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税制改革は波乱だらけ
支出を抑えろ!
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ルーグスの意見に特に異論はなく、そのままアイヒシア商会のレシツィア王国内の関税軽減や運営許可などの書類に王太子の名でサインを書き続けた。
それから一ヶ月ぐらいがたった。自室から街を眺めているとつらつらと大通りを通る馬車群が目に入った。そこについている紋章は確かに、アイヒシア商会のものだった。
「マジだったんだなぁ。ルーグスの話。」
こうなると最早信じるしかない。信じ難いが、アイヒシア商会はツヴァイシア公爵家が牛耳っているらしい。
「ル、ルーグス様のお話って、一体?」
側に居たゼールストワイズがそう聞いてきた。別にこいつには言ってもいいだろう、とゼールストワイズに先のツヴァイシア公爵家とアイヒシア商会の関係を話す。
「ツヴァイシア公爵家があのアイヒシア商会の実質の支配者...最早レシツィア王国で最も強いのは王家でなくツヴァイシア公爵家では?」
そんな疑問を王太子に投げかける。
「ああ、俺もそう思うよ。」
ゼールストワイズに同意する。
さて、アイヒシア商会が王国に参入したからといって、後は指を食わえて傍観する訳にもいかない。
次に改善すべきは支出の面だ。
元々既に過剰なおもてなしや王族の豪遊の支出は父の時代に改善された。ならば次にもっと他の面の無駄を省く必要がある。
そう思い真っ先に思いついたのが王宮の無駄さだ。まだレシツィア王国が大陸中東部の殆どを治めていた時に造られたこの王宮は、今のレシツィア王国にとっては明らかに大きすぎるし、無駄の塊だ。
だが、新しく小さめの王宮を造る余裕すらレシツィア王国には無い。
その為、今できる事は使っていない所の有効活用だ。
真っ先に目についたのは、王宮の中でも街に出っ張った半島みたいになっている、第三武道館の存在だ。建物自体俺は使った所を見た事がない。
早速視察する為に爺に言ったら、たまたま予定がなく、その日のうちに行ける事が決まった。
長い長い廊下を歩くと漸く、お目当ての建物、第三武道館が見えてきた。
思ったよりも全然立派な建物だ。外壁は綺麗に塗られ、豪華な装飾や綺麗な文様の床が俺を迎えいれた。それはたとえ長年使われていなくとも、十分に武道館としての威厳と美しさをたたえている。
さらに驚いた事ぬに、床にも一切、埃すら落ちていない事だ。
「なあ、もしかしてここも毎日掃除しているのか?」
俺の案内役を務めている第三武道館管理総責任者テール=エールソンに尋ねる。
「ええ、勿論でございます。例え使われなくとも、何時でも王族の方々に見せても恥ずかしくない武道館を保つ、これこそ我らの使命でございますから。」
そういうテールの目には、確かにその役目を果たせれ高い誇を感じさせた。
それから一ヶ月ぐらいがたった。自室から街を眺めているとつらつらと大通りを通る馬車群が目に入った。そこについている紋章は確かに、アイヒシア商会のものだった。
「マジだったんだなぁ。ルーグスの話。」
こうなると最早信じるしかない。信じ難いが、アイヒシア商会はツヴァイシア公爵家が牛耳っているらしい。
「ル、ルーグス様のお話って、一体?」
側に居たゼールストワイズがそう聞いてきた。別にこいつには言ってもいいだろう、とゼールストワイズに先のツヴァイシア公爵家とアイヒシア商会の関係を話す。
「ツヴァイシア公爵家があのアイヒシア商会の実質の支配者...最早レシツィア王国で最も強いのは王家でなくツヴァイシア公爵家では?」
そんな疑問を王太子に投げかける。
「ああ、俺もそう思うよ。」
ゼールストワイズに同意する。
さて、アイヒシア商会が王国に参入したからといって、後は指を食わえて傍観する訳にもいかない。
次に改善すべきは支出の面だ。
元々既に過剰なおもてなしや王族の豪遊の支出は父の時代に改善された。ならば次にもっと他の面の無駄を省く必要がある。
そう思い真っ先に思いついたのが王宮の無駄さだ。まだレシツィア王国が大陸中東部の殆どを治めていた時に造られたこの王宮は、今のレシツィア王国にとっては明らかに大きすぎるし、無駄の塊だ。
だが、新しく小さめの王宮を造る余裕すらレシツィア王国には無い。
その為、今できる事は使っていない所の有効活用だ。
真っ先に目についたのは、王宮の中でも街に出っ張った半島みたいになっている、第三武道館の存在だ。建物自体俺は使った所を見た事がない。
早速視察する為に爺に言ったら、たまたま予定がなく、その日のうちに行ける事が決まった。
長い長い廊下を歩くと漸く、お目当ての建物、第三武道館が見えてきた。
思ったよりも全然立派な建物だ。外壁は綺麗に塗られ、豪華な装飾や綺麗な文様の床が俺を迎えいれた。それはたとえ長年使われていなくとも、十分に武道館としての威厳と美しさをたたえている。
さらに驚いた事ぬに、床にも一切、埃すら落ちていない事だ。
「なあ、もしかしてここも毎日掃除しているのか?」
俺の案内役を務めている第三武道館管理総責任者テール=エールソンに尋ねる。
「ええ、勿論でございます。例え使われなくとも、何時でも王族の方々に見せても恥ずかしくない武道館を保つ、これこそ我らの使命でございますから。」
そういうテールの目には、確かにその役目を果たせれ高い誇を感じさせた。
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