

ウエストは、驚く程細かった。ソニアの巨乳程ではないが、胸も普通よりは大きいだろう。
俺は、女性の下着のサイズは、詳しくはないので、サイズは解らないが、元カノよりは大きく見えた。

俺は5年越しで待った、リアルシャトンを見れて、嬉しかった。話すことは、出来なかったが、学園が始まればチャンスはある。

国王の父親に、上手く理由をこじつけて言い、学園内に色々準備を施した。シャトンと、同じクラスになりたい為に、クラス替えもして、ヒロインと離れた。

ヒロインと、ルドルフ・ジェイソンを同じクラスにしたかったが、それは却下されてしまった。
ダイアナだけは、別なクラスに出来て良かった。あの女も俺は嫌いだ。もう王太子妃気取りで、ウンザリする。プライドが高くて、傲慢で、我儘で…。

何時も自分中心で、世界は回っていると、思ってる勘違い野郎だ。たいして美人でもないのに…。


俺は今日、待ちきれず早めに登校したのだ。
今日はシャトンとソニアの、ヒロインとの出会いイベントの日だからだ。もしもに備えて、準備したものをチェックする為だった。
だか、裏門から学園に入ると、まさかの光景を目にした。

(まただ!!)

ルドルフと、シャトンとソニアが、会場側で楽しそうに、ピクニックをしている。

(???)

何故だ?漫画には、こんな場面はなかったし、朝からこんな場所で、ピクニックだなんて、おかしいだろう?確認を済ませ、シャトン達の様子を見に行けば、今度はジェイソンまで一緒だ!!

(だから、お前達はヒロインの側へ行けよ!…っ…羨ましすぎるぞ)

そんな事を考えながら、仕方なく王太子控室に、俺は向った。学園の正門付近で、怪しい動きがないか、しっかり確認する様に、従者に指示をだして。

この様子では、シャトンとソニアが、ヒロインとの小競り合いは、起こらないだろうと、思いながら…。

だか、ヒロインはやらかした。シャトンとソニアを、悪者にしようとした。

(許せないよ?推しを侮辱して、貶めようとするなんて!)

玩具コーナーの主任を舐めるなよ?クレーマーや、万引き野郎の対応は大変なんだぞ。

さてヒロインに、証拠を見せつけてやろうか…。しっかり、シャトンに謝ってもらうよ…。



「王太子様、準備が出来ました」

従者の準備が整ったようだ。さぁ、始めようか。俺は王太子の、仮面を貼り付けて、ヒロインに話しかける。

「そこの平民の女性には、言葉が通じない様なので、映像画を見せるよ。これは、魔道具だよ。

機密なので、詳しい事は言えないが、最近学園内に、(他国の密偵が紛れ込んでいる)って、報告があってね、その為正門の所と、裏門と、何箇所かに、映像画を撮る魔道具を、設置してるんだよ。
これには、日にちと時間が下に表示されるんだよ。

因みに、絵とは違うからね。出て来た人物は動くからね。
さぁ…確認しようか…そこの平民女性が、言っている事が、本当かどうか…」

アンソニーは(初めてくれ)と指示を出した。

大きな白い布に映像が写し出された。

07:38  シャトンとソニアが、花壇に近づき、花を指差して話している映像。

08:02 ルドルフが加わり、3人でバスケットから食事を取り出して、食べてる映像。

08:41 ジェイソンが、後ろから近づき、声をかけてきて、シャトンとソニアが、驚いた顔をしている映像。

(あっ…私達って、驚いたらあんな顔をするのね…。恥ずかしいわ…)シャトンとニアは映像画を見ていて、そんな事を思っていた。

09:20 シャトンとソニアとルドルフが、立ち上がり寮の方へ歩き出す映像。

09:22 ジェイソンが敷物を、片付けている映像。

09:38 4人で歩き出し、会場入口に入って行く映像。

シャトン達の映像画は、途中の所は、アンソニーの指示で、早送りで進められたが、場所からは動いていないし、他の誰かも近付いて来ていない事が解るものだった。

その映像画の後に、ヒロインが、学園の正門前に、現れた所から写し出された。

08:57 ヒロインが、正門の中に入り、少し横にずれて、壁にもたれ掛かり、キョロキョロしている映像。

09:55 正門の中の道には誰も居なくなり、ソワソワした、ヒロインだけになっている映像。

10:16 先生がヒロインの元に、駆けつけて来て、泣き叫ぶヒロインを、連れて会場に入る様子の映像。が、映し出された。

ヒロインは、真っ青な顔をしている。残っていた生徒と、先生方は、ヒロインに、呆れと蔑みの視線を向けていた。

アンソニーが言いました。

「これで、はっきりしたよね。言葉が解らない、君でも、自分が二人に虐められていない事も、二人が君を虐めていない事も解るよね?

何故彼女達を、悪者に貶めようと、したのかな?彼女達に謝りたまえ。

そして、君には、一ヶ月の猶予をあたえる。今後、君の行動や言動に、改善が見られなければ、退学とする」

「先生方も、それで宜しいですか?」

先生方も、口にして言います。

「寛大な処置です。平民が貴族令嬢を、あんなに侮辱したのに、直ぐに退学にせず、更生の機会を与えるとは…」

先生方もシャトン達の方へ向き直し言った。

「シャトレーゼ・ガドット嬢、ソニア・マクレーン嬢、怒りと悔しさが、あるだろうが、何せ平民だ。一度だけ、更生の機会を与えてあげて欲しい。

この後、しっかり彼女には、話して聞かせるのでな。家の方にも、抗議文を学園から送っておく。それで、納得してもらえるだろうか?」

「「解りましたわ」」

ヒロインは、先生に促され、嫌そうにシャトン達に謝り、頭を下げた。
そして、引きずられながら、会場を後にした。
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