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《No11》
しおりを挟む時間を確認すると、9時20分だった。
そろそろ片付けて、会場に入ろうと言う、話しになった。
その前に、お花摘みに行きたかった、私とニアは、寮の方が近いと言うことで、ルドルフ様に連れられて、寮のを借りた。
その間、ルドルフ様は近くで、待っててくれた。ついでに、ルドルフ様は、帰る時までバスケットを寮で預ってくれるようにも頼んでくれた。その後、ジェイソン様とも合流して、会場に入り、A組の場所へ行き、4人で並んで座った。
だがそれまで一度も、ピンク色の髪は、見なかった。ニアとコッソリ、頭を寄せて(見た?)と確認し合ったが、二人共見ていない。
でも、何が起こるか解らないから、用心しようと、頷きあった。
仔猫が二匹じゃれてる姿も、可愛いね♪とルドルフ様は呑気に言って、笑っていた。
私とニアは、ルドルフ様達と、離れて座りたかったが(私には君達しか、知り合いがいないから、一緒に座ろう)と言われて、並んで座っている。
とてもそんな事を、気にするような人に、見えないのだか、上位貴族には逆らえない。
左から、ルドルフ様・ニア・シャトン・ジェイソン様の順番である。私とニアにとっては、後が怖い席であった。
式が始まり、暫くすると、先生に連れられて、ピンク色が見えた!!
A組とD組では席が離れているので、顔は確認出来なかった。
ニアと(見た?)(見た!!)と、コソコソまた頭を寄せて、下を向きながら、話していた。
学園長や先生方の話も終わり、最後に王太子様が挨拶をされた。
(私は、初めて王太子様を見ました。お名前は、アンソニー・ロビンス王太子様です。
ブループラチナの髪色でサファイア色の瞳でした)
確かに王族らしい端正な顔で、美丈夫ですが、本に書いてあったような、一目で恋には落ちませんでした。
(あぁ…、王太子様なんですね。って、感想でした。でも、目が合ったような気もするのですが、気のせいでしょうか?)
新学期式も終わり、それぞれ自分の教室に向かいます。
休憩も挟むので、30分後には、教室に入って、いなければなりません。
生徒達が、パラパラと会場を出て、移動を始めた時、突然、ヒロインさんが、先生の腕を掴みながら、私とニアの前に来て、叫びました。
「この人達です!!この人達に、足をかけられて、転んだせいで、遅れたんです。酷いです。
平民だからって、虐めるんです!!」
そう叫んで、私とニアを指差した。そして、ルドルフ様とジェイソン様に助けを求めた。
「ルドルフ様とジェイソン様、この二人は、私が平民だからって、虐めるんです。助けて下さい!!」
と言って、泣き出した。
私は驚いて(えっ?何?)と、目が泳いで、ニアを見つめていました。
すると、ニアは、私の耳元に、口を寄せて小声で(ほらね、冤罪をかけて来るでしょ?アレ嘘泣きだから)って、言った。
((‥‥‥))
ルドルフ様が、冷たい視線を向けて、ヒロインさんに言った。
「君は誰かな? 私は君と、今初めて会うのに、勝手に名前を、呼ばないでくれるかな。あぁ…平民だから、常識がないんだね。
僕の名前は、ルドルフ・シュタイナーだよ。今度からは、シュタイナー様と呼ぶようにね。それと目下の者が、勝手に話しかけないでくれ。これも常識だよ。
後、平民でも、知ってる常識を、君は知らないのかな?人に指を指しては、い·け·な·い·って。
後、何だったかな?ニアとシャトンに足を引っ掛けてられて、虐められたんだっけ?」
ヒロインさんは、言いました。
「ルドルフ様!! そ、そうなんです!!酷いです。この二人!!」
ルドルフ様は、呆れた顔をして言います。
周りの生徒も、先生方も、足を止めて私達を、見ています。
「君は相当、記憶力が悪いんだね?今、言ったばかりだよ?勝手に名前を呼ぶなって。それに、君は何時に学園に着いたのかな?教えてくれるかな?」
ヒロインさんは言いました。
「9時です。早めに来たんです。それなのにその二人が…」
「そう。9時なんだね。それじゃあ、人違いだよ。君が誰かと、間違えているんだよ。ニアとシャトンに、謝って貰おうか。こんな騒ぎを起こして」
ヒロインさんは、しつこく言います。
「間違いじゃありません。この二人です。馬車から降りて来て、私の側に、来て虐めたんです」
「ねぇ?君さぁ、メガネが必要なんじゃないかな?9時に馬車から、ニアとシャトンは、降りてないよ。
9時には、まだ会場の入口近くの、花壇の側で、僕とジェイソンと4人で、朝食を楽しんでたからね。それは、殆どの先生方や、生徒が見てるよ?
だって、僕達は、7時30分からずつと、そこにいたんだからね」
「先生も、見てますよね?」
先生も答えた。
「あぁ…見ているよ。この、サニー壌にも、何度も言ってるのに、話が通じないんだよ。全く、こんなんで、学園の勉強が解るのかね?」
ヒロインさんは、今度はジェイソン様に、助けを求めた。
「ジェイソン様、信じて下さい。あの二人にルドルフ様は、騙されているんです」
ジェイソン様も、冷たい視線を向けて言った。
「私も貴方と、初めて会いますよ?ジェイソンが先程、言ったばかりなのに、何も覚えてないのですか?
先生方、この平民の方の入学は、取り消した方がいいのでは?これ程、記憶力が無くて、話が通じない方には、教えるだけ無駄ですよ?
生徒の皆さん、9時にこの方が、虐められてる所を見た人は、いますか?いたら挙手して下さい。
‥‥‥いませんね。
では、朝から、会場横の花壇で私達4人を見た方は、挙手して下さい。
‥‥‥皆さん、手を上げましたね。
ほら?言った通りでしょう?」
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